著者
谷田 裕之 川上 綾子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学情報教育ジャーナル (ISSN:13491016)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-38, 2006-03-30

Web検索活動を取り入れた調べ学習で見られる課題を克服するために児童間の相互作用に着目し,効果的な検索活動と児童の学びに対してそれが果たす役割をまず検討した。次に,児童間の相互作用を促す手だてを組み入れた総合的な学習の時間の授業設計を行い,その効果を検証した結果,スムーズな検索活動を促す相互作用が活発化し,調べ学習の成果に対してもそれらが有効に働くことが示唆された。また児童ら自身も,自分たちの相互作用がコンピュータ操作の面だけでなくWeb検索の過程にも有用であると認識していることが示された。
著者
武富 由雄 村木 敏明 市橋 則明 篠原 英記
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.113-116, 1990-03-10

バイオメーターを使用することにより, 五十肩における体幹の回旋運動に伴う肩甲胸郭結合での肩甲帯の運動に関与する菱形筋の活動変化を検討した。対象は, 筋性拘縮期にある五十肩12例と健常者12例。健常者では左右の菱形筋に明確な波形の違いがある非対称的活動パターンの変化が認められた。五十肩では健常者と同様の非対称的活動変化がみられたが, その波形は著しく低下していた。五十肩の関節可動域訓練においては, 直接に肩関節ヘアプローチするのではなく, まず体幹を回旋させ, 次に肩甲帯の protraction と retractionを惹起させることにより, 連結桿の肩甲上腕関節の水平屈曲や水平外転の関節可動域を拡大させることが示唆される。
著者
孫勝国 甘泉瑞応 Tongjun Huang Aiguo He 程子学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.327-336, 2005-02-15
被引用文献数
2

近年,Web環境における教材や学習支援システムに関する研究がさかんに行われている.学習者のレベルに従って学習内容を提供するだけでなく,学習者の性格や心理を考慮して支援するシステムも多く研究されている.しかし,学習者の心理活動はとても複雑であり,より正確に学習者の心理状態を把握することはこの分野の研究において大きな課題となっている.本研究では学習者の学習順序パターンと学習プロセス中に起こった状況に対する反応パターンの2つの視点から学習者の心理状況と心理の変化を把握する手法を提案する.学習順序パターンと学習反応パターンの2つの視点を統合することにより,学習者の学習習慣が判断できる.そして学習習慣に隠されている心理状況が把握できる.また,学習者が普段と違う行動をとる場合においても,その原因を推測し,学習者の心理的な変化を把握することができる.この手法に基づいて,学習者の状況をより正確に把握し,学習者の状況を反映する支援システムを開発する.In recent years, rapid development on Web-based contents and learning support systems has been made. More and more support methods not only based on the level and ability of learners, but also considering learners' psychological states, have been proposed. But since the psychological states are very complicated, how to understand learners' psychological states becomes an important problem to be solved. In this research, we provide a method to grasp learners' psychological states and the change of the psychological states by using two viewpoints of learning order patterns and the reaction patterns in learning process. We analyze the learner's learning habits by combining the two viewpoints. When a learner takes actions that are different from his/her learning habits, the system infers the reason to unerstand the change of learner's psychological states. Based on the proposed method, a Web-based support system is developed.
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.779, pp.250-283, 2008-06
著者
宇治澤 優 中野 薫 松倉 良徳 砂原 公平 小松 周作 山本 高郁
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.1015-1021, 2006-12-01

The technology which reduces the reducing agent rate by the improvement in the reaction efficiency of blast furnace leads to reduction of hot metal manufacturing cost, but also solution of recent CO_2 emission reduction. The subjects for achievement of the blast furnace operation with low reducing agent rate were described on reduction measures of the carbon consumption and problem of the measures referring to the example of reducing agent rate of the present state blast furnace concerning blast operation and reactive improvement. And, carried out concrete measures were introduced in order to aim at the low reducing agent rate operation. The following results were obtained. 1) Since it has reached the already high reaction efficiency in present state blast furnace, it is not easy to attempt further reduction of the reducing agent rate. 2) The blast furnace use of high reactivity coke or reduced iron is equal level or over it in comparison with the reduction effect by the assumed blast operation in this paper. 3) The promotion of coke reaction load with the gasification is worried, when it aims at the low reducing agent rate operation by the high reactivity coke use. 4) It is estimated that the threshold also exists for the reducibility of competing ore, when it aims at the low reducing agent rate operation using the high reactivity coke. 5) The use of the low SiO_2 sinter is effective for the improvement on the permeability in the blast furnace, when it aims at the low fuel rate operation. However, the new technology of the permeability improvement is desired, since there is some a limit for low SiO_2 of the sintered ore, when future raw material supply and demand is considered.
著者
平野 廣美 尾内 理紀夫
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2012-CG-146, no.19, pp.1-6, 2012-01-31

