著者
Kunihiro Matsushita Yingying Sang Jingsha Chen Shoshana H. Ballew Michael Shlipak Josef Coresh Carmen A. Peralta Mark Woodward
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-19-0320, (Released:2019-07-19)
参考文献数
21
被引用文献数
10

Background:Cardiovascular guidelines include risk prediction models for decision making that lack the capacity to include novel predictors.Methods and Results:We explored a new “predictor patch” approach to calibrating the predicted risk from a base model according to 2 components from outside datasets: (1) the difference in observed vs. expected values of novel predictors and (2) the hazard ratios (HRs) for novel predictors, in a scenario of adding kidney measures for cardiovascular mortality. Using 4 US cohorts (n=54,425) we alternately chose 1 as the base dataset and constructed a base prediction model with traditional predictors for cross-validation. In the 3 other “outside” datasets, we developed a linear regression model with traditional predictors for estimating expected values of glomerular filtration rate and albuminuria and obtained their adjusted HRs of cardiovascular mortality, together constituting a “patch” for adding kidney measures to the base model. The base model predicted cardiovascular mortality well in each cohort (c-statistic 0.78–0.91). The addition of kidney measures using a patch significantly improved discrimination (cross-validated ∆c-statistic 0.006 [0.004–0.008]) to a similar degree as refitting these kidney measures in each base dataset.Conclusions:The addition of kidney measures using our new “predictor patch” approach based on estimates from outside datasets improved cardiovascular mortality prediction based on traditional predictors, providing an option to incorporate novel predictors to an existing prediction model.
著者
Sae SOTOMATSU Tomohiro YAMADA Hajime MIZUNO Hideki HAYASHI Toshimasa TOYO’OKA Kenichiro TODOROKI
出版者
The Society for Chromatographic Sciences
雑誌
CHROMATOGRAPHY (ISSN:13428284)
巻号頁・発行日
pp.2019.013, (Released:2019-06-21)
参考文献数
16
被引用文献数
6

To construct liquid chromatography (LC)-based bioanalytical method for therapeutic monoclonal antibodies (mAbs) and antibody-drug conjugates (ADCs), twelve commercially available therapeutic mAbs and one ADC were chemically reduced, and the generated fragments were analyzed by high-temperature reversed-phase LC. For most therapeutic mAbs, single peaks of light and heavy chains were detected, indicating a possibility of homogeneous LC analysis using light chains. However, characteristic fragmentations were observed in infliximab, pembrolizumab, ramucirumab, and trastuzumab emtansine. We also performed a simple validation using the fragmented light chains for the bioanalysis of bevacizumab. The limit of detection (LOD) and limit of quantification (LOQ) of bevacizumab were 0.63 and 2.10 µg/mL, respectively, with dithiothreitol reduction, and 0.74 and 2.48 µg/mL, respectively, with tris (2-carboxyethyl) phosphine reduction. These results indicate that both the reductants confer sufficient linearity, LOQ, and LOD for the light chain analysis of bevacizumab. Thus, this method, combined with affinity purification, can be used for the bioanalysis of bevacizumab.
著者
上杉 貴信 高雄 由美子 安藤 俊弘 魚川 礼子 前川 信博
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.495-498, 2009-09-25 (Released:2011-09-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

