著者
熊崎 美枝子
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

煙火組成物として過塩素酸アンモニウムと塩化マグネシウムの混合物を用い、水分による劣化機構の解明と物理的変化の評価を行った。調湿環境下での挙動を把握するため、調湿環境の整備と反応量の測定手法を確立した。測定から、水分吸着による可逆過程と水分との反応による不可逆的な変化が発生することがわかった。水酸化ナトリウムの生成のほか、酸性条件下では過塩素酸の還元過程が存在することが示唆された。体積膨張によるクラックのほか、体積・密度変化が観察されたが、体積膨張速度より吸湿による重量増加速度が大きいことがわかった。劣化前後の燃焼試験で組成変化による燃焼速度・燃焼温度の変化が観察された。
著者
山本 光璋 前田 敏博 小倉 久直 井上 昌次郎 佐藤 俊輔 武者 利光
出版者
東北大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

本総合研究では、まず班員全員により、生体1/fゆらぎ現象についてレビューを行い、続いて代表者を中心として、ネコの心拍リズムの長時間計測と解析、さらには、脳単一ニューロン活動の計測と解析を行い、その結果について討論してきた。1.これまでに知られているあらゆる生体信号における1/fゆらぎ現象のサーベイをまず行った。細胞レベルでは、下等動物の神経系における自発発射や軸索中のインパルス伝導、ネコの脳単一ニュロン活動のレム睡眠時における1/fゆらぎ、器官のレベルでは、最も典型的な心拍リズム、血圧、呼吸リズム、瞳孔径及び焦点調節、自律神経活動、α波の周波数ゆらぎ、さらに個体レベルでは、身体動揺やヒトの手による拍子とりリズム、これら広範囲にわたる生体現象に1/fゆらぎ現象がみられることを再確認した。周波数範囲は現象により異なるが、10^<-5>から10Hzの帯域に及ぶ。2.これらの生体1/fゆらぎ現象における最も重要な関心事は、その低周波限界である。ヒトの心拍リズムでは、10^<-1>Hz以下10^<-4>から10^<-5>Hzまで1/fゆらぎがみられるこいうことが経験的に知られてきた。10^<-5>Hzとは約一日のタイムスケールに相当する。本研究では、ネコを用いた長時間心拍記録実験が中心的に行われた。3.ネコの心臓に直接電極を取り付け、連続4日間にわたる計測を異なる条件下で3回成功させた。その結果、10^<-4>Hzまで大枠としては、1/fスペクトル特性を示すことが確認された。また、連続6日間(144時間)にわたって行った記録実験の結果では、10^<-5>〜10^<-4>Hzの帯域に於いて、スペクトルは平坦化する傾向を見せた。スペクトルの低域での平坦化傾向は、ネコが有限の大きさのケージ内で、外界と遮断されたことにより行動が抑制され、心拍リズムの超低周波成分が減弱したものと推測された。ネコの脳単一ニューロン活動については、レム睡眠時における1/fゆらぎがエピソードを越えて一貫したものであることが示され、これがホップフィールド型の相互結合型ニューラルネットワークモデルのダイナミクスとして説明することが示された。また、確率過程として見たときの1/fゆらぎ現象の新しい解釈が与えられ、今後の数理的な研究の基礎固めができた。
著者
関塚 剛史
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

腸管内バクテリオファージを効率的且つ簡便に回収する方法を考案し、新規バクテリオファージのゲノム配列を確定した。抗菌薬多剤併用療法を実施した潰瘍性大腸炎患者の治療前後の腸内細菌叢解析をメタゲノム解析により行い、抗菌薬多剤併用療法開始前の活動期に多く存在する細菌種、及び、治療後の寛解期で多く存在する細菌種が確認された。更に、phageome解析を行ったが、各患者で多様なパターンを示し、治療前後での共通性は認められなかった。しかし、個人の治療前後でのファージ組成は大きく変化していた。回収したファージを用いた細菌叢への感染実験を行ったが、供与したファージの増加は認められなかった
著者
長谷川 博史
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、中世の山陰地域の流通構造について、西日本海水運との連関性を追究することによって、明らかにした。たとえば、富田城下町は、戦国大名尼子氏の拡大によって、16世紀前半に急速に発展し、鉄の加工を通して内陸部と海を結びつけた。また、杵築門前町は、16世紀後半に、石見銀山の開発の影響を受けて急速に発展し、鉄の積み出し港としても重要な役割を果たしたので、内陸部と海を一層強く結びつけた。
著者
中川 成美
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は1990年代に新たな分析理論として出発したクィア理論を、日本文学研究の上に照らしだし、新たな批評理論の可能性と実践を、国際的な共同研究のもとに実施したものである。クィアネス(クィア性)を作品批評の一つの軸と設定することによって、文学批評の地平は大きく変化していく。本研究で開催したワークショップや講演会、シンポジウムはその一面を拓いていったものと考える。特に1)ジェンダー配置の不等性2)災禍と女性配置3)クィア理論と情動理論の融合、についての、新しい知見を得たことが主たる成果である。
著者
中山 祐次郎
出版者
福島県立医科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

