著者
馬渕 春菜
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

網膜色素変性症では進行性に重度の視力障害をきたしうるが、有効な治療法は確立されていない。本疾患では、光に暴露すると増悪しやすいことが知られているが、光による網膜障害のメカニズムには未だ不明の点が多い。そこで今回、光障害による視細胞死のメカニズムに関し、酸化ストレスの観点から研究した。そのために抗酸化剤であるルテインを投与した際の、光暴露による網膜障害の予防効果を解析した。
著者
中沢 大悟
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

MPO-ANCA関連血管炎モデルを用いてNETsに関連する分子をターゲットに治療としてリコンビナントトロンボモジュリンに着目した。本疾患の病態は、病原性自己抗体であるANCAが,好中球を活性化し全身の微小血管を傷害するが、好中球プログラム細胞死の1つであるNeutrophil Extracellular Traps(NETs)の制御異常が本疾患の病態の中心をなす。in vitroでリコンビナントトロンボモジュリンが直接好中球に作用してNETsを抑制し、また血管内皮傷害も抑制することを示した。モデル動物に投与することで血管炎病態を改善することを示した。
著者
渕 圭吾
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

経済学における「最適課税論」の成果を租税法に応用することを目指して研究を開始した。最適課税論からの示唆に基づくいくつかの短い研究成果を公表したが,経済学の成果を応用するという大上段の議論で問題が解決するわけではなく,税制の一つ一つの制度のあり方に着目してそのあるべき制度設計を考えていく必要があることが判明した。そこで,国際課税,地方税,所得課税,等につき,個別にその制度の仕組みとそれを改善するための方策を検討し,論文を執筆した。さらに,英語での研究成果の公表を実現した。
著者
榛葉 旭恒
出版者
京都大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

精神的ストレスはインターロイキン17産生型ヘルパーT細胞(TH17細胞)の働きを介して炎症性腸疾患を誘引すると考えられているが、その機構は明らかではない。申請者はストレス感知により腎臓から産生されるプロレニンの受容体(PRR)がTH17細胞で発現することに着目し、PRRがTH17細胞の発生を促進すること、ストレスと免疫応答が腸管のTH17細胞を増加させることを見出した。そこで本研究は、PRRがTH17細胞の分化や維持、働きを促進する分子機構と、ストレス時に産生されるプロレニンがTH17細胞を介して炎症性腸疾患の発症と増悪に寄与する可能性を、PRR遺伝子破壊マウスを用いた解析から明らかにする。
著者
岡 孝和
出版者
九州大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本年度は以下の2つの実験を行った.実験には雄ウイスターラット(300-350g)を用い,侵害受容閾値の測定にはプランターテストを用いた.[1] インターロイキン-1β(IL-1β)を視床下部視索前野(POA)に投与したときに生じる痛覚過敏におけるNOの関与の検討.実験1週間前に麻酔下でガイドカニューレとスタイレットをPOAの1.0mm上まで埋め込み,実験当日,薬物を目的部位に注入しpaw-withdrawal latencyの変化を観察した.IL-1β10pgをPOAに投与すると15-30分後にpaw-withdrawal latencyは短縮したが,IL-1β+N^G-monomethyl-L-arginin(10μg)を同時投与すると短縮効果が抑制された.POAにおいてIL-1βはNOを介して痛覚過敏を生じると考えられた.[2] Lipopolysaccharide(LPS)全身投与によって生じる痛覚過敏/鎮痛作用におけるプロスタグタンジン(PG)の関与の検討.LPS1-100μg/kgを静脈内投与したところ,投与45-60分後にpaw-withdrawal latencyが短縮した.一方,120分の観察時間内ではpaw-withdrawal latencyの延長はみられなかった.シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤であるNS-3981.0ng/0.3μlを両側POA内に局所投与したところpaw-withdrawal latencyの短縮が抑制されたが,腹内側核,室傍核内への投与では抑制効果がみられなかった.細菌感染症にかかった時に生じる痛覚過敏にPOAでのPG産生が関与すると考えられる.
著者
雨宮 智浩 青山 一真 池井 寧 廣瀬 通孝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2021-04-05