競馬中継または競馬動画中の特定の騎手を追跡する手法については,現在,ほとんど報告が無い.一般的なオブジェクト追跡については各種手法が報告されているが,競馬シーン独自の条件から,一般的なオブジェクト追跡手法を適用することには困難が伴う.本論文では,騎手のヘルメットおよび勝負服の色の組合せがユニークであることを利用して,数組の少数のパーティクルを用いる手法を報告する.パーティクルを用いることにおいては,対象のオブジェクト上に位置するように,背景差分の情報を用いて制限をかけている.これにより,パーティクル数を少数に抑えることができ,リアルタイムでの追跡も可能にしている.
著者
湯本 浩通 松尾 敬志 尾崎 和美 中西 正 中江 英明
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

高周波・電磁波照射(500-1, 000 kHz, 5-10回, 1秒/回)は、口腔病原菌に対して照射回数依存的な殺菌効果を示した。また高周波・電磁波照射(500 kHz, 5回, 1秒/回)は、骨芽細胞の増殖を促進させ、さらに様々な成長因子の遺伝子発現や蛋白産生も増強させた。以上より、高周波・電磁波照射は、難治性根尖性歯周炎に対する非外科的歯内療法あるいは歯槽骨再生療法に応用できる可能性が示唆された。
著者
金 壯一 新田 直子 馬場口 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.335-340, 2011-03-03

映像編集において,映像ショット列に対する音楽のミキシングは,質の高い編集映像を生成する上で,重要な行程の一つである.映像ショット列に対する音楽ミキシングにおけるプロセスに,1)映像ショット列の動画の印象に適合する音楽の選択,2)映像ショット列中の各ショットに対する適切な音量調整,の2つが挙げられる.本稿では,事例映像における動画と音楽の特徴間の相関関係に基づいた音楽選択,音響の特徴パターンに基づいた音量調整による,映像ショット列に対する音楽ミキシング手法を提案し,事例として映画予告映像を用いた実験により各プロセスによる編集映像の質の向上を確認した.
著者
岡田 崇之 野村 竜也
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-6, 2010-01-15

本研究では,インターネットの利用状況と学習意欲との関係の探索を目的として 「学芸大式学習意欲検査」 を元に質問紙を開発し,インターネット上での調査を実施した.本稿では,日常生活で必需品となっている携帯電話とパソコンでのメール,mixi などの SNS,Blog やプロフの書き込み等のインターネット上での各種ツールの利用頻度と学習意欲との関連性について報告する.In order to investigate relationships between Internet use and learning motivation, the research developed a questionnaire based on "Gakugeidai Academic Motivation Inventory", and then conducted a social survey via the Internet by using this questionnaire. The paper reports the results of the survey, focusing on the use frequency of various tools on the Internet such as emails with both mobile telephones and the PC, which have been the necessities in everyday life, SNS such as mixi, Blog and Prof, and their relevance with learning motivation.
著者
小野川 文子 高橋 智
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.21-31, 2010-11

全国の特別支援学校(肢体不自由)寄宿舎に入舎している児童生徒とその家族の生活実態調査を通して,彼らの「生活と発達の貧困」の実態や寄宿舎教育のニーズを検討し,そうした困難・ニーズに対応していく寄宿舎教育の役割や課題を明らかにすることを研究の目的とした.全国の特別支援学校(肢体不自由)63校の寄宿舎利用の保護者,寄宿舎指導員,教員(舎監)を対象に郵送質問紙法調査を実施した.調査期間は2008年9月〜11月.回収状況は保護者398人(回収率32.8%),寄宿舎指導員82人(69.5%),教員(舎監)60人(50.8%)であった.障害児の家庭生活は限られた人間関係と単調な生活を余儀なくされ,そのことが障害児の発達に大きな影響を与えているが,その問題はほとんど改善されず放置されている.また,障害児を支える家族の生活は,介助等に伴う身体的負担をはじめ,保護者が病気になっても十分な治療もできない状況,身近に相談できる相手もいない孤立した子育ての状況が浮き彫りになり,そのことが精神的負担となっている保護者も多い.その問題は子どもの障害が重ければ重いほど,あるいは経済的に困難であればあるほど深刻であることが明らかとなった.障害児の支援を行うためには,保護者の健康・就労問題を含めて,障害児家庭全体を総合的に支える支援が不可欠であり,障害児の発達の視点にたった生活支援が重要である.それゆえに,障害児の生活支援と発達支援の双方の役割を果たしている特別支援学校寄宿舎は重要な社会資源である.
著者
柴田 昌宏 台良 剛 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.436-437, 1997-09-24
被引用文献数
1

