著者
上野 真弘 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.30, pp.25-30, 2008-03-19

近年,P2P によりファイル共有を行うアプリケーションが増加しており,それらが発生するトラヒックは IP ネットワークに大きな影響を及ぼしている.そこで本稿では,トラヒックを減少させるために,ファイル検索に関して非協力的な制御ピアをネットワーク上に参加させることにより,ピアの検索効率を低下させ,共有されるファイル数を制御する方式を提案する.また,Gnutella と Winny を想定したシミュレーション実験を行い,本方式の有効性を評価した結果,いずれのネットワークに対しても検索効率の低下が見られることを確認した.特に,Winny ネットワークに対する効果は大きく,少数の制御ピアでも十分な効果が得られることを示した.P2P file sharing applications are increasing recently, and the traffic affects to IP networks. In this paper, we propose a file sharing control method to reduce file sharing efficiency. In our method, control peers join the file search network and we can control number of shared files of networks. We evaluted our method by computer simulations for Gnutella and Winny networks. From these results, we confirmed decrease of the efficiency of file search for both networks. Especially, the effect on Winny networks is more effective than Gnutella and few control peers can give enougth effect on the network.
著者
猪股 佑介 太田 和夫 國廣 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.303, pp.15-20, 2007-10-26

本稿では,研究グループが暗号アルゴリズムや製品の脆弱性を発見した場合にとるべき行動について検討する.その手段として,大学の暗号研究者がある暗号プロトコルの脆弱性を発見し論文を発表した事例を仮定し,刑事責任の観点から法的な考察を行う.結論は,「(1)不正アクセス禁止法第3条違反の幕助と(2)電子計算機使用詐欺罪の幇助が成立する可能性がある.ただし,犯罪成立の可能性はWinny事件より小さいだろうと判断した.」である.この考察の過程から,脆弱性を発見した研究グループが論文を発表する際には,「実装ソフトウェアのアップロード/配布は行わず,学術的な記述のみとして学会誌において論文を発表する」のがよいと言える.
著者
山崎 尭之 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.222, pp.79-82, 2007-09-13
被引用文献数
2

本稿ではWinnyネットワークのファイル流通を制御する手法として,ファイル流通制御機能を持ったピアをWinnyネットワークに参加させる手法を提案する.制御ピアは不適切なファイルのアップロードに加担しているピアに対して検索リンクを継続的に張ることで,制御対象ピアからファイルメタ情報が他のピアに拡散することを抑制する.本制御手法を用いることで不正なファイルの流通を阻害できる提案制御方式を実装し,効果を確認した.
著者
大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.6, pp.43-48, 2007-04-12

P2Pアプリケーショントラヒックの実態は明らかにされていない.それはP2Pトラヒックの特定が難しいためである.本稿ではWinnyトラヒックをピア間のクライアント/サーバ関係を用いて特定する方法を提案する.提案方式を評価した後,ISPトラヒックに適用し,評価を行う.
著者
笹村 直樹 田中 英彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.597, pp.75-80, 2007-03-09

近年の通信ネットワーク環境の発展によって,デジタルデータのコピーを複数の人又はマシンに提供する事(以下,デジタルデータの流通)が容易になっている.簡単に同一のデジタルデータを複数人で共有する事にはさまざまなメリットがあり,この事は今日のIT社会にはなくてはならない要素となっている.しかし,デジタルデータの流通が容易である事は,デジタルデータの無制御な流通を招き問題が起きている.本研究では, FreenetやWinnyなどに代表される,いわゆるP2Pネットワークでのデジタルデータ流通に注目し,P2Pネットワークでのデジタルデータの流通制御,つまり取得性制御を行うことを目的としている.本研究では取得性制御を行うために,データの検索,転送及び各ノードで保存するデータに関して仕組みを設け,データの取得性を制御できるネットワークアーキテクチャを提案している.
著者
戸川 聡 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.30, pp.99-104, 2007-05-03
被引用文献数
1

Peer-to-Peer(P2P)型ファイル共有コミュニティへの情報漏洩が社会問題になっている.Winnyなどのファイル共有ソフトウエアに感染する暴露ウイルスにより,コンピュータ内部のファイルがファイル共有ネットワークへ漏洩する.これらの状況から大学や企業のキャンパスネットワークでは,P2Pファイル共有ソフトウエアの利用を禁止している.しかし現実にはP2Pファイル共有が行われている場合がある.これを制限する場合,既存のフィルタリング技術では実現が困難であり,結果として管理者はトラフィックを常時監視し,P2Pファイル共有通信の存在を認識しなければならない.本稿では,ネットワーク管理者が行うP2Pファイル共有通信の検出作業を,トラフィックマイニングと可視化により支援するシステムを構築した.そして,実際にP2Pファイル共有プログラムが発するトラフィックを含む全体のトラフィックを可視化し,有効性を検証した.
著者
戸川 聡 金西計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.38, pp.99-104, 2007-05-11
被引用文献数
3