現在の遠隔ビデオ会議システムでは身体運動の伝達に課題があることが明らかになってきた.本研究の目的は,中枢から筋への運動指令なしで,感覚間相互作用により身体に関する潜在的知識(身体図式)を更新させ,実際の身体運動で生じる感覚情報とのゲイン調整を適切に行うことによって擬似的な身体移動体験を創出する手法の確立と適用限界の検証である.多様な身体移動体験を多様な利用者に対して安定して提供するため,(A)自然な擬似移動体験を成立させる多感覚統合のために必要な感覚情報のゲイン調整手法, (B)身体錯覚による身体移動体験の拡張条件, (C)多様な身体移動体験の創出手法の有用性と適用限界を明らかにする.
著者
大澤 匡弘 粂 和彦 村山 正宜 祖父江 和哉 小山内 実
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

痛みは不快な情動を生み出す感覚刺激とされるが、心の状態が痛みの感受性にも影響を与える。本研究の成果から、慢性的に痛みがあると不快な情動を生み出す脳内神経回路が活性化していることを全脳イメージングの解析から明らかにできた。また、気持ちが落ち込んでいる状態(抑うつ状態)では、些細な刺激でも痛みとして認識されることが明らかになった。特に、前帯状回皮質と呼ばれる情動に関係が深い脳領域の活動が高まっていると痛みに対して過敏になることも示すことができた。これらのことから、難治化した痛みに対しては、情動面に配慮した治療法が有効であることが提唱できる。
著者
神長 伸幸
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,小学校児童の読み理解の発達過程を眼球運動パターンの変化という視点で検討した。研究1では小学校3年生と5年生および成人に教科書の副読本より選出した文章を自然に理解しながら読むときの眼球運動を測定した。その結果,発達に伴って単語に停留する時間は短くなった。ただし,漢字表記語はひらがな表記語と比較して,発達による停留時間の短縮の度合いが低かった。研究2では小学校2年と4年生と成人を対象に,文章の分かち書きが読み理解に及ぼす影響を検討し,文を文節に分かち書きすることが読み理解の促進につながることが小学校児童でのみ示された。
著者
福士 政広 井上 一雅
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ポータブルα線スペクトルサーベイメータの開発・改良を実施した。試作・開発中のポータブルα線スペ クトルサーベイメータは、検出器に2000mm^2面積イ オン注入型シリコン半導体検出を採用したものである。また、スミア法に対応した真空容器設置型を試作した。当初予定のAm-241のα核種のエネルギースペクトルの測定を明瞭に確認できた。平成30年度は購入が間に合わず、研究協力関係にある放射線医学総合研究所所有のNp-237、Am-241、Cm-244の3核種混合電着線源では、それぞれの核種のエネルギースペクトルを確認できた。また、令和元年度に同様の線源が購入でき、性能評価を実施した結果、同様の分解能を得ることができた。241Am電着線源および3核種(237Np、241Amおよび244Cm)混合電着線源(以下、3核種混合電着線源)を用いた実測の結果、可搬型α線スペクトロメータは線源検出器間距離が3.8 mmの場合、約240 keVのFWHMを有しており、複数のピークを持つα線源を検出することが可能であることが明らかとなった。しかし、空気層によるα線の散乱および吸収の影響により、線源検出器間距離が大きくなるとエネルギー分解能が増大することが確認された。空気層によるα線の散乱および吸収の影響を低減することでエネルギー分解能の向上を図るために真空中で測定できるように改良が必要であることを明らかにし、改良した真空容器設置型α線スペクトルメータに対して同様の性能評価を行った結果、線源検出器間距離が4.3 mmの場合に約160 keV、24.3 mmの場合に約110 keVのFWHMを有しており、真空条件下の測定によってエネルギー分解能の向上を実現した。α種スペクトルサーベイメータの開発研究は大方順調に進捗している。
著者
井上 佳祐
出版者
横浜市立大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

