著者
江原 遥 馬場 雪乃 内山 将夫 隅田 英一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

クラウドソーシング上の翻訳で高品質な訳を得るためには,同一文を複数の翻訳者に発注する必要がある.本研究では,高品質な訳が見込まれる翻訳者に優先的に作業を発注するため,翻訳品質を翻訳前に予測するモデルを提案する.提案モデルは言語テスト理論に基づき,原文中の単語を用いた単語テストを通じて翻訳者の語彙力を推定し予測に活用する.実験の結果,翻訳品質の予測精度と正しい訳文を得るまでの発注数が有意に改善した.
著者
藤本 泰文 久保田 龍二 進東 健太郎 高橋 清孝
出版者
Ecology and Civil Engineering Society
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.213-219, 2012
被引用文献数
3 1

オオクチバスとブルーギルは,日本各地に移殖された外来魚で,ため池はその主要な生息場所となっている.本研究では,オオクチバスおよびブルーギルのため池からの用排水路を通じた移出状況を調査した.私たちは宮城県北部に位置する照越ため池の用水路と排水路に,ため池から流出した魚類を捕獲するトラップを設置した.4 月下旬から 7 月下旬の調査期間中,これらの外来魚は用水路と排水路の両方から何回も流出しており,その流出のタイミングは,それぞれの水路の通水期間に限られていた.体長 125 mm の成魚のブルーギルも流出していた.ため池の魚類生息数を池干しによって調査した結果,ため池に生息する外来魚のうち,オオクチバスは 4. 0%,ブルーギルは 7. 1%が流出していたことが示された.外来魚の流出は繰り返し生じ,生息個体数の数%が流出していたことから,外来魚の流出は稀な現象ではなく一般的な現象である可能性が高い.この結果は,ため池が下流域への外来魚供給源となっていることを示す.周辺地域への被害拡大を防ぐためにも,ため池の外来魚の駆除は重要だと言える.
著者
堀口 良一
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大学法学 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.81-115, 2011-12

本稿は、日本学術振興会科学研究費補助金による研究課題「蒲生俊文の伝記的研究--戦前期日本における安全運動の基礎的研究」(研究代表者・堀口良一、研究課題番号21530575、研究期間2009-2011年度、研究分野・社会学、研究種目・基盤研究(C))の成果の一部である。[目次] はじめに, 1. 前史1883-1911年, 2. 東京電気時代1911-1924年, 3. 産業福利時代1924-1945年, 4. 戦後1945-1966年, おわりに, 謝辞, 文献, 付記
著者
堀池 清
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.117-123, 1976-02-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
45
被引用文献数
1 2 1
著者
Shigeru Suzuki Koji Hotta Eui Pyo Kwon Shun Fujieda Kozo Shinoda Masayoshi Kumagai Kentaro Kajiwara Masugu Sato Shigeo Sato
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
ISIJ International (ISSN:09151559)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.2158-2165, 2015-10-15 (Released:2015-10-28)
参考文献数
48
被引用文献数
7

Electron backscatter diffraction was used to observe the microstructure of an austenitic high-manganese twinning-induced plasticity steel and investigate the crystal orientation of grains in this steel. The results showed that mechanical twins are formed in a grain with a high Schmid factor during the tensile test. The orientation data obtained were used to estimate the anisotropic elasticity of the grains in the steel. The microscopic stress and strain evolved in the microstructure of the steel unloaded after plastic deformation were estimated using finite element method simulation in which the elastic anisotropy of the steel was taken into account. The simulation indicated that the evolution of microscopic stress and strain in the microstructure is considerably influenced by the crystal orientation of the grains. Furthermore, white X-ray diffraction with microbeam synchrotron radiation was used to characterize the evolution of microscopic stress and strain in the grains of the steel. The stress analysis during white X-ray diffraction indicated the formation of residual microscopic stress after tensile deformation, which was found to be distributed heterogeneously in the steel. It was also shown that the direction of the maximum principal stresses at different points in the microstructure under loading were mostly oriented along the tensile direction. These results are fairly consistent with the results obtained by the simulation, although absolute values of the real principal stresses may be influenced by the heterogeneously evolved strain and the several assumptions used in the simulation.
著者
山口 晃弘 蜂須賀 喜多男 堀 明洋 廣瀬 省吾 深田 伸二 宮地 正彦 碓氷 章彦 渡辺 英世 石橋 宏之 加藤 純爾 神田 裕 松下 昌裕
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.455-463, 1985-04-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1 36