知識ベースシステムの開発, あるいは知識工学の分野において, 対象となる問題領域の専門家(エキスパート)の知識をどのような形式で表現するかという知識表現(Knowledge Representation)の問題は, 知識の獲得・利用と並ぶ問題解決上の最重要課題の一つである。当研究室では, M.Minskyにより提案されたフレーム理論に基づく知識表現方式を採用した知識工学環境ZEROの研究, 開発および, その利用を進めている。ZEROはこれまで, InterLisp環境やCommomLisp環境およびC++において実現され, 知的プログラミング環境INTELLITUTORや, 自律型人型知的サービスロボットHARISをはじめとした様々な応用に用いられている。C++版のZEROは, CやC++で記述された手続きやオブジェクトと, 知識ベースとしてのフレームシステムを融合する, という要求を満たすために, フレームシステムと類似点を持つC++によってインプリメントすることで, 実用性の向上を実現したシステムである。ただし, 94年度に開発されたこのC++版のZEROは, いくつかの理由から部分的な利用にとどまっている。本報告におけるZEROシステム (以下, ZERO++と記す)は, 94年度に開発されたC++版のZEROに改良を加え, 設計方針とそのモジュール構成を明らかにし, さらなる改良をしやすくすることがその目的である。また, 現在我々が開発中であるロボットシステムは, C++版ZEROの本格的な応用システムであり, このシステムが本来必要としている, 複数モジュールからの単一知識ベースの共有, 実行時の並列動作といった機能をZERO++で実現することもその大きな目的の一つである。本研究の目的をまとめると主に次の4つである。● インタフェースと知識表現の分離率, ● ネットワーク化による資源の共有と並列処理事, ● 分散環境化, ● 自律型人型知的サービスロボットHARISのソフトウェアプラットフォームとしての利用, なお, ZERO++は, Sun WS上で, X-Windowシステム(XllR6)とGNU g++を用いて開発している。
著者
川畑 秀明 関口 達彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.82, pp.37-42, 2008-08-29

視線はコミュニケーションにおいて他者の心を理解する上で重要な役割を果たしている。これまで,他者の視線方向が示す位置方向へ自動的 (反射的) な注意シフトを起こすことが心理学的に知られており,視線が向いた方向に提示されたターゲットに対して反応が促進される。本研究では,線画顔刺激において刺激提示時間を変数に,視線の意識的気づきに求められる時間的閾値を測定し,線画顔の瞳の位置を横線に置き換えた刺激,目の位置を矢印に置き換えた刺激の測定とともに比較・検討した (実験 1) 。その結果,顔刺激<矢印刺激<横線刺激の順に位置方向検出に必要な時間は長くなることが示された。次に,線画顔刺激のみを用いて,顔刺激の刺激提示時間を変数に顔刺激の後に提示されるターゲットの検出について,提示時間が閾上/閾下である場合とで検討した (実験 2) 。その結果,視線が意識的に気づく条件でも,気づかない提示条件でも,ターゲットに対する自動的シフトは起こらないが,むしろターゲットが視線手がかりに対して無効な場所に提示される場合において,抑制的な働きを持つことが明らかになった。Facial gaze seems to be very important for understanding others' mind in human communication. Automatic or reflexive attentional shift in response to another individual's gaze direction has been reported. In this study, we examined temporal thresholds to be seen whether direction cue in line drawing stimuli shows right or left side, in face gaze cue , horizontal line cue, and arrow cue, by presenting in different stimulus durations (Experiment 1). This showed the temporal limit in face gaze was much faster than one in line cue and arrow cue. Also, we tried to determine temporal point supraliminally or subliminally that the cue direction can be perceived with or without awareness. We next examined whether automatic attentional shift to a target can occur with or without awareness of the gaze direction, as a function of presentation duration of face gaze cue (Experiment 2). The reaction time needed to localize the target was consistently shorter for valid than invalid gaze cues, but the reaction times were almost constant both in subliminal and suplaliminal duration times.