著者
林 典生
出版者
南九州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

手のひらを用いた園芸活動評価システム構築を目指すとともに、活動現場における園芸活動システム活用の可能性について検討した。その結果、園芸活動の効果を引き出すのは情報共有であることが明らかになり、園芸活動は利用者を中心として、様々な分野の人が関わるチームアプローチであり、その中でコミュニケーション、コラボレーション、コーディネーションの3つの視点が必要である。その視点がないと園芸活動評価システムを構築しても活用が難しいことが明らかになった。
著者
中道 範人
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

私は、生化学的機能が未知であったシロイヌナズナの生物時計関連タンパク質PSEUDO-RESPONSE REGULATOR9(PRR9), PRR7, PRR5の解析を行い、これらはCIRCADIAN CLOCK ASSOCIATED 1(CCA1)とLATE ELONGATED HYPOCOTYL(LHY)遺伝子への転写抑制因子として機能する事を発見した。
著者
新井 陽
出版者
弘前大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

L-dopa誘発ジスキネジア(LID)の発症機序の解明と対策の確立のため、パーキンソン病モデルラット(PDラット)とLIDモデルラット(LIDラット)の淡蒼球内節でin vivoマイクロダイアリシス法によりGABAを測定した。LIDラットではPDラットに比較して淡蒼球内節でのGABA放出が増加していることを確認した。またPDモデルの淡蒼球内節にGABAA受容体アゴニスト(muscimol)を注入することによってジスキネジアを誘発されることを確認した。さらにL-dopaを投与したLIDモデルラットの淡蒼球内節にGABAA受容体アンタゴニスト(bicuculline)を直接注入することによってジスキネジアがを抑制されることを確認した。以上の結果より淡蒼球内節へのGABA放出異常がLID発現の原因であると考えられた。
著者
土屋 敦 大畑 尚子 渡部 麻衣子 高田 史男
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.47-57, 2008-09-21

本稿では、全国社会意識調査(N=3402)から、エンハンスメント論の中でも特に主題となることの多い、「体力や身体能力」「頭のよさ(知能)」「老化」の各カテゴリーに対する日々の日常的関心度および遺伝学的エンハンスメント(Genetic Enhancement)に対する意識の度合いを従属変数とし、基礎属性・家族変数、及び遺伝意識変数(遺伝子決定感)の因子分析結果を独立変数とする二項ロジットモデル(比較モデル)を組み立て、遺伝子技術利用のエンハンスメント領域への活用に対する意識の特性を析出した。結果、日常的関心度には性別・年齢・学歴がその意識の形成・規定要因として大きく寄与していた一方で、遺伝学的エンハンスメントには、性別および就業形態の影響が高いという意識の構造的差異が析出された。また、遺伝学的エンハンスメントに対しては、遺伝子決定感に関する「身体・外面性因子(第一因子)」および「医療因子(第四因子)」がその意識の形成・規定要因として寄与している、という、遺伝子決定感内部での効果の差異が明らかになった。
著者
山崎 竜二 藤波 努
出版者
日本創造学会, 北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
第五回知識創造支援システムシンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.24-31, 2008-03-14

