著者
錦 仁 志立 正知 渡邉 麻里子 志立 正知 平林 香織
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

これまで和歌は、中央に住む貴族・僧侶・武士の文学として研究されてきた。また、地誌は地理学や民俗学の資料と見なされてきた。この研究では、地誌の中に大量に記載されている和歌に関する記事を分析した。そして、東北地方の藩主や藩士の和歌に対する思想を明らかにした。新しい観点と方法を導入することによって、これまでの和歌研究の常識をくつがえした。
著者
竹井 和人 村田 伸 大田尾 浩 安田 直史 甲斐 義浩
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.89-92, 2012 (Released:2013-04-02)
参考文献数
20

[目的]下肢荷重力および臀部荷重力を端座位で計測可能な装置を作成し,その測定器から得られる測定値の臨床的意義について検討した。[対象]要介護女性高齢者23名(要介護認定:要支援1~要介護1,平均年齢83.8±8.5歳,平均体重44.0±8.6?)とした。 [方法]下肢荷重力および臀部荷重力測定値と身体機能(座位保持能力,歩行能力,下肢筋力)との関連を,ピアソンの相関係数を用いて分析した。[結果]下肢および臀部荷重力は各身体機能との間に有意な正相関が認められた。また,下肢荷重力と臀部荷重力との間に有意な正相関が認められた。[結語]本測定器は,下肢機能の評価に加え,体幹機能を含めた総合的な身体機能評価としての活用が期待できる。
著者
直江 学美
出版者
金沢星稜大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

史料収集では,250点を越える史料を見つけた。弟子たちは,プッチーニなど,当時,存命していたイタリア系作曲家の新曲を歌っていた事を明らかとした。イタリアでは,出生証明書や新聞記事を発見,イタリアでの活動の一端を明らかにできた。ただ,大都市での演奏歴や演奏批評は見つかっておらず,今後も調査する必要がある。サルコリの人間関係に結びつくような固有名詞もみられ,今後の研究に結びつくと考える。本研究によって,これまで明らかになっていなかったサルコリの活動内容を日本,イタリア両国で明らかにし,民間にいながら,西洋声楽を受容する一端を大きく担ったサルコリの活動を明らかにした。
著者
TOKORO Masahiko TAKAHASHI Munezoh TSUNODA Kunio YAMAOKA Ryohei HAYASHIYA Keizo
出版者
京都大学
雑誌
Wood research : bulletin of the Wood Research Institute Kyoto University (ISSN:00497916)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.1-14, 1992-01-31
被引用文献数
2

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。Approximately 100,000 workers of the termite, Reticulitermes speratus (Kolbe) were extracted with n-hexane to isolate trail pheromone. The extract was purified by silica gel column chromatography, normal phase HPLC and gas chromatography. Its trail-following activity was coincidentally examined by bioassays. The complete chemical structure of the pheromone was determined as (Z,Z,E)-3,6,8-dodecatrien-1-ol (DTE-OH) by means of instrumental analyses in conjunction with several micro-chemical reactions. Sternal gland extracts also contained DTE-OH, when analyzed by capillary gas chromatography mass spectrometry high resolution sleected ion monitoring (GC-MS-HR-SIM).

1 0 0 0 東國史學

著者
東國史學會
出版者
東國史學會
巻号頁・発行日
0000
出版者
海軍省海軍軍事普及部
巻号頁・発行日
1937
著者
難波 和彦
出版者
岡山大学
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.115-117, 1996-02

