著者
アブドゥール ラーマン シャハリン ファズリ 白鳥 悠太 葛西 誠也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.473, pp.33-38, 2008-01-23
被引用文献数
2

ナノワイヤ3分岐接合は,室温において非線形な電気的特性を示し,ナノワイヤを適用した論理集積回路の構成要素として有用である.本研究ではGaAsナノワイヤ3分岐接合デバイスの試作と評価を通し,非線形特性のメカニズムについて検討する.また,デバイス特性をショットキーラップゲート(WPG)により制御することを試みる.さらに,3分岐接合の論理回路応用として,NAND回路の試作評価を行った結果について述べる.
著者
石橋 理恵子 丸山 千寿子 田中 利枝 南 昌江 島田 朗 内潟 安子 黒田 暁生 横野 浩一 筒井 理裕 目黒 周 小山 一憲 大村 栄治 清水 一紀 高橋 和眞 中村 佳子 益子 茂 丸山 太郎
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 = JOurnal of the Japan Diabetes Society (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.189-195, 2005-03-30
被引用文献数
1

1型糖尿病患者の治療および, 食生活の実態を明らかにすることを目的に調査を行った. 糖尿病専門医14名に計463部の調査票を配布し, 外来時に1型糖尿病患者に渡してもらい, 留め置き法で回収者に直接郵送してもらった (回収率54.4%). コントロールとして, 健常者166名に食生活習慣調査を実施した. 健常者に比べ, 1型糖尿病患者は望ましい食生活習慣が形成されていたが, 食事にストレスを感じる者が多かった. さらに, 1型糖尿病患者を食事療法実践意識により4群に分類したところ, 食事療法実践意識が高い者は他群に比較して有意にカロリーに配慮する者が多く, 野菜摂取量も多く, 海藻や果物, 低脂肪乳摂取頻度も高かったことから, 食事療法を遵守していると考えられた. しかし, 食事療法実践意識によりHbA<sub>1</sub>cや低血糖回数に差はみられず, 1型糖尿病の食事療法の教育内容を検討しなおし, ストレス軽減に考慮した栄養教育を展開していく必要があると思われた.
著者
金子 雄 春本 要 福村 真哉 下條 真司 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.18, pp.1-15, 2005-12-15
被引用文献数
17

近年,携帯端末の普及やセンサ技術の発展にともない,場所や時間に依存せずに遍在する情報を利用できるユビキタス環境が整いつつある.ユビキタス環境では,場所や時間などの状況を自動的に考慮して人々の意思決定を支援するコンテキストアウェアサービスが実現できる.多くの場合,人々は行動を起こす際に自分や各種施設の位置を考慮するため,コンテキストアウェアサービスでは任意の位置に存在する情報資源を効率良く検索できる機構が重要となる.そこで本研究では端末の位置情報に基づくP2P ネットワークであるLL-Net(Location-based Logical Network)を提案する.LL-Net では緯度,経度によって物理領域を格子状のエリアに分割する.各端末はエリア内でネットワークを構築し,またエリアを階層的にとらえてエリア間にリンクを構築する.これにより,LL-Netはクエリをフラッディングする範囲を任意の領域のみに制限できる.また本研究ではシミュレーションによって,LL-Net が任意の領域へ効率良くクエリを転送できることを示す.With the popularization of mobile devices and the development of advanced sensor devices, it is becoming feasible to realize a ubiquitous environment that enables us to publish and utilize information independent of location and time. In a ubiquitous environment, a number of context-aware services will be developed which provide services depending on various contexts such as location and time. It is indispensable for such services to retrieve locationdependent information efficiently. In this paper, we propose a location-based P2P network called the LL-Net (Location-based Logical Network). The LL-Net divides the world into areas by latitude and longitude. Terminals in each area construct an intra-area network, and each terminal establishes inter-area links hierarchically. By constructing such a network, the LL-Net can limit the message flooding range only to a specified region. The simulation results show that the LL-Net can efficiently propagate a query to a specified region compared to the existing P2P networks.
著者
芝山 幸久 滝井 英治 加藤 明子 松村 純子 島田 涼子 坪井 康次 中野 弘一 筒井 末春
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.547-551, 1999-10-01