日本において、胃癌・大腸癌にかかる患者さんの数は増え続けているが、治療薬の開発や手術方法の向上により、癌の治療後に長期にわたり生存するいわゆる「がんサバイバー」と呼ばれる人が増えている。なかでも就労可能な年齢であるとされる65歳以下のがんサバイバーが多く、癌治療が就労に及ぼす影響が大きな問題となっている。しかし、就労を阻害する因子はいまだ不明な点が多く、対策が十分でない。そこで本研究では、福島県の全てのがん診療連携拠点病院(9病院)の胃癌・大腸癌の患者さんを調査し、どんな因子が就労を阻害するのか、臨床医学的因子と社会的因子の双方について検討する。
著者
阪口 正二郎
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、憲法上の権利を制約する政府の行為の合憲性を判断する基準としてのヨーロッパの比例原則とアメリカの違憲審査基準の比較を行い、①両者の違いはアメリカの違憲審査基準の特殊な歴史的起源から説明できること、②両者はともに規制の合憲性を憲法上の権利と政府の利益の衡量によって判断する利益衡量という考え方を共有していること、③政府の行為の帰結に着目する利益衡量という手法を政府の行為理由に注目する方法によって補完する必要があり、それは実際に可能であることを明らかにした。
著者
小泉 桂一 奥 牧人
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-07-18

昨年度までに、以下2つのメタボリックシンドロームマウスに関して、2種類の情報・数理学的な解析方法で「未病」状態を捉える試みを行った。1. メタボリックシンドローム自然発症マウスに対して、DNB解析を行うことで、「未病」状態のタイミングが5週齢で確認された。さらに、このDNB遺伝子は、約147個で構成されていることが明らかになった。今年度、この147個の遺伝子の関連性をGOおよびKEGG パスウェイにより解析した。その結果、GO解析では、炎症反応、免疫反応、細胞接着、ERK1/2カスケード、遊走の関与が、およびKEGG パスウェイ解析では、サイトカイン作用、神経活性化ライガンド作用、ケモカインシグナル、ファゴソーム、補体ー血液凝固系の関与が示唆された。さらに、漢方薬である防風通聖散がこのDNB遺伝子のゆらぎを低下させることも明らかとなった。2. 高脂肪食摂餌によるメタボリックシンドローム発症マウスに対して、超早期の発現変動遺伝子解析を行うことで、「未病」状態のタイミングが3日目で確認された。さらに、脂肪組織において酵素Xの発現が上昇していることが明らかになった。今年度、高脂肪食摂餌によるメタボリックシンドローム発症マウスに対して、酵素Xの阻害剤を投与したところ、顕著な抗肥満効果が確認できた。
著者
川崎 修 神長 百合子 中村 敏子 岡 克彦 町村 匡子 林田 清明
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

フェミニズムを「現代市民社会論」の一環としてとらえ直すことを通じて、女性や家族をめぐる様々な問題を検討し、同時にポスト近代における新たな政治のあり方について研究を進めた。具体的には、以下の三つの観点から共同研究およびそれらの統合を行った。<1 基礎的研究>昨年度に続き、法学・政治学・現代正義論・政治思想史・法思想史・文学の各分野において,女性がどのように位置づけられてきたかを検討した。そこでは、多くの分野において女性をめぐる様々な問題が充分に検討されずに、理論的にも死角となってきていたことが明らかになった。この死角を埋めるべく、市民論・権利論などの視角から、女性や家族をめぐる問題を法や政治に取り込むためことを目指して研究を進めた。その過程で、女性や家族をめぐる諸問題は、それ自体として検討することは言うまでもなく、国際化と多文化主義の流れのなかで他のマイノリティーがかかえる問題とも関連させた上で、理論化すべきであることが強く意識されるに至った。<2 応用的研究>女性の政治参加のあり方・社会保障制度における女性の位置・差別と女性の問題・韓国の婚姻制度における諸問題・多文化主義と国家の中立性などの観点から、具体的な問題をとりあげ、既存の制度がかかえる問題点を明らかにするとともに、現代により相応しい制度のあり方の設計をも射程に入れた研究を行った。その過程で、個別の制度の検討・評価だけではなく、国際比較や比較法的研究や、例えば社会保障制度と民事的な扶養責任の関係などこれまで別の領域と見なされてきた問題・制度の間での比較・検討など、より多角的な研究が必要であることが痛感された。<3 研究の統合>今年度は,助成額が少額であったため、札幌・東京・名古屋を相互に訪問するなどの研究交流や、研究代表者・研究分担者が一堂に会しての研究会等は行えなかった。従って、情報の交換・各自の研究の統合は専らインターネット等を介してのものとなった。
著者
水野 啓
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

東アフリカで近年生産が拡大しているバニラについて,タンザニア北西部をはじめとする研究地域において(1)栽培環境条件の把握と栽培適性評価,(2)作物導入に伴う資源利用形態の変化と農家経済への影響,(3)作物の流通実態および普及政策の効果を明らかにすることで,各地域におけるバニラ導入・普及過程の特徴とその効果・影響を多面的に評価するとともに,農村開発における新規作物導入の課題と展望を考察した。
著者
権藤 洋一 木村 穣 福村 龍太郎 牧野 茂
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

