著者
高須 晃 亀井 淳志 ロザー バリー 赤坂 正秀 大平 寛人 KABIR M.F. OROZBAEV. R. JAVKHALAN O. 松浦 弘明 貝沼 雅亮
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

三波川帯のエクロジャイトの変成作用は,①高温型変成作用イベント,②2回のエクロジャイト相変成作用イベント,そして③藍閃石片岩相-緑れん石角閃岩相変成作用イベントの4回の変成イベントが認められる.これらの変成作用は120-90 Maの比較的短時間に,海洋プレートの沈み込みの開始(大陸側プレートによる接触変成作用),沈み込みの継続(地温勾配の低下による低温エクロジャイト変成作用)海嶺の接近(地温勾配の上昇による高温エクロジャイト変成作用)そして海嶺の沈み込み(狭義の三波川変成作用と変成帯全体の上昇)によって説明できる.
著者
飯島 泰蔵 岩城 護
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.77-87, 1996-01-25
被引用文献数
19

自然観測法の理論は,既に近接型および平衡型と称する互いに表裏の関係にあるところの体系として,定式化されている.本論文では,近接型および平衡型の両体系のいずれにも属さない新しい体系の提案を行い, これを正規型と名付ける.正規型の自然観測法理論は,有限個の観測値の和によって波形を再構成できるという特徴をもっている.正規型の自然観測法理論は,波形およびそのパワー成分が和の形式によって表されるということを条件として自然に導かれる.次に正規型の自然観測変換の周波数特性を従来のフィルタバンクと比較することによってその意味を考察する.更に与えられた許容誤差範囲内で正規型の自然観測を実現するための定数の決定基準を示す. ここに提案される理論は,自然観測法の理論を新しい側面から体系化することに,寄与するものであると考えられる.
著者
岩城 敏 谷口 和弘 池田 徹志
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

生活・介護支援ロボットへの応用を念頭に、PC内アイコンと実物体両者へアクセス可能なインタフェースを開発した.頭部動作でパンチルトアクチュエータ上に搭載されたレーザポインタの方向を制御することで実物体ポインティングするシステムを開発した.さらに,TOF(Time Of Flight)型レーザセンサを用いて,実物体を「クリック(3D位置測定)」「ドラッグアンドドロップ」する方式を開発した.最後に,PC画面上レーザスポット位置に人工的なマーカを重畳表示することで,その視認性を改善する方式を開発した.以上3つの方式に対して,複数被験者による性能評価実験を行った結果,提案手法の有効性を確認した.
著者
尾尻 博也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.204-205, 2013-08-15 (Released:2014-08-15)
参考文献数
4
著者
植田 知子
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.1-20, 2008-11

大黒屋又兵衛は、江戸後期から明治初期にかけて主に古手・呉服問屋として江戸で活躍した商人である。店舗は江戸富沢町に設けていたが、住居は一貫して江州高島郡霜降村に定め、当時の商人番付にも名を連ねた富商の一人である。しかし、その活躍に比べて商人としては未詳の部分が多く、又兵衛の出自や商人となった経路等についての解明はほとんど進んでいない。本稿は、杉浦大黒屋関連諸史料の検討と、大黒屋又兵衛の菩提寺における聞き取り調査から、大黒屋又兵衛が京都商人杉浦大黒屋の別家の一人であることを明らかにしたものである。
著者
塩村 耕 阿部 泰郎
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

日本を代表する古典籍専門図書館である西尾市岩瀬文庫について、全所蔵資料の約95%について調査を終了し、書誌データベースを作成し、公開運用した。このような詳細な書誌データベースは日本でこれまで例がなく、その新たな学術基盤としての有効性を実証した。同時にデータベースより得られた知見を活用して、重要資料を選定し、全文テキストデータを作成して、データベースにリンクさせた。また、名家自筆本を選定し、筆蹟サンプル画像データを作成して、データベースにリンクさせた。このような統合型データベースを実験的に公開運用し、日本の人文学の新たな学術基盤のあり方として世の中に提案した。
著者
窪田 公一 田中 知博 纐纈 真一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.1462-1466, 2010 (Released:2010-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

