著者
入江 英嗣 森田 光貴 岩崎 央 千竃 航平 放地 宏佳 小木 真人 樫原 裕大 芝 星帆 眞島 一貴 吉永 努
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.1415-1427, 2014-04-15

本論文では,光学シースルー方式HMD向けのユーザインタフェースとして,仮想オブジェクトや現実オブジェクトを指で直接指定することのできる"AirTarget"システムを提案する.AirTargetはHMDに取り付けたカメラからユーザの指の位置を検出し,カメラと視線のずれを補正する新規アルゴリズムにより,指先にカーソルを重畳表示する.軽量なアルゴリズムにより指先はマーカレスで検出され,特定の入力デバイスや外部計算機を必要としない.簡単なジェスチャによってコンピュータにコマンドを送ることができ,プログラムの入力インタフェースとして機能する.ユーザは仮想平面上のデスクトップを指差して操作することや,視界に入った現実オブジェクトを指で切り出して画像検索のクエリとすることができる.このような可搬性と操作感から,外出先を含む日常生活のあらゆるシーンにコンピューティングを浸透させるインタフェースとして有効である.Android端末として機能するHMD上に提案システムを実装し,システムのリアルタイム性,検出精度,操作感の評価を行った.提案システムは18フレーム以上のリアルタイム動作を実現し,また,クリックジェスチャ操作を高い認識率および精度で実現した.In this paper, a system "AirTarget", which can point virtual and real object directly with user's finger is proposed for optic see-through HMD devices. The camera attached to the HMD device detects the position of user's fingertip, calibrates the gap between the sight of the camera and eye, and displays the cursor overlapped to the finger on the virtual plain. Finger detection is done in markerless image processing, so that it does not require specific input devices or external computer. This system enables to send control commands by simple gesture, working as a self-contained interface. The user is able to point a virtual object with their finger, and able to cut out an object of the real sight which can be used as a query of the image searching. Such portability and operability enforces AirTarget as an effective interface to be attached to every scene of daily life including outdoors. We implemented the proposal system on the HMD as an Android device and evaluated its real-time properties, detection accuracy, and operability. The algorithm achieved more than 18fps which is sufficient to real time operation. Also, the quick gesture operation was achieved in high accuracy and recognition rate.
著者
糟谷 司 川村 隆一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.917-925, 2012-10-31

1997年から2009年までの期間について全国規模でGPS可降水量を算出し,その季節変化の気候学的な特徴について調べた.冬期から春期への季節進行と共に可降水量は全国的に増加していくが,西日本では5月末の少雨期の直前に可降水量の増加が停滞し,その後約20mm程度の可降水量の急増に伴って6月中旬に梅雨入り(オンセット)を迎える.オンセット時の最大増加率は1mm/dayを超え,増加率の極大後約10日後に降水量が最大値を示す.また,盛夏期の可降水量の上限値は50mm程度である.秋期に可降水量が急激に減少する時期は西日本では2回,東日本では1回で,特に9月中旬の減少傾向は全国規模である,可降水量の夏期前後の季節変化にみられる非対称性は西日本で特徴的であるが,北海道では8月初めを極大とする対称性が際立っており,可降水量の季節変化に地域的な特徴が見出された.
著者
呂 建明 谷萩 隆嗣
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.123, no.9, pp.1555-1563, 2003 (Released:2004-05-28)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

This paper presents a method for face recognition based on fuzzy clustering and parallel neural networks. Neural networks have been widely used for pattern recognition in various fields. However, the computing efficiency and the recognition rate decrease rapidly if the scale of neural network increases. In this paper, a new method of face recognition based on neuro-fuzzy system is proposed. In particular, the face pattern is divided into several small-scale parallel neural networks based on fuzzy clustering. Experimental results show the effectiveness of the proposed method.
著者
帝國大學新聞社編
出版者
帝國大學新聞社
巻号頁・発行日
1934
著者
藤田 一郎
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

V4野において、相対視差の検出と両眼大域対応の計算がなされており、また個々の細胞の活動が、動物の示す奥行き判断と相関すること、背景からわずかに手前に飛び出した視覚特徴を検出するのに適した性質を持つことを見出した。また、下側頭葉皮質の細胞の活動発火頻度が、「形の見え」という意識的な知覚と相関して変動することを見出した。これらの発見により、物体および奥行きの知覚に関わる神経機構の理解が大きく進展した。
著者
秋葉 昌樹
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

質的調査法の新しい流れのひとつであるパフォーマンス・エスノグラフィを通して、養護教諭のヘルスプロモーションの実際的問題に支援的に関わる臨床教育社会学的研究のモデルを構築した。その結果、成果発表としてのパフォーマンスは、研究に参加してもらった実践家とともに遂行することで、成果発表もそれ自体として「支援的」に機能しているという知見が明らかになった。
著者
徳美 雄大 袴田 隼毅 徳丸 正孝
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.270, 2011 (Released:2012-02-15)

本論文では,タブーサーチを用いて献立の栄養バランスを最適化する栄養管理システムを提案する.現状のレシピ検索では,特定のレシピのキーワード検索や人気のあるレシピをレコメンドするものが一般的です.しかし,これらのレシピ検索は一様な検索結果をユーザに提示する.したがって,ユーザの嗜好は検索結果に反映されない.また,多くのレシピ検索はレシピに含まれる詳しい栄養量を記載していない.そこで,私たちはこのような問題を解決するために食生活支援システムを開発している.食生活支援システムは,栄養管理システムと感性検索システムで構成されている.栄養管理システムは栄養バランスを考慮した献立をタブーサーチ法を用いて探索する.感性検索システムはユーザの嗜好考慮した献立を探索する.本論文では,タブーサーチ法によるレシピの組合せ探索の性能を調査するためにシミュレーションをおこなった.その結果,献立に含まれるレシピ数が3品以上の場合,長期間に渡って十分な量の献立を取得できた.したがって,提案手法の有効性が確認された.
著者
昆野 安彦 松田 一寛 小西 和彦
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.182-184, 2002-08-25
被引用文献数
4

ウメエダシャクは北海道、本州、四国、九州、対馬に分布するシャクガ科シャクガ亜科の一種である。発生は年1回で幼虫はウメ、モモ、スモモ、ナシ、アンズ、リンゴなどのバラ科果樹類のほか、ニシキギ(ニシキギ科)、エゴノキ(エゴノキ科)、ガマズミ(スイカズラ科)など、7科17種の葉を食害する多食性の蛾として知られている。また、多発生した場合はウメの害虫として認識されることもある。本種の寄生蜂に関する報告はこれまでないが、今回、蛹から羽化した寄生蜂を調査した結果、5科6種の寄生蜂を確認することができたのでここに報告する。

1 0 0 0 OA 大西博士全集

著者
大西祝 著
出版者
警醒社
巻号頁・発行日
vol.第2巻 倫理学, 1904
著者
梶 茂樹 米田 信子 古閑 恭子 品川 大輔 塩田 勝彦 神谷 俊郎 若狭 基道
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アフリカには多くの声調言語が話されている。アフリカの声調言語の特徴は、アジアの声調言語に比して、声調の語彙的機能が低く文法的機能が高いということである。例えば、多くのバンツー系諸語では、しばしば声調のみで時制・アスペクトが区別されるし、また声調のみによって関係節かそうでないかが区別される。またガーナのアカン語では所有表現が声調のみで表現されるということもある。このような声調の文法的機能はアフリカの声調言語の大きな特徴である。