著者
ルイス・アンタマイヤー 著
出版者
世界文学社
巻号頁・発行日
1950

伝統的なアメリカ北西部の巨人開拓者の物語。 (日本図書館協会)
著者
金田 憲和
出版者
東京農業大学農業経済学会
雑誌
農村研究 (ISSN:03888533)
巻号頁・発行日
no.113, pp.25-38, 2011-09 (Released:2012-12-06)

本論文では,地域産業連関表のデータに基づき,近年における農業と食品産業の地域の生産額分布とその変動について検討した。まず,生産額の地域比率などの観察からは,近年,食品産業の生産額は特に関東で顕著に比率が高まり,北海道,東北,中国,四国などの地方で比率が低下するなど,都市的地域への集中が進んでいることが示された。地域集中度を表す指標の計算結果によれば,やはり食品産業では集中度の上昇が見られ,多くの品目で関東への生産の集中が起こっていた。シフト・シェア分析の結果によれば,農業では,どの地域も全体に生産額が縮小する傾向にあるのに対し,食品産業では「地域特殊要因」に非常に大きな地域差が存在し,食品産業の関東への集中の要因となっていた。このことから,6次産業化政策は必ずしも容易でなく,こうした傾向の十分な検討を行い対策を講じなければ,困難に直面する可能性があると考えられる。
著者
前中 久行 大窪 久美子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.143-148, 1986-03-31
被引用文献数
3 1

大阪府下の主要な7公園で区域を定め、休日の芝生他の滞在者数調査を行なった。各公園の平均滞在者密度は7調査地中4ヶ所が約50人/haであった。これらの公園ではカセクサ、シマスズメノヒエなど踏み跡植物が高頻度で出現した。この踏み跡植物を利用密度の指標として大阪府下の各地各種の草生地の構成種を位置づけ、レクリエーション利用と植生の関係を検討した。
著者
森島 啓子
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.265-274, 1975-10-31
被引用文献数
1

ダリスグラスはアポミクシスを行う多年草で,わが国には牧草として導入される以前から雑草として定着している。本実験はこの種の持つ雑草性,すなわち撹乱環境に対する適応性の機構を知るために行なったものである。熊本・宮崎・静岡の各県で採集した20の自生集団を用いて,1)各種形質の変異,2)ふみつけ反応性,3)スズメノヒエおよびメヒシバとの競争を調査した。得られた主な結果は次のとおりである。 有性生殖する他の種に比べて遺伝的変異は著しく少なかった。しかし集団間および集団内に遺伝的変異が存在することが確められた。さらに,各地区の分布中心の集団より周辺の集団の方が遺伝的変異を多く含む傾向が見出された。このことはまれに起る有性生殖によって遺伝的変異を増した集団が新しい生育地に移住したことを示唆する。また,ふみつけに対する抵抗性を持つこと,表現型可変性が大きいこと,他種が占有している場所では幼植物は死亡しやすいが,混みあっていない場所では旺盛に生長し他種に勝つことなどが明らかになった。 ダリスグラスの雑草性は,ストレス抵抗性,競争力,大きい表現型可変性,無性的な種子による移住力に基づいているのであろう。その雑草性を発現する遺伝子型はアポミクシスによってそのまま繁殖すると考えれる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1337, pp.60-65, 2006-04-17

3月29日の早朝。野菜を仕入れるため、いつもと同じように青果市場を訪れたスーパーまるまつ(福岡県柳川市)の松岡義一社長は思わず笑みを浮かべた。他社が1袋50円前後で競り落とそうとしたフキを80円で購入することができたからだ。 他社より6割も高い価格で仕入れることになったにもかかわらず松岡社長が満足しているのは、「98円で売り切れる」という勝算があったためである。
著者
白石 さや
出版者
岡崎女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