我が国の自殺率は、低下傾向ではあるものの、諸外国に比べて依然として高いままである。自殺は、世界的にみても主要な死因の一つであり、メンタルへルス問題を基盤にした「防ぎ得る死」である。自殺予防のためには、精神科疾患に罹患した者を見つけ・適切な治療を行うことが重要である。しかし、精神疾患に罹患した者は、精神科以外の診療科を受診し、精神科を受診しないことが多く、精神科医以外の医師であっても、精神科疾患についての知識を有していること、さらに、自殺リスクの評価ができることが重要である。精神科以外の医師を対象とした、自殺予防に関する研修会は、全国各地で行われてきたが、その効果測定は不十分なものが多い。さらに、臨床研修医に限ると、自殺予防について体系だって学ぶ機会はほとんどなく、またどのような教育内容が効果的かすらわかっていない。本研究では、臨床研修医が自殺予防について必要な知識が習得でき、自殺リスクを評価できるようになるための、教育プログラムを開発し、その効果測定を行うことを目的とする。2018年度は、国内外の自殺予防の教材・資料を元に、講義資料を作成した。2019年11月より、初期研修医に対しての講義を行い、その前後で、評価尺度を用いた、自殺の危険性が高い者に対する態度や対応技術の測定を開始した。2020年1月で講義は終了となった(3月より、新型コロナウイルスの影響により講義が中止となったため)。講義は合計2回実施し、計15名が参加した。2020年度に研究結果の解析を進めた。
著者
芦田 徹郎
出版者
甲南女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、オウム真理教現象をとおして、現代社会および現代人(とりわけ日本における)の特質を探ろうとしたものである。ここで「オウム真理教現象」というのは、同教団の思想ならびに行動、とりわけサリン攻撃などの犯罪的あるいは反社会的行為と、それへの一般社会の反応(反発)の両方からなる独特の諸現象を指している。上記の目的を達成するため、新聞・雑誌報道、単行本、テレビ放送などをつうじて情報を得るとともに、オウム関係者へのインタビューや、東京、熊本、静岡、山梨など同教団と深い関わりのある地域での現地調査を実施した。こうした調査によって収集したデータは膨大な量に達しており、その全体的な分析を完了するには、もう少し時間が必要である。今回は、オウム真理教と対立した熊本県波野村と山梨県上九一色村という二つの地域社会の対応についての詳細な記述と比較と検討をとおして、現代社会に広がる、ぼんやりとはしているけれど、根深い不安を明るみに出したことで満足しなければならなかった。私たちは、この不安がオウム真理教の思想と行動にも共有されているという仮説を持っている。このテーマについての研究は、今後も継続して行くつもりであり、遠からず、オウム真理教現象総体についての現代社会論的意味をはっきりさせたいと考えている。
著者
廣瀬 隆則
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

脂肪肉腫は脂肪細胞への分化を示す悪性腫瘍であり、適切な診断と治療を行う必要がある。そこで脂肪肉腫の病理診断の精度を高めることを目的に種々の検討を行った。その結果、良性と悪性の区別にはp16免疫染色が有用であること、他の悪性腫瘍との鑑別にはMDM2遺伝子の増幅やMDM2蛋白の過剰発現の証明が役立つこと、また脂肪肉腫は予想以上に周囲に浸潤する腫瘍であることなどを明らかにした。この成果に基づき、脂肪肉腫の診断精度が高まり、治療法の改善につながることが期待される。
著者
加藤 朋江
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、現代日本における高年初産について聞き取り調査と文献を用いてその実態を明らかにするものである。聞き取り調査では(1)対象者に高年初産が選択される背景が多様であること、(2)対象者の年齢に対する意識が近年において変化していること、(3)対象者が考える高齢出産のメリットとデメリットについて考察した。文献調査では(1)高年初産のリスクとされることが年代ごとに変容していること、(2)かつては若い女性たちにとって特別なものであった高年初産が現在ではいつか選択するかもしれないことに変化していること、(3)高年初産・高齢出産に対する差別的な意識について分析した。
著者
高橋 恒男 張 達栄 張 徳中 胡 運彪 三沢 裕之 斎藤 秀樹 安日 新 HU Yun Biaou 江 紹基
出版者
山形大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

