著者
南部 功夫 和田 安弘 大須 理英子 大須 理英子
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、直感的で操作が容易な脳情報バーチャルキーボード構築に向けた基礎検討を行った。最初に、脳波(EEG)を用いて、運動実行時および想起時の個々の指運動(想起)を予測できる可能性を明らかにした。次に、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)により、運動準備時には対側の運動前野や補足運動野に高精度な指運動情報(系列)が含まれることがわかった。最後に、機能的近赤外分光計測(fNIRS)を用いた運動情報の抽出を目指し、fNIRS信号に混在する頭皮血流アーチファクトを除去し、脳活動の推定精度を向上させる手法を開発した.以上の結果は、脳情報を利用したバーチャルキーボード構築に貢献すると期待される。
著者
難波 康祐
出版者
徳島大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、2'-デオキシムギネ酸 (DMA) を肥料としてイネの水耕培地に添加すると、本来アルカリ性培地では生育できない通常のイネが、アルカリ性条件下においても良く生育できることを明らかにした。このため、DMAを肥料として安価かつ大量に供給することが可能となれば、世界のアルカリ性不良土壌での農耕が実現可能と期待できる。しかしながら、DMAの大量合成法の確立に未だ検討の余地を残していることや、DMA添加による成長促進機構は未だ不明であった。そこで我々は、DMAの大量供給法の開発およびDMA添加による成長促進機構の解明に取り組み、今年度までに以下に示す成果を得た。1. 高価な出発原料の大量供給法の確立:DMAの合成において、出発原料となる2-アゼチジン-L-カルボン酸が非常に高価であることが大量合成に向けた最大の問題となっていた。そこで、触媒的不斉クロル化反応を鍵とするL-アゼチジン-2-カルボン酸の大量合成法を確立した。2. 植物組織内でのムギネ酸の挙動追跡を可能とする新規蛍光分子の開発:これまでに、独自に開発した蛍光分子1,3a,6a-トリアザペンタレンを基盤として、黄色蛍光や赤色蛍光を発するコンパクトな蛍光分子の開発に成功した。3. 植物成長促進機構の解明:放射性同位体鉄を用いた鉄イオンの追跡実験およびqRT-PCRやマイクロアレイを用いた遺伝子解析実験を行った。その結果、DMAは単に鉄イオンの取り込みを補助するのみならず、鉄イオンの体内組織への運搬や窒素固定の促進など、成長に関わる様々な機構を活性化させることを明らかにした。4. ムギネ酸阻害剤の開発:ムギネ酸・鉄錯体トランスポーターの3次元構造の解明に向けて、トランスポーター阻害剤の開発に成功した。現在、阻害剤を用いた膜タンパク質との共結晶化を検討中である。
著者
高橋 雄介
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は,パーソナリティ特性と身体的・精神的・社会的健康の関連性の全体像を把握するための新たな知見の蓄積のために,健康に関わるさまざまな指標を複数のサンプルに対して用いて調査データを取得し,パーソナリティ特性と健康の相互関連について包括的に紐解いていくことを主たる目的とする。本研究の結果,パーソナリティ特性の変化は健康および健康に関連する行動の変化と正に相関することが確認され,これはパーソナリティ特性の変容が健康に対して影響に与えていることを示唆している。また,別の研究結果は,パーソナリティ特性が,その個人が子どものころに受けた養育態度と身体的な健康感の正の関連を媒介していること,そして,その媒介効果は年齢層を通じて一貫していて持続力があることを明らかにした。このことは,養育態度はパーソナリティ特性の発達と健康増進のために介入可能性のあるターゲットのひとつであることを示唆している。
著者
奈良教育大学保健管理センター
出版者
奈良教育大学保健管理センター
雑誌
保健センターだより
巻号頁・発行日
vol.19, 1992-04-01

保健管理センターの変遷/血圧について(3)現代病、社会病としての高血圧症 ―自己管理によって、高血圧症を予防する―/平成3年度保健管理センター事業実施状況/血液化学検査成績(学生・一回生)/末梢血液検査成績/血液化学検査成績(教・職員)/末梢血液検査成績/平成4年度保健管理センター事業予定表/平成4年度春季定期健康診断実施について(通知)/センター利用に際して/保健管理センター主要設備/日本型食生活のすすめ ―米飯を中心とした日本人の食事は、ヘルシーな食生活であると見直されています―/高血圧予防のために ―飽食の時代、若年層にも成人病がふえています―/保険管理センター平面図及び配置図
著者
谷口 義明
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

近年、センサネットワーク技術が大きな注目を集めている。センサネットワークの性能はセンサ端末の初期配置に大きく影響される。本研究では、大量のセンサ端末を一度に空中で散布する際に、センサ端末の一様な初期配置を実現するためのセンサ端末散布法を提案した。提案手法では、空中落下中に自身の落下挙動を切替可能なセンサ端末を想定する。周囲センサ端末との通信結果に基づき落下挙動の切替えタイミングを適切に制御することにより、センサ端末を観測領域に均等に落下させる。シミュレーション評価の結果、提案手法を用いることにより、カバレッジの高いセンサ端末配置を実現できることを示した。
著者
谷山 茂人 高谷 智裕 反町 太樹 相良 剛史 久保 弘文 大城 直雅 小野 要 肖 寧 橘 勝康 荒川 修
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.49-55, 2013-02-25 (Released:2013-03-08)
参考文献数
37
被引用文献数
1 5