グローバル化世界における若者文化は、激流を思わせる。2000年代にPCの性能が上がり、メディア状況一般が大きく変化した。マンガ本とテレビ・アニメに始まった日本発の若者の娯楽文化は、欧米やアジア諸国でのメディア網の再編に対応して、今や実質的に「デジタル文化」として、デジタル・リテラシーを獲得した世界の新世代が共有するデジタル文学という性質を帯びている。「文化のグローバル化現象」として本研究開始期に想定していた、各地におけるローカルなマンガ作家やアニメ作品の登場とそのグローバル化いう「文化現象」は、すでにその先のマンガ・アニメ・ファンによるネット共同体の成立という「社会的現象」に進化していた。
著者
Hideo Shiogama Masahiro Watanabe Yukiko Imada Masato Mori Youichi Kamae Masayoshi Ishii Masahide Kimoto
出版者
(公社)日本気象学会
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.122-126, 2014 (Released:2014-08-02)
参考文献数
35
被引用文献数
8 39 1

A severe heat wave occurred in the southwestern United States (US) during June and July 2013. To investigate the effects of natural variability and anthropogenic climate change on this event, we generated large ensemble simulations of possible weather using the MIROC5A climate model forced by “historical external forcing agents, sea surface temperature (SST) observations and sea ice (SIC) observations” both with and without human influence. It was suggested that both the anthropogenic warming and an atmospheric circulation regime related to the natural variability of SST and SIC made the heat wave event more likely. On the other hand, no significant human influence was found in atmospheric circulation patterns. These results were robust for two different estimates of anthropogenic signals on SST and SIC.

1 0 0 0 OA 時事年鑑

著者
同盟通信社 編
出版者
同盟通信社
巻号頁・発行日
vol.昭和14年版, 1938
著者
佐野 健太郎
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

計算性能の低下をもたらすメモリウォール問題を解決するために、可逆データ圧縮をリアルタイムに行うバンド幅圧縮ハードウェアを提案し、実応用問題に適用可能な基盤技術を創出した。数値データの連続性を利用した予測に基づく圧縮アルゴリズムと複数のデータストリームを扱うための符号化方式、およびそのハードウェアを設計した後に、FPGAによる実装を行った。ベンチマーク問題として格子ボルツマン法に基づく流体計算を用い、実際に動作する高性能ストリーム計算システムを構築した。計算途中データのDDR3メモリへの読書きを圧縮したところ、正しい計算が行えることと、データストリームの実効バンド幅を向上できることを確認できた。
著者
市野 良一
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は,ネオジム磁石(Fe-Nd-B合金)に使用されているNdやDyなどの希土類元素の安定確保という観点から,使用済み磁石や磁石スクラップからの希土類元素のリサイクル技術の開発である.450℃の溶融塩中に,廃磁石からNd,Dy元素のみを選択的に溶出させることにより,Fe-Bは固体として回収し,一方,浸出したNd,Dyは溶融塩電解により陰極上に金属として回収する.電解浴である主要溶融塩成分を除外して考えると,溶融塩中の希土類元素は98%以上であり,鉄は2%以下であり,希土類を選択的溶出できた.一方,この溶融塩を用いて電解したところ希土類元素の組成が95%以上の析出物が陰極上に得られた.
著者
Murai Isamu
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.805-814, 1963-03-10
被引用文献数
2

