著者
西部 忠 橋本 敬 小林 重人 栗田 健一 宮﨑 義久 廣田 裕之
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
Discussion Paper, Series B
巻号頁・発行日
vol.104, pp.1-79, 2012-05

私たちは2011年2月21日より25日まで,ブラジル・セアラ州フォルタレザ郊外パルメイラ地区にあるパルマス銀行を訪問して,その設立者,従業員,近隣小売業者などの関係者にインタビューを行い,同銀行の沿革や特徴,および,その近隣の経済社会への影響を調査した。本調査報告書の目的は,このインタビューの内容を参照可能な一次資料として記録し,公刊することにある。
著者
関 朋昭 Tomoaki SEKI
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 = Bulletin of Nayoro City University (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.7-16, 2017-03

そもそも運動部と文化部は何が違うのか、違うのであれば、何が違うのかを明らかにすることが必要であろう。運動部が外郭団体(中体連、高体連、高野連など)と紐帯を形成してきたように、文化部も外郭団体(高文連など)と深い関係性にある。つまりは、運動部が外郭団体の主催事業(競技大会)へ参加しているように、文化部も外郭団体の主催事業(コンクール)へ参加している。そうした背景から、運動部活動における諸問題(顧問教師の過重負担、勝利至上主義など)は、運動部だけに特化した問題ではなく、おそらくは文化部活動にも存在する問題であると考えられる。そこで本研究は、部活動を運動部と文化部に分類することへの疑問を出発点とし、文化部の中でも部員数が多く、最も活発な活動をしているといわれる吹奏楽部に着目しつつ、これまでの部活動のダイトコトミーを批判的に検討してみたい。
著者
新名 隆志
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編 = Bulletin of the Faculty of Education, Kagoshima University. Cultural and social science (ISSN:03896684)
巻号頁・発行日
no.70, pp.11-22, 2019-03-11

英語圏のニーチェ研究を牽引する一人であるブライアン・ライターは,ニーチェ道徳思想の自然主義的特徴とその意義を強調する一方,ニーチェの価値転換の思想の意義を貶める議論を展開している。その議論を受け入れるかどうかによって,ニーチェ思想全体の解釈の方向性は大きく変わる。本稿は,ライターの議論を大きく二つの点で批判し,ニーチェの価値転換思想の意義を再確認することを目的とする。第一に,ライターは,論理的に飛躍のある議論によって,ニーチェが依拠する力という価値の規範的特権性を奪い取ってしまう。第二に,ライターは,やはり論理に飛躍がある推論に基づいて,価値転換の議論が不合理でレトリカルなものにすぎないと主張する。彼はこのような議論により,極端に価値相対主義的な立場をニーチェに帰することによって,力という価値に依拠した価値転換という,実質的で規範倫理学的なニーチェの議論の理論的意義を破壊してしまうような解釈に至ってしまっている。
著者
堀江 秀樹 平本 理恵
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.194-197, 2009 (Released:2015-02-13)
参考文献数
8
被引用文献数
3

野菜の消費拡大のためには,おいしく味わう工夫が重要である。予備試験の結果,ニンジンを蒸し加熱することで甘味が増強する可能性が示された。そこで,蒸し時間を変えたニンジン片について,官能評価と理化学評価を行った。蒸し時間が増すにつれて,官能的には,軟らかさ,ジューシーさと甘味が増加した。蒸すことによる甘味は糖含量によって説明できなかった。それはニンジン片中の糖含量は蒸し加熱によって変化しないからである。30秒間一定の低圧で加圧したときに蒸したニンジン片から滲出するエキスの量を比較した。より長時間蒸したニンジン片から,より多量のエキスが集められた。エキス中の糖類の濃度は約10%であった。容易に滲出するエキスの量が感覚的な甘さやジューシーさに関係するものと考えられる。
著者
土肥 真人
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.55-60, 1993-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
53
被引用文献数
1 3

本論は, 江戸から東京への変動期にみられる都市オープンスペースの形態的変化と社会的諸制度の変化との相関を検討することを目的とする。江戸の貧民対策は, 基底的社会制度である身分制度により, 各身分内で行われるのが原則であった。路上の貧民は, 路上を活動の舞台とする諸身分に組み込まれた。明治初期の身分制度廃止により, 浮浪者および路上を活動の舞台としていた身分の人々は道路上から排除され, 空間的に収容される。明治初期公園は, この空間的貧民収容という側面からも捉えられる。本論の考察の結果, 身分的収容から空間的収容への貧民収容制度の変化は, 都市オープンスペースの形態的変化と密接に関わっていることが明らかにされた。
著者
中坪 俊之 廣瀬 一美
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.403-407, 2007-09-20
参考文献数
9

飼育下において、マンボウ8個体の全長を計測し、追跡法により成長を調べた。140〜1556日の飼育期間では供試魚はすべて直線的な成長を示した。同様の成長傾向を示した7個体の供試魚の成長データを基に、推定年齢を算定し、集団的にvon Bertalanffyの成長曲線の当てはめを行った結果、次式が得られた。TLt=318.4×{1-exp[-0.149×(t-0.031)]}。マンボウが全長3mに達するためには約20年を要し、今回用いた供試魚は、すべて成長期であることが推測された。
著者
喜田弘司 坂本 久 島津 秀雄 垂水 浩幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.200-212, 2007-01-15
被引用文献数
5 2