過去14年間に手術を行った消化管原発の悪性腫瘍は2,721例で,その内訳は胃癌1,904例,小腸悪性腫瘍34例,大腸癌783例で,このうち穿孔をきたした症例の頻度は胃癌18例(0.95%),小腸悪性腫瘍3例(8.8%),大腸癌36例(4.5%)であった. 胃癌穿孔例はすべて進行癌であり,組織学的には中分化型管状腺癌が多く, ps(+),脈管侵襲も高度な症例が多数を占めた.切除率は100%であったが治癒切除は4例(22.2%)にすぎなかった.手術直接死亡率は22.2%,累積5年生存率0%, 4年生存率6.7%であった. 小腸穿孔は3例にみられ組織学的にはすべて悪性リンパ腫であった. 3例のうち1例は手術死亡し,他の2例も8カ月以内に全身の悪性リンパ腫に進展し死亡した.小腸悪性リンパ腫の穿孔は予後が極めて不良と考えられた. 大腸癌には遊離穿孔と被覆穿孔がみられ,遊離穿孔は左側結腸癌,直腸癌に多く,被覆穿孔は右側結腸癌に多い傾向があった.癌の口側穿孔例が7例(19.4%)にみられ,すべて遊離穿孔であり,主病巣はS字状結腸より肛門側にみられた.大腸癌穿孔例は組織学的には高分化ないし中分化腺癌が大半を占め,深達度ssの症例が半数であった.治癒切除は穿孔例の50%に可能であったが,手術直接死亡率は16.7%ですべて細菌性ショックによるものであった.治癒切除例の累積5年生存率は59.6%であり,胃癌穿孔,小腸悪性リンパ腫穿孔例とくらべはるかに良好な成績が得られた.大腸癌穿孔例では全身状態を考慮し,より積極的に根治手術を行うことが望ましいと考えられた.
著者
大庭 正八
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.833-857, 1994-12
被引用文献数
1 1

1886年から1889年にかけての東海道鉄道(現JR東海道本線)建設のとき,静岡県内の宿場町や農漁村では鉄道反対運動があったと伝えられるが,それは鉄道忌避伝説と称すべきもので,県内ではむしろ鉄道線路と停車場の誘致運動の方が盛んであった.鉄道に対する真の運動と称すべきものは,農業用排水,地域交通路の確保,治水,用地買収等の関係から提起された工事改善要求運動であった.<br> 東海道鉄道は日本の東西を貫く幹線として建設されたもので,その線路は,1890年第1回帝国議会召集までの期間内に,限られた予算内で完成させることが求められた.したがって線路の選定は,いちいち住民の忌避iや誘致について配慮することはなく,地形的に建設しやすく,あるいは勾配が緩やかで列車運転に適したルートが選定された.住民の反対のために線路が曲げられるようなことはほとんどなかったと考えてよい.しかし,停車場は,誘致運動のあった旧城下町・宿場町・港町や地の利を得た場所に多く設置された.
著者
伊東 弘文
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

第1に,統一後のドイツの財政・租税制度がどうなるかという点である。これはさしあたり,三つの局面に分けられる。ひとつは,ドイツ統合は制度面からみれば東ドイツの5州が西ドイツ11州からなる連邦共和国に加入する形をとったので,西ドイツの財政・租税制度が東ドイツに拡大して適用されるという局面である。西ドイツの財政・租税制度はドイツ特有の連邦主義の国家構造を支えるものであることが明らかにされた。ふたつめの局面は,それにもかかわらず,1990年8月31日の第2国家条約(統一条約)において東ドイツの5州に対して各種の例外措置が認められたことである。州相互間の水平均財政調整への不参加等がその例である。これらの例外措置は1994年をもって廃止されることになっている。三つ目の局面は,1991予算年度からどのような手直しが財政・租税面からおこなわれたかということである。これは現在進行中であるから今後も追う必要がある。第2に,地方財政・地方税制の次元でドイツ統合はいかに進行しているかを分析する点である。地方税制が安定し,これに支えられて地方財政(具体的には,毎年度の予算循環)が順調に経過するようになった時,東西ドイツ統合に伴う財政・租税問題が絡結する。なぜなら,財政の資源配分に係わる機能は,地方財政において主として実行されているからである。この見地から,東西ドイツの市町村を対比した財政構造と各種の財政指標の推移が分析された。さらに,地方税の基幹である営業税の改革の進行状況がサーウェイされた。