著者
入江 光輝 柏木 健一 梅田 信 韓 畯奎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

乾燥地の貯水池は集水域の植生被服率が低いため土砂流入が多く、堆砂が進みやすい。対策として浚渫は有効だが、特に発展途上国では経済的理由で行われず利用可能な水資源量が減少している。そこで、チュニジアの貯水池で堆砂に関わる詳細な調査を行い、同時に堆砂を有効利用して得る収益によって浚渫事業を促進する可能性を検討した。土壌改良、機能性食品、レンガ原料といった用途での利用可能性を検証し、浚渫を含めた事業費負担の試算を行った。
著者
今井金吾編
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
2000
著者
鎌田 智恵 原田 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.197, pp.167-172, 2013-09-02

監視カメラの増加や警備ロボットの登場に伴い,異常検出技術の需要は高まっている.従来研究は画像から得られる単一のモダリティを用いるものがほとんどであったが,柔軟な異常検出を行うためには画像の他に場所や時間帯など,複数の情報を考慮する必要がある.本研究では,マルチモーダル情報を用いた異常検出手法を提案する.マルチモーダル情報を正準相関分析により相互情報量の大きな空間に射影し,射影後の空間で通常モデルを構成し,異常度を通常モデルからの逸脱度で定義する.提案手法はマルチモーダル情報が得られる媒体であれば適用可能であり,低い計算コストで学習と異常度の算出が可能である.動画像から得られる画像特徴,音声特徴,位置情報に提案手法を適用することで,本手法により異常検出が可能であることを示す.
著者
増田 好純
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

航空機産業における「労働動員」を政策レベルと労働現場の二点から考察し、ナチ体制下の社会秩序形成過程の解明を試みた。政策レベルの分析からは、ナチ体制下の労働動員政策が、全ての要素を戦争遂行のために包摂・結集すべき「総力戦」とは相容れないものだったことが明らかとなった。また、労働現場の分析からは、「傾向として」様々な国籍・人種集団間の関係はナチ・イデオロギーに強く規定されていたが、その陰で個人的な問題もまた重要な要素であったことが明らかとなった。
著者
大床 太郎
出版者
獨協大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,ヒアリング・アンケートといった社会調査手法を駆使して,有業者がどのような子育て支援を必要としているのか,実証的に明らかにした.とりわけ,行政が実施する育児関連の福祉政策ではなく,企業が取り組む育児支援として,休暇や勤務時間に関する支援制度に集中して分析を進めた.ベストワースト尺度法を用いた分析の結果,神戸周辺地域の有業者は,平均的には育児休暇,(子どもの)看護休暇,短時間勤務,始業/終業時間の繰上げ/繰下げ,フレックスタイム,(育児支援としての)所定外労働の免除,在宅勤務の順に重視していることが明らかとなった.
著者
荒木 忠治 長谷川 美典 伊庭 慶昭
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.343-347, 2001-12-31
被引用文献数
1

