著者
斎藤 公男 肥後 靖 高木 幹雄 小瀬 邦治 松田 秋彦 梅田 直也 小寺山 亘 今井 康貴
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

沿岸海域を航行する中小型船を対象とし,模型船による波浪中実験や鋼材運搬用内航貨物船の運航性能に関する実態調査を実施し,それらの解析結果より以下の知見を得た。1)船体応答から波浪情報を推定する簡易推定法を提案し,波高計アレイ実験結果と比較したところ,有義波高,平均波周期及び波の主方向に関して,多少のばらつきがあるものの,十分な精度のあることが確認できた。2)上記簡易推定法を模型船曳航実験により得られた推定値と計測値を比較したところ,平均波周期については,全体的によい結果が得られたが,有義波高については追波状態に差がみられた。波の主方向については,30°以内で考えると70〜80%の精度が得られた。3)鋼材運搬用内航貨物船「裕翔丸」(長さ76m,幅12m)に計測器を搭載し,ブリッジで計測した船体運動から船倉内の加速度が概ね推定できることがわかった。4)ハッチカバーレス内航コンテナ船の海水打ち込み水量をダム崩壊理論及び洪水流理論を組み合わせて推定し,それらを模型実験結果と比較したところ,横波中で前進速度を持たない場合においては,計算値と実験値はよく一致した。一方,前進速度がある場合には,定性的に似た傾向を持つものの定量的には理論計算の改良が必要であることがわかった。海水打ち込みの発生頻度については,定量的にも推定値と実験値は良い一致を示した。5)安全性,定時性の向上に関連し,海水打ち込みの発生頻度と運航条件(船と波の出会い角,船速)の関係について,船の運航者の手助けとなる運航状態図を作成した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1004, pp.58-63, 2013-07-25

2年後に控えた経済共同体の創設で6億人規模の統一市場が誕生する、東南アジア諸国連合(ASEAN(アセアン))。さらなる成長が見込まれるなかで、日本企業がその勢いを取り込むためには、息の長い取り組みが必要だ。 年6%の経済成長を続けるASEAN。
著者
富山 栄子 塩地 洋
出版者
事業創造大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

新興国自動車メーカーである、現代自動車のグローバルマーケティングについて、インド、ロシア、中国市場への市場参入方法とマーケティング戦略の比較、および先進国企業との戦略比較を中心に研究を行った。現代自動車のグローバル・マーケティングの「配置」と「調整」では、自社工場の設置は人口が多く将来的に需要が見込める国BRICsを中心に中小型車を投入し、市場の大きさや潜在力に応じて直接進出方式とライセンス方式を使い分けている。4P戦略は、全世界で同一のスローガンによるグローバルな統合の下、プラッットフォームは共有し標準化しながら、地域のニーズや状況にあわせてデザイン等は現地適合化を行い、拠点間でのノウハウの移転・共有を行っていることを明らかにした。また、先進国自動車メーカー(トヨタ)との違いは前者がグローバルモデルの「本国モデル」あるいは「先進国モデル」を基盤とした新興国への転用を原則とし、機能的価値や品質、耐久性など「見えない」点に力を注いでいるのに対し、現代自動車は、国単位でBRICS市場を分割し特定国向けの専用車種を開発投入し、「新興国モデル」を基盤として他の新興国へ横展開し、デザインなどの「見える化」に力を注ぎ、市場環境に応じてフレキシブルな対応を行っていることを明らかにした。
著者
小林 充
出版者
法曹会
雑誌
法曹時報 (ISSN:00239453)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.783-812, 2011-04
著者
川村 秀憲
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は大規模マルチエージェントシミュレーションを実行する環境についての研究である。シミュレーション対象として、Thomas SchellingによるSegregation modelを取り上げ、オープンストリートマップをデータを用いて構築された環境で数万規模のエージェントが居住地選択を行い、社会的地位などで居住地域がどうセグメント化されていくのかにおける大規模エージェントシミュレーションに成功した。
著者
相澤 康隆
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.60, pp.121-135_L8, 2009 (Released:2010-11-09)
参考文献数
19

In Book 7 of his Nicomachean Ethics Aristotle explains how a man can do what he knows to be wrong. Traditionally, Aristotle's account of akrasia is interpreted in this way: when someone acts from weakness of will, he doesn't know that what he does is wrong and that he should not do it. For example, when a diabetic eats something sweet because of his appetite, he doesn't know that he should not eat it.However, some objections have been made against this traditional interpretation. First, Aristotle seems to think that some akratic people know they should not do such and such (1150b19-22). If he thinks this, the traditional interpretation contradicts his text because on that interpretation an akratic person doesn't know he should not do such and such. Second, on the traditional interpretation there can be no conflict of motives. If an akratic person doesn't know he should not do such and such, he has no conflict between reason and appetite. However, it is quite clear to us that when we act from weakness of will, we have a conflict of motives.These objections can be answered by making few modifications to the traditional interpretation. It is true that an akratic person doesn't know at the time of his act that he should not do such and such. However, he knows it before he acts. If the traditional interpretation is modified in this way, the above objections can be answered. First, in 1150b19-22 Aristotle thinks some akratic people know before they act that they should not do such and such. Second, an akratic person does have a conflict of motives before he acts. He does have a conflict between reason and appetite before he acts, though at the time of his act he no longer has it.Making these modifications to the traditional interpretation, we can interpret Aristotle's account of akrasia consistently.
著者
井上 俊明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.240, pp.46-50, 2009-10