症例は初診時18歳女性で, 身長163cm, 体重37kg, 無月経と体重減少を主訴に来院した. 自己嘔吐や過食のエピソードはなく, 治療経過中に心窩部痛が出現したため内視鏡検査施行したところ, GradeBの逆流性食道炎を認めた. さらに約1年後胸のつかえ感, 心窩部痛が出現したため内視鏡検査再検したところ, GradeDの重症逆流食道炎を呈してした, プロトンポンプ阻害薬(PPI)のランソプラゾール投与にて1カ月後には著明に改善していた. 発症機序として, 低栄養状態に伴う胃排出能低下によりTLESRが増加し, 逆流性食道炎を発症したと考えられた. BNに逆流性食道炎が合併することは知られているが, ANでも胸やけや心窩部痛は胃食道逆流症を想定すべきである. 自覚症状は摂食不良の一因にもなるため, 早期に内視鏡検査を施行して, PPIなどの投与を考慮すべきである.
著者
向出 尚正 王 建青 藤原 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.488, pp.11-15, 2003-11-28
被引用文献数
2

遠方界曝露の人体において,体内器官で生ずる30MHz〜3GHz帯の局所共振現象を解剖学的人体全身数値モデルに対して並列FDTD法で解析した.主要器官に対する平均SARの周波数特性から,65MHz,200MHz及び700〜900MHz付近での局所共振発生を明らかにし,65MHz付近での共振は人体縦方向での全身共振,200MHz付近での共振は人体横幅方向での共振,700〜900MHz付近での共振は,器官自身の寸法によるものと推察できた.また,胴体内器官での局所共振時のSAR値は,全身共振時のそれより低いが,頭部,脳,眼球,睾丸では,全身共振時のSAR値よりも高いレベルで局所共振が起きることがわかった.さらに,人体モデルの体重が同じで身長が異なる場合は共振周波数での全身平均SARはほとんど変わらないのに対し,身長が同じで体重が軽い場合には共振周波数での全身平均SARは著しく増加することがわかった.
著者
原崎 正司
出版者
宮崎女子短期大学
雑誌
宮崎女子短期大学紀要 (ISSN:02898748)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-64, 1986-03

幼児の運動能力の発達に関する基礎的資料を得る目的で,身長,体重,両足連続とび越し,25m走,体支持持続時間,立幅とび及びソフトボール投げについて調査し,次のような結果が得られた。1)身長は,年長で女児が男児よりやや優れ,年中においては,男児が女児より優れている。年長間の男児と女児の比較では,分散系列差の均斉性の検定の結果,差の有意性の検定を行うことができなかった。2)体重は,男児が女児よりやや優れているが,年長間の男児と女児の比較では,有意差を見出すことはできなかった。年中間においても同様の結果であった。3)年中児および年長兄の男女差についてみると,全般的に何れの組においても男児が女児より良い成績を示す傾向が認められた。4)両足連続とび越しは,一般に男児が女児より優れているが,年長間では女児が男児より優れていた。5)体支持持続時間は年長では女児が男児より優れ,年中においては,男児が女児より優れていた。年長間の男児と女児の比較では,有意差を見出すことはできなかった。
著者
西田 裕介 久保 晃 田中 淑子
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 = The Journal of Japanese Physical Therapy Association (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29-31, 2002-02-20
被引用文献数
3

日本人の20歳代健常成人105名を対象に, 前腕長および下腿長と身長との関係を検討し, 各肢長と身長との関係を分析した。測定方法は, 身長は, 背臥位にて頭頂から足底までを計測した。前腕長は, 端座位にて上腕骨外側上顆から橈骨茎状突起まで(以下 : 前腕長(1)), 肘頭から橈骨茎状突起まで(以下 : 前腕長(2))を計測した。下腿長は, 背臥位にて膝関節外側裂隙から外果下端まで(以下 : 下腿長(1)), 腓骨小頭から外果下端まで(以下 : 下腿長(2))を計測した。統計学的手法には, 各肢長の測定値と身長においてピアソンの相関係数の検定を用い, また, 目的変数を身長, 説明変数を前腕長(2)・下腿長(2)とする重回帰分析を行った。ピアソンの相関係数の結果より, 全体および男性においては身長と高い相関関係を示した(男性 : r=0.65〜0.85,全体 : r=0.76〜0.86)。一方, 女性では男性および全体と比較すると相関係数が低かった(r=0.57〜0.70)。重回帰分析では, 女性においても高い相関係数が得られ(男性 : r=0.89,女性 : r=0.81,全体 : r=0.92), 重回帰分析より求めた回帰式を用いることで, 身長の推定が可能であると考えられる。このことは, 身体に高度な変形を呈する症例や立位保持が困難で身長の測定が不可能な症例に対して, 栄養状態や体格を把握した上で理学療法を実践する際に有意義であると思われる。
著者
唐澤 環 池住 洋平 鈴木 俊明 内山 聖
出版者
The Japanese Society for Pediatric Nephrology
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 = Japanese journal of pediatric nephrology (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.13-18, 2009-04-15