潰瘍性大腸炎の漢方療法を行うにあたり、われわれは小柴胡湯と五苓散の合剤である柴苓湯に着目し臨床応用を開始した。潰瘍性大腸炎の治療に漢方を取り入れた目的は、ステロイドおよびサラゾピリンの副作用の減弱とステロイドの減量にあった。本研究の目的は潰瘍性大腸炎に対する漢方製剤特に柴苓湯の臨床的有用性を検討するとともに、その作用機序を解明するために柴苓湯の免疫能におよぼす影響を検討することにあった。さらに、日本と中国における潰瘍性大腸炎の疫学的差異を検討するとともに、中国における潰瘍性大腸炎に対する漢方療法を学び、本症に有効な漢方療法(漢方処方)を取り入れることにあった。1、潰瘍性大腸炎に対する柴苓湯の臨床効果について活動期の潰瘍性大腸炎患者16名を柴苓湯単独投与群と柴苓湯、ステロイドあるいはサラゾピリンの併用群の2群に分け検討した。その結果、柴苓湯単独投与で寛解導入できた例が認められた。しかし、総じて柴苓床単独投与の臨床効果は柴苓湯、ステロイド、サラゾピリン併用群に劣った。ステロイドとの併用群では、柴苓湯投与によりステロイドの量を減らすことができ、また寛解導入までの期間を短縮することができた。さらにステロイドの減量が可能だったため、ステロイドの副作用発現率も少なかった。柴苓湯はそれ自身も抗炎症作用を有するがステロイドに比較しその作用は弱く、本症に対する柴苓湯投与の意義はステロイド、サラゾピリン作用の補完にある。以上の検討により、潰瘍性大腸炎の治療における柴苓湯の臨床的有用性が確認された。2、潰瘍性大腸炎に対する柴苓湯の免疫学的作用について潰瘍性大腸炎の発症、再燃と好中球、リンパ球による大腸ん粘膜障害の関連が示唆されている。そこで、in vitroでこの粘膜障害を抑制する柴苓湯の効果を検討した。(1)活動期の潰瘍性大腸炎患者の末梢好中球の化学発光(以下CL)におよぼす柴苓湯の効果について検討した。その結果、好中球のCLは活動期に増強しているが、これを柴苓湯で処理するとCLは抑制された。(in vitro)これは柴苓湯が抗炎症作用を有していることを示すものである。活動期の潰瘍性大腸炎患者の末梢好中球のCLは肢苓湯の服用により抑制された。(in vivo)(2)潰瘍性大腸炎患者の大腸粘膜由来の培養T細胞株を樹立しその免疫学的機能を解析した。その結果、培養上清はγIFN,TNF,GMーCSFの各種サイトカインを含み、かつT細胞自体も細胞障害性を呈した。この培養T細胞は、正常大腸粘膜由来のT細胞に比べTNF産生量が多いが、柴苓湯はTNFの産生を抑制した。現在、さらにこの培養T細胞に対する柴苓湯の作用を検討中である以上の検討により柴苓湯は抗炎症作用のみならず免疫調節作用を有することが明らかになった。3、日本と中国における潰瘍性大腸炎の疫学的差異を検討するために平成3年1月に訪中し、西洋医学を主とする上海第二医科大学と、東洋医学を専門とする北京西御院を訪れ資料を交換した。4、中国における潰瘍性大腸炎の漢方療法漢方処方については日本と異なり生薬を使用し、また日本の漢方エキスが手に入らないため単純な比較はできない。原則として潰瘍性大腸炎の薬物療法は、日本と同様サラゾピリンあるいはステロイドを第一選択とする。軽症あるいは中等症の患者のうち難治性のものが、西洋医学部門から漢方診療部にまわってくる。漢方医はステロイド、サラゾピリンを減量しつつ漢方製剤を投与する。漢方製剤の投与法は、日本は異なり内服投与のほかに注腸による投与もおこなう。腹痛に対する内服処方は、陳皮、炒白芍、防風、枳実。血便に対する処方は、白頭翁、秦皮、黄拍、黄連である。内服投与で不十分な場合は、漢方剤の注腸をおこなう。軽症から中等症に対しては、錫類散、黄連素、塩水。中等症から重症例に対しては、苦散、黄耆、白笈、黄柏、雲南白薬、錫類散を注腸する。5、現在柴苓湯以外の漢方剤も検討している。具体的には萼帰膠芬湯や十全大補湯が有力な候補である。
著者
朝長 啓造 本田 知之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

