著者
美藤 純弘 藤井 昭仁 舩橋 誠 小橋 基 松尾 龍二
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.236-236, 2007

We showed the glutamatergic, GABAergic and glycinergic synaptic inputs to superior salivatory (SS) neurons which is the primary center of submandibular salivary secretion. This glutamatergic input is considered to derive from the forebrain and brainstem. In the present study, we studied how SS neurons receive the glutamatergic inputs from the forebrain and brainstem in rats. The SS neurons innervating the salivary glands were labeled by retrograde axonal transport of a fluorescent dye. Subsequently some rats were decerebrate. Whole-cell patch-clamp recordings were performed from the labeled cells in slices. Excitatory postsynaptic currents were evoked by electrical stimulation near the recording cell. As compared with normal SS neurons, decerebrate SS neurons showed 3 types of the responses: enhanced responses, similar responses, no responses. The SS neurons which showed enhanced EPSCs receive the excitatory inputs from forebrain and brainstem. Decerebration induced denervation-hypersensitivity in the glutamate receptors. Enhanced EPSCs may be evoked by stimulation of glutamatergic inputs from brainstem. The SS neurons displayed similar responses have mainly excitatory inputs from the brainstem. The SS neurons which displayed no responses produced larger currents by the application of glutamate, suggesting that this type has excitatory inputs exclusively from the forebrain. <b>[J Physiol Sci. 2007;57 Suppl:S236]</b>
著者
木村 雄貴 平林 由希子 木下 陽平
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2015

全球平均気温は2000年代に昇温傾向が止まり、いわゆる温暖化ハイエイタスの時期になっているといわれているが,陸上気温の高温極値は上昇し続けている.一方, 地球温暖化が進行すると世界の多くの地域で河川洪水の頻度が上昇することがいくつかの研究で指摘されており, 陸上の気温と洪水頻度には強い正の相関があることも指摘されているため, 温暖化ハイエイタスといわれる2000年以降についても世界の洪水の頻度が増加している可能性がある.そこで本研究では,流量観測データや全球河川氾濫モデルによる河川流量再解析データを用いて, 温暖化ハイエイタス期の洪水頻度について解析を行った. その結果,既往の研究で指摘されている通り,陸上の、年最大日平均気温に関しては上昇していることがわかった.また,GRDCの流量観測データと河川流量再解析データによる洪水頻度指標の双方において,20世紀から21世紀に洪水頻度指標が上昇しており, 2000年以降もその上昇傾向が続いていることが判明した.全球平均気温は2000年代に昇温傾向が止まり、いわゆる温暖化ハイエイタスの時期になっているといわれているが,陸上気温の高温極値は上昇し続けている.一方, 地球温暖化が進行すると世界の多くの地域で河川洪水の頻度が上昇することがいくつかの研究で指摘されており, 陸上の気温と洪水頻度には強い正の相関があることも指摘されているため, 温暖化ハイエイタスといわれる2000年以降についても世界の洪水の頻度が増加している可能性がある.そこで本研究では,流量観測データや全球河川氾濫モデルによる河川流量再解析データを用いて, 温暖化ハイエイタス期の洪水頻度について解析を行った. その結果,既往の研究で指摘されている通り,陸上の、年最大日平均気温に関しては上昇していることがわかった.また,GRDCの流量観測データと河川流量再解析データによる洪水頻度指標の双方において,20世紀から21世紀に洪水頻度指標が上昇しており, 2000年以降もその上昇傾向が続いていることが判明した.
著者
海老原 覚
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 = The Japanese journal of taste and smell research (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.61-67, 2014-04

唾液量の減少は呼吸器感染症と関連がある。唾液内の雑菌を誤嚥することによって起こると考えられる誤嚥性肺炎においても唾液の減少が問題を起こすからである。したがって、高齢者に対する誤嚥性肺炎の予防策としてドライマウス対策が重要であると考えられる。さらに、直接的嚥下障害対策も重要であり、高齢者の衰えた嚥下機能を回復するために様々な方法が試みられている。香辛料による温度受容体刺激は、直接の知覚神経末端への作用に加え、嚥下に必要な脳活動部位のうち知覚に関する領域を活性化して、嚥下反射を促進する作用があることが示されている。なかでも、黒胡椒の匂いによる嗅覚刺激は、大脳島皮質と前帯状回を活性化して、高齢者の衰えた嚥下機能を回復できることがわかった。この方法はどんな状態の高齢者にも有用であるが、介護者の手間を要するため、簡便に高齢者を24時間刺激し続ける方法を開発した。以上のように、辛味と匂い刺激を組み合わせることにより、効率的に誤嚥性肺炎患者の再誤嚥をかなりの程度防ぐことができたので、本稿で紹介する。
出版者
BOC出版部