わが国では小児IgA腎症の治療指針が示され,比較的重症例に対してステロイド薬,免疫抑制薬を含むカクテル療法が行われ良好な成果が得られている。しかし,治療による副作用などマイナス面については十分に検討されていない。今回私たちは,ステロイド治療が成長に与える影響を後方視的に検討した。<br> 対象はステロイド治療を行った小児IgA腎症48例 (治療開始時平均11歳10ヵ月) で,2年間の治療前後で身長,体重および骨年齢を比較した。<br> 身長SDスコアは平均0.229から-0.116 (p<0.05) へと有意に低下した。一方,肥満度は平均-0.38から5.94 (p<0.05) へと有意な増加を認め,骨塩量SDスコアは平均-0.357から-0.853と有意差はないものの低下傾向を認めた。<br> 小児IgA腎症のステロイド治療により成長障害を高頻度に来す可能性があり,今後はこうした副作用を考慮した治療法の質的向上が必要と考えられた。
雑誌
旭川厚生病院医誌 (ISSN:09178066)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.3-9, 2005-06

出版社版平成16年に経験した倦怠感や頭痛,腹痛により不登校となった8例の成長曲線を記録し,どの段階で身長・体重増加率に変化が生じるかを検討した.心の健康問題が明らかにあった6例のうち,5例では身体症状が出現する前から体重増加率の減少があり,表向きの理由の背景には学業不振や両親の不和などが潜んでいた.しかし,6例とも身長増加率の低下はなかった.心の健康問題が明らかではない2例では,身体症状が出現する以前の成長曲線に問題はなかった.不登校児に対しても,成長曲線に変化が出現した時期を示して病歴の聴取やカウンセリングを行うことは隠されたライフイベントを探ることに有用であると考えられた
著者
小池 藤五郞
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.7-17, 1937-05
著者
中野 波津巳
出版者
独立行政法人国立女性教育会館
雑誌
国立女性教育会館研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.107-114, 2005-08

1999年に男女共同参画社会基本法が施行され、男女共同参画を推進する動きが一気に加速すると思ったのも束の間、多くの自治体で男女共同参画推進条例の制定にクレームがつくなど、昨年頃からバックラッシュの動きが勢いを増している。また、男女平等を目指した法的整備が進んでも、人々の意識の中には依然としてジェンダーによる固定観念が根強く残っている。こうした状況の中で男女共同参画を着実に推進していくには、女性のエンパワーメントこそが重要な意味を持つと考える。本稿では、女性のエンパワーメントが社会を変える原動力となった事例として、鶴ヶ島市ひまわり会(以下「ひまわり会」と記述)の16年間の足跡を追う。埼玉県鶴ヶ島市で農業を生業とする女性たちのグループ「ひまわり会」は、1988年9月に会を結成して以来16年間にわたり、家族や地域にさまざまな影響を与えながら活動を続けてきた。農家の嫁としての苦労や悩みを打ち明け合うことから次第に関心を広げ、生産者と消費者との交流イベントに取り組んだり、審議会などの委員として公の場で発言の機会を得るなど活動の幅を着実に広げてきた。最近では、女性農業者の地位の確立や農業後継者を育てることを目指す「家族経営協定」の締結にも積極的に取り組んでいる。こうした「ひまわり会」のエンパワーメントの過程を踏まえた上で、「ひまわり会」と行政とのかかわりを検証しながら、女性のエンパワーメントのために行政が果たすべき役割について考察する。
著者
原 征彦 石上 正
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.p996-999, 1989-12
被引用文献数
17
著者
山口 敏朗
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.1260-1270, 1980-11-01
被引用文献数
50

門脈ガス血症の発生機序を検討するために大腸管に急性潰瘍性病変を作成し,この腸管の内圧を上昇させ,腸管内ガスが門脈系に流入,移行する過程を観察した.この結果,正常腸管では高度の腸管内圧の上昇によっても門脈ガス血症は発生しなかった.急性潰瘍性病変が存在する腸管では,殊に粘膜下層より深層に達する病変では,門脈ガス血症は高頻度に発生し,また,病変が高度な程,発生時の腸管内圧は低くなる傾向がみられた.腸管内ガスの門脈系への移行は拡散の機序によるものではなく,腸管内圧上昇により破綻した,openの微小静脈への直接の移行である,との結論を得た.