著者
後藤 美和 高野 義久 高濱 寛 橋本 洋一郎 長谷川 由佳 波多江 崇
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.34-41, 2015-06-10 (Released:2015-10-16)
参考文献数
15

To assess the changes in attitudes toward smoking after the smoking-prevention classes presented by Kumamoto Tobacco-Free Forum, this study administered a questionnaire survey to first-year junior high school students before and after a smoking-prevention class at a junior high school. The questionnaire that was used to pre and post comparison comprised thirteen items, ten from the Kano Test for Social Nicotine Dependence (KTSND-Youth) and three as follows: “I think I will be a smoker in the future,” “I think I will smoke about once,” and “What do you think of people around you who smoke tobacco?” The results of this pre- and post-class questionnaire indicate that attitudes toward seven items improved in a statistically significant way. These included four from KTSND-Youth: “Smokers cannot stop even if they want to,” “Smoking is adult-like and cool,” “Smoking is enjoys taste and a fragrance,” and “If it’s a place with an ashtray, it’s okay to smoke.” The smoking-prevention classes significantly decreased total KTSND-Youth scores. Furthermore, the analysis has clarified that the KTSND-Youth items: “Smoking is adult-like and cool” and “Doctor and school teachers say, ‘Tobacco is no good too much”, as well as the item “What do you think of people around you who smoke tobacco?” are significantly influencing factors for the item “I will be a smoker in the future.” These results indicate that the smoking-prevention classes presented by Kumamoto Tobacco-Free Forum were effective for decline in social nicotine dependence of the first-year students in junior high school.
著者
三木 有咲 波多江 崇 猪野 彩 井上 知美 上野 隼平 笠谷 君代 近藤 亜美 坂口 知子 佐々木 信子 田内 義彦 竹下 治範 辻 華子 中川 素子 野口 栄 長谷川 由佳 水田 恵美 矢羽野 早代 山根 雅子 濵口 常男
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.24-33, 2015-06-10 (Released:2015-10-16)
参考文献数
16

We implemented a questionnaire survey targeting mothers who are in child care and had participated in consultations regarding drugs and diseases. We examined the future roles of community pharmacists by exploring the mothers’ concerns and, anxieties about child cares and their backgrounds, and their expectations for profession of community pharmacist. Mothers have listed anxiety and concerns of child care about “dermatitis such as rash and atopic eczema”; “food allergies”; “infectious diseases such as measles, chicken pox, and mumps”; and “side effects of vaccination”. In addition, most of them indicated their own concerns and anxiety about “solutions to children’s illnesses.” Despite their anxieties and concerns, however, approximately 60% of the mothers have never consulted with community pharmacists. Among them, approximately a half of them indicated the following three reasons why they have never consulted with pharmacists: “I have nothing to talk about,”, “I do not know what I should talk about,”, and “I was not sure if it was alright to talk about my concerns.”. From these results, we concluded that community pharmacists in the future should improve their communication skills and inform their availability to consult about medicine and disease to local residents.
著者
徳井 教孝 三成 由美
出版者
中村学園大学薬膳科学研究所
雑誌
中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要 = Proceedings of PAMD Institute of Nakamura Gakuen University (ISSN:18829384)
巻号頁・発行日
no.5, pp.49-54, 2012-09-01

(要旨)多くの日本人は便秘の症状を有しているが、便秘を定義することはむずかしいとされている。これまで内科学では便秘は週に3回未満の排便と定義されることが多かったが、臨床上、多くの便秘患者は排便頻度が正常であるにもかかわらず、排便時のいきみ、便の硬さ、下腹部膨満感、排便後の残便感などを訴えるため、排便回数だけで便秘を評価するのは不十分であるとされ、2000年に米国消化器学会のコンセンサス会議が開かれ便秘の診断基準が作成された。一方、中医学における便秘の概念は毎日便通がないこと、毎日便通はあるが排便の時間が長い、便の質が硬いなどで、毎日便通があることが基本的に重要であると考えられている。病態的には水分(津液)不足と腸管の蠕動運動減退が関与していると考え、6つの便秘の体質が分類されている。1989年、癌患者のケアーのために便秘の評価尺度が開発された。この尺度は開発後、健常人を対象にした調査でも使用されているが、今後は健常人の便秘の病態を評価できる尺度の開発が望まれる。
著者
井出 陽子 向井 国昭
出版者
Japan Society for Software Science and Technology
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.108-113, 2011

高階述語の呼び出しなどに便利な無名述語(λ項の拡張)の構文および意味を標準のProlog意味論に基づいて定義し,SWI-Prologの上に実装した.無名述語の呼び出しに標準の単一化がそのまま使えるほか,パラメータを持つ無名述語も扱える.無名述語をコンパイル時に通常の述語として展開するので,通常の述語呼び出しと実行効率は同じである.実行時に動的に生成された無名述語に対しては専用のインタプリタで対応する.使用実験の結果,無名述語の利便性や記述力の高さ,安定性が確認できたので,標準環境として使えるように無名述語機能をパッケージ化した.
著者
橋爪 孝介 児玉 恵理 落合 李愉 堀江 瑶子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.1, 2014 (Released:2014-10-01)

