著者
新山 雅紀
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.37, 2006-03

本研究は、中学男子サッカー選手を対象に、一般的な体力と膝関節の等速性筋力を測定し、これらの体力要素を中心として現状を把握し、技術レベル別、ポジション別でどのような特性が見られるか比較・検討を行い、今後のトレーニングの方向性を検討することを目的とした。その結果、次のことが明らかとなった。(1)技術レベル別で比較した場合、技術レベルの高い選手は、形態および筋力、そして等速性の伸展力・屈曲力に優れており、他の群と比較して有意に高い値を示した。しかし、パワー系に関しては、各群間に有意差が認められなかったことから、スピードの要素を考慮した下肢のパワートレーニングの必要性が示唆され、それ以外の選手については、最大筋力およびパワーの向上の必要性が示唆された。(2)ポジション別で比較した等速性筋力に関しては、有意差は認められなかったが、絶対値ではGKが最も高い値を示し、以下FW、DF、MFの順に高い傾向を示した、体重当たりの値で比較をしても各群間に有意差は認められなかった。GKが最も低い値を示し、FWが最も高い値を示した。(3)伸展・屈曲比については、少し低い傾向を示していることより、ハムストリングの強化の必要性が示唆された。また、柔軟性とハムストリングの筋力に有意な相関が認められたことから、柔軟性のトレーニングを十分に行うことの必要性が示唆された。
著者
松野 充貴
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.19-29, 2014-07-31

本稿の目的はミシェル・フーコーの哲学におけるイマヌエル・カントの批判(概念)の役割を明らかにすることである。従来のフーコー研究ではフーコーとカントの関係はモダンとポスト・モダンの論争の枠組みのなかで論じられてきた。それゆえ、フーコー哲学とカント哲学は対立するものとして捉えられてきた。しかし、2008年に生前未公刊だった『カントの人間学』が出版され、フーコーのカント解釈が明らかになり、フーコーとカントの関係を見直さなければならなくなった。なぜならば、フーコーは『カントの人間学』のなかで、自らがこれから歩む哲学的企図をカント哲学と関係づけながら論じているからである。そこで、本稿はまず『カントの人間学』におけるフーコーのカント解釈を論じる。次に、『臨床医学の誕生』においてフーコーがニーチェの試みを『純粋理性批判』と対比して論じていることに着目し、フーコー哲学におけるニーチェとカントの関係を考察する。最後に、「啓蒙とは何か」のなかでフーコーが自らの探求を批判(概念)と論じていることに依拠しながらフーコーとカント哲学との関係を論じる。
著者
永田 英正
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
東方学報 (ISSN:03042448)
巻号頁・発行日
no.41, pp.157-196, 1970-03
著者
佐藤 宗子 サトウ モトコ Sato Motoko
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.510-503, 2013-03

一九六四年から刊行が開始された小学館「少年少女世界の名作文学」は、先行して一九五〇年代に刊行された創元社と講談社の二つの「地域割り」叢書の形式を受け継ぐ形式をとるものであった。しかし、先行二叢書とは内容と外観の双方で、かなり異なる様相となっている。そこで「地域割り」の巻数の割り当て方、収録作品の傾向、訳出の方法等の特徴を検証し、その後、とくに本体にはめ込まれた表紙絵に焦点化しながら、視覚的情報の盛り込まれ方にも目を向けた。その中で、一般文学からの作品収録が多い半面、いわゆる「和文和訳」の方式が多用されることがもたらす弊害が生じていること、表紙を飾るカラーの泰西画群が形成する別種の「教養」が想定されていることなどを明らかにした。また、こうした形態の叢書の出現が、経済成長を背景にして、児童文学が産業として発展していく中で見られる点にも着目した。
著者
池田 英男 田上 恵子 福田 直也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.839-844, 1996 (Released:2008-05-15)
参考文献数
15
被引用文献数
2

培養液を流動させない水耕法である培養液静置法(パッシブ水耕) は, 栽培中の培養液管理が不要とされるが, 栽培法は十分には確立していない、本研究においては, 栽培装置を地表面下に設置して春, 秋にそれぞれ施与培養液の濃度を変えてメロンを栽培し, 好適培養液濃度を検討した.メロンは本栽培法で良く生育し, 十分に大きな果実が収穫できたが, メロン植物体の生育や果実の収量,品質からみた好適培養液の濃度は, 栽培時期によって異なった. 春作では園試処方標準濃度の3倍でのみ高糖度の果実が得られたが, 秋作では培養液の濃度の影響は少なかった. 栽培装置を地表面下に設置したために, 根圏の温度は気温の高くなる夏では比較的低く,冬は逆にあまり低下せず, 日変化も少なかった. 本装置は, 簡易な水耕法として, メロン生産には有効であると考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.735, pp.60-63, 2003-01-06

「○号室に入る○○ですけど」。マンションの販売センターで行われたクリスマスパーティーで,そんな会話が交わされる。契約者たちをもてなすスタッフは,地元の主婦たちだ。 千葉・JR我孫子駅前で販売中の分譲マンション「シティア」。事業を総合監修するのは,デザインショップ・アーキテクツの染谷そめや正弘代表だ。
著者
遠藤 章二
出版者
聖カタリナ大学短期大学部
雑誌
聖カタリナ女子短期大学研究紀要 (ISSN:02869748)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.69-76, 2002-03-10

本学に在学する女子短大2年生を対象に日中の体温変動を3日間単位として2回にわたり測定した。測定した結果を, 1日の最高体温と最低体温との差から3つのグループ, 「激しい・中程度・緩やか」群に分類し, その日内変動の特性を検討した。「激しい」群は, 日中の体温差が平均で1℃を超した。多分, 覚醒レベルが高く, 学習意欲も旺盛なグループであろうと考える。一方, 日中の体温変動の平均が0.43度と少なかった「緩やか」群の者は, 1日中覚醒レベルが上がることなく, 学習意欲も高まることなく漫然と過ごしたのではなかろうかと考える。 今後, 朝食の摂取, 運動などの体温上昇などの要因を加味した調査を検討している。
著者
山口 祐司
出版者
東京経営短期大学
雑誌
東京経営短期大学紀要 (ISSN:09194436)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.39-45, 2010-03

2015年より強制適用される国際会計基準(IFRS)とこれからの日本におけるホスピタリティ産業に与える影響を考慮しながら,具体的にどの会計処理が問題であるかを検討すると同時にそのインパクト(衝撃)の度合いについても検証してみた。
著者
木村 宣夫 楠本 韶 内田 武 安藤 司文 越智 利彦
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.38, no.434, pp.1261-1267, 1989-11-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
15

A method to express the distribution of the experimental results of fracture toughness of ice was investigated by postulating the Weibull distribution with three parameters. The data were taken from the previous experiments conducted to study the effect of loading rate on the fracture toughness9), 10). Weibull parameters were estimated by several estimation methods11), 12) and the parameters obtained were compared with each other. The effect of loading rate together with that of specimen size on the parameters were discusssd at three loading rate ranges. It was confirmed that the parameters estimated were closely related to the experimental value of fracture toughness.