近年,個人情報がP2P ファイル共有システムによって流出したというニュースが連日報道されており社会問題になっている.この対策としてP2P ファイル共有システムの使用を禁止するシステムが多く提案されている.しかしながら,ユビキタス時代の社会システムを考えると,ファイル共有ソフトウェアは利用禁止にはできない.そこで我々はファイル共有システムをセキュアに利用する環境を提供する「ファイルアクセス制御エージェント」を開発した.このエージェントはPC に常駐し,すべてのファイルアクセスを監視して,未知のプログラムからのファイルアクセスに対してはアクセスを禁止する.たとえば,あるワープロで作成したファイルは,そのワープロやファイル管理ツールなどからしかアクセスできない環境を提供する.アクセスしているファイルから見て未知のプログラムであるか既知のプログラムであるかは,今回開発した「ファイル利用コンテキストベースアクセス許可判定技術」を使って自動判定する.この技術は,ユーザのGUI 操作やプロセスの親子関係,必要があればユーザとの対話でアクセス権を判断する.これによりユーザが知らないタイミングで知らないプログラムから情報漏えいすることを防止することができる.実験により,本エージェント動作環境下で,これまでと同様にP2P ファイル共有システムとアプリケーションの両方を利用することができた.さらに,ウィルスによる情報漏えいも防止できることを確認した.In recent years information leakage problems via P2P (peer-to-peer) file sharing systems, such as Winny, emerge as a social issue. Countermeasure systems that prohibit the use of P2P file sharing systems have been launched. However, we consider the solutions are NOT feasible according to analysis of the use of P2P file sharing systems. In this paper we propose a file access control software agent that provides users to use P2P file sharing software in safety. The agent is installed on each PC including those for private use. It monitors all file accesses and blocks them from unauthorized applications. For example, ONLY Microsoft Word and Explorer are allowed to access *.doc files. Users have been sharing files such as MP3 files, AVI files and so on using a P2P file sharing system. On the other hand, users have confidential files that should not be shared on P2P file sharing system. We can avoid such inappropriate sharing by blocking accesses to confidential files. The agent monitors GUI operations and analyzes process behaviors to detect such critical accesses. We have experimented and confirmed that the agent can detect illegal accesses to confidential files without inhibiting P2P file sharing systems for their private use.
著者
山川 宇宙 内田 大貴 小玉 将史
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.13-16, 2021-12-25 (Released:2022-02-11)
参考文献数
10

The anisogammarid amphipod Jesogammarus(Jesogammarus)hinumensis Morino, 1993 has been reported from south of Iwate Prefecture in Japan and Jeju Island in Korea. In this study, one male and one female of J.(J.)hinumensis were collected from the Imaizumi River flowing into the Lake Jusan, in the Tsugaru Peninsula of Aomori Prefecture in northern Honshu, Japan. This is the first record of J.(J.)hinumensis from the prefecture, representing the northernmost record. At the site, J.(J.)hinumensis was found under fallen leaves deposited at the roots of Phragmites australis

4 0 0 0 OA 大日本史料

著者
東京大学史料編纂所 編
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
vol.第11編之6, 1936
著者
Ines ElBini Dhouib
出版者
International Research and Cooperation Association for Bio & Socio-Sciences Advancement
雑誌
Drug Discoveries & Therapeutics (ISSN:18817831)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.262-272, 2020-12-31 (Released:2021-01-23)
参考文献数
106
被引用文献数
13

The novel coronavirus, severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) was identified in 2019 in Wuhan, China. Clinically, respiratory tract symptoms as well as other organs disorders are observed in patients positively diagnosed coronavirus disease 2019 (COVID-19). In addition, neurological symptoms, mainly anosmia, ageusia and headache were observed in many patients. Once in the central nervous system (CNS), the SARS-CoV-2 can reside either in a quiescent latent state, or eventually in actively state leading to severe acute encephalitis, characterized by neuroinflammation and prolonged neuroimmune activation. SRAS-CoV-2 requires angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2) as a cell entry receptor. The expression of this receptor in endothelial cells of blood-brain barrier (BBB) shows that SRAS-CoV-2 may have higher neuroinvasive potential compared to known coronaviruses. This review summarizes available information regarding the impact of SRAS-CoV-2 in the brain and tended to identify its potential pathways of neuroinvasion. We offer also an understanding of the long-term impact of latently form of SARS-CoV-2 on the development of neurodegenerative disorders. As a conclusion, the persistent infection of SRAS-CoV-2 in the brain could be involved on human neurodegenerative diseases that evolve a gradual process, perhapes, over several decades.

4 0 0 0 OA 常設展示

出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
vol.第140回, 2005-11
著者
清水 学
出版者
追手門学院大学
雑誌
追手門学院大学人間学部紀要 (ISSN:13418084)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.57-77, 1997-07-01

日常生活の社会学 / 考現学 / 限界芸術 / 超芸術トマソン