本研究では、水田を利用した内水面養殖業が盛んに行われてきた長野県佐久市を取り上げ、佐久鯉に焦点を当てることで地域の内水面養殖業の変容を明らかにすることを目的とする。 現在では水田養鯉はほとんど行われなくなり、一部の自給的な生産を除き、養鯉のほとんどが内水面養殖業に特化した事業者によって担われるようになった。これらの事業者は養魚事業者、加工事業者、自給的養魚者の3つに類型化できる。事業者は佐久鯉の養殖だけでは現在経営を成り立たせることは困難であり、他の収入源を確保した上でコイの取り扱いを継続している。 厳しい経済状況でコイの取り扱いが継続されている背景として、地域に根差した鯉食文化の存在を指摘できる。佐久市では正月や慶弔時にコイを食べる習慣が維持されているほか、佐久鯉まつりの開催など地域のシンボルとして佐久鯉が活用されている。また市民団体・佐久の鯉人倶楽部による佐久鯉復権運動、食育活動、佐久鯉を活用した新商品の開発など、佐久鯉の消費拡大に向けた取り組みが行われ、地域の内水面養殖業を支えている。
著者
児玉 恵理 橋爪 孝介 落合 李愉 堀江 瑶子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.2, 2014 (Released:2014-10-01)

長野県佐久市では水田養魚という特徴的な内水面養殖業が行われ、養殖対象魚種は主にコイであった。戦後は米の収量が重視され、コイについても大型の切鯉が好まれるようになり、水田と養殖池は次第に分離した。生産面でも米は農家、コイは養殖事業者に分化した。こうした中、フナは水田での養殖(水田養鮒)が現在も行われており、農家の副業として継続されている。本研究ではフナに着目し、水田養魚の変容を明らかにすることを目的とする。
著者
中谷 英明 徳永 宗雄
出版者
神戸学院大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、『マハーバーラタ』と『ラ-マ-ヤナ』という古代インドの2大叙事詩の韻律の解明である。両名は2年来、2大叙事詩の韻律解明を行ってきたが、この過程において、インド古典期のもっとも普通の韻律形式であり、2大叙事詩においては9割以上を占めるアヌシュトゥブ(シュローカ)律の変遷を探るうち、アヌシュトゥブが、インド最古の文献『リグ・ヴェーダ』において、ガーヤトリー律から派生したことを示す新事実を発見した。『リグ・ヴェーダ』における生成から、2大叙事詩に至るまでのアヌシュトゥブの展開が、ここに初めて連続的に明らかになったと言え、インド韻律史上の重要事実であるから、本年度はこの発見を学界に報告することとした。その事実は、「韻律パターンの使用頻度」に関わる。パターンを一々数えなから作詩することは不可能であり、作者にとってほぼ無意識の領域に属すると推定される。しかし3行ないし4行から成る1詩の各行によって異なるパターン頻度が認められること、しかもそれが2種の異なる韻律(ガーヤトリーとアヌシュトゥブ)の間でまったく平行することは、熟練した詩作者の心の内にある微妙な韻律観念を映し取るものと言えよう。詩人のこの繊細な感覚には驚きを禁じ得ない。統計的研究は、今後この種の人間精神の精妙な働きを、さらに明らかにしてゆくであろう。またこの例は、古典期の複雑に規程された韻律形式が、本源において、ここに認められるような詩人の半ば無意識的な、柔軟なリズム的感性から発生し、次第に固定化したものであることを明瞭に示しており、インド韻律史的観点からも極めて興味深い。
著者
ラハマン モハマッド サイドゥル 中野 眞一 西関 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.98, no.380, pp.1-8, 1998-10-30

平面グラフGを整数格子上に次の(1)-(3)を満たすように描画したものをGの箱-矩形描画という.(1)各点は矩形として描画する.(この矩形を箱と呼ぶ.)(2)各辺は水平もしくは垂直線分として描画する.(3)各面の輪郭は矩形として描画する.平面グラフGの描画で, 各点を格子点として描画し, 各面の輪郭を矩形として描画したものを, Gの矩形描画という.箱-矩形描画は, 通常の矩形描画の自然な一般化である.本論文では, 平面グラフGが箱-矩形描画を持つための必要十分条件を与える.また, Gが箱-矩形描画を持つならば, その描画を求める線形時間アルゴリズムも与える.求められた描画の高さと幅の和は, m+2以下である.ここで, mはGの辺数である.
著者
佐々木 健 岸部 貴 竹野 健次 三上 綾香 原田 敏彦 大田 雅博
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi (ISSN:09193758)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, pp.432-446, 2013-08-25

