著者
福島 真人 尾崎 勇
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

痛覚,脳または自律神経の反応における呼吸の影響を検討するために,脳波,交感神経皮膚反応(SSR),指尖容積脈波(DPG),主観的痛みスケールを記録した。左手に呼気と吸気時にそれぞれ電気刺激を与えた。刺激強度は痛覚閾値とした。刺激強度は同一であったにも関わらず,被験者の主観的痛みスケールでは,吸気の電気刺激に比較して呼気刺激で痛みが弱いと感じていた。痛み関連脳電位の後期成分の振幅は吸気よりも呼気で小さかった。痛みの情報処理は呼吸によって動揺し,痛みは呼気時に中枢神経システムによって制御されていることが示唆された。
著者
Atsushi Yoshikawa Akihisa Imagawa Shinsuke Nakata Kenji Fukui Yohei Kuroda Yugo Miyata Yoshifumi Sato Toshiaki Hanafusa Taka-aki Matsuoka Hideaki Kaneto Hiromi Iwahashi Iichiro Shimomura
出版者
(社)日本内分泌学会
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
pp.EJ14-0219, (Released:2014-07-15)
被引用文献数
1

Type 1 diabetes, one of two major forms of diabetes, results from the complete destruction of pancreatic beta cells. Viral infection has been suggested to be a trigger of beta cell destruction, the pathogenesis of type 1 diabetes. The aim of this study was to clarify the role of the protein encoded by intherferon stimulated gene (ISG) 15, an antiviral effector, in the development of this clinical entity. We used the mouse beta cell line MIN6 to investigate the role of ISG15 and paid special attention to apoptosis. Although not detected in native MIN6 cells, free ISG15 and ISG15 conjugated proteins were both present in dose-dependently increased amounts following stimulation with interferon alpha. As assessed both by caspase 3/7 activity and an annexin V assay, the percentage of apoptotic MIN6 cells (after exposure to the inflammatory cytokines of interleukin-1beta plus interferon gamma or tumor necrosis factor alpha) was decreased by pretreatment with adenovirus-expressing ISG15 and increased by expressing a short hairpin RNA directed against ISG15. In conclusion, ISG15 has an anti-apoptotic effect on MIN6 cells. Thus, promoting ISG15 expression in the pancreatic beta cells could be a potential therapeutic approach for patients with type 1 diabetes.
著者
阿部 隆 Abe Takashi
出版者
新潟大学大学院現代社会文化研究科
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
no.42, pp.115-132, 2008-07

The national bank regulations were promulgated in November, 1872, and a national bank only for four lines was established contrary to my expectation. However, the later business situation was full of dullness, and it fell on the deficiency of the system, and the Ministry of Finance was pressed for the review of the regulations. Because the revision of the regulations was performed in 9, and the relaxation of the establishment condition was shown, 153 national banks were born in the whole country. Each national bank has its own characteristics in the process of establishment, attributes of the founders or executives and business situation of afterward. I investigate the characteristic of two national banks of Hokkaido established in the different situation this time and analyze it.
著者
笠 一生
出版者
福岡県教育庁北筑後教育事務所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

