著者
斎藤貴男著
出版者
金曜日
巻号頁・発行日
2010
著者
竹澤 みどり 小玉 正博
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.310-319, 2004-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
26
被引用文献数
4 3

本研究では, 不適応的・病的な現象として問題視されやすい依存を, 一般的な対人関係においてより積極的で適応的なものとして捉え, そのような依存を測定するための, 情緒的依存・道具的依存からなる対人依存欲求尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検討することを第1の目的とした。さらに, 対人依存欲求尺度と, 肯定的特徴として他者への信頼感がどのように関連するか, これまで依存的であることの特徴として考えられてきた自分への自信のなさや意思決定に対する自己評価の低さとの関連も含めて検討することによって, 依存のより肯定的, 適応的特徴を示すことを第2の目的とした。447名の大学生を対象とし, 調査を実施した。因子分析の結果, 情緒的依存・道具的依存の2つの下位尺度からなる20項目の尺度が開発された。この尺度の信頼性と妥当性の検討を行ったところ, 両下位尺度において十分な信頼性と妥当性が確認された。さらに, 概ね対人依存欲求尺度と自己信頼感との間に有意な関連がみられなかったが, 女性においてはむしろ情緒的依存欲求が高いほど自己信頼感が高く, 依存欲求が高い人は他者信頼感が高いという依存の肯定的・適応的特徴が見出された。意思決定に関する自己評価においては, 情緒的・道具的依存欲求どちらにおいても高い人は, 自己評価が低かった。

4 0 0 0 OA 通航一覧

著者
林韑 編
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第4, 1913
著者
吉澤 彩花 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.153-154, 2022-08-25

チャットベースのコミュニケーションにおいて,他者から送られてきた写真に複数の対象が写り込んでいるとき,特定の対象物を指し示したいとき,テキストで返信し説明しようとすると、空間情報や対象の特徴や名前など説明を入力する必要があり,インタラクションが煩雑である.そこで本研究では,チャットに送信した画像に対して「これ」と指し示せるインタラクションを提案する.指示を受ける側は対象物周辺の画像を撮影し,指示をする側は画像に「これ」と指し示すスタンプを押すことで,指示を簡単にする.
著者
大谷 猛夫
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.583-599, 1973-09-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

本稿は,東京都足立区の本木地区における零細工業の存在基盤と階層構成について考察する. 1) 日本工業の中で独占企業への生産の集中がおこなわれていない部門は,雑貨工業をはじめとする一部の軽工業である. II) 雑貨工業は,独占資本が生産過程に直接関与することが少なく,問屋制的な家内工業の様相を強く残している. III) 東京都足立区本木地区には,大正末期以来,皮革工業を中心とする零細な自営工業が密集している. IV) 本木地区の零細工業は,業主と家族労働に主体をおく自営の家内工業がその中心である.ここの自営業者は,中小「企業」を指向する少数の上層自営業者を除けば,もっぱら,より大きな経営から原材料の支給をうけ,それを加工し,それに対する加工賃(事実上の労働賃金)を受けとる経営である. V) これらの下層自営業者は,原材料・完成品の市場から遮断されていると同時に,他の経営に外注もせず,雇用労働力も持たず,系列・外注関係の最末端に位置している.景気の調整弁として,不況時に,まっ先に切り捨てられる不安定な存在である.
著者
永田 良昭
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.361-369, 2000-12-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

We hypothesized that one of the reasons that not a few Japanese are interested in lay personality theories of ABO blood-typing and similar unsupported beliefs on human nature, was unsatisfied needs of having clear collective and personal identities. To test the hypothesis, we asked 149 married women, 34 to 62 years of age, to describe themselves as in self introduction to strangers, and then separately indicate the degree of interest in lay personality theories. We then counted the number of references to personal/private aspects (an index of personal identity) and the number to social groups whose membership was known to be exclusive and limited (an index of collective one). Results showed that those who were high on both indices were less interested in lay theories than those low on one or both of personal and collective indices.
著者
福嶋 誠宣 加藤 大智 濵村 純平
出版者
日本会計研究学会
雑誌
会計プログレス (ISSN:21896321)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.23, pp.1-14, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
27

管理会計や原価計算の教科書では,高い営業レバレッジ(すなわち,固定費が多いコスト構造)を採用すると,利益変動が大きくなるという意味で企業リスクが高まると教示される。こうした教示と整合的に,需要の不確実性が高い状況では,相対的に固定費が少なく変動費が多いコスト構造が選好されるという考え方が従来から存在する。しかし,近年の実証研究は,需要の不確実性が高いほど相対的に固定費が多く変動費が少ないコスト構造が選択されると主張している。このように,需要の不確実性がコスト構造に与える影響については,相反する2 つの考え方が存在する。そこで本論文では,経営者によって予測される需要変動に着目し,コスト構造との関連性を経験的に検証した。その結果,経営者によって予測される需要の変動性が高いほど変動的なコスト構造が採用され,需要変動の予測可能性が低いほど硬直的なコスト構造が採用されることが明らかになった。
著者
窪田 祐一 劉 美玲 三矢 裕
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-20, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
35