The eruption occurred suddenly at about 9:55 p.m. on June 17, 1962 at the Yake-dake Volcano. The outbursts did not occurr at the summit crater, but took place at the Kurodani Crater and the Nakaotoge Explosion Crater. New fissures were opened on the wall of the explosion crater. The entirety of ejected debris does not belong to the juvenile materials. They were brought from the pre-existing rocks on the upper part of the volcano. Discharge of ash and debris ceased on the evening of June 18. The total volume of ejected materials is calcu- lated as 2×105m3, and the total mass of them is 3×105 ton for the density of ash-fall deposits in a compact packing state is about 1.6. From the morning of June 18, minor mudflows occurred on the western steep slope of the summit. On the afternoon of June 19, other mudflows occurred from the edge of the fissure at the Nakao-toge, being accom- panied with intense noises and air shocks. These mudflows might have been caused by the flowage of over-saturated ash and debris piled on the steep slopes around the summit, where tremendous amount of water vapour contained in the eruption clouds condensed on the ground and wetted newly piled ash and debris. After the eruptions on June 17 and 18, some minor outbursts took place sporadically, i. e. on July 26 and on August 9, 1962.昭和37年(1962年)6月17日午後9時55分ごろ焼岳火山は突然爆発した.中尾峠の焼岳小屋は噴石で破壊され,管理人2名が負傷した.噴火は山頂北面の中尾爆裂口と西北中腹の黒谷火口で起こつた.中尾峠爆裂火口壁上には延長2kmにわたる割れ目があらたに開口した.火山灰や岩屑の抛出は翌18日午後にやんだが,多量の水蒸気を含んだ噴煙がひきつづいて噴出した.提出された岩屑の中で新たに岩漿から由来したと見られるものは見出されなかつた.18日午前中より19日までの間に,山頂北面の斜面に小規模な泥流が発生した.19日午後に烈しい音響がこの地方一帯に聞えたが,爆発や火山灰の噴出は認められなかつた.この音響の発生とほとんど同時に,中尾峠の割れ目の末端より泥流が流れだし,梓川の川岸まで達した.これらの泥流は,火口より噴出された多量の水蒸気が山頂付近の急斜面に堆積した火山灰上に凝縮したために発生したものと考えられる.21日
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.371, pp.76-78, 2005-03-11

予測技術の根幹は解析計算。「津波の伝播(でんぱ)の解析は,どの会社の技術でもほぼ同じ結果が得られる」(五洋建設の関本部長)というように,技術は一定のレベルに達している。 なかには汎用コンピューターで困難だった解析を可能にした技術もある。大成建設が今年1月に開発した「三次元地震波解析システム」だ。
著者
長田 謙一 木下 直之 水沢 勉 五十殿 利治 ジャクリーヌ ベルント 長谷川 祐子 長谷川 裕子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

研究は,各研究分担者が,テーマの重要なアスペクトを分担して追及し,毎年四度ずつの研究例会を重ねて発表討議を重ね,報告論文集等に成果を発表するという仕方で進められた。その結果,ご開帳から東京国立近代美術館誕生にいたる日本における美術館成立過程をたどる形で,<美術>の確立とその展示空間の成立過程を,次の6つのアスペクトに則してあきらかにできた。(括弧内は,報告論集等におけるそのアスペクトに関する議論部分の執筆者の名である。)(1)展示空間の近代と前近代の関係から(木下直之) ; (2)博物館から近代美術館へ(横山勝彦) ; (3)「明治対象名作美術展覧会」と「日本近代美術」の成立の問題から(五十殿利治) ; (4)近代日本における抽象表現の萌芽との関係で(水沢勉) ; (5)国立近代美術館の誕生(蔵屋美香) ; (6)美術館理念および民芸運動との関係で(長田謙一)。さらに、日本を中心として,美術展時空間の現代的変容を次の6つのアスペクトから明らかにした。(1)共同体との関係で(神野真吾) ; (2)彫刻概念の拡張との関係で(小泉晋弥) ; (3)舞台との関係で(木村理恵子) ; (4)マンガを中心とするポップ・カルチャーとの関係で(ジャクリーヌ・ベルント) ; (5)21世紀の新しい美術館像との関係で(長谷川祐子) ; (6)万国博覧会との関係で(吉見俊也)。こうして所期の目的を達成した結果,特に,1930年代から50年代にかけての日本の近代美術館成立過程のさらに詳細な調査・研究および,1980年代の美術概念の大きな変貌とのかかわりにおける美術展時空間の変容に関する一層グローバルな視野にたった研究という、2方向で、多くの研究課題が浮上することとなった。