光合成細菌,Rhodobacter sphaeroides SSIを,電磁石で回収可能な多孔質セラミックに固定化して,放射性核種であるU,SrおよびCoと重金属または有害金属のHg,Pb,Cr,CdおよびAsの除去実験を行った.ほぼ100%のU,82%のSr,58%のCoと,ほぼ100%の重金属または有害金属が,2-4日間,人工下水中で好気処理することにより除去された.廃棄ガラスで作製した多孔質セラミックにSSI株を固定化したところ,CsとSrの同時除去が達成された.1トンタンクを用いた屋外実証実験では,ほぼ100%のCsと,62%のSrが,2-3日の処理後に除去されていた,アルギン酸を用いて約2cmのビーズ状に固定化したSSI株を用いて,福島市中の学校の水泳プールの放射性Cs除去を行った.3日の好気処理で水泳プールの底の底質(ヘドロ)中に蓄積された放射性Csの約90%が除染された.このビーズは少なくとも3回は繰り返し使用が可能であった.回収したビーズは,低温(約600℃)で乾燥と灰化を行うと,重量と容量がそれぞれ,99.3%と97.3%に,放射能を大気中にまき散らすことなく減容できた.さらに,福島の放射能汚染された土壌について,乳酸発酵と嫌気消化を前処理として行い,引き続き固定化SSIビーズで追加処理を行ったところ,約19日のSSI株追加処理で放射能汚染土壌の放射能の約70%が除染された.このように,乳酸発酵と嫌気消化と固定化SSI処理を新規に組み合わせることにより,土壌に対する実用的かつ効果的な放射性Csの除染技術が開発された.
著者
香原 志勢 茂原 信生 西沢 寿晃 藤田 敬 大谷 江里 馬場 悠男
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
pp.1111180003-1111180003, (Released:2011-11-22)
被引用文献数
3 4

長野県南佐久郡北相木村の縄文時代早期の地層(8300から8600 BP(未較正))から,12体の人骨(男性4体,女性4体の成人8体,および性別不明の幼児4体)が,1965年から1968年にかけての信州大学医学部解剖学教室を中心とする発掘で出土した。数少ない縄文時代早期人骨として貴重なもので,今回の研究は,これらの人骨の形態を報告し,従来明らかにされている縄文時代早期人骨の特徴を再検討するものである。顔高が低い,大腿骨の柱状性が著しい,歯の摩耗が顕著である,など一般的な縄文人の特徴を示すとともに,早前期人に一般的な「華奢」な特徴も示す。脳頭蓋は大きいが下顎骨は小さく,下顎体は早期人の中でもっとも薄い。下顎骨の筋突起は低いが前方に強く張り出している。上肢は華奢だが,下肢は縄文時代中後晩期人と同様に頑丈である。他の縄文時代早前期人と比較検討した結果,縄文時代早期人の特徴は,従来まとめられているものの若干の改定を含めて,次のように再確認された。1)顔面頭蓋が低い。2)下顎は小さいが,筋突起が前方に強く張り出す。3)下肢骨に比べて上肢骨が華奢である。4)下顎歯,特に前歯部には顕著な磨耗がある。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1918年10月07日, 1918-10-07

1 0 0 0 OA クマ類

著者
高柳 敦
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.143-144, 2007 (Released:2007-08-21)
被引用文献数
3 3
著者
堀 匡 小林 丈真
出版者
日本学校メンタルヘルス学会
雑誌
学校メンタルヘルス (ISSN:13445944)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.41-48, 2010-10-01
被引用文献数
1

本研究は,大学生の愛着スタイルとソーシャルスキル,友人サポート,精神的健康状態との関連について検討することを目的とした。大学生を対象に質問紙調査を実施し,回答に欠損のない650名(男性264名,女性386名)を分析対象とした。分析は,まず,愛着スタイル尺度に関してクラスター分析を行った。その結果,安定群,アンビバレント群,回避群という3つのクラスターが抽出された。その後,各クラスターを独立変数ソーシャルスキル,友人サポート,精神的不健康度を従属変数とする一元配置の分散分析を行った。分散分析の結果, 1)アンビバレント群は,関係開始,主張性,感情統制,関係維持スキル得点が安定群,回避群に比べて有意に低く,解読,記号化スキル得点は安定群に比べて有意に低いこと, 2)回避群は,関係開始,解読,関係維持,記号化スキル得点が安定群に比べて有意に低いこと, 3)回避群は友人サポート得点が,安定群,アンビバレント群に比べて有意に低いこと, 4)アンビバレント群は,安定群,回避群に比べて精神的不健康度が有意に高いことが明らかとなった。以上の結果から,1)アンビバレント群では,主張性,感情統制,関係開始,関係維持,解読,記号化スキルを高めることが,2)回避群では,関係開始,関係維持,解読,記号化スキルを高めることが心理・社会的適応状態の改善に有効であることが示唆された。
著者
須藤 定久
出版者
実業公報社
雑誌
地質ニュース (ISSN:00094854)
巻号頁・発行日
no.541, pp.47-53, 1999-09