著者
奥山 敏雄
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.4-13, 1999 (Released:2022-07-27)
被引用文献数
1

成立期の社会学は,各機能領域に分化した全体としての近代社会をどのように理解するかというプロブレマティークの中で組織を理解しようとした.機械,有機体,生命システムという,組織の社会学理論の基礎メタファーは,このプロブレマティークの変容に連動するものと解釈できる.組織理論のメタファー論は理論多元主義を主張するが,近代社会の転換期にある現在プロブレマティークの自覚なしに多元主義を展開するとしたら,組織の何を理解したことになるというのか.
著者
加藤 慶
出版者
目白大学
雑誌
目白大学総合科学研究 (ISSN:1349709X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.25-34, 2008

What is "Queer" man's school life? This study examines what his school life is through analyzing of his life story. This study was conducted at 2007/06 using a series of life story interview with a "Queer" man. As a result of the analysis, Why was he used violence? Because he doesn't have Masculinity.
著者
筒井 淳也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.35-46, 2019 (Released:2020-06-25)
参考文献数
24

統計的因果推論は計量分析の主流となっているが,計量社会学におけるその意味やインパクトについて体系的に論じた研究はいまだに少ない.本論文では,因果推論モデルを含む計量分析の手法について,異質性という概念を軸に整理し,その上で計量社会学が異質性に対して他の分野の手法とは異なったアプローチをとる傾向があることを示す.このことは,マルチレベル分析とも呼ばれる混合効果モデルの活用において明らかである.さらに,介入や切断を用いる因果推論アプローチと,要因間の関連性を強調する計量社会学的アプローチの違いを説明し,それが人々の概念連関を参照する社会学の特性の現れである,ということを論じる.
著者
豊島 よし江
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bulletin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.10, pp.77-86, 2016

本研究の目的は、江戸時代の人口調節としての間引き・堕胎の実態、また通過儀礼としての産育習俗から見た日本の子育て、日本人の子ども観について文献を通して考察することである。歴史を通して見えてきたのは「堕胎・間引き」は全国的に慣習として存在したこと。堕胎法としては子宮収縮作用のある植物を用いる・冷水に浸かるなどであった。間引き法としては濡紙を口に当てる、手で口をふさぐなどの直接的なものとネグレクトなど間接的方法があった。これらの根底には貧しさがあり、親たちが生きるためのやむにやまれぬ選択であった。そして、そこには「7歳までは神の領域に属するもの」として「子どもを神に返す」という古来の日本人の精神があった。また、七五三に見られる通過儀礼は、子どもが無事に生まれ、無事に育つことの困難な時代にあって不安定な時期を乗り越えた節目の儀礼であった。そこには生まれた子どもを慈しんだ日本人の英知と祈りがあった。
著者
井上 佳奈 山本 佑実 菅村 玄二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.133-143, 2016 (Released:2016-07-08)
参考文献数
60
被引用文献数
1 1

We tested possible intrapersonal effects of a sigh as a psychological “resetter/rebooter.” Fifty-eight undergraduates were randomly assigned to a sigh or a normal exhalation (control) group. We asked participants on each task to model the experimenter demonstrating how to exhale air into a small plastic bag for breathing manipulation under the pretext that we were interested in the exhaled gas in stressful situations. Results revealed that the sigh group did not experience more relief (as shown by prolonged reaction time) after exposure to threat stimuli, but showed more persistence on a highly-difficult puzzle task (p = .03, d = .62) and more willingness to continue working on a monotonous task (p < .10, d = .48), than the normal exhalation group. A sigh may have an adaptive function to motivate further work; although it may not induce relief — suggesting that a “sigh of refresh” is a voluntary but a “sigh of relief” is an involuntary response.
著者
中野 一茂 人見 優子 Kazushige Nakano Hitomi Yuko
巻号頁・発行日
no.26, pp.39-53, 2010-03-31

介護の現場では、2000 年の介護保険法導入を契機に、施設ではより多くの介護福祉士を求め、そのニーズは高まっている。しかし現実には、施設における介護職員の確保は非常に困難な状況にあり、介護職の労働条件・労働環境の整備の劣悪化による離職者が多いと予測される。この介護者の離職問題にふれる場合、「利用者・家族の介護職員に対する暴力」の問題もその関連する要因の一つに考えられる。本研究では、高齢者施設の介護現場において利用者・家族の暴力が関連してどのような問題が生じているのかを把握するために介護職員を対象とした実態調査をおこない、高齢者福祉施設における介護職員の心身に関連した労働環境について考察した。 その結果、施設内で利用者から介護職員が何らかの暴力を振るわれている実態が明らかで、他国をみても特異な結果ではないことが明らかとなった。また何らかの暴力を受けている介護職員は、それを個人的要因あるいは、利用者の疾病に起因するものや自分の中の問題として内包してしまう傾向が強い。内面の自己の価値基準を抑圧することにより、自己の感情を操作し、介護業務を行っている実態があり、感情労働との関連が深かった。またそのことは、離職問題へと発展することが予測された。 今後は、介護業務を感情労働と位置づける研究の蓄積、さらなる実態調査からの結果蓄積による「施設内暴力」の定義・指針作りが急務であると示唆された。
著者
玉置 佳菜子
雑誌
表現文化
巻号頁・発行日
vol.8, pp.67-82, 2014-03
著者
岡 明彦 天野 祐二 内田 靖 香川 幸司 高取 健人 北嶋 直人 園山 浩紀 多田 育賢 楠 龍策 福庭 暢彦 大嶋 直樹 森山 一郎 結城 崇史 川島 耕作 石原 俊治 木下 芳一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.1804-1813, 2013 (Released:2013-10-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

保存的加療にて軽快した餅による消化管障害(イレウス,潰瘍)の8例を報告した.既報を含めた検討では,餅による消化管障害には,次のような特徴がある.(1)イレウス,穿孔,潰瘍がある.(2)50~60歳代の男性に多く,義歯や早食いが誘因となる.(3)発症数は10月から増え1月に最も集中.(4)イレウスでは腹膜刺激症状,穿孔をともないやすい.(5)硬くなった餅はスネアで破砕可能.(6)餅のCT像は「均一」な「高濃度」であり,CT値は145HU前後である.

29 0 0 0 OA 人事興信録

著者
人事興信所 編
出版者
人事興信所
巻号頁・発行日
vol.10版(昭和9年) 下卷, 1934