生物には、感染したウイルスの遺伝情報をゲノムに記憶し進化に利用する仕組みがあることが示唆されている。本研究は、哺乳動物ゲノムで発見された内在性ボルナウイルス様配列(EBLs)の機能、特に感染防御に関する働きを明らかにすることを目的に遂行された。本研究により、ヒト由来EBLsの発現と遺伝子発現調節機能が明らかになるとともに、マウスならびにジュウサンセンジリスにおけるEBLsがそれぞれpiRNAとタンパク質を発現して、ボルナウイルスの感染防御に働く可能性を示した。さらに、Eptesicus属コウモリに内在化したEBLsが機能性のRNA依存性RNAポリメラーゼ酵素をコードする可能性も明らかにした。
著者
犬飼 朋恵 河原 純一郎
出版者
神戸親和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,注意制御機能を中心とした認知機能の男女差にテストステロンが及ぼす影響について調べた。テストステロンの分泌量は,人差し指と薬指の長さ比及び唾液から測定した。認知課題には,男性優位とされる非標的に紛れた標的を報告する時間的探索課題と心的回転課題,実際の動きと反転してディスプレイに呈示されるマウスの軌跡を見ながら指定された英数字を辿るマウス反転課題の3つを用いた。実験の結果,指の長さ比と心的回転課題の成績との間に相関が認められた。唾液中のテストステロンの分泌量と3つ課題の成績には相関が認められなかった。このことから,テストステロンが認知機能に及ぼす影響は限定的であることが示唆された。
著者
星 貴江
出版者
人間環境大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、硬膜外麻酔による無痛分娩を選択した女性のself-esteemおよび育児に関する調査を行い、心理的ケアモデルの開発と試作を行うことを目的とした。今回の調査からは、硬膜外麻酔による無痛分娩を選択した女性は、自尊感情の低下がなく、産後うつ傾向が低いことが示された。無痛分娩を希望した理由は様々であったが、出産に対する満足度が高く、それぞれ無痛分娩での出産を肯定的に評価し、価値あるものとし認識し、自己概念を再形成し育児を行っていたと考えられる。妊娠中からの無痛分娩希望者へのケア体制、サポート体制の把握、また出産における対象の個々の体験を大切にし、支援していく必要性が示唆された。
著者
森下 稔 鈴木 康郎 平田 利文 S Kampeeraparb 楠山 研 石村 雅雄 羽谷 沙織 乾 美紀 ベー シュウキー 荻巣 崇世 NO Fata HEUANGKEO Souphany UNKONG Thidawan TRINH Quoc Lap
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、ASEAN統合が大メコン圏諸国における基礎教育に与えたインパクトを解明することである。カンボジアではASEAN学習が広がり始めているが表面的である。ラオスではASEAN学習を取り入れる動きは少ない。タイではASEAN学習の導入に最も積極的に取り組まれている。ベトナムでは基礎教育への影響は少ない。中国雲南省ではASEANの発展には関心が高いが、基礎教育レベルでの協力・交流は進んでいない。ミャンマーでは、民主化後のカリキュラム改革が進行中であるが統合のインパクトは確認出来ない。また、全体的に見て児童生徒の交流は増えていないのが実態である。
著者
山中 美潮
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、20世紀初頭の西原清東によるアメリカ合衆国テキサス州稲作移民運動を中心に、日本人のアメリカ南部移住・人種経験から越境的なアメリカ史を検証する。日系アメリカ人史はこれまでアメリカ西海岸地域研究に偏りが見られ、またアメリカ南部史では、白人・黒人という二分的な人種関係を自明とし、移民や他地域との関係性を軽視してきた。そこで本研究は単なる地域・移民研究を超えた新しいアメリカ史像を提示するため、日本人の歴史的経験からアメリカ南部と環太平洋世界の相互作用を明らかにする。本研究により多様化の進む日米社会双方の人種関係の理解と促進に貢献したい。