著者
苅込 正敞 西村 崇
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J97-B, no.9, pp.738-751, 2014-09-01

移動通信システムの基地局アンテナでは多くの場合,垂直面内指向性の主ビームにチルトをかけてサービスエリアを調整している.そのチルト角はトラヒックの変動に対応して遠隔で,または現場で制御できることが要求される.チルト角を電気的に調整するための移相器は100〜500Wの耐電力で,低損失,低PIM特性が要求され,アンテナレドーム内部に収納できるよう小型・軽量でなければならず,基地局アンテナのキーパーツの一つであると言える.こうした移相器には各種のタイプが開発されており,同軸管型,誘電体装荷型,摺動回転型といったタイプがある.これらの移相器のうちで基地局アンテナに実際に適用されていると思われるタイプについて,その構造を述べ,特徴を考察した.次いで著者らが開発した移相器について,その構造・特性を述べた.更に移相器のみを用いてアレーアンテナ全素子の励振振幅並びに位相を制御する方法と8素子での全素子制御の計算例を示した.
著者
李家 賢一
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.15-22, 2003-02-25
被引用文献数
4
著者
白岩 広行 シライワ ヒロユキ
出版者
大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
雑誌
阪大社会言語学研究ノート
巻号頁・発行日
vol.8, pp.14-29, 2008-03

福島方言の文末詞ケは「思い出し」の意味しか持たない(§2. )。しかし、ノダにケが接続したノダッケという表現のなかに、ケの「思い出し」の意味にはそぐわないものが見られる( §3. )本稿では、このノダッケを、ひとまとまりの文末表現として分析した。その特徴は以下の通り。形態統語論的特徴 : 必ず平叙文の文末に生起する。また、いずれの文末詞とも共起しない(§4.)基本的意味 : 先行文脈に対する説明づけ、あるいは後の文脈の前置きとして、聞き手にとって未知と話し手が考えている情報を提示する(§5. 1.)。ノダッケは、ノダと同じく説明づけに関わる表現だが、ノダよりも使われる用法は限られている。つまり、ノダの様々な用法のうち、次の3つの条件を満たす場合にしか使えない(§5. 2.) 。①対人的な用法②前か後いずれかの文脈との関係づけが見られる③当該の情報が聞き手にとって未知である(と話し手が考えている)談話的な面では、話し手のターンを維持するために使われることがある(§5. 3. 1.)。また、聞き手に反発をするような場合、特殊な現れ方をする(§(5. 3.2)
著者
藤澤 茜
出版者
学習院大学
雑誌
研究年報 (ISSN:04331117)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.103-118, 2003
著者
堀田 真紀子 玄 武岩 西村 龍一 田邉 鉄 宇佐見 森吉 川嵜 義和 坂巻 正美 富田 俊明 常田 益代 竹中 のぞみ 原田 真見 浜井 祐三子 石橋 道大
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、文化の持つエンパワメント機能に注目し、地元北海道を中心に、小規模農業従事者、障害者、少数民族といった社会的、経済的弱者を主体にしたり、対象にした文化発信を研究。全員がイニシアティブを担える脱中心的な構造を持つものほど、当該者のエンパワメントにつながること、また地域の立場と、海外の類似事例の担い手との交流や、実践者と研究家の交流が、とくに効果的に働くことを明らかにすることができた。
著者
新 博行 前田 規行 岸山 祥久 佐和橋 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.150, pp.61-66, 2002-06-21
被引用文献数
41

本報告では,時間領域の拡散を優先的に用いる2次元拡散を適用した可変拡散率(VSF : Variable Spreading Factor)OFCDM(Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)を提案し,データ変調,チャネル符号化率,拡散率の無線パラメータ,および伝搬条件(遅延スプレッドσ,最大ドップラ周波数f_D)に対して,時間および周波数領域の最適な拡散率を明確化した.シミュレーション結果より,σ<0.37μsecにおいて,QPSKデータ変調にチャネル符号化率R=1/2または3/4のターボ符号化を適用した場合,最大128までの拡散率において,拡散による周波数ダイバーシチ効果が得られるため,周波数領域の拡散を用いた方が所要平均受信E_s/N_O(情報1シンボル当たりの信号電力対背景雑音電力密度比)を低減できることを示した.一方,16QAMデータ変調を用いた場合には,コード間の直交性を保つために,時間領域のみの拡散を用いたVSF-OFCDMが,所要平均受信E_s/N_Oを低減できることを示した.したがって,多値データ変調を用いる適応変復調・チャネル符号化を適用した場合には,総合的に時間領域の拡散を優先的に用いる2次元拡散が適していることを明らかにした.
著者
渡辺 勇三
出版者
一般社団法人日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.21-22, 2005-05-14
被引用文献数
3
著者
NAOMICHI OGIHARA HIDEKI AMANO TAKEO KIKUCHI YUSUKE MORITA KUNIHIRO HASEGAWA TAKANORI KOCHIYAMA HIROKI C. TANABE
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (ISSN:09187960)
巻号頁・発行日
pp.141109, (Released:2015-01-29)
被引用文献数
4 15

In order to discuss possible differences in brain anatomy between Neanderthals and early modern humans, the original antemortem appearance of fossil crania that enclosed the brain must somehow be correctly restored, as soft tissues such as the brain are generally not fossilized. However, crania are typically fractured, fragmented, and deformed due to compaction and diagenesis. Furthermore, recovery of all component fragments of fossil crania is rare. Restoration of the brain morphology of fossil crania therefore necessitates correct assembly of the available fragments, eliminating distortions, and compensating for missing parts as a first step. This paper reviews the current status of computerized reconstruction methods, then provides an overview and future directions toward digital reconstruction of fossil crania and the associated brain morphology.
著者
鈴木 由美
出版者
桐生短期大学
雑誌
桐生短期大学紀要 (ISSN:13424076)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.137-140, 2007-12

助産学の科目として,医学英語を7回の講義で組み入れている.この講座はそもそも「助産学英語表現法」として,外部講師による講義で会話や読解が中心であったが,講師が変更してからは学生それぞれの学力差なども考え,目標や講義の水準を変更した.学生にとっては専門科目の名称でありながら,助産学での英語は一般教養と同様,気の張らない科目としての位置づけがあると思われる. 7回の講義で得られることは読解力などよりも,実習にてカルテが解読できることが最低限の目標である.今回の学生の半数は「英語が受験科目にはない助産師学校」を受験している.その一方で4分の3以上が英語検定など何らかの受験暦もあった.英語にまったく関心がない訳ではない一方で,半数はできれば専門課程では英語を勉強したくないという傾向も示唆された.過密な助産学のカリキュラムの中に7回も英語の講義を組み入れるからには,学生のニーズを把握し,それに見合った内容の講義を組む必要がある.今回は昨年度,今年度の学生に同様の事前アンケート調査をおこない,それをもとに今後の講義の内容を検討するための資料にしたいと考え, 2年間の学生のニーズをまとめてみた.