筆者は、数学における対話の典型を数学の発展の過程の様相(Imre Lakatos 1980)の根源にあるヘーゲルの発見の論理学(テーゼ→アンチテーゼ→ジンテーゼ)である弁証法(礒田,1999)に学び、「ずれ」に始まる対話型問題解決の指導モデルと典型的な指導事例開発を行った(笠,2005)。「ずれ」を促す発問は発展的に数学を使う契機であり、対話を促す契機である。その「ずれ」を問題解決の指導に位置づけることで、生徒自ら表現し、数学を対話的に再構成しようとする姿勢が育つことも検証した(笠,2006)。他方で、ともすれば個人研究は、特定の学校の特定の先生であればできる職人技とみなされがちである。本研究では、それを誰もが取り組める事例づくりのマニュアルとして、実践研究者の立場から共同開発研究に取り組み、次のような成果をあげるに至った。研究実績1:事例の共同開発〔数学教育2007/4〜2008/3(連載「対話型問題解決の授業づくり」)〕〔数学教育2008/3(特集「対話を生かした発展的な問題解決授業」)〕研究実績2:対話を生かした発展的な問題解決授業づくりのポイント→『4つの学び直し』の場の設定(1)『既知の確認による学び直し』の場では、本時の学習内容につながる既知の知識の確認を行う。(2)『他と比較して自己の考えを知る学び直し』の場では、既知を活用した着想に疑問を持つ子どもへの発問を重視する。(3)『新しい立場をつくる学び直し』の場では、子どもが自らの思考過程や推論の根拠・意図を表現しえる発問を重視する。(4)『新しい理解を深める学び直し』の場では、学んだことを使う場を設定する。〔思考・判断・表現による『学び直し』を求める数学の授業改善〕出版予定
著者
小林 純 コバヤシ ジュン Jun Kobayashi
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.63-91, 2011-03-20
出版者
新潟大学経済学会
雑誌
新潟大学経済論集 (ISSN:02861569)
巻号頁・発行日
no.96, pp.193-198, 2014-03
出版者
Hanri Veyrier
巻号頁・発行日
1965
著者
松下 光範
出版者
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、ユーザが多量のデータから有益な情報を見出すために行う探索的な分析行為を支援する技術の実現を目的としている。このような分析行為の支援の枠組みとして、ユーザが自然言語でシステムに質問し、システムが可視化表現(統計グラフ)でユーザに応答するインタラクションモデルを提案している。本年度は、(1)昨年度に試作したシステムを用い、被験者実験を行ってユーザの自己内省行為がシステムの操作にどのように現れるかにっいての分析、(2)テキスト情報と数値情報を併用した探索支援システムのモデル化と実装、を行った。(1)では、5人の被験者を対象として、10年分の売上高データの分析結果から今後の販売指針を立案するタスクを課し、その様子を観察した。その結果、被験者らは、探索過程で生じた疑問や得られた知見を振り返る際の手掛かりとして、付箋機能を用いてテキスト形式で外在化した表現だけでなく、オブジェクトの位置やサイズ変更といった操作で生じた視覚情報を用いられている様子が観察された。この結果から、外在化表現と内的資源(記憶)とを適切に対応させる枠組みが、探索的データ分析支援にとって重要であることが示唆される。また(2)に関しては、動向情報を対象とし、それに対するユーザの関心(e.g.,最近数ヶ月のガソリン価格の変化、ここ数年の携帯電話加入者数の推移)に応じて時系列数値情報を統計グラフ(折線グラフ)として描画し、その上に関連する言語情報をその内容に応じたアイコンの形式で協調的に提示する方法を提案した。このアイコンは言語情報へのポインタの役割も兼ねる。これにより、ユーザは描画されたグラフ自体を自分の知りたい情報の概観(要約)として利用できるだけでなく、興味を持った箇所についてどのようなことが述べられているかを背景となっている文書群にアクセスすることで参照できるようになっている。
著者
袴田 優子
出版者
北里大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011-08-24

本年度は,研究費採択が決定した秋期~年末にかけて,本研究実施にあたり必要不可欠な研究環境のセットアップを済ませ,年明け~研究をスタートさせた.具体的に行った内容は下記の通りである.現在までに,12名の参加者から基礎データを得ており,うち4名が年度末~介入プログラムの実施を開始している.1)本研究課題について北里大学C倫理審査委員会に倫理審査申請を行い,2011年11月16日付で承認を受けた(C倫11-690).2)北里大学病院本院放射線科・教授とミーティングを重ね,核磁気共鳴画像(MRI)装置を機能画像(fMRI)実験について連携体制を整えた.また本学の診療放射線技師2名に撮像時のデータ収集協力を得た.3)大学本院MRI検査室に,fMRI実験課題中の脳活動を測定するために必用な反応記録装置(レスポンスパッド),そのケーブルを通過させる為の導波管の設置工事を行った(2011年12月).4)fMRI中に提示を行う実験課題を作成した(E-primeという心理学実験ソフトウェアを用いてDot Probe TaskおよびDual Task Designのプログラミングを行った).5)内分泌反応に詳しい独立労働安全研究所・研究員とミーティングを重ね,唾液コルチゾル検体キットの提供,および取得検体の解析について委託を依頼し,連携体制を整えた.6)その他,測定に必要な質問紙や認知機能検査を手配した.7)年明けより各学部の掲示板にチラシを掲示し,研究参加者募集を開始した.
著者
渡辺 良次郎
出版者
國學院大學綜合企画部
雑誌
國學院雜誌 (ISSN:02882051)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.69-81, 1959-12
著者
山下 英明 石塚 陽
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