幌延問題と私たちうずくもの 田代慶子「幌延問題」とは 小坂啓子私の幌延日記から 田代慶子幌延問題と女たち 山内恵子幌延問題を通して 小坂啓子女たちのネットワークを 京田初美決してあきらめないこと 那須友子6月28日/幌延行 浅野晃彦肝っ玉おばさんの悔恨 石田和子核と緑は共存しない 平田寿子自らを装う 丹藤正代<新連載>働き続けた40年 辻和子母子保健法への布石始まる ほか女の講座・女のつどい
著者
豊田 將盟
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.433-441, 1996-06-01
参考文献数
41
被引用文献数
9 1

歯科臨床において,顎口腔系の状態変化などによる自律神経機能に及ぼす影響を評価することは,顎頭蓋機能異常患者などの診断および患者の不定愁訴に対する改善を把握する一助として,意義あるものと思われる.本研究は,医科の分野で自律神経機能の1つとして応用されている指尖容積脈波および心電図を用いて,顎口腔系の不調和による自律神経機能への影響を交感神経系,副交感神経系の両面から評価するにあたり,その有用性について検討を行ったものである.
著者
岩山 和史 小野 圭昭 小正 裕
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.81-90, 2007
参考文献数
42
被引用文献数
2

本研究は,高さの異なる2種類の咬合干渉装置を付与し,対光反応を計測することにより,それぞれの咬合干渉が自律神経機能に及ぼす影響を明らかにし,その作用機序について検討した.<br>&nbsp;&nbsp;被験者は,全身および顎口腔機能に自覚的,他覚的な異常の認められない成人被験者5名とした.自律神経機能の計測には,赤外線電子瞳孔計を用いた.付与する咬合干渉の高さは,2mmならびに100μmの2種類とした.実験は,下顎安静時と,咬合干渉装置を装着して最大咬みしめを行わせたときの2条件にて行った.分析は交感神経機能の指標である初期瞳孔径,ならびに副交感神経の指標である最大縮瞳速度をパラメータとして行った.その結果,以下の結論を得た.<br>&nbsp;&nbsp;1.2mmの咬合干渉付与時,初期瞳孔径ならびに最大縮瞳速度は,すべての被験者において咬合干渉の有無による有意な差が認められ,咬合干渉付与時に散瞳傾向ならびに最大縮瞳速度の減少傾向が認められた.<br>&nbsp;&nbsp;2.100μmの咬合干渉付与時,初期瞳孔径ならびに最大縮瞳速度は,1名の被験者においてのみ咬合干渉の有無による有意な差が認められ,その傾向は2mm干渉付与時と同様であった.他の4名の被験者においては有意な差は認められなかった.<br>&nbsp;&nbsp;以上のことから,2mmの咬合干渉付与時には,すべての被験者において交感神経の興奮ならびに副交感神経の抑制が生じ,一方,100μmの咬合干渉付与時には,その反応性に個人差が存在した.これは,歯根膜感覚が自律神経機能に影響を及ぼすことは少なく,顎関節内の感覚受容器が刺激され,自律神経機能に変化が生じたと考えられる.
著者
和田 淳 勅使川原 早苗 中司 敦子 槇野 博史
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.996-1001, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10

バスピン(vaspin)は肥満ラットの内臓脂肪から発見されたアディポサイトカインである.肥満マウスへのリコンビナント蛋白の投与実験から肥満症におけるインスリン抵抗性を改善する代償因子であると考えている.バスピンはヒトの血中にも存在し,肥満症においては体格指数,インスリン抵抗性指数と正相関を認めるとの報告が多い.また2型糖尿病でも血中濃度が増加し,女性で高値である.アディポネクチンやレプチンとは異なった血中濃度動態を示しており肥満症治療の新たな分子ターゲットである.
著者
渡部 雅浩
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.277-279, 2014
著者
松尾 龍二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.4, pp.261-266, 2006-04-01
参考文献数
42
被引用文献数
10 3