幻肢痛が持続硬膜外ブロックを併用した鏡療法により軽減した症例を報告する.症例は37歳の男性で,腕神経叢引き抜き損傷と多発外傷に起因した難治性の幻肢痛であった.最初に鏡療法を用いて幻肢痛の軽減を試みたが,鏡療法を導入した後に,断端痛が増悪し,鏡療法を継続することが困難となった.持続頸部硬膜外ブロックを行い,断端痛を軽減させると,鏡療法が円滑に可能となった.その後,硬膜外刺激電極植込み術を行い,幻肢痛と断端痛は軽減した.
著者
大友 篤 遠藤 雅之 小野寺 真哉 坂上 尚穂 伊達 久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0196, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】複合性局所疼痛症候群(以下CRPS)は,アロディニア・痛覚過敏・浮腫・異常発汗・運動障害・萎縮性変化などの症状があり,理学療法の施行を困難なものとする。今回,CRPS TypeIに対して,各神経ブロックと理学療法を併用により,痛みが軽減し,身体機能が改善を呈した2症例を報告する。【方法】症例1:19歳女性,平成X年10月専門学校の体育祭で左膝を捻り受傷。その後痛み継続,他院で精査,治療するも増悪,平成X+1年8月に当院入院。主訴左下肢(左膝関節内側中心)の痛み。安静時痛あり。動作時増悪。左下肢知覚障害,アロディニアあり。左下腿浮腫あり。膝関節制限あり,左下肢荷重不可,両松葉使用していた。症例2:28歳女性,平成X年4月に右前十字靱帯,内側側副靱帯損傷。MRI所見では靭帯損傷は軽度。他院で筋力強化を目的とした理学療法を行ったが,痛みで運動が困難であった。症状悪化したためX年8月当院受診。可動域制限なし,右膝関節内側・膝中央に,安静時・アロディニア・荷重時・膝屈伸時に疼痛出現。大腿四頭筋・ハムストリングス筋力低下あり,独歩可能だが,仕事の継続が困難であった。【結果】症例1:入院初日持続硬膜外ブロック施行及び理学療法開始。理学療法は週2回行い,他の日は自主トレーニングとした。7日目左膝関節可動域改善,左下肢部分荷重。14日目左下肢全荷重可能,歩行時両松葉杖使用。17日目持続硬膜外ブロック終了。24日目安静時痛・運動時痛なし,膝内側の圧痛あり階段昇降時痛みあるが,可動域改善・筋力向上・独歩可能にて退院に至った。症例2:平成X年8月22日~平成X+1年8月5日の約12ヶ月の間に,週に1~2回程度,腰部硬膜外ブロックの前後に理学療法を行った。平成X年8月22日,腰部硬膜外ブロックと理学療法を併用した治療開始。平成X+1年4月には痛みが軽減し,持続歩行が可能となる。同年6月から介護職ではないが,社会福祉士の資格を生かした相談役として職場復帰に至った。【結論】CRPSの運動障害としては,患肢を自分の一部と感じない,患肢を動かす為に視覚的に注意を向けないと運動できないといった認知機能異常や,心理学的要因などの症状もあり,様々な要因が混合しあい,痛みを複雑なものとしている。そのため,身体機能の低下を招き,日常生活の制限をきたす。理学療法を施行する際,痛覚過敏・アロディニアまた,心理的要因が関与し,治療に対して受動的になり,理学療法を困難にしている。各神経ブロック併用により,理学療法を促進するなどの,互いの相乗効果により,痛みの軽減が図れたと考える。また,理学療法を施行する上では,CRPS患者は痛みに対する訴えが強く心理的側面の影響も強いため,理学療法を施行する際は,痛みだけでなくすべての訴えに耳をかたむけていく姿勢が必要になると考える。
著者
村部 義哉 高木 泰宏 上田 将吾 加藤 祐一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0372, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】複合性局所疼痛症候群(CRPS:Complex Regional Pain Syndrome)の発症メカニズムとして,視覚と体性感覚といった異種感覚情報の不一致(sumitani 2009)が報告されている。しかし,下肢は視覚的に制御される機会に乏しいため,主に足底での皮膚感覚や下肢の各関節での深部感覚などの複数の体性感覚といった同種感覚情報により制御されており,これらの不一致が下肢のCRPSを誘発している可能性がある。