2009年1~6月に沖縄県沿岸で採集した小型巻貝8科15種計64個体のうち,5種にマウス毒性が認められた.このうち,キンシバイの毒力は総じて高く,筋肉で最高461 MU/gに達した.その他の4種(サツマビナ,ヘコミマクラ,イボヨフバイ,カゲロウヨフバイ)の毒力はおおむね10 MU/g前後であった.LC-MS分析により,有毒個体の毒の主体はいずれもTTXで,キンシバイではこれに加えて4,9-anhydroTTX,4-epiTTX,11-oxoTTXを含むことが示された.また,アワムシロの可食部からもTTX(5.08 MU/g)が検出された.一方,残りの9種には,マウス毒性もTTXも全く認められなかった.
著者
藤正 巖 松谷 明彦
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、システムダイナミックスを用い、2000年、2005、2010年の社会構造推計エンジンを開発し、世界、諸国、日本、都道府県、市区町村の個別のモデルを試作し、クラウドコンピューティングのデータベースに蓄積してきた。これまでの3種の推計エンジンの結果からは、将来の社会構造は驚く程確定的に定まることが明らかになった。この成果を本研究の仮想実施空間であるPost-Max-Network-Workshop(PMN工房)に提供した
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1061, pp.34-37, 2011-07-25

iCloudのシステムは、もう丸裸だ─。2011年6月21日、クラッカー†集団「LulzSec」は、まだサービス開始前である米Apple社のクラウド型サービス「iCloud」のシステムに侵入した、とインターネット上で宣言した。サーバーやネットワークの構成、動作しているアプリケーションのソース・コード、データベースの認証パスワードなど、重要な情報を徹底的に抜き出したという。
著者
丸田 頼一 支倉 紳 柴田 知之
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.19-24, 1985-03-30
被引用文献数
1 1

適要 1864年に,カリフォルニア州政府が設置したヨセミテ公園は,広域な原生地域を対象とした全米で最初のものてあった。その後,この公園は国立公園に吸収合併されたか,1902年,レッドウフドパークの設置以後,カリフォルニア州政府は州営公園系統の整備を着実に進め,現在ては,260ヵ所にものぽる多種多様な公園を設置している。本論においては,このような州営公園の発展の史的事実及び背景等を明白にしようとするものである。
著者
大鶴 勝
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.p67-70, 1988-01
被引用文献数
3
著者
景気研究所 編
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
vol.第10, 1939
著者
中野 博雄
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03856801)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.32-38, 1958-03-31
著者
山田 廣成
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2001

1.超小型電子蓄積型高輝度X線発生装置の開発に成功した。X線発生専用マシンとして外径約0.5m、電子エネルギー6MeVの電子蓄積リングを開発した。X線強度は、目標を上回り、10^<12>光子/s,mrad2,mm2,0.1%bandを達成した。運転の自動化や電流値安定機構を導入して安定な運転を実現し、利用研究をルーチンで実施できる状態であり、COE放射光生命科学研究に貢献している。2.X線イメージングでは、25ミクロンロッドターゲットを用いて最大20倍拡大の屈折コントラスト撮像を実現した。放射光を勝る極めて強いエッジ強調が現れ、実物肺の中に埋め込んだウレタン製腫瘍の形状や血管の状態を鮮明に撮像した。30cm厚コンクリートの非破壊検査では、従来法では見えなかった亀裂や砂利の密度を造影剤無しで鮮明に捉えた。資料を光源点の近くに置くことにより、70倍の拡大撮像でも、ピントがぼけないことを確認した。3.Si及びGe結晶をターゲットとしてシンクロトロンの電子軌道上に設置し、結晶面を20°に傾けたとき、0°及び30°方向に10〜13keV単色X線を取り出すことに成功した。X線強度が10^<10>光子Brightnessで有ることを確認した。この強度はタンパク質構造解析を行うのに十分である。現在、蛋白質構造解析BLの開発(COEによる)を進めている。4.遷移放射機構を用いてコヒーレントな軟X線の発生に成功した。みらくる6Xを用いた場合その強度は、校正された検出器を用いて、5mWあることを確認した。みらくる20を用いる場合には、1Wに達することが計算上明らかになった。この値は、小型放射光装置AURORAと比較して、2桁大きな値である。5.光蓄積リング型自由電子レーザーの研究では、環状ミラーの導入により、明らかな増幅を観測した。増幅の結果、強度の蓄積電流値依存性で2乗に比例することが観測された。光蓄積リング型レーザー発振ではない他の原因によるコヒーレント放射光発生の可能性を否定できないが、環状ミラーの導入によりビームに何らかのモジュレーションがかかったと考えている。平均100mWの中・遠赤外光出力は、利用実験を行うのに十分なパワーである。分光器にFTIRを導入して、水、蛋白質、ガン組織などの遠赤外線吸収分光をルーチンでこなすことが出来るに至り、THz研究者と共同研究を推進するに至っている。