ブロック生産方式のコンセプトを取り入れた生産システムをモデル化し,取り組むべき問題を明確にし,その問題の解析方法を構築した.具体的な成果は以下の通り.1.工場見学 ブロック生産方式を採用しているいくつかの工場を見学することによって,システムのスループット,平均仕掛品在庫,単位時間あたりに要する作業員のためのコストが重要な要因であることが判明した.2.ブロック生産方式のモデル化 少人数の多能工が複数の工程からなるブロックを担当するブロック生産方式と,各作業員が仕掛品を持ってすべての工程を順番に訪れて一人で完成まで仕上げる一人一品生産方式は,効率的に多品種少量生産を行う方式として注目を浴びている.本研究では,これら両方の方式を特殊な場合として含む,より一般的なシステムを待ち行列モデルによってモデル化した。このモデルを解析することによって,ブロック生産方式や一人一品生産方式の設計時における構成要素の設定に関する定性的な方式を得ることができる.3.最適化問題の定式化 (1)一定値以上のスループットの制約のもとで,平均仕掛品在庫を最小にするように,作業員数一定のもとでブロックの構成と作業員の割り当てを決定する問題,および(2)一定値以上のスループットの制約のもとで,単位時間あたりの作業員と仕掛品在庫のコストを最小にするように,ブロックの構成と作業員の総数およびその割り当てを決定する問題を定式化した.4.解析方法の研究 上述の問題を解析するためには,従来の待ち行列モデルの解析手法では問題の解析が難しいと考えられる.これに対して,我々は最近提案されたサンプルパス最適化の研究を進め,この方法が幅広いモデルに対して有効であることを明らかにした.5.最適化問題の解析結果 本研究によって,スループットと平均仕掛品在庫の間にトレード・オフの関係があるだけでなく,加工時間の変動係数の値によってシステムの最適な構成が大きく影響を受けることが判明した.
著者
松本 裕治 浅原 正幸 岩立 将和 森田 敏生
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-6, 2010-11-11
被引用文献数
1

科研費領域研究研究 「日本語コーパス」 の一環として開発してきたコーパス管理ツール 「茶器」 の機能と現状について報告する.茶器は,形態素解析 (品詞情報),係り受け解析のアノテーション (注釈) が付与されたコーパスを格納し,様々な検索,検索結果や統計情報の表示,注釈誤りの修正などの機能をもつツールであり,注釈付きコーパスの格納,検索,作成,修正のための環境を提供する.主な機能は,文字列,形態素列,文節係り受け構造などを指定したコーパスの検索と,検索結果の KWIC 表示と係り受け木の表示,種々の統計情報の表示,注釈付けエラーの修正などである.現在は,茶筌/ MeCab による形態素解析,南瓜による係り受け解析結果をデータベースに取り込む機能を提供するが,特に言語には依存せず,任意の言語の品詞/依存構造注釈付きコーパスを扱うことができる.This paper introduces a annotated corpus management system ChaKi that has been developed under the auspices of the Japanese Corpus Project (Grantin-Aid for Scientific Research in Priority Areas). The system handles morphologican and dependency structure annotated corpora and facilitates various functions such as storing, retrieving, creating and error-correcting annotated corpora. String, word and dependency structure based corpus retrievals are possible, and the results are shown as KWIC format or as dependency trees. While the current system transfers corpora with the ChaSen/MeCab or CaboCha output format into databases, it is language independent and can be applied flexibly to any POS/dependency structure annotated corpora.
著者
赤尾剛 中村 隆志 丸山 剛郎 高橋 純造 荘村 泰治 木村 博
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯材器 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.685-691, 1992
被引用文献数
4

ラミネートベニア修復物の仕上りは, 一連の複雑な工程や技工士の熟練度によって影響を受ける.この問題点の解決法のひとつとして, コンピュータ技術を応用したラミネートベニア修復用CAD/CAMシステムの開発を試みた.その第一段階として, レーザ変位計とコンピュータ制御3軸走査モデリングマシンCAMM-3を組合せた歯牙模型形状自動計測システムを開発し, その計測精度を検討した.その結果, 模型の色調を灰色に決定にし, レーザ変位計と模型表面の距離を常に一定に保ちながら走査する追随式計測法をとることによって, 最も精度良く計測することができようになった.このシステムを使用して, 上顎前歯模型表面の形状を計測し, 精度の高い三次元形状データを得ることができた.