This paper describes the effect of alternating magnetic fields on plant germination. Experiments were conducted utilizing various frequencies and two states of polarity.Electromagnetic coils were used to generate the fields and 'Komatsuna' plants were chosen as subjects. The frequency was varied from 1 to 1000 Hz,at a fixed intensity of 5 Gauss. The magnetic polarity was controlled by reversing the current direction. Measured parameter was the germination rate. The results indicated that magnetic fields do influence plant germination, and that frequency of the fields is a more important factor in germination rates than polarity. Maximum germination rates,which were 20% higher than control rates,were obtained at around 10 Hz.戦後日本の農業は、農業機械の導入と化学薬品の投入により飛躍的にその生産性を高めてきた。今や、米の単位面積当たりの収量は世界有数であるといえる。しかしながら、多量のエネルギを圃場に投入し続けてきたことによるひずみは、農業生産の場のあちこちに現れてきており、環境問題の観点からも早急な対策を講じる必要がある。そこでまず検討すべき点は、現在の収量を維持しつつ、いかにして圃場への投入エネルギ量を低減していくかということである。そのため数々の手法が研究されているが、著者が注目しているのは微少エネルギの有効利用である。磁場を含む微少な環境因子の植物の生長に与える影響は、活発な論議がなされている。光、温度、水、栄養や大気環境等の環境因子と植物生長の相関についてに比べ、研究テーマとしてはそれほど大きく取り上げられてはこなかった。一方、篤農家を始めとする現場においては、例えば植物栽培に音楽を取り入れて生長促進を図るなど、微少環境の効果が決して小さくないことが実証されている。著者の現在までの研究でも、磁場等微少環境が植物の生長に対して何らかの影響を及ぼすことが確かめられており、これを定量化していくことがこれからの課題となっている。微少エネルギを植物の栽培に適応していくメリットとしては、安全かつ安価に植物の生長をコントロールできることがあげられる。現在の農業は大量のエネルギを植物に提供することで、増収や生長促進などの効果をあげてきた。確かに、作れば売れた時代はそれでもよかった。しかし、供給が需要を上回り、農家そのものが自由競争の原理の中での生き残りを迫られている今、新たな視点に立った農業生産方法の確立が必要とされている。高すぎる生産コストは市場での競争に不利であるし、化学薬品を大量に投入しての農産物は社会的に敬遠されつつある。ただし、値段が高いにも関わらず有機農法が社会的に支持を受けているのは、安全性を消費者がより重要視していると考えてよいだろう。したがって、微少エネルギの農業への導入は人に環境に優しいことを目指す、これからの農業大系に不可欠であるといえる。
著者
小泉 寛恭
出版者
日本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本年度は摩耗モデルの構築と各光重合条件の設定をおこない、歯ブラシ摩耗を行った際の経時的変化を解明した。摩耗モデル:前装用硬質レジンに対し精密低速切断機を用いてφ10.0×10.0mmの寸法に調製する。メーカー指示によるものを比較対照として、光強度、照射時間を変化させた試料を作製した。光強度をさらに変化させるために、メーカー指示の光照射器のほかに、メタルハライドランプを使用している多目的光重合器を使用した。照射時間は、上下両面から30,60,90,120,180秒間照射を行った。重合後、レジン表層を耐水研磨紙、アルミナ懸濁液とバフの順で研磨し、実験試料とした。歯ブラシ試験:この摩耗モデルに対し歯ブラシ摩耗試験を行った。摩耗試験条件は、歯ブラシとしてナイロン毛のものを使用し、歯磨材として研磨剤の含有したものを選択し、ストローク式摩耗試験機を用いて、荷重条件2.9N、ストローク幅60mmの条件下で10万回まで行う。摩耗面の測定、観察は1万回ごとに走査型レーザー顕微鏡にて行った。さらに歯ブラシ摩耗後の表面粗さの測定として3次元測定器の使用を検討し、さらに臨床においての歯ブラシ摩耗の現状について報告した。
著者
佐道 泰造
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

集積回路(LSI)の省電力化に向け、高性能なトンネル型トランジスタが要求されている。しかし、従来のSiを用いたトンネル型トランジスタでは、オフ電流が低減できるものの、オン電流が小さいとの課題がある。本研究では、トンネル型トランジスタの高性能化を目指し、絶縁膜上のGe結晶薄膜のバンド構造を直接遷移型化するための歪み導入プロセスを創出するとともに、Ge結晶薄膜への高濃度ドーピング技術を開発した。これにより、LSIプロセスとの整合性が良好で、高いオン電流を有する高性能なトンネル型トランジスタの基盤技術を開発した。
著者
上原 明 塩谷 孝夫 上原 清子
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、ヒト心室頻拍患者の心筋リアノジン受容体の点変異体K4750QをIn vitro再構成し、変異体の単一チャネル電流特性とCa2+動態を検討した。その結果、細胞質側Ca2+による活性化、細胞質側Ca2+による不活性化、小胞体内腔側Ca2+による活性化の3つから成るRyR2のCa2+感受性機構群は、全てCa2+リーク能が劇的に高まる方向に変化していた。これは、3つのCa2+リガンド結合部位群からのCa2+結合に伴う構造変化の情報がK4750を含む箇所で収斂される部位に変異が入っていることで説明される。変異RyR2発現細胞では、Ca2+リーク亢進による小胞体内口腔のCa2+枯渇も確認された。
著者
絹川 麻理 井上 登紀子
出版者
社会福祉法人敬友会(高齢者住宅研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