アナフィラクトイド紫斑は,IgA抗体優位の免疫複合体の沈着が小血管に証明される血管炎で,主に小児の疾患である.成人の発症は少ないがときに重篤な腎障害をきたす.症例は75歳の女性.食道癌術後に腸閉塞手術を経て創部MRSA感染症を合併し,2日後に腹痛,発熱が出現した.創部処置にて腹痛,発熱は治まったが下腿に紫斑が出現した.臨床所見と免疫血清検査によりアナフィラクトイド紫斑と診断した.安静と止血剤で紫斑は一時改善したが,その後,再燃して紫斑病性腎炎からネフローゼ症候群を呈した.ステロイドによるパルス療法と内服の後療法を行い病態は安定した.成人でのアナフィラクトイド紫斑の発症はdermadromeとしての報告は散見する.しかし術後発症の報告はあまりみかけず,自験例は興味深い症例と思われた.発症誘因は悪性疾患や手術侵襲を背景とした全身状態下における創部MRSA感染症と考えられた.
著者
江本 慎 蒲池 浩文 田原 宗徳 神山 俊哉 松下 通明 西田 睦 藤堂 省
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.1589-1595, 2010 (Released:2010-12-25)
参考文献数
18

背景:胆嚢の隆起性病変はしばしば診断に難渋する.今回われわれは胆嚢腺筋症(adenomyomatosis:ADM)に合併した胆嚢隆起性病変の質的診断に造影超音波検査が有効であった症例を経験したので報告する.症例:58歳,男性.2009年2月,職場の健診で腹部超音波にて胆嚢腫瘍を指摘され当科紹介となった.血液検査ではCEAが8.3ng/mlと上昇していた.体外式ultrasonography(US)では乳頭状隆起性病変を指摘でき,肝床部浸潤を疑う所見であったが,CT,MRIでは隆起性病変の良悪性の鑑別は困難であった.Positron emission CT(PET-CT)では隆起性病変に異常集積を認めなかった.腹部造影超音波検査では乳頭状隆起性病変に強くdiffuseな造影効果を認め,ADMに合併した胆嚢癌と考えられた.悪性を否定できず,同年3月に開腹拡大胆嚢切除術を施行した.肉眼所見では分節型ADMと乳頭状の胆嚢癌を認めた.病理診断ではtub1>pap. s(-),ss,pHinf0,pBilf0,pPV0,pA0,pN0,pBM0,pHM0,pEM0,int,INFβ,pn0,ly1,v0,pT2,pN0,fStageIIであった.結語:胆嚢の隆起性病変の診断に造影超音波検査は有用な検査となりうる.治療に際し検査所見から総合的に判断することが重要と考えられる.
著者
小沢 一雅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.107, pp.17-24, 2003-10-24
被引用文献数
1 3

絵画は、それを鑑賞する人 ?観察者? に3次元世界を想起させる。これを仮想3次元世界とよぶことにする。本論文は、絵画とそれが惹起する仮想3次元世界をめぐる認知連関モデルを導入し、絵画における遠近法表現の意味を考察する。認知連関モデルで重要な役割を果たすのは、仮想3次元世界を正確な遠近法表現にもとづいて射影した仮想写真(=仮想カメラによる撮影像)である。仮想写真を軸としながら仮想3次元世界と実世界との関係などについて認知連関モデルにもとづいた考察を行う。また、絵画の実例(浮世絵の風景画)をとりあげ、本モデルの観点から遠近法表現について考察を加える。A painting is associated with a virtual 3-dimensional world, termed V3D-world. In this paper, a cognitive correlation model involving a painting and its corresponding V3D-world is introduced for consideration on perspective drawing. In our model, the virtual photographic image plays a key role in understanding of perspective drawing, relation between V3D-World and real world, or artistic impression given by a painting. Taking an Ukiyoe landscape for example, it is discussed whether our correlation model can offer good understanding of problems in perception or cognition of paintings.
著者
仙田 満
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1467, pp.3-7, 2001-02-20
被引用文献数
1