今回,下肢のCRPSを呈し,異種感覚情報の一致を意図した治療介入では改善が停滞した症例に対して,同種感覚情報の一致を意図した治療介入へと変更したところ,更なる症状の改善を認めたため報告する。【方法】対象は恥骨骨折受傷後,保存療法にて4ヶ月が経過した90代女性。下腿前面から足背部にかけて皮膚の発赤や光沢化を認め,同部位にはアロディニア様症状による接触時痛を認めた。浮腫による足関節の可動域制限を認め,下腿周径は28cmであった。これらの評価結果と本邦のCRPS判定指標から,本症例の症状をCRPSと判断した。痛みの程度はマクギル疼痛質問票(MPQ:McGill Pain Questionnaire)にて44点であった。感覚検査では足底の触圧覚は中等度鈍麻,足関節や足趾の位置・運動覚は重度鈍麻であり,自己身体描写では足部や足趾が不鮮明であった。屋内外の移動はピックアップ型歩行器を用いて近位見守りレベルで可能であったが,実用性は低く,Timed up and go test(TUG)は139秒であり,Functional Independence Measure(FIM)は104点であった。長谷川式簡易知能評価スケールの点数は27点であり,コミュニケーションや指示理解に問題は認めなかった。痛みに対する医療的処置や服薬内容の変更および皮膚疾患や循環器疾患などの合併症の診断は認めなかった。訓練1:患者の足関節を底背屈位,内外反位のいずれかに動かし,患者が感じている足関節の角度と一致する写真を選択させることで,視覚情報から足関節の傾きを識別させた。写真は矢状面にて底屈20°,40°,背屈10°,20°,前額面にて内反15°,30°,外反10°,20°に足関節を傾けたものを使用した。訓練2:患者の足関節を動かし,足底の触圧覚が生じる部位と足関節の位置・運動覚を一定の規則性のもとに一致させることで,足底の触・圧覚から足関節の傾きを識別させた。規則性は①「小指-底屈内反」②「前足部-底屈」③「母指-底屈外反」④「踵外側-背屈内反」⑤「踵部-背屈」⑥「踵内側-背屈外反」とした。各訓練ともに介入頻度は2回/週,20分/回であった。訓練は患者から自身の下肢が見えない環境にて端座位で行った。毎治療開始時にオリエンテーションを実施し,各訓練はランダムに20回行った。訓練1の正答率は介入4週目で25%から100%であり,その後更に4週間同様の訓練を継続したが,症状の改善には至らなかった。その後,治療介入を訓練2へと変更した。訓練2の正答率は介入8週目で25%から95%であった。【結果】下腿前面から足背部にかけての皮膚の発赤や光沢化は消失し,アロディニア様症状の軽減を認めた。浮腫の軽減により下腿周径は24cmへと変化し,関節可動域の向上を認めた。よって,本邦のCRPS判定指標から,本症例のCRPSは改善したものと判断した。痛みの程度はMPQにて2点へと変化した。感覚検査では足底の触圧覚や足関節や足趾の位置・運動覚は正常となり,自己身体描写では足部や足趾が鮮明となった。屋内外の移動はピックアップ型歩行器にて自立レベルとなり,TUGは39秒へと変化し,FIMは117点となった。【考察】今回,視覚と体性感覚といった異種感覚情報の一致を意図した治療介入では十分な改善が得られなかった下肢のCRPSを呈した症例に対して,複数の体性感覚といった同種感覚情報の一致を意図した治療介入に変更したところ,症状の改善を認めた。神経生理学的に,感覚情報処理には階層性があり,異種感覚情報を統合する前段階に同種感覚情報を統合する過程が存在し,同領域(5野:上頭頂小葉)には下肢に関する神経が豊富に存在するとされている(Rizzolatti 1998)。以上より,下肢のCRPSの背景には複数の体性感覚といった同種感覚情報の不一致が存在しており,足底の皮膚感覚と下肢の各関節の深部感覚の一致を意図した治療介入が下肢のCRPSの改善に有効となる可能性がある。【理学療法学研究としての意義】下肢のCRPSに対する治療方法の1モデルの提案。
著者
島田 和高
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.219-234, 2015-10-01 (Released:2015-12-19)
参考文献数
68
被引用文献数
2 3

