著者
恩田 裕一 辻村 真貴 野々田 稔郎 竹中 千里
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
雑誌
水文・水資源学会誌 = JOURNAL OF JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY & WATER RESOURCES (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.688-694, 2005-11-05
被引用文献数
9 18

近年,林業労働力の不足,材価の低迷のため,適切に管理されずに放置され荒廃した林分が年々増大している.従来の研究によれば,人工林,特にヒノキ一斉林では,樹冠の閉鎖が進むと下層植生が消失し,浸透能が低下することが知られていたが,従来の浸透能測定法では,裸地化した林床における浸透能を正確に表現していない恐れがある.そこで本研究では,冠水型浸透計,霧雨散水型浸透装置,樹幹上から散水をする大型の浸透計を用い林内における浸透能の把握をすることを目的に研究を行った.その結果,霧雨散水型が294-670 mm/h,冠水型浸透計での測定値は,210-456 mm/h程度とかなりばらつきが多く,また,非常に高い浸透能を示す.これに対し,降雨強度35-45 mm/hの人工降雨を4回,林冠上から散水した結果,浸透能は26-34 mm/hと一桁低い値で比較的安定した値を示した.人工降雨型の浸透試験器は,スプリンクラーにより樹冠上から散水されるために,雨滴径も大きく,林内雨を再現していると考えられるため,人工降雨型を用いた場合の値が,林床が裸地化したヒノキ林の浸透能を示すとするのが妥当であり,他の方法では過大な値を得る結果となる可能性が高い.
著者
山崎 治雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1483, pp.133-136, 2009-03-23

みなさんが寝静まっている午前1時に、私は目覚めます。そんな時間に起き出して何をしているのか。泥棒をしているわけじゃないですよ。「首都圏の台所」と言われる東京・築地市場で水産物の仲卸店を経営しています。仲卸業の朝は早く、午前2時には出勤します。 市場にはマグロ、カツオ、イワシなど、各地の漁港から水産物が次々と集まってきます。
著者
鍋谷 浩志
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.213-231, 2014-12-15 (Released:2015-02-05)
参考文献数
35

高品質の食品を効率的に生産するためには,目的に適した反応操作,分離操作を選定し,その工程を最適化することが求められる.逆浸透や限外ろ過といった膜分離技術は,消費エネルギーが少ない非加熱処理であるために,他の分離技術と比較して多くの特長を有する.我が国の食品産業においても多くの実用化の例がある.本報では,まず,液状食品の膜分離プロセスの最適化に関する取り組みを紹介する.バイオディーゼル燃料(脂肪酸メチルエステル)は,植物油から製造される軽油代替燃料である.我が国の場合,食用油の多くを輸入に頼っており,バイオディーゼル燃料の原料は,廃食用油や油脂の精製工程から排出される副産物(遊離脂肪酸)に程度に限られる.しかしながら,こうした原料を,アルカリ触媒を用いる従来法では処理することができない.後半では,アルカリ触媒を用いないバイオディーゼル燃料製造の開発とその経済性の評価に関する取り組みを紹介する.
著者
金沢 治子 岩崎 礼子
出版者
横浜女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:0389830X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.37-61, 1989-09-30