本稿の目的は,両利き経営の成果に影響を及ぼす要因を解明することにある.具体的には,イノベーション戦略とマネジメント・コントロール・パッケージ(MCP)の2つの要因に注目する.両利き経営では,知の活用と探索を同時に行う両利き戦略を実現させる適切なMCPパターンの適用が不可欠であろう.本研究では,Simonsの提示するレバーズ・オブ・コントロール(LOC)を適用し,両利き戦略とMCPパターンが両利き経営の成果に与える影響を分析した.分析の結果,両利き経営の成果を効果的に得るには,すべてのLOCを重視するMCPパターンの利用が必要であることが示された.
著者
柊 紫乃 上總 康行
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.123-140, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
41

現場改善の目的のひとつは,現場改善活動による工程,工場単位での生産性向上である.従前の各原価計算手法は優れた計算構造や特徴を有するものの,改善効果を網羅的に金額測定できない.そのような課題を解決するために複数の先行研究が試みられ,その一つとして現場改善会計論(GKC)が提唱されてきた.GKCでは,「機会損失」の概念を取り入れ,改善活動を評価する計算式が提示された.本研究では,従来研究をより発展させ,改善効果としての「生産能力増大」を定義し,改善効果を計算できる概念式を提示する.さらに,生産能力増大の活用方法に注目して,改善効果の測定について計算事例を示す.その上で,改善効果が会計的にどのように現れるかについて類型化する.
著者
Anu Gupta Jun Matsumoto
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.2022-034, (Released:2022-08-26)

This study investigated the spatial and temporal modulation of aerosol species by monsoon intraseasonal oscillation (MISO) using the Copernicus Atmosphere Monitoring Service (CAMS) reanalysis and Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer (MODIS) satellite observations from 2003 to 2019. The climatological spatial distribution of aerosol species showed long-range transport of sea-salt and dust to Indian landmass from the Arabian Sea and desert regions of the Arabian Peninsula, respectively. While organic matter, black carbon, and sulfate originated mainly in India. In the eight MISO phases, southwesterly/westerly strengthening/weakening was responsible for aerosol species transport and spatial distribution. During MISO break to active transition phases 2-5, strong southwest monsoon winds transported sea-salt aerosols from the Arabian Sea to the Indian region. In the active-to-break transition phases 5-7, dust transport strengthened from the Arabian Peninsula. The dust aerosols over the Indian subcontinent peaked in phases 6 and 7. In phases 2-5 (6-8, 1), direction of strong winds along the Indo-Gangetic Plain influenced increased levels of organic matter, sulfate, and black carbon aerosols in the western/northwestern (eastern/northeastern) regions of India. These dynamic spatial changes in aerosols caused by MISO over the Indian region influence the shortwave and longwave radiation balances that can influence monsoon circulation.
著者
石橋 幹子 比嘉 和夫 廣田 一紀 平田 和彦 林 文子 濱田 孝光
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.505-508, 2003-10-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
10

40歳の男性が第3~第5仙髄神経領域の帯状疱疹を発症した後に排尿障害をきたし, 死亡まで6週間持続導尿を必要とした. この症例では髄液と血清の水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体価から, くも膜下で水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体が産生されたことが推測された.
著者
山辺 規子
出版者
奈良女子大学
雑誌
研究年報 (ISSN:03872769)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.103-128, 1996

Here present some book lists of statinarii or bookshop keepers who dealed with text books for studies at the universities in Italy in the high middle ages. The first list is based on the trascription of the document of Olomuc, which was thought to have been written in c.1274/76(Table 1). The second is made from that of Montpellier, perhaps dated in c.1280(Table 2). The third is the inventory of the property left by Solimanus Martini, stationarius of Bologna, who died in 1289(Table 3). In these book lists of stationarii, books were lined in order;legal texts(civil and canonical), Apparatus, and legal monographies, though they contained books smaller in number than those on the book list for the taxation of statuta universitatis scholarium iutistarum bononiensium in the early fourteenth century(Table 4). The last table shows comparatively these book lists, other lists of stationarii refered by Genest, and the list of books actually daled with in 1265-1330, studied by Perez Martin on the base of Memoriales of Bologna(Table 5). It indicates implicitly the activities of stationarii not so strictly restricted by statutes of the university.
出版者
日本放送協会業務局資料室
巻号頁・発行日
vol.第3冊(昭和5-17年), 1943
著者
藤野 昭宏
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.27-34, 2013-10-01 (Released:2013-10-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

産業医と倫理について,1)産業医の法的地位と職務遂行上の倫理,2)産業医学研究の倫理,3)21世紀に求められる産業医の倫理観と根源的思想,の3つの観点から考察した.1)では,産業医の契約類型と独立性・中立性,健康情報とプライバシー保護,及び産業医の権限行使とその担保措置,2)では,国内外の研究倫理基準,倫理審査委員会の意義と役割,及び産業医学研究に特徴的なこと,3)では,産業医と政治倫理,産業医に必要な実務能力と倫理観,及びアートとしての産業医の実践と思想,の各々について論述した.これらの考察から,産業医制度という国家政策に基づく特別な社会的な立場である産業医として,国民である労働者と事業者の双方に対して責任をもって使命を果たすという倫理観が職務上のコアになければならないことが示唆された.さらに,産業医の究極的な使命は,「人間学として産業医学を実践すること」であるとの提言を行った.