著者
Natsuki SHIMIZU Hiroyuki HASHIDATE Tomohiro OTA Takayuki SUZUKI Mitsunobu YATSUNAMI
出版者
Japanese Society of Physical Therapy
雑誌
Physical Therapy Research (ISSN:21898448)
巻号頁・発行日
pp.E9971, (Released:2019-05-20)
参考文献数
47
被引用文献数
9

Objective: Gait ability may be related to the level of intensity-based physical activity in people who have experienced a stroke; however, this relationship has not been explored in previous studies. This study aimed to investigate the characteristics of intensity-based physical activity according to gait ability and to explore the factors related to different intensity physical activity. Method: Eighty hospitalized participants with subacute stroke were assigned to three groups based on their gait ability: group 1 (n = 28) could walk independently with a maximal gait speed (MGS) of more than 0.9 m/s; group 2 (n = 11) could walk independently with a MGS of less than 0.9 m/s; group 3 (n = 41) could not walk independently. Light-intensity physical activity (LIPA) and moderate-to-vigorous physical activity (MVPA) were measured for 12 hours using an accelerometer (OMRON, HJA350-IT) for 7 consecutive days and were calculated throughout three time periods (daytime, non-therapy time, or therapy time). Results: In each time period, a two-way ANOVA showed an interaction between the groups and intensity-based physical activity (p < 0.05). Bonferroni post hoc test showed a significantly higher LIPA in groups 1 and 2 compared with group 3 in daytime or non-therapy time. In contrast, group 1 showed a significantly higher MVPA compared with group 2 and 3 for each time period. Conclusion: During daytime and non-therapy time, the results suggested that gait independence is related to LIPA rather than gait speed, and gait speed and gait independence is related to MVPA.
著者
集冶 善博
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学農学部研究報告 (ISSN:03858634)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.103-108, 2005-03

筆者は、これまで様々な行動から搾乳牛の個性を検討する一連の研究を実施してきた。同時に、筆者は牛が人間に対して示す反応(対人行動)に関する研究も行ってきた。そこで、今回は、対人行動が、搾乳牛の個性を考える上で、どの程度重要であるかを検討するための研究を行った。村松ステーションの搾乳牛17頭の行動を調査した。搾乳牛の人間に対する行動を2つの側面から検討した。従来行ってきた牛舎に繋がれている牛に人間が接近あるいは接触しそれに対して牛が示す受動的な反応を記録する方法を放牧地においても実施した。これとは別に、放牧地において牛が自発的に人間に接触する行動を調査した。さらに、搾乳牛の身づくろい行動と社会行動も調査した。これらの結果を因子分析によって解析することによって、搾乳牛の個性を形成している要因を検討した。また、その個性における対人反応の重要性について検討した。観点を変えると、身づくろい行動は自己に、対人反応は人間に、さらに社会行動は同種の他個体に対する行動である。つまり、牛の行動の対象として、自己と人間と他個体の3つが存在することになる。そこで、搾乳牛の興味の対象としての人間の存在についても検討した。結果はつぎのとおりである。放牧地では、17頭のうち10頭が人間に対して自発的に接触した。その頻度には大きな個体差があり、全く接触しない個体もみられた。また、放牧地では、牛舎内で繋がれた状況での受動的反応に比べて個体差が大きかった。これらは、放牧地のような空間では、自発的には人間に関わらないという選択の余地があるためと考えた。また、牛の人間に対する行動の個体差は、身づくろい行動や社会行動のそれより大きかった。各個体の身づくろい行動、人間に対する行動、社会行動の計17項目の調査結果を因子分析したところ、第1因子は行動の対象に積極的にかかわっていこうとする性質、第2因子は人間に対する親和性、さらに第3因子は社会的優位性であると判定された。道に、身づくろい行動すなわち自己を対象にした行動は個性を形成する主な要因ではないと考えられた。このように、搾乳牛の個性において、人間に対する行動は非常に重要であることが明らかになったが、因子分析の結果を総合的に考えると、人間は搾乳牛にとって積極的に探査もしは接触してみる対象、好奇の対象である可能性もあると思われた。The importance of the behavour to the human in the behaviour of the milking cattle was examined. 17 milking cows of Niigata University Muramatsu Station were investigated. The behaviours to one human, like a nanny, in the inside of the cowshed and in the pasture were examined. Responses to the behaviour which the human did to the cows were examined, and numerical value turned in the cowshed. The behaviour which cows showed to the human voluntarily were examined in the pasture. The grooming and social behaviour of the cows were examined in another opportunity. A factor analyzed those results. The individual which licked a human was in the individual as well which it was in and which didn't touch it at all in the pasture. Scores in the pasture aligned with in the cowshed comparatively well. But, inthe pasture, there were cows which avoid a little from the human. Therefore, originally behaviour toward the human of the cows should be investigated in the pasture. The individual differences of the behaviour to the human were bigger than the grooming and the social behaviour. The first factor was thought about with the curiosity as a result of the factor analysis. The second factor was affinity to the human. The superiority or inferiority in the herd and aggresiveness were the third factors.