地域包括ケアシステムの構築推進を背景に、自助・互助も含めた地域ケアの主体のインタープロフェッショナルエデュケーションの円滑化に向けて、教育コンテンツとして地域生活支援連携のモデル構築を目的とした。オランダ、国内の事例の文献調査、聞き取り調査等から、連携における自助・互助の位置づけや自助・互助も対象とできる教育の重要性を確認した。また、生活支援と介護サービスを提供する在宅生活支援サービスの記録資料から、連携の主体・関係・属性(誰が何について連携したか)のデータ化、関係モデルを用いた図化を行い教育ツールを作成した。同ツールを用いて専門職による疑似検討を行い、その有効性・課題の確認を行った。
著者
飯田 英男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.206, pp.62-66, 2006-12
被引用文献数
1

医師・患者関係が大きく変化する中、民事訴訟に限らず刑事事件にまで発展する医療事故が増えている。果たして医師に対する刑事責任追及は以前に比べ厳しさを増しているのか。最近の刑事医療過誤事件の動向について、元福岡高検検事長で弁護士の飯田英男氏に解説してもらった。
著者
高潮 征爾
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は心不全患者における脳由来神経栄養因子(BDNF: Brain-derived neurotrophic factor)を評価し、心臓リハビリテーションによるBDNF値の変化と、抑うつ症状や運動耐容能の改善が相関するか検討した。BDNF値は心不全が重症になると低下し、その低下は予後不良因子であった。心臓リハビリテーションによりBDNF値は有意に上昇するが、運動耐容能やBNPの改善とは相関せず、抑うつ症状の指標と相関が見られた。本研究の結果から、心不全患者ではBDNFは低下しており、心臓リハビリテーションによるBDNF上昇は抑うつ症状改善と関連する可能性が示された。
著者
藤田 淳 稲垣 恭孝 米井 嘉一 大塚 征爾 中澤 敦 塚田 信廣 鈴木 修 桐生 恭好 水野 嘉夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.472-477, 2000-04-05
被引用文献数
2

症例は45歳男性の特発性ヘモクロマトーシス.皮膚色素沈着,糖尿病,肝線維化,下垂体性腺機能低下を呈しHLAはA11,A31(19),B46,B60(40),Cw1,Cw7でHFE遺伝子変異(C282Y,H63D)を認めなかった.更にHLAの記載のある本邦報告25例につき文献的に検討した結果欧米症例で高率なHLAA3,B7,B14の頻度は本邦症例では極めてまれであり人種差が認められた.
著者
中野 さやか
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

当研究では、ナディームと呼ばれる宮廷文人達を取り上げ、彼らの宮廷内部の活動を分析することで、アッバース朝宮廷の当時の在り方を明らかにすることを目的としている。今年度は、ナディーム達が活躍する場となった宮廷の酒宴を巡って、当時の法学者や文筆家達がそれぞれの立場を表明した写本類を、シリア・アラブ共和国のザーヒリーエ図書館にて調査した。ナディームとはもともと「飲み仲間」を意味するアラビア語であり、君主の酒宴に侍った詩人や歌手、道化などを指した。しかしアッバース朝宮廷で酒宴が慣例化すると、有力官僚などのカリフの側近達も酒宴に侍るようになり、「ナディーム」とはカリフの公私に亘る側近を意味するようになった。しかし飲酒はイスラームでは明確に禁止されている宗教的タブーである。その為、法学者や著名な文筆家達は、飲酒の合法化理論を宮廷に提出し、一方で禁酒の勧めを執筆した御用学者も存在した。これらの議論が提出された9世紀は、市井ではハンバル派の影響力増大により、飲酒を忌避する傾向が強まる一方で、宮廷では酒宴が慣例化し密室化していった時期である。宮廷の酒宴を巡る一連の議論は、当時の社会と宮廷との関わりを表す史料であり、平成23年度中に雑誌論文として投稿する予定である。また昨年度から続けてきたナディーム研究について、国内外の学会にて発表した。