女子大生600名を対象に健康と食生活との関連性について,アンケート調査を行った。1)本対象の体格は身長・体重の平均値は157.6cm,51.1Kgであった。体格に対する自己評価については「太っている」と思っている者が64%と高率を示し過大に認識している者が多く細身志向といえる。2)健康観については,95%の者が「丈夫乃至普通」と回答しながらも冷え症や貧血の傾向にある。また健康の保持増進に対しては健康増進策をとっている者は48.5%であった。その手段としては眠を十分にとる58.4%,スポーツをする26.1%,食事に注意する24.4%を挙げている。3)不定愁訴で発症率の高い項目の順位は(1)体全体がだるく,つかれやすい(2)めまい,立ちくらみがよく起こる(3)便秘しやすい(4)すぐ汗をかきやすい(5)朝,気分よく起きれない(6)仕事をする気力がないであり,いずれも50%を越えている。不定愁訴皆無の者は600名中9名(1.5%)であり1人当り不定愁訴最多保有数は12種で2名(0.3%)であった。98%の者は不定愁訴保有者であり1人当り平均不定愁訴保有数は6種であった。4)本対象の食品類の摂取の仕方は「よく食べる」者では卵類,肉類が約半数(52%,49%)を占め,大豆製品,魚類は,20%,16%である。野菜類では,生野菜が65%と半数を上廻り,果物は50%であった。「よく食べない又はあまり食べない」者では,大豆製品,魚類,肉類及び卵類(22%,16%,7%,6%)の順位となっており,又果物9%,緑黄色野菜5%,生野菜3%であった。不定愁訴数と食品の摂取の関係は,肉類を「よく食べる」者は不定愁訴数の多い者の順に(A,B,C)増加したが,大豆を「よく食べる」者は,逆にA,B,C順に減少した。又魚類,卵類,緑黄色野菜,生野菜,果物,及びつけものは「食べない,又はあまり食べない」者が,A,B,C順に次第に増加した。不定愁訴数の少ない者は,多い者に比べ肉類の摂取が少なく,他の食品類は多く摂取していた。不定愁訴数の多い者ほど,食事内容が肉類にかたよる傾向にあった。食品の組合せは,「よく食べる」食品では肉類,魚類,卵類,及び豆類のうち1種類のみが約30%を占め,2種,3種の組合せは次第に減少し,4種類組合せる者は5%であった。又「食べない,又はあまり食べない」では,1種類だけが20%,2種,3種と次第に減少し,4種は1%であった。野菜類,果物類の組合せは,1種類だけは20%,2種,3種の組合せは30%をこえており,野菜類,果物類の摂取が多くなっていた。不定愁訴数と食品の組合せの関連では,不定愁訴数の少ない者と多い者と比べると,少ない者の方が多くの食品を組合せてBlanceよく食品類を摂取していた。5)牛乳の摂取の仕方は「毎日飲む」者は32%おり,「飲まない」者は29%であった。牛乳の摂取と不定愁訴数の間では,特に頻度差はみられなかった。6)食事の量を主食,副食共に「人並だと思う」者は,72%,68%と約2/3を占め,「人より多いと思う」者は主食で18%,副食では26%,「人より少ないと思う」者は11%,6%であった。食事の量と不定愁訴数の関係は,主食,副食共に「多いと思う」者の比率が,不定愁訴数の多い者ほど高い値となっていた。「少ないと思う」者では,副食については特別な関係はみられなかった。7)欠食率は朝食12%,昼食1%,夕食2%であり,61年度の国民栄養調査値より,3食共に低くなっていた。不定愁訴数の多い者ほど欠食率が高く,朝食では27%であった。この値は同年代の調査値の2倍となっていた。欠食の理由では38%の者が「時間がない」と回答をしていた。5%の者は「太りすぎを防ぐ」であった。8)外食率は,朝食2%,昼食15%,夕食11%であり,同年代の調査値よりすべてにおいて下廻っていた。特に昼食では約1/3低い値となっていた。不定愁訴数との関係は,3食共に不定愁訴数の多いものほど高い値となっており,特に多いCグループでは昼食を除き,同年代の値の2倍近い値となっており,不定愁訴数の少ない者は3食共に1/3の値であった。又食事にかける時間については,不定愁訴数の多い者ほど食事時間が早くなっていた。9)「夜食をする」者は過半数(59%)を占めていた。「夜食をしない」者に不定愁訴数の少ない者が多くみられた。夜の9時〜翌朝5時までの時間帯の喫食率は,PH9時代,AM0時代,2時代において,不定愁訴数の多い者ほど高い値であった。10)ファーストフーズの使用頻度は「毎日使用する」が約1%,「週又は月数回」が83%であったのに対し,同年代の調査結果では「毎日する」が15%,「使用しない」は皆無であり,本対象の方が低い値となっていた。又,不定愁訴数の多い者ほどファーストフーズ使用頻度が高く(A34%,B40%,C53%)「あまり使用しない」者は,同じ順に低く(A25%,B13%,C9%)なっていた。11)食品の組合せに対する食意識は「考える」者は10%,「意識しない」者は44%であった。不定愁訴数の少ない者ほど食品の組合せを考えており,多い者ほど意識する率が低くなっていた。
著者
吉田 緑 鈴木 大節 松本 清司 代田 眞理子 井上 薫 高橋 美和 小野 敦
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.39, pp.P-72, 2012