5 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1944年08月23日, 1944-08-23
著者
石毛 フミ子
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.56-61, 1961-01-01
被引用文献数
5

健康な女子大学生10名を被験者に, ヒール高1.5cm, 2.5cm, 3.8cm, 5.2cm, 7.3cmの5種のパンプスについて, 安静時と歩行時のエネルギー代謝, 歩度をしらべ, 酸素消費量したがつて消費カロリーは, 一定距離の歩行に対して, 2.5cm, 3.8cm, 1.5cm, 5.2cm, 7.36cmの靴の順に大きくなつていることを見出した。そして, この結果, ならびに関連結果について広く考察を加えたが, 日常の生産活動に最も適した女子の靴のヒール高は3cmであるとの結論をえた。
著者
平野 正徳 和泉 潔 松島 裕康 坂地 泰紀 島田 尚
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究は,金融市場における高頻度取引(HFT)のマーケットメイク(MM)戦略と呼ばれる注文行動について分析を行うことを目的とした.株式会社日本取引所グループより提供を受けた,東京証券取引所の注文データを使用し,仮想サーバーの名寄せを前処理として行なった.その結果得られた,取引主体別の注文データを,いくつか指標を使うことで,クラスター分析を行い,高頻度マーケットメイク戦略(HFT-MM)を取っている取引主体を抽出し,それらの注文が,直近約定価格から何ティック離れたところに置かれているかについて計算した.その結果,HFT-MMとされる行動主体は,直近約定価格からかなり離れた位置(5-10ティック)のところにも注文を置いていることが明らかになった.この結果は,HFT-MMとされる取引主体が,マーケットメイク戦略だけではなく,他の戦略も採用している可能性を示唆しており,さらに確認すると,価格が急変した際には,不安定化効果を引き起こす可能性をも示唆していることがわかった.
著者
曽田 裕司
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.61-70, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
12

ピアノ練習の中で, できなかった箇所がふとできるようになる現象を, 本研究では自然科学で言う「相転移」のアナロジーで捉える。この過程を明らかにすることは, 学習者のその後の練習に示唆を与える。そこで, 練習過程の実際を記述するための方法論として, ここでは日常的行為に潜在する微細な実践的方法を描き出すエスノメソドロジーを用いる。本稿は 事例研究に先立ち, その基盤となりうる理論について考察することにより, 研究対象と理論の適合性について確認することを目的とする。
著者
岡崎 豪 レブル オリオル
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

豪雨による洪水や土砂災害が発生したときの損保業界の意思決定を支援することを目的として,発災直後に高い精度で被災状況を予測できる水災被害想定の手法を提案した.精度を向上させるため,母集団と降水量に変更を加えた.母集団の変更においては,土砂災害危険箇所と低位地帯のいずれかの領域に含まれる契約を対象とした.降水量の変更においては,再現期間15年の日降水量を閾値として適用し,地方整備局や各自治体による河川整備や土砂災害対策の度合いを反映させた.平成30年7月豪雨と平成29年7月九州北部豪雨を対象として,実際の支払件数と本研究の手法により予測件数を比較したところ,総支払件数,都道府県別の内訳においても,実績件数をよく再現できていることを確認した.
著者
石川 哲
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-9, 2005-09-30 (Released:2009-10-29)
参考文献数
16

最近話題のシックハウス症候群(SHS)、多種化学物質過敏症(MCS)に関してその要点を総説的に解説した。本症は微量化学物質の慢性接触により生じた生体の自律神経、中枢神経、免疫系、内分泌系を中心とする過敏反応である。感覚器としての眼はちかちかする、異物感がある、視力が低下する、かすむ、中心部が見にくい、つかれるなどの症状、訴えが頻度的にも最も多い症状である。これら疾患の診断に眼は最も役に立つ器官である。何故ならば定量的にその障害が極く軽度のレベルから測定出来るからである。現在特に患者が多いのは新築により生じた症例、またはリフォームによる症例が中心をなしている。我々現代人は過去100年前には体験出来なかった合成化学物質蓄積が既にあり、生体内の解毒システムがそれに動員されるので、本来ならば反応しない低いレベルの物質でも閾値が低く反応が起こり発症する可能性が強い。我々の周辺の環境劣化は健康問題一つとして21世紀には絶対に放置出来ない限界点まで来てしまっている。Sick House, MCS問題で悩んでいる患者もこの環境劣化現象の結果現れた可能性が強い.今後我々は真摯な態度で環境問題を考えそれに対処して行く必要がある点を強調したい。
著者
久保 智之
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.27-32, 2001-12-31

