著者
秋鹿 都子 長崎 雅子 松岡 文子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.91-98, 2005

看護学生の患者へのタッチによる、看護の質の変化について明らかにすることを目的に、看護学生9名に半構成的面接を行った。内容の質的帰納的分析の結果、100のコード、29のサブカテゴリー、10のカテゴリーを抽出した。タッチによる看護の質の変化は【患者との距離感】【タッチ効果の気づき】【患者への親近感】【意識的なタッチ】【タッチ効果の確信】【自己効力感】【患者に対する思いの深まり】【タッチの無意識化】【患者に寄り添う看護】という経過をなしていた。タッチに関与した因子は、患者の年齢・性・自立度・反応、タッチの目的・方法・状況だった。タッチによる患者との人間関係の深まりは、看護学生の看護の質を向上させる。
著者
内原 香織 竹森 元彦
出版者
香川大学教育学部
雑誌
香川大学教育学部研究報告 第1部 (ISSN:04549309)
巻号頁・発行日
no.128, pp.77-96, 2007

本論文では、医師、教師、カウンセラー3者のロールプレイのプロセスを分析することを通じて、カウンセラーによる援助の独自性についての考察を試みた。分析の手法については、筆者が各援助者にインタビューを繰り返し行い、援助者の意図やねらいを明確にしていく「仮説生成-検証」(下山、2001)によって、より事例に近い解釈を試みた。また、クライエント役は筆者が行い、そこで得られた体験を、分析の手がかりとした。その結果、(1)カウンセラーという「役割」が、その独自のあり方を規定していること、(2)カウンセラーは、「消極的態度」(菊池、2004)によって、クライエントの自発性を回復させるという独自の関わりを行っていることが明らかになった。さらに、(3)筆者自身のクライエント体験を踏まえて、カウンセラーのあり方を検討した結果、「安心して語れる場をつくること」[感情に寄り添うこと」「自分との関わりを手助けすること」「意味が結晶してくるのを共に待つということ」という独自のあり方が明らかになった。以上のようなカウンセラーの援助が、クライエントの感情体験を呼び起こし、眠っていたクライエント白身の「自然治癒力」を高めることが明らかになった。最後に、(4)方法論としてのクライエント体験の可能性とその限界について考察を加えた。
著者
黒田 寿美恵 佐藤 禮子
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.89-100, 2008-03

本研究の目的は,終末期がん患者が選択する生き方とその本質を明らかにし,生き方を選択する終末期がん患者に対する看護のあり方を検討することである。病名・病状を知っており症状コントロールの良好な終末期がん患者6名を対象に,参加観察法と面接法によりデータ収集を行い,質的帰納的に分析を行った。分析の結果,得られた終末期がん患者の選択する生き方の本質は,1)生命の維持と病状の安定を求める,2)迫りくる死に身を委ねる,3)自己を重視する,4)自らの力を信じる,5)他者を気遣う,6)心理的安寧を求める,の6つに集約された。生き方を選択する終末期がん患者への看護のあり方として,1)病状を正しく認識できるように助ける,2)死と向き合い人生を回顧する患者に寄り添う,3)生きる希望を支える,4)患者の自分らしさを尊重する,5)患者が必要とする医療を提供することが重要である。症例報告国立情報学研究所で電子化
著者
飯田 亮
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.313, pp.28-30, 2010-10

敗戦後に比べれば、今は天国みたいなもの。なかなか景気が良くならないとか、日本が滅亡だとか、のたまっているのは精神構造が非常に甘ったれている。 嘆いていたら、世の中渡っていけるのかい。笑いたくなるくらい情けないね。高齢社会? 人口減少? 自虐的に喜んで、どうするの。憂えることは本当に意味のないこと。憂えている暇があるならすぐ行動すればいい。

1 0 0 0 OA 八幡船考

著者
新村 出
出版者
京都帝國大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.486-502, 1925-10-01
著者
竹貫 元勝
出版者
淡交社
雑誌
淡交 (ISSN:02893908)
巻号頁・発行日
vol.65, no.10, pp.64-67, 2011-10
著者
八木 一正 三上 良太 久坂 哲也 Anderson David Nashon Samson
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.91-96, 2006

過去の研究において,子どもたちに正しい科学的概念を形成させるために,素朴概念の修正を考慮した教授方法が採用される必要性や,素朴概念の修正に関して「メタ認知的支援」を行い,「メタ認知的モニタリング」の働きを促す事の有用性が示されている。そこで本研究ではその事を踏まえ,素朴概念の中でも素朴物理学を修正する事を狙いとし,遊園地を活用した科学体験学習の開発に取り組んだ。そして,実際に科学体験学習を開催して参加者を対象にアンケートやテストによる調査を行い,その分析結果から,今回行った科学体験学習は素朴物理学の修正に有効である可能性が示された。
著者
松本 雅之
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.37-45, 1972-09-30