唾液腺の活動は自律神経系が担っており,他の消化腺に見られるホルモンによる分泌の調節は知られていない.また副交感神経と交感神経の拮抗作用はなく,副交感神経は主に水分の分泌を調節し,交感神経は主にタンパク質成分の開口分泌に関与している.唾液腺の副交感神経と交感神経の一次中枢はそれぞれ延髄の外側網様体と胸髄の上部に位置している.これらの中枢は主に視床下部の支配下にあり,これに加えて口腔感覚の中継核や大脳辺縁系,大脳皮質が影響を及ぼすと考えられる.しかしこれらの上位の中枢は唾液腺に特有な中枢ではなく,摂食行動,体液浸透圧の調節,体温調節,咀嚼運動の調節,口腔感覚の情報処理などに関連した部位である.したがって唾液腺はこれらの調節機構や行動に必要な効果器の一つであると解釈される.ヒトでの唾液分泌は摂食行動との関連が深いが,実験動物(ラット)では体熱放散や毛づくろいでも唾液が分泌され,これらの機能は顎下腺が担っている.さまざまな唾液分泌の水分量とタンパク質量を比較することにより,その行動における自律神経系の役割を推察することができる.毛づくろいや体熱放散反応時には,副交感神経の活動が高い(20 Hz程度).一方,交感神経は摂食中に最も活動が高いが,体熱放散時の唾液分泌ではほとんど活動していない.この様な両自律神経系の協調性は視床下部の司令によると考えられる.また副交感神経の一次中枢(唾液核)では,全ての細胞が興奮性と抑制性のシナプス入力を受けており,それぞれ伝達物質はグルタメートとGABAまたはグリシンである.一次中枢には強力な抑制機序も存在することは明白であるが,分泌という一方向性の興奮性反応が注目されがちである.抑制系の中枢機序にも今後注目する必要がある.<br>
著者
和泉 博之
出版者
北海道医療大学歯学会
雑誌
北海道医療大学歯学雑誌 = The dental journal of Health Sciences University of Hokkaido (ISSN:18805892)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-62, 2010-06

味覚性発汗とは何かを述べたうえで、Frey症候群、汗腺・血管・唾液腺の自律神経支配、胸腔鏡下交感神経遮断術、味覚性発汗で発汗のみでなく発赤も起こる機序、味覚性発赤、血管拡張反応と発汗反応との違い、味覚性発汗の臨床的処置について概説し、最後に具体的な胸腔鏡下胸部交感神経遮断術に関する臨床報告を紹介した。
著者
永井 由美子 奥野 めぐみ 山下 茜
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.37-44, 2012-02

本研究は,休息時における歯磨き行為による疲労回復の効果について検討したものである。実験は計算課題を20分間行った後,10分間の椅座位安静とした。次に休息時に歯磨きをする群(歯磨き群)と歯磨きをしないで立った状態(立位待機群)とした。さらに10分間の安静を保った。安静時には生理的反応として心拍変動とフリッカー値を,心理的反応としてPOMS短縮版により感情・気分の状態を測定した。被験者は大学生(男子16名,女子14名)とした。実験Aでは,歯磨き群16名と立位待機群14名で比較を行った。実験Bでは,歯磨き群のみを対象とし,男子8名と女子8名で性別による比較を行った。 実験Aでは,副交感神経活動は,計算後と休息後の変化量が歯磨き群に比べて立位待機群が増加する傾向を示した。フリッカー値は,歯磨き群が立位待機群と比較して計算後よりも休息後の方が有意に高いことが認められた。POMSでは,T得点の変化量において歯磨き群の方が立位待機群に比較して疲労が軽減し,活気が上昇することが認められた。実験Bでは,男子の方が女子よりも歯磨きをすることによりフリッカーの値が有意に高いことが認められた。以上の結果から休息時の歯磨きは,身体をリラックス状態にさせて,大脳皮質の活動水準を高くして,疲労の気分を軽減することが示唆された。The purpose of this study examined the effect that recovery from fatigue by tooth brushing behavior in rest was restorativeness. The experimental condition assumed it a group of tooth brushing and a group of standing readiness. A subject calculated an experimental procedure for 20 minutes and rest for 10 minutes, rest of presence tooth brushing, and rest for 10 minutes more. In experimental A, we compared a measurement item with a group of tooth brushing between a group of standing readiness. In experimental B, only a group of tooth brushing does subjects, and subjects were eight male and eight female. In experimental A, quantity of change after rest compared parasympathetic nerve with a group of tooth brushing after calculation, and a standing position readiness group showed the determination which increased. A group of tooth brushing compared flicker value with a group of standing readiness, and rest was significant, and a high thing was recognized from the calculation back. In POMS, a group of tooth brushing compared it in a standing readiness group in quantity of change of a T score, and fatigue reduced it, and that animation rose was recognized. In experimental B, flicker value was significantly high was recognized by male tooth brushing its teeth than female. As for the tooth brushing of rest, as for the subjects, relaxation was in a condition by this study. Therefore, as for the tooth brushing behavior of rest, this study was suggested that it was effective methods.