セイヨウナシ,バートレット,ラ・フランス,パス・クラサン,ウインター・ネリスおよびドヴァイァン・ジュコミスの果肉成分中,糖,酸,ペクチン組成,性状別含量と組成比の違いを調査した。<BR>(1) 収穫時の全糖含量は,バートレット,ラ・フンスパス・クラサンが9-11%,ウインター・ネリス(冷蔵40日)が12%,ドヴァイアン・ジュコミス(冷蔵60日)が11%であった。<BR>(2) 主な構成糖は,全品種ともショ糖,ブドウ糖,果糖およびソルビトールで,主要糖は果糖である・収穫時の含量と比率は,バートレットとラ・フランスが6-8%(全糖の60-70%),他の3品種は8-10%で,(同81-85%)を占めた。<BR>(3) 収穫時の全遊離酸含量は,バートレットが0.3-0.4%,他の品種は0.2%台で,主要酸はバートレットのみがクエン酸で,他はリンゴ酸であった。<BR>(4) 収穫時の全ペクチン含量は,バートレットが約400mgで,既報値に比べ少なく,パス・クラサンは500-600mg,ラ・フランスは470-690mgと年次による変動が著しかった。<BR>性状別含量は,バートレットのW-Pが約70mg,ラ・フランスとパス・クラサンは90-130mg,Na-Pが310-525mgで,両画分の比率はほぼ20:70であった。<BR>H-P画分は,30-60mgで6-12%を占め,品種間差や追熟による変化少なかった。<BR>本試験は,農林水産省・大臣官房企画室の「果実等の省エネルギー地下貯蔵技術開発」調査事業の一部として行われた。
著者
海老澤 豊
出版者
駿河台大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の対象は18世紀英国の牧歌だが、前提としてテオクリトスとウェルギリウス、ルネサンス期イタリア、スペンサーやミルトンの牧歌を概観した。これらは18世紀初頭の英国で起きた牧歌論争を分析するために必要な手続であった。18世紀英国の詩人たちは「田園で羊飼いが歌い交わす」牧歌を変形し、地方色牧歌、都会風牧歌、漁夫牧歌、異国風牧歌、反奴隷牧歌などを生み出し、牧歌という古い器に新しい酒を盛ろうとした。
著者
畑 孝一
出版者
一橋大学
雑誌
一橋研究 (ISSN:0286861X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.19-32, 1959-04-30

論文タイプ||研究
著者
河崎 哲嗣 守屋 誠司 岡部 恭幸 垣東 弘一 小田桐 良一
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、算数・数学の苦手な学生を多く抱えた小学校教員養成課程を有する大学における数学的モデリングの授業体系の提案とその有用性を示そうとした。そこで、1.授業の教材づくりとカリキュラム構成のための調査・文献、2.算数的活動を学ばせるための基礎研究、3.算数・数学的活動を計画・授業・改良させるための実践を目的とした。小学校で行う数学的モデリングのような数学的活動は「①どんな数学を使うのかを課題内容に明確に組み込む②数学の体系化を意識する③オープンエンドである」の要素を含んだ課題を設定するとともに、学生の数学の学力向上が重要となった。その結果を踏まえ、数学的モデリングの講義案を示すことができた。
著者
オーバーヒューマ パメラ 泉 千勢 林 悠子
出版者
大阪府立大学
雑誌
社會問題研究 (ISSN:09124640)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.119-134, 2005-12

世界の多くの国で、乳幼児保育は公共政策の注目を集めている。質の良い保育サービスの提供と、生涯にわたる学習のための良い基盤を保障することについての議論では、カリキュラムに関する問題が新しく生じている。子どもについて我々は何を理解しているのだろうか。子どもたちは、周りの世界にどのようにアクセスし知識を構築しているのだろうか。大人は、子どもが学びの機会を効果的に高めるために何ができるのだろうか。一般的な価値観、伝統、優先事項等によって、このようなカリキュラム課題に対して答え、規定するためのアプローチの仕方は各国で異なる。The State Institute of Early Childhood Education and Research in Bavaria/Germany(バイエルン州立乳幼児教育研究所)を基盤にした最近の調査研究では、世界12カ国の30人の研究者による、革新的で論理的で実証的なカリキュラム研究が行われた。カリキュラムモデルとして、ヨーロッパ5カ国(デンマーク、フランス、ポーランド、スコットランド、スウェーデン)とヨーロッパ以外の5カ国(オーストラリア、チリ、中国、ニュージーランド、ナイジェリア)のカリキュラムが、その目的と理論的位置づけ、主要な学びの領域、評価方法、小学校との連携、といった点において分析された。本論文では、この国際比較研究での結果の概要を抜粋して紹介し、国家間の共通点と相違点を特定し、研究と政策のアプローチに関して課題を提起する。
著者
宮川 修一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東海支部会報
巻号頁・発行日
no.124, pp.19-26, 1997-12-10
被引用文献数
1
著者
松本 尚之
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、民政移管後のナイジェリアを事例とし、アフリカにおける民主主義の実践について、政治人類学の視点から考察した。特に、民族・宗教・地域対立を乗り越え政治参加の平等性を保証する方策として、同国において重要視されている「輪番制」と「均等配分制」という2つの政治慣習について、フィールドワークに基づく分析を行った。連邦政治から地方政治に至るまで、2つの政治慣習の実際の運用を調査するとともに、それら運用に対する人々の解釈・言説を収集した。それによって、国民の融和を目的とした政治慣習の可能性と問題点を分析し、「輪番制」と「均等配分制」が政治的競合における秩序産出に果たす役割について論じた。
著者
村上 正治
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.148-167, 1993
被引用文献数
6