近年、急増する認知症高齢者をめぐり、行政課題として認知症・介護の予防事業が喫緊のものとして浮上してきた。市と連携した事業の検討からアクション・リサーチを進め、コミュニティ・ケアの方法論を探る。本研究の目的は高齢者の秘めた力を引き出し有効に活用すると同時に、認知症高齢者が地域に受け容れられる仕掛けとしての社会システムを構築することにある。プロジェクト全体の流れをつくる第一段階と、予防事業における問題の本質を探る第二段階に分かれる。まず回想法を発展させ、児童が校区高齢者の体験談を作品化し、創作劇を媒体に認知症高齢者とのセッションを行う手法を取った。高齢者の思い出という知識資源を子どもの教育に活用し、認知症高齢者の秘めた力を発揮できる環境を整えて身近な理解が地域の人々に浸透する仕組みを築いた。認知症やその状態にある人に対して、実際セッション前に児童の多くは病態としての理解を得てもなお恐怖や哀れみを記述していた。この検討課題を考慮し、プロジェクトの第二段階として論点の深化を図る。認知症の病気としての説明以前に、さまざまな不自由を抱えていく老いの捉え方を主題として取り上げ、高齢者と子どもと共に老いゆくことの価値を探る。本プロジェクトにおける地域社会のシステム構築はその枠組みに加え、この臨床哲学の取組みを内実として予防事業に本質的な方向性を付与するものである。人々が世代を越え、認知症の人と共に生きるなかで価値観を成熟させる創造的なコミュニティのあり方を検討し、少子高齢社会に対応する社会システム構築の根底的な論点を追究する。 : In Japan, dementia prevention is an urgent issue and the importance of the prevention is emphasized by Government policy. We explored the possibility and direction of the prevention project. The purpose of our study is to investigate how the latent ability of elderly people can be brought out and the elderly with dementia can be accepted by neighbours without prejudice. Our approach is to shape a community with children at its centre. Making use of knowledge resources of elderly people can be promoted by transmitting their experience to children. Moreover, creative dramas collaborated by children and elderly become media by which they communicate with the elderly with dementia. Through the inter-generational communication project, children's conception of the elderly with dementia may be spread to their parents and those around them. As a first step, we constructed a framework of the social system which realizes this process of the project. It was shown by statistics that the children's images towards the elderly with dementia changed positively through the project. However, it remained a difficult issue how to take up the theme of dementia. Most of the children wrote their feelings of fear about dementia and pity for the person, even after they understood dementia as disease separated from the person. As a second step, we introduced a program for children and their related adults to think about the values of ageing, in which we face with various inconvenience. We approach the investigation of the point at issue philosophically, and focus on the viewpoint which is required to accept the elderly with dementia.
著者
高濱 徹行 阪井 節子 磯道 義典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.1297-1306, 2001-09-01
被引用文献数
2

本研究では, 変異遺伝子を積極的に利用した遺伝的アルゴリズムであるMGGAを提案する.変異遺伝子を有する個体では, その遺伝子に対応する形質の発現が不完全になったり, 発現しなくなるなどの現象が起きる.MGGAでは, 遺伝子型を表現型に変換する変換関数に変異遺伝子の影響を与えることにより, これらの現象を実現する.更に, 正常な遺伝子から変異遺伝子への不可逆的な変化を導入することにより有効性の低い遺伝子を削減する機能を実現する.この機能をもつMGGAを多項式モデル及び階層型ニューラルネットワークにおけるパラメータ構造決定に用いることにより, MGGAがパラメータ数を削減できる汎用的な方法であることを示す.
著者
林 博友 趙強福
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.2878-2889, 2008-08-15

ニューラルネットツリー(NNTree)は各中間ノードに小規模なニューラルネット(NN)を埋め込んだ決定木(DT)である.NNTreeの利点としては,フル結合型NNと比べ構造学習およびハードウェア実現に適していることと,通常の単一変量DTと比べ汎化能力が高いこと等があげられる.しかし,NNTreeの生成は難しい問題であり,NNはたとえ1個のニューロンしか含まないときでさえ,各中間ノードの最適なテスト関数を求めることはNP完全問題である.この問題を解決するために我々は遺伝的アルゴリズム(GA)に基づくNNTreeの生成方法を試みたが,この方法は非常に時間がかかるため容易に使用できない.NNTreeを高速に生成するために,本論文で我々は新しいアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムでは,まず各中間ノードに割り当てたデータのグループラベルを発見的な方法で定義し,そして,教師付き学習を用いてテスト関数を求める.提案方法の有効性は,複数の公開データベースを用いた実験によって実証された.Neural network tree (NNTree) is a decision tree (DT) with each internal node containing a small neural network (NN). Although NNTree is a model good for structural learning and for hardware implementation, it is difficult to induce suitable structure of NNTrees. Even if each NN contains only one neuron, the problem for finding the optimal test function in each internal node is NP-complete. To solve this problem, we have tried to induce the NNTrees using genetic algorithm (GA). The GA-based approach, however, is very time consuming, and cannot be used easily. In this paper, we propose a new algorithm for inducing NNTrees quickly. The basic idea is to define the group labels for the data assigned to each internal node based on some heuristic rules, and then find the test function through supervised learning. The efficiency of the proposed algorithm is proved through experiments on several public databases.
著者
古賀 崇
巻号頁・発行日
2010-10-18

京都大学春秋講義(公開講座) 平成22年度秋季・月曜講義 第2回(2010年10月18日)