現在日本では農薬のヒト健康影響指標には、一日許容摂取量が慢性曝露に対する指標として設定されている。近年、海外や国際評価機関においては、この指標に加え、ヒトが極めて短期間に農薬を摂取した際の急性曝露影響に対する健康影響が評価され、その指標として急性参照用量(acute reference dose, ARfD)が設定されている。日本では急性影響評価は実施されていないが、ヒトが農薬等を短期間曝露した場合の急性影響評価およびその指標を設定は、食の安全のために重要である。そこで本研究では、食品安全委員会で公開された評価書およびFAMICで公開された農薬抄録を用いて、これらの農薬のARfDの設定を試みた。設定の基準として農薬の国際評価機関であるFAO/WHO 合同残留農薬専門家会議の基準を基本とした。[結果及び考察] 約200農薬の公開データからシミューレーションを行った結果、90%以上の農薬についてARfDの設定を行うことができた。ARfD設定根拠となる試験は発生毒性試験、急性神経毒性試験、薬理試験が多く、約30%の農薬で設定の必要がないと考えられた。農薬の作用機序別の比較では、全てのコリンエステラーゼ(ChE)阻害剤でARfD値設定が必要であり、その値は他の剤に比べて低く、ADIと近い値を示した。これはChE阻害作用が短時間に起きるためと考えられた。長鎖脂肪酸の合成阻害、細胞分裂時の紡錘糸機能阻害および昆虫の神経細胞に作用する剤ではADIとARfDの乖離が平均で300倍以上と大きいものが多かった。約10の農薬では急性影響に関するデータ不足によりARfDを設定できなかった。これらのデータ不足の多くは、評価書内の記載の充実(=投与開始直後に認められた変化の種類と観察時期)や投与翌日の検査を追加することで、多くの場合改善されると考えられた。
著者
内田 祥哉 森田 司郎 矢野 克巳
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.652, pp.60-63, 1999-11-01

ある現場で,工事主任さんから「こんなコンクリートを使っていたら建物が将来どうなるのか,心配で寝られない」という話を聞かされたことがあります。人手不足に加えて生コンなどの品不足も深刻で,やっと現場に生コンが入ったと思ったらシャブシャブ。これじゃ困ると断ろうにも工期が延びるから断れない。結局それを使うことになるが,できたものを見ると自信を持てない。
著者
山田 真由美
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要 : 社会学・心理学・教育学 : 人間と社会の探究 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.78, pp.179-181, 2014

平成25年度博士課程学生研究支援プログラム研究成果報告研究目的研究の背景研究成果1 『歴史的世界』(1937)における「主体」2 『教育哲学』(1970)における「主体」3 むすびと今後の課題
著者
山下 雅子 前田 樹海 北島 泰子 辻 由紀
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2014 (Released:2014-10-05)

入院患者の死期予見経験を持つ看護職の存在については、逸話として耳にすることはあってもその実証的研究はほぼ皆無である。本調査では、それが実体のない風聞なのかそれともそのような予見経験を自覚する看護職は実在するのかを実証的に調べることにより、一般にはあまり知られていない、看護職内での直感的推論の例を示すデータを提示することを目的とした。結果として調査対象者(277名)の約3割が、生命徴候変化の無い死期予見経験がある、またはそのようなことができる看護職を知っていると報告していることから、患者の死期予見は全くの風聞ではなく、少なくともその経験を自称する看護職は稀な存在ではないと考えられた。
著者
奥田 俊博
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.43-55, 2009