極小未熟児・超未熟児乳歯の形態学的特徴を客観的に明らかにすることを目的として, 本研究を行った.対象は本学小児歯科外来で管理中の, 出生体重1500g未満の小児のうち, 現在全身状態に問題のない小児50名である.資料は, これら対象児が平均4歳0か月になった時点より得られた口腔内診査記録・口腔内写真, 歯列石膏模型および交換期により脱落した抜去歯である.その結果以下の結論を得た. (1) 模型分析より, 歯の大きさの平均は歯冠近遠心幅径において, 全歯で標準値の-1SD前後小さく, 歯冠唇 (頬) 舌径では, ほぼ全歯で標準値の-1SD以内の小さい値を示した. (2) 形態異常については, 癒合歯が健常児にくらべ高い発現率 (14.0%) を示した・ (3) エナメル質形成不全は, 50名中41名に認められ, その発現率は, 82.0%であった. (4) エナメル質形成不全における減形成の発現部位は, 上顎前歯部に多く, 石灰化不全は上下顎の臼歯部に多く認められた. (5) 歯の平均微小硬度数は, エナメル質で308.4, 象牙質で42.9で, ともに健常児にくらべ低い値を示した・ (6) 光顕的観察では, エナメル質新産線の発現位置が健全歯に比較して切端寄りに認められ・Retzius線が明瞭に認められた.以上の結果から極小・超未熟児の乳歯の大きさは小さく・形態異常・形成異常が多く, 歯質の硬さは低く, 石灰化不良な状態であることが示唆された.
著者
植村 正治
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.21-47, 2010-11

本稿では,近代工業技術の日本への技術移転の一つの方法として,工学教育機関の設立が重要であったという視点から,明治初期工学教育機関である工学寮を取り上げて,その設立の経緯について細かく検討した。当初,明治政府は小学校と大学校からなる「工部学校」もしくは「工学校」という名称の教育機関を想定した。ところが,イギリス人教師の来日が遅れたため,当初の予定では明治5年7月だったのが,実際の授業開始は6年10月となった。しかも,開港したのは大学校だけで,小学校については遅れて開校したものの,10年6月には廃校となり,その年に工学寮は文字通り工部大学校に名称変更となっている。本稿では,主に工学寮開校までを取り扱い,イギリス人教師の人選,校舎の建設や配置,工学寮カリキュラムや諸規則,第1回入学生の内訳などを見てきた。これ以降の組織変更や,技術移転という視点にとって見逃すことのできない,工学寮(工部大学校)における工学技術の教育内容については別の機会に検討したい。
著者
小荒井 晃 芝山 秀次郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.5-12, 2001-03-30
被引用文献数
3

水田における数種一年生雑草について, 代かき時期別に発生本数, 発生消長および出芽深度を調査した。4月から6月までの期間では, 代かき時期が遅れるほど雑草の発生本数は増加した。ヒメミソハギおよびタマガヤツリは, 6月以降も発生本数は増加したが, コナギ, アゼナ類, ミゾハコベおよびキカシグサは, 7月になって発生本数が減少した。いずれの草種も, 主として出芽深度が土壌表層の5.0mmまでに限られており, 例外的には7.0mmまでの深度からも発生した。タマガヤツリの出芽深度は他の草種よりも深く, 5.0〜7.0mmの土層からも多く発生した。発生本数が多かった6月および7月代かき区では, 3.0mmまでの土壌表層からの発生本数が多かったが, 3.0mmより深い層からの発生本数については, 代かき時期による差異は認められなかった。また, 最大出芽深度も, 代かき時期によって大きく変化しなかった。