Gegen den empiristische Begriff des Erlebnisse, welcher lasst sich gerichtet nur auf Naturwissenschaft, Shaftesbury (1671-1713) begrundet den Begriff des Wert-Erlebnisse in Asthetik in naiver Form, indem er beruht auf Neo-platonismus von Cambridge Schule. Die psychologishe Asthetik von achtzehnte Jahrhundert in England stammt von Shaftesbury's Asthetik.
著者
林 悠太 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.143-146, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

〔目的〕本研究の目的は,高齢入院患者の生活意欲とADL,体格との関連を明らかにすることである。〔対象〕対象者は,Functional Independent Measure(以下FIM)の食事項目が5点以上であった高齢入院症例71例(回復期リハ病棟:男12例,女24例,79.6±11.1歳 慢性期病棟:男10例,女25例,83.2±7.6歳)である。〔方法〕生活意欲はVitality Index scoreより求め,8点以上を高得点群,7点以下を低得点群の2群に分類し,FIMとBody Mass Index(以下BMI)を求めて分析した。〔結果〕その結果,回復期ではFIMすべての項目で群間に有意差が認められ,慢性期では運動項目の整容・トイレ動作・排泄項目とすべての認知項目,BMIに有意差が認められた。〔結語〕回復期ではADL能力全般が,慢性期では身だしなみや排泄といった人間としてごく当たり前の動作能力が,生活意欲と関連してくると考えられる。
著者
早川 豪 岡部 誠 尾内 理紀夫
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011-DBS-153, no.16, pp.1-4, 2011-10-27

我々はソーシャルネットワークサービス (以下 SNS) 上の人間関係に着目し,SNS での友人の発言を解析してユーザにニュース記事を推薦する手法を提案する.解析には既存手法の様に TF-IDF を用いて興味・関心の強さを測ることに加え,友人それぞれに重要度を与えることで,よりパーソナライズした記事の推薦を可能にする.ユーザスタディでは,本手法を用いることでユーザ本人のみの発言からニュース記事を推薦した場合よりもクリック数が向上し,本手法がユーザにとってより興味・関心のある記事を推薦できることを実証した.
著者
渡辺 義浩
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題の目的は、運動・変形中の物体形状をリアルタイムに取得し得るセンシング技術の確立とその応用展開である。特に、高精度形状復元のためのセンシング情報処理やインターフェースへの応用展開に重点を置いた。まず、3次元センシングの高解像度化技術を開発した。これは、時系列に取得される運動物体の低解像度形状データから、高解像度の形状を復元するものである。次に、非剛体変形の推定を高精度に行う手法を開発した。これは、対象物体の変形に関する物理的特性の数理モデルを推定問題に取り込むことで、計測ノイズや低解像度による取得データの劣化を解消するものである。また、高速3次元センシングを基盤として、インタラクティブなディスプレイシステムを開発した。これは、変形可能なスクリーンを介在物として、仮想空間の3次元物体を操作する機能を提供するものである。さらに、高速な3次元センシングによって、ユーザのめくり動作中に紙面情報をスキャンする技術を開発した。各ページの紙面の変形を連続的に捉え、書籍情報の歪みを3次元の非剛体モデルによって自動補正することが可能であることを実証した。
著者
鍛治 静雄
出版者
福岡大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

空間を滑らかに変形してゆくときに見られる対称性は,その空間に対するリー群の作用によって記述される.その様子は,リー群そのものやリー群が作用する空間の不変量を通して調べることができる.本研究では特に,その幾何学的な不変量と代数的な構造が綺麗に対応している,旗多様体と呼ばれる種類の空間について,代数的位相幾何学の手法を用いた具体的な計算を通してその詳細を考察した.
著者
久保 倫子
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

1990年代後半以降の都心部におけるマンション供給の増加は,日本の住宅市場の大きな転換期にあることを示すものでもある.本研究は東京大都市圏でのフィールドワークを行い,東京大都市圏におけるマンション供給とマンション購入者の特徴を明らかし,以下の仮説を検証することを目的とした.1)1990年代後半以降にマンションを購入している世帯は,戸建住宅志向が主流であった時代の価値観とは異なる居住選好を有し,住宅を選択している.2)マンション供給者は,比較的早期から非標準世帯をターゲットに取り込む戦略をとってきたことで,所有住宅市場におけるマイノリティであった世帯を対象とする物件が増え,これらの世帯が重要な需要者となっている.3)各世帯によってマンション購入の意思決定過程は異なるものの,世帯特性によってその意思決定過程を説明しうる要因が存在している.これらの仮説を検証するため,千葉県千葉市美浜区の幕張ベイタウンおよび千葉県成田市の成田ニュータウンにおいて,居住者の居住地選択(特に,住宅購入に関する意思決定過程)やコミュニティ活動に関する調査を実施し,国内外の学会(日本地理学会,人文地理学会,The Association of American Geographers 2010 Annual Meeting等)において発表した。次に,マンション供給側の供給戦略に関しては,東京都心部における主要なマンション供給社に対するインタビュー調査および不動産データの分析によって,マンション供給戦略の変化を分析し,日本地理学会等で発表し議論を行った.