In the Fukuoka dialect, flat high pitch spreads between a WH-word and a [+WH] COMP which binds it. Two assumptions are made to explain this phenomenon: (i) there is a rule which forms a phonological phrase between a WH-word and a [+WH] COMP, (ii) only the underlying accent of lexical head will surface. These assumptions also hold for the Pusan dialect of Korean, which shows striking similarity to Fukuoka Japanese.
著者
川村 隆浩 江上 周作 田村 光太郎 外園 康智 鵜飼 孝典 小柳 佑介 西野 文人 岡嶋 成司 村上 勝彦 高松 邦彦 杉浦 あおい 白松 俊 張 翔宇 古崎 晃司
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本発表では,2018年よりスタートしたナレッジグラフ推論チャレンジについて報告する.近年,機械学習技術の進展によりさまざまな社会システムにAI技術が組み込まれつつある.今後,そうしたシステムを安心・安全に使っていくためにはAIによる判断・動作を適切に説明する技術が重要になってくるだろう.そこで,本会セマンティックWebとオントロジー研究会では,データセットとしてシャーロック・ホームズの小説を題材としたナレッジグラフを構築,公開し,説明付きで犯人を当てる(推論または推定する)技術を募集するチャレンジを企画・開催した.発表では,第1回となった2018年のチャレンジの概要と共に,ナレッジグラフの構築手法,SATや推論,文書ベクトルなどを用いた4つのアプローチ,およびそれらの評価方法・結果等について述べる.また最後に,2019年に予定している次回チャレンジの計画について紹介してまとめとする.
著者
古野 真菜実 前田 香奈 今泉 修 神藤 真優 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

人間の肌に蓮の花托(花弁・おしべ・めしべを取り去った部分) をコラージュした画像は「蓮コラ」と俗称されており,肌から多数の蓮の実が覗いている様は体験的に不快を喚起することが知られている。また蓮コラと似た斑点模様を持つ広告やプロダクトに対しても不快感を訴える者がいる。蓮コラや斑点模様が不快を喚起する要因として,嫌悪を感じやすい傾向である「嫌悪感受性」との関連が挙げられている。蓮コラと嫌悪が密接に関わっているならば,蓮コラージュ対象が人間にとって身近であればあるほど不快感が増す可能性がある。また嫌悪的な蓮をある対象にコラージュすると,嫌悪が増幅する現象が蓮コラであると考えられる。よって本研究では蓮コラによる不快現象を確認し,更にその不快感が蓮コラージュ対象の違いによるものだと推察し検討を行なった。人間と動物の蓮コラに対する不快感評定の結果, 蓮コラは蓮単体よりも不快感が強かった。しかし人間と動物の間に不快感の差は見られなかった。この結果は蓮コラージュ対象への心理的距離の近さによって部分的に説明されることが示唆された。本研究は蓮コラや斑点模様による不快の予防と軽減に繋がると考えられる。
著者
市原 利彦 川瀬 正樹 長谷川 隆一 中島 義仁 丹羽 雄大 佐々木 通雄 西村 正士
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.448-452, 2013-07-15 (Released:2013-10-16)
参考文献数
10

ナイフによる穿通性外傷の中で内胸動脈損傷は鋭的損傷の多い欧米では少なくないが,国内の報告は少ない。今回受傷機転が刺創の21歳の男性が独歩で来院し,救急外来(emergency room: ER)でショックとなり,primary surveyのみでCT等の検査を施行することなく手術に踏み切った。肺損傷を伴った内胸動脈損傷(完全断裂)による左側の大量血胸であり,胸骨正中切開のアプローチにて緊急手術を行い,救命できた症例を経験した。内胸動脈損傷によるショックに対する治療法は種々なものがあり,手術治療,血管内治療(塞栓術),保存的など施設により対応は異なる。本症例に対し,二次救急医療施設における外傷対応の一貫として,JATECの概念の導入により適切な初期治療を行い,preventable trauma deathを回避できたことからその意義は大きいと考えられる。
著者
高尾 義明
出版者
首都大学東京大学院 経営学研究科 経済経営学会
雑誌
経済経営研究 (ISSN:2434690X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.81-106, 2019-03-20

Research on job crafting has burgeoned lately. However, most studies have failed to exploit the potential that the job crafting concept originally hold. Furthermore,previous research on job crafting has not been fully presented in Japan. Hence, the first aim of the present study is to identify the intention of the concept constructionand clarify the uniqueness and the significance of the concept by differentiating it from similar concepts. The second aim is to review extant studies and show severalavenues for future research.