大半の自治体病院が深刻な経営難にあえぐ中、"逆襲"に転じるところが出てきた。院長の強力なリーダーシップで職員の意識を変革したり、内科医「ゼロ」のどん底からはい上がった病院もある。こうした動きは、民間病院にとって脅威となり得る。一足早く経営改革に乗り出した国立も含め、その動向を追った。取材・文◎井上 俊明(医療局編集委員) 「おはようございます!」。
著者
池元 有一
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.3-32, 2003-03-31

初期の日本のコンピュータ産業は,急成長する内需に依存して発展した.そこで,本稿ではその内需をいかに国産機が獲得したかを,コンピュータ利用の変化とメーカーの対応に着目し,(超)小型機を対象として明らかにした.1960年代,日本のユーザーの一部は,コンピュータ導入に対する不安から廉価な小型機を望み,国産メーカーは,PCSや会計機並の低価格でより高機能の小型機で新市場を開拓する.ここには,ライバルとなる外国機が存在せず,また,小型機ユーザーは経済成長に伴い上位機種へ移行する例も見られ,国産メーカーにとって有利な市場であった.富士通は,この小型機で売上を伸ばし,それを上位機種につなげコンピュータ市場全体のシェアを拡大した.日本電気は,超小型機で成功したが,提携先(ハネウェル)や販売店の都合で,それを上位機種につなげることができなかった.目立製作所は,小型機の自主開発も試みたが,提携先(RCA)や上層部の判断で,製品投入のタイミングを左右され,思うようにシェアを拡大できなかった.
著者
朴 銓烈
巻号頁・発行日
1986

筑波大学文学博士学位論文・昭和61年3月25日授与(甲第326号)
著者
齋藤 邦明 山本 康子 村上 由希 齋藤 ゆみ
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ストレスは精神神経疾患や生活習慣病など様々な疾患の引き金の一つとして考えられているが、ストレスによる疾患発症の詳細なメカニズムは未だ解明されない部分が多く残されている。本研究では個々のストレス状況を把握し、負荷が少ないIT 技術を用いた利便性の高い設問形式を用いて、ストレス評価法の構築と新規ストレスバイオマーカー検索の可能性について検討した。設問集を用いたストレス解析については、CES-D、GST28などをベースとして、データをIT 技術による算出する方法を確立し、同時に種々の臨床データと経時的に血清等のバイオリソースを高品質で保管管理できるシステムが構築された。本システムが構築された事により、健常人および慢性疾患患者の個々人レベルでの追跡が可能となり、データ解析の際に臨床で問題となるノイズの軽減が可能となった。さらに、高ストレス群と低ストレス群でのプロテオーム解析の結果より、両群間で差のあるいくつかのタンパクが認められた。すなわち、高ストレス群と低ストレス群共に例数を重ねてターゲットタンパクを絞り込み、特異性のあるタンパクを詳細に解析して複数のターゲットタンパクを組み合わせることでストレス度を判定できる新しいバイオマーカーを確立できる可能性の充分ある事が判明した。設問紙を利用することにより、ストレスの総合的解析が可能となり、ストレス軽減方法の開発に寄与できるものと考えている。すなわち、客観的側面からの分析(類似回答パターンの有効性の検討)として、回答から類似の回答パターン(数種類)に分類し、ストレス度が高いパターン、ストレス度が低いパターンを構築したシステムから抽出し、クラスタ分析など統計的解析と血液等のストレスバイオマーカーを加える事による精度の高いシステム構築が可能であることが示唆された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.361, pp.88-92, 2004-10-08

夏は群青,秋は黄金色など,季節ごとに色の変わるライトアップが見物客を集めている。しかし,当初計画していた風力発電による照明用電力の供給は,断念せざるを得ない結果となった。「季節ごとに色が変わるから,ライトアップされた橋の周りには,週末を中心に見物客が集まってくる」。この橋について地元の人たちに尋ねると,必ずといっていいほど,ライトアップの話をする。
著者
若榮 零 木下 尚央之 鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.391, pp.82-86, 2007-11

若榮:しゃぶしゃぶやすき焼きを提供する肉専門の和食店として1997年に開業しました。2002年12月、24歳で父の経営するこの店の店長となり、今は専務として経営全般を担当しています。収益の柱は、大手企業の宴会。それ以外の一般客は常連くらいしかおらず、それも多くありません。宴会で満席になる週末を除くと、お客がゼロの日も……。