上部旧石器時代における中部高地産黒曜石利用に関する研究は,関東平野部など居住地での消費過程に焦点を当てることが多く,中部高地原産地における人類活動の実態と歴史的変遷については十分に議論されていない.本論は,中部高地原産地における上部旧石器集団による土地利用の歴史的変遷を復元する.そのために,以下の三種類の編年を構築ないし援用する.1)中部高地石器群の上部旧石器編年からみた石器群分布の変化,2)黒曜石産地分析のデータベースに基づく中部・関東地方全域における産地別黒曜石利用の変動,3)中部高地の古気候・古植生編年.これらの相関を比較検討した結果,36,000calBP以降の最終氷期における中部高地原産地土地利用の歴史的変遷には,気候要因により隠匿された見かけの遺跡分布や土地利用への規制が生じていることに加え,文化的・社会的な適応による土地利用の変化が認められた.
著者
笠松 美歩 上原 宏 宇津呂 武仁 齋藤 有
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.581-590, 2018-06-15 (Released:2018-06-15)
参考文献数
38

本論文では,絵本に対する子どもの認知発達的反応が描写された絵本レビューに対してテキストマイニング技術を適用し,絵本に対する子どもの認知発達的反応事例を網羅的に収集した.特に,典型的な5種類の反応の事例に対して,反応の詳細および絵本の特徴に基づき,合計13種類の下位分類を設定することができた.さらに,以上の結果と,既存の発達心理学文献における知見との間の比較分析を行った結果,発達心理学文献での報告事例の規模・種類とも上回る子どもの認知発達的事例を収集・類型化できることが分かった.
著者
杉石 泰 稲垣 幸司 黒須 康成 夫馬 大介 坂野 雅洋 山本 弦太 吉成 伸夫 野口 俊英 森田 一三 中垣 晴男
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.10-16, 2006 (Released:2006-08-07)
参考文献数
31
被引用文献数
1 2

歯周病と骨粗鬆症の関係を明らかにするために, 閉経後女性歯周病患者の歯周病態と骨粗鬆症所見の関連性を検討した。対象は, 本研究の主旨に同意の得られた慢性歯周炎の閉経後女性81名 (59.1±6.6歳) で, 腰椎骨萎縮度から, 腰椎骨萎縮正常群26名 (N群, 58.4±6.1歳), 腰椎骨萎縮群55名 (A群, 59.4±6.8歳) の2群に分けて比較した。評価した口腔内所見は, 現在歯数, プロービングデプス (PD), クリニカルアタッチメントレベル (CAL), プロービング時の歯肉出血 (BOP) 率および歯槽骨吸収率 (ABL) である。さらに, 各口腔内所見の平均から2群に分け, 腰椎骨萎縮度に対するオッズ比を算出した。PD7 mm以上部位率とCAL7 mm以上部位率はA群が高値であった (p<0.05)。腰椎骨萎縮度に対するPD平均, PD4 mm以上部位率およびBOP率の年齢補正したオッズ比は, それぞれ, 3.1 (95%信頼区間 (confidence interval (CI) ) 1.1—8.7), 3.0 (95%CI 1.0—8.7) および3.1 (95%CI 1.1—9.3) であった。したがって, 閉経後女性における歯周病の進行と, 腰椎骨萎縮との関係が示唆され, 骨粗鬆症所見に留意して閉経後女性の歯周病治療を行う必要性があると考えられた。
著者
秋本 直郁 林 昌希 秋月 秀一 青木 義満
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.1033-1040, 2018-12-05 (Released:2018-12-05)
参考文献数
20

In this paper, we address the problem of performing natural paste synthesis by color adjustment and image completion, in order to solve the completion problem that can specify an object appearing in a completion area. We propose a synthesis network that can extract the context features of the input image and reconstruct an image with the feature, making the inserted object appear in the completion region. In addition, we propose a ingenious method to make input images and learning method using Generative Adversarial Network (GAN) that do not require collection of high cost learning data. We show that color adjustment and image completion based on context features are executed at the same time, and natural pasting synthesis can be performed by using these proposal methods.
著者
黄 宸佑 竹田 謙一
出版者
Japanese Soceity of Livestock Management
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.65-72, 2015-06-25 (Released:2017-02-06)

舎飼いのヒツジにおいて、羊毛食いは深刻な問題となる行動である。羊毛食いは、皮膚を傷つけられる羊毛食い受容個体ばかりでなく、羊毛食い実行個体も食べた羊毛による食滞によって死亡する可能性もある。羊毛食い行動の表現は、ヒツジのウェルフェアに悪影響を及ぼすが、この行動の発現要因については未だ明らかになっていない。ヒツジが羊毛食い行動を発現する潜在的要因として、飼育面積や給餌の作業工程などの飼育管理、あるいは硫黄や亜鉛のような必須栄養素の欠乏が挙げられているが、羊毛食い行動発現を防ぐことやその行動が発現したとき、それを制御することは難しい。本稿では、羊毛食いに関する最近の研究を概説し、現在まで示されている羊毛食いの要因について総説した。
著者
登張 真稲
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.36-51, 2000-09-30 (Released:2017-07-24)
被引用文献数
5 9