国語科教育は文学的文章の読解を中心とする指導から、日常生活における的確な情報伝達に重点を置く指導へと変化しつつあり、現行の学習指導要領においても、これまでの「表現」と「理解」から、「話すこと・聞くこと」、「書くこと」、「読むこと」の3領域が設定されたように、読解の比重が相対的に低くなっている。とはいえ、文学的文章の表現技法を的確に読み取り、さらに、その技法を自らの表現活動に役立てることは、国語科教育の目標達成において必要である。本稿では、中学校国語科で学習する表現技法のうち、比喩を取り上げ、主な教科書に取り上げられている比喩の説明、ならびに、比喩の理解が指導項目に入っている教材に見える比喩表現や、比喩に基づいて作られている慣用句を対象にして、比喩表現の指導内容を検討するとともに、直喩や隠喩だけでなく、換喩に基づく表現についても指導する必要性について述べる。

1 0 0 0 OA 出雲陶窯

著者
桑原羊次郎 著
出版者
島根県教育会
巻号頁・発行日
1933

1 0 0 0 OA お菓子の国

著者
水谷まさる 著
出版者
金蘭社
巻号頁・発行日
1929
著者
稲垣 道夫 岡田 明 小林 志希男 木村 勝美 福原 煕明 松本 庄次郎 青木 孝夫 中野 恵司 兼古 光行
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.775-783, 1982-09-05
被引用文献数
1

For purpose to obtain the fundamental data of securing the reliability of welded joints, the establishment of welding control technique to make weld defects of arc welded joints in the natural condition, the design and trial making of ultrasonic point focussed probe in order to detect quantitatively planar defects and their application were carried out. And also, effects of the lack of penetration with one side welding of SM50B steels on the fatigue test results of welded joints were investigated. The main results are as follows; (1) Relation between the lack of penetration and welding condition in gas metal arc (GMA) welding were made clear. (2) The point focusing angle probe using spherical tansduser in ultrasonic detecting method was applied to the measurement of the size of lack of penetration. In case that the root face of butt welded joint was gas cut, the detecting accuracy was about±0.5mm. However, in case that there were blow-holes or some weld defects on the way of passing of ultrasonic beam or near the root, the size of planar defect was often mistaken. And also, in case that the root face was closely attached by welding, the detection of lack of penetration was often difficult. (3) The uniaxial stress fatigue strength of arc welded joints for SM50B steels which have the lack of penetration of about 2∿4mm in depth, without reinforcement and finished surface, was extremely lower than that of base metal and welded joints which have full penetration, without reinforcement and finished surface And the fatigue strength of arc welded joints with reinforcement showed the intermediate values between that of base metal or welded joints which have without reinforcement and finished surface and that of welded joint which have the lack of penetration of about 2∿4mm in depth, lowered fairly in comparison with that of base metal. These test results were discussed with non-linear fracture mechanics, consequently, the fatigue limits of welded joints are evaluated with effective notch depth as a whole.
出版者
第一高等学校
巻号頁・発行日
1939
著者
ナラキョウイクダイガクスウガクケンキュウカイ 奈良教育大学数学研究会
出版者
奈良教育大学数学研究会誌刊行会
雑誌
飛火野 : 奈良教育大学数学研究会誌
巻号頁・発行日
vol.18, 2002-06-15

【表紙】【目次】【巻頭言】【数学教育講座からの近況報告】河上哲【教材開発レポート:楽しい授業を探ろう】「総合演習・数楽探検」でのポートフォリオ評価/はかりを使おう。にせものの銀貨はどれ?/ふしぎ、不思議、あみだくじ/うそつきはだれだ!/コインの裏表の確率【就職戦線レポート】奈良県公立学校教員採用候補者選考試験の最近の動向について 川崎謙一郎/教員採用試験体験記 中村友子/平成13年就職活動 これから就職活動される方へ 脊尾美里【研究報告】図形に見る微分のイメージ 西山周平/数学の有用性を感じることができる教材について 鈴木牧子/「FixedPoints」 ―アメリカ人が選んだロシアの教科書― 真下ひづる【2001年度数学・情報研究会活動報告】算数・数学教室 新井佳奈/教育実習を終えて 井上浩一・水野大輔・鳥島浩之【2001年度修士論文・卒業論文】【編集後記】