子どもの成育環境に関する社会的な議論はこれまで、ややもすれば教育、心理、地域社会、医療などソフトの領域の問題として論じられてきました。しかし、建築的・都市的空間に、これと深く関わる計画、整備、管理運営に関わる社会的システムを加えた広い意味でのハードの領域は、実は重要な役割を果とし、成育環境の中心的要素として位置づけられることは明らかです。良好な成育環境の形成と子どもの心身活性化に寄与する建築的・都市的空間の計画目標、整備手法などについて総合的・実践的な調査研究を行う必要性は高いといえ、日本建築学会は中心的役割を果たすことが期待されます。子どもと高齢者に向けた学会行動計画推進特別委員会は、こうした認識のもとに子どものための建築・都市環境づくりのあり方についての検討を重ね、その基本的考え方を「子どものための建築・都市12ケ条-子どもと家族のための建築・都市環境づくりガイドライン」としてとりまとめました。このガイドラインが、今後の研究と実践のための目標を提起し、各分野においてより具体的なガイドラインとしてとして展開されていきますよう願っております。
著者
佐藤 実
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

金天柱が著した『清真釈疑』の内容を分析した結果、以下のことがわかった。イスラーム教徒である金天柱から見ると、漢民族は儒教の教義にしたがっておらず、仏教や道教の習慣に染まっている。それに比べるとイスラーム教徒は日々の礼拝を実践している。神に祈りを捧げることは、儒教の最高神である上帝に祈りを捧げることと同じであり、イスラーム教徒のほうが漢民族よりよっぽど真摯に儒教の教義に忠実ししたがっている。金天柱はそう述べることで、漢民族からイスラーム教徒にむけられた疑いの目を払拭しようとした。
著者
佐藤 瑠威
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.55, pp.189-198, 2014-02

研究ノート哲学と反哲学知識愛神と人間と世界哲学と宗教と科学歴史信仰19世紀における個別諸科学の成立と発展によって、長い間ヨーロッパにおいて学問の中心的位置を占めてきた哲学は、かつての位置を失い、さらにはその存在理由さえ疑われている。本稿では哲学の存在理由を弁証する立場から、哲学に残された重要な主題として「生きる意味」の問題を取り上げ、なぜ哲学が宗教に委ねるのではなく、この問題を自ら考察すべきであるかを論じる。
著者
寺島 浩
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.289-292, 1992
被引用文献数
1

有効数字は最下位の桁に誤差を含む数値である。したがって,有効数字の決め方を指導するためには誤差の求め方を教えなければならない。標準誤差(Standard Error)の意味と計算法を講義によって説明し,演習をまじえて有効数字の決め方を実地に指導する。このような指導の内容と方法を述べる。

1 0 0 0 OA 参海雑志

著者
[渡辺崋山 著]
出版者
米山堂
巻号頁・発行日
1920
著者
竹内 綱史 タケウチ ツナフミ Takeuchi Tsunafumi
出版者
大阪大学大学院文学研究科哲学講座
雑誌
メタフュシカ : the journal of philosophy and ethics (ISSN:13426508)
巻号頁・発行日
no.43, pp.117-122, 2012-12

(大阪大学出版会、2011 年)(dt. Nietzsches Philosophie der Historie — Geschichten, Entstehungsgeschichte, Genealogie), Osaka University Press, 2011.
著者
佐々木 史織
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では,Web上に日々公開される国際問題に関するドキュメントデータから意味的なメタデータと時間的・空間的情報を自動的に抽出し,高度な知識発見を可能とする情報分析システムを設計,実現した.利用者は,本システムに各自の関心・視点に基づくキーワードを入力するだけで,専門的な文書内容の時系列的変化や地域別差異,問題領域別・情報源別の分析結果を多角的・定量的に獲得し,視覚的に把握することが可能となった.