多次元的視点を用いた共感性研究の展望を試み, 「共感的関心」, 「個人的苦痛」, 「視点取得」, 「ファンタジー」の4次元について, どのような変数と関係があるかの検討をおこなった.「共感的関心」は情動性, 他者への非利己的関心, 向社会的行動と正に相関し, 「個人的苦痛」は情動性と正, 制御性と負に相関した.「視点取得」は制御性, 対人認知, 向社会的行動(視点取得教示があるとき)に正, 攻撃性と負, 「ファンタジー」は情動性と正に相関した.次元間の関係については, 「共感的関心」, 「視点取得」, 「ファンタジー」間が正の関係にある.「共感的関心」(愛他的傾向), 「個人的苦痛」(他者の苦痛に対し, 動揺など自己志向の感情反応が起こること), 「視点取得」(他者の気持ちの想像と認知), 「ファンタジー」(他者への同一化傾向)と次元の意味を推測したが, 共感性の次元については, 内容も含め, さらに検討する必要がある.共感性の起源と発達については種々の研究方法が開発されているが, 多次元的視点によるものはまだ少なく, さまざまな角度からさらに検討する余地がある.
著者
ましこ ひでのり
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.4, pp.13-24, 1991-06-15 (Released:2010-04-21)
参考文献数
55

Lingvo, precipe ties politika funkcio, estis kaj estas preterlasita punkto de Sociologio. Tiu eseo temas kial sociologaro apenau atentis kaj atentas la chefa laboroj de lingvscienco, kaj kial sociologaro devas atenti ilin kiel la objektoj por la sociologio de scio. (en Esperanto)(Language, particularly its political function, was and is a blind point of sociology. This essay's themes are why sociologists scarcely paid and pay attention to the main achievements of linguistic science and why sociologists should pay attention to them as the objects for the sociology of knowledge.)
著者
尾間 由佳子 原田 昌彦
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.262-268, 2012-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
28

細胞が環境に対応して生命活動を維持するため,また個体が発生分化するためには,DNAに刻まれた遺伝情報を時間的・空間的に適切に選択して発現させることや,ゲノムを安定に維持することが必須である.このようなゲノム機能に中心的な役割を果たすエピジェネティック制御に,細胞核の構造形成や,核構造とクロマチンとの相互作用が関与することが明らかになってきた.細胞核の構造に基づいたエピジェネティック制御機構の理解は,遺伝子発現やDNA修復の制御機構の解明にとどまらず,発生・老化などの高次生命機能や,がんなどの疾病や再生医療においても新規かつ重要な知見をもたらすことが期待される.
著者
吉本 圭一
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.42-64, 1991-06-05 (Released:2011-03-18)
参考文献数
80
著者
半澤 誠司
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.56-70, 2001-12-31 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
3

本稿の目的は, 日本のアニメーション産業の特性を把握し, その集積要因を検討することにある.アニメーション産業は, 知識集約的な特徴を持つ, いわゆるコンテンツ産業の一つとみなされることが多いが, 実際の制作工程をみるとむしろ労働集約的な製造業としての側面が強い.作品周期が短く市場予測が難しい上に, 短期間での制作が求められるテレビシリーズアニメーションの開始によって, 1960年代に制作会社の垂直分割が進展し, 各工程に特化した中小零細企業が多数乱立するようになった.この結果として, 各制作会社間の物流と情報交換の利便性を図るために, 産業集積が生まれた.受発注関係はほとんどが東京都内で完結し, その取引内容は工程間で特色の違いがみられる.すなわち, 上位工程に位置する制作会社はさまざまな工程を持ち, 多くの企業から受注を受け, 外注比率も高いのに対し, 下位工程に位置する制作会社は一部工程に専門化し, 受注先が少なく, 外注比率が低い.1990年代におけるグローバル化の進展とデジタル化によって, 分散傾向も一部ではみられるが, アニメーション産業では取引先の能力把握と信頼性の構築が重視され, 人的繋がりから仕事が生じている面が強いので, それを生み出す場としての東京の重要性は大きくは変わらないと考えられる.
著者
木村 正信
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.25-38, 2016 (Released:2016-07-13)
参考文献数
10

この論文は不完全競争と財政政策が生産と経済厚生に与える効果との関係を再検討する。そのため、2つのケインズ的特徴(名目賃金の硬直性と非弾力的労働供給)を示す独占的競争モデルを展開する。そして、生産物市場の競争が完全競争になるにつれて、均衡予算乗数と政府支出乗数が1に接近することを示す。