Peer-to-Peer(P2P)型ファイル共有コミュニティへの情報漏洩が社会問題になっている.Winnyなどのファイル共有ソフトウエアに感染する暴露ウイルスにより,コンピュータ内部のファイルがファイル共有ネットワークへ漏洩する.これらの状況から大学や企業のキャンパスネットワークでは,P2Pファイル共有ソフトウエアの利用を禁止している.しかし現実にはP2Pファイル共有が行われている場合がある.これを制限する場合,既存のフィルタリング技術では実現が困難であり,結果として管理者はトラフィックを常時監視し,P2Pファイル共有通信の存在を認識しなければならない.本稿では,ネットワーク管理者が行うP2Pファイル共有通信の検出作業を,トラフィックマイニングと可視化により支援するシステムを構築した.そして,実際にP2Pファイル共有プログラムが発するトラフィックを含む全体のトラフィックを可視化し,有効性を検証した.In this research, we have proposed the assistance system for peer-to-peer traffic detection. Recently, an illegal file has been exchanged with peer-to-peer file exchange software. These files are extracted from music CD and DVD. Most files do not obtain the copyright person's approval and are open to the public. Neither enterprise nor the Campus Network user of the university must acquire these files from the problem in morality. However, the illegal file is actually acquired via Campus Network. The network administrator should observe the users' peer-to-peer communication. In this paper, first of all, We explain a problem of peer-to-peer file sharing system. Next, we explain the assistance system for peer-to-peer file sharing traffic detection using traffic mining and visualization. Finally, we conclude it.
著者
亀井 聡 森 達哉 大井 恵太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.178, pp.39-46, 2003-07-04
被引用文献数
11

インターネットヘのアクセス環境の向上により,P2Pアプリケーションの普及が著しく,ネットワークに多大な影響を及ぼしつつある.本稿ではP2Pアプリケーションの中でも最もネットワークヘの影響が大きいP2Pファイル共有アプリケーションについてその実態を明らかにするため,WinMX, Gnutella, Winnyについて,ネットワークレイヤとアプリケーションレイヤ両面からの測定と分析を実施し,トラヒック測定,トラヒック制御,ネットワーク設計/管理についてそれぞれ今後の課題を示した.
著者
片桐 由喜
出版者
労働旬報社
雑誌
賃金と社会保障 (ISSN:09114718)
巻号頁・発行日
no.1328, pp.78-84, 2002-08

社会保障判例研究 / 北海道大学社会保障法研究会 / 大阪市生野区福祉事務所事件・大阪高裁判決(平一三・一〇・一九)賃社第一三二六号六八頁
著者
杉本 純子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.4267-4296, 2009-02

論説(article)債権者が人的担保を設定するのは、究極的には債務者の倒産時に備えて、債務者以外の責任財産からも債権の回収を図るためである。破産法は、そのような債権の効力の強化を図った債権者に対して開始時現存主義を適用している(破産法104条2項)。近時、この開始時現存額主義の適用範囲をめぐって、大阪高裁にて相反する二つの裁判例が出現した。本稿では、これらの裁判例について研究し、検討を加えている。
著者
古林 三郎 山口 義一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

工業分野や通信分野に適用されるリアルタイムOSでは、近年特に要求の強くなったオープン性と共に、高速演算性や定応答性、そして高信頼性が重視される。高信頼化機能は、故障停止に対する早期運転、再開を目指し、故障原因の迅速な特定やデバイス構成の制御、多重系システムなどを実現するものである。ここでは、そのようなリアルタイムOSに対する,高信頼化の手法について提案する。
著者
木曽 明子
出版者
北見工業大学
雑誌
北見工業大学研究報告 (ISSN:03877035)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.33-61, 1999-03

One or the principal interests western civilization has taken over from the Greeks is rhetoric or techniques of oratory. Rhetoric was a product of democratic society in which the power of speech played an in important part not only in political and litigious scenes but also in social and intellectual life. The present writer examines how Demosthenes, who as an orator and stetesman controlled the fate of Athens, exploited and developed the art of persuasion in one of his earliest public speeches AGAINST ANDROTION.
著者
宮内 宏 墨岡 学
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.325-326, 1992-02-24

放送の運行は、自動化された専用のコンピュータシステムによって、1日当たり200~300イベントに及ぶ秒単位のスケジュール情報で管理され、制御されている。従って運前のトラブルを探るとき「発生時刻」を事実情報とし、番組進行につながるこれらの情報かる得られるデータを基本とする「時刻データベース」を推論情報としてプロダクション的にルール化した手順で検索することにより、一定の範囲内の原因追求に関する推論が成り立つ。本稿では、民間放送ラジオの運行状況監視について、放送音声の「短時問の無信号発生の時刻」を事実情報とし、これを手がかりに異常の原因や対応手段を、エキスパートが書いたテキストに依って監視業務の効率化を狙ったアラームシステムについて述べる。また、秒単位のスケジュールが不可能なCMの進行監視についても、過去の送出実績を統計化し、「現在のケースは過去にないケース」を検出した場合を、警戒すべき事態として監視者に勧告するシステムをつくり、送出センターでの一括監視に利用している状況についても報告する。