初年度の成果是正も含め、発生初期の高変異率や停止コドン抑制の新たな分子機構など学会などで発表した。2019年度はさらに大きな目的である遺伝的背景の異なる条件下での自然変異大規模WGSデータを得た。これまでマウスゲノム参照配列である世界標準系統C57BL/6Jを中心に解析してきた。今回ゲノム配列が1%以上も異なる日本産MSM/Ms系統の大規模解読を完了した。数世代の兄妹交配で変異を蓄積したMSM系統親の小規模解析から変異率の20%減少が示されていたので、今回、継代が進みさらに蓄積された同腹6個体のWGSを完了しビッグデータを得た。また6匹の雌雄両親ゲノムも解読し「拡張トリオ解析」を実現した。予備実験では兄妹交配蓄積のためマルコフ過程に基づく変異率推定値しか得られなかったが、親子間で直接大規模検出することも可能となったため高精度な変異解析が実現する。またマルコフ過程に依存した変異率推定の実験実証にも成る。MSM系統の極めて高い発がん抵抗性が、自然変異率20%減少がその一因となることを直接実験証明することにつながる。もう1つの大きな目的である構造変異structural variation (SV)の高精度検出においても、2つの全く新しい技法によって網羅的大規模解析が実現した。ひとつは、BioNano社の Saphyrシステムを用いた数Mbpの1分子長鎖全ゲノムマッピングwhole genome mappinng (WGM)データを得た。また、もうひとつはMGI社のsingle tube long fragment reads (stLFR)データである。いずれも、これまで解析してきたC57BL/6Jの同じマウスゲノムDNAを用いたデータであり、すでに得ているイルミナshortreadだけでなく、PacBioやNanoporeデータとも直接比較解析可能となり、単にSV検出に留まらず、すでに得ている参照配列の見直し6000候補箇所の実証にもつながる。
著者
森田 都紀
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

昨年度までの史料調査をふまえ、今年度は、主に一噌流宗家伝来の史料から重要と思われるものの解析を進めた。具体的には、『一噌流笛秘伝書』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『矢野一宇聞書』(早稲田大学図書館蔵)、『笛の事』(法政大学鴻山文庫蔵)、『一噌流笛唱歌付』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『貞享三年符』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『順勝院噌善手記』(早稲田大学演劇博物館蔵)、『能学(ママ)秘伝書』(早稲田大学中央図書館蔵)、『寛政三年平政香笛唱歌』(法政大学鴻山文庫蔵)などをはじめとする、初世から八世までの代々の宗家の影響下にて成立した諸史料である。役者個人の忘備録として記されたものと、子孫や弟子に伝承するために記されたものとがあり、史料により性格は異なっている。またその内容も、由緒や芸談を記すものから、唱歌付や頭付等の演奏を記した楽譜の類まで幅広い。そこで、研究対象史料の性格を明らかにするために、史料の基本事項のデータベース入力を進めた。また、それと平行して、由緒や芸談等に記された記事の内容と、唱歌付や頭付を読み解くことで明らかになった演奏実態とを照合し、両者の記述を相互補完する形で演奏技法の具体相を総合的に検証しようとした。以上により、流儀としての演奏技法が成立する道筋の一端を窺えたが、一方で、史料数に制約があることと、伝書によっては記述が断片的であることなどによって、歴史的変化を体系的に考察できず、まとまった成果につながらなかった。
著者
野津 寛 納富 信留 吉川 斉 葛西 康徳
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近現代日本における古代ギリシア演劇研究および受容の諸相を追究し、古代ギリシア演劇研究および受容・上演が将来進むべき方向性を示唆するため、私たちの基盤研究(基盤C 17K02590)を発展的に継承する。(1)近現代日本における古代ギリシア演劇の受容の実態調査。(2)わが国の古代ギリシア悲劇の受容と上演の活動全体が、能など日本固有の伝統演劇の諸要素の積極的活用の有無という根本的な選択の相違によって、受容の2大類型に分類できることを明らかにする。(3)西洋人による古代ギリシア悲劇と能の比較研究について、宗教学的・人類学的な比較対照研究の伝統という観点から日本における研究・受容の在り方を問う。
著者
植田 憲一 鹿倉 博和 岡部 雄太郎
出版者
電気通信大学
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1985

UVファラデー回転子の開発研究は大きく分けて、大口径UVファラデー回転子および薄膜偏光子の開発と、UVファラデー回転子のKrFレーザーへの応用に分けられる。紫外線用薄膜材料の吸収係数の測定から蒸着技術の開発にいたる幅広い基礎的研究と、大電流高強度磁界発生装置の設計製作を前者は含み、後者には新しいレーザー制御技術としての偏光回転パルス列発生などを含んでいる。以下に研究成果の概要を列挙する。1)低損失で高い損傷強度を有する薄膜偏光子を製作するために、誘電体薄膜の光吸収係数を光音影効果を利用して測定し膜材料を決定した。我々の開発した測定法は1.5波長厚さの光学薄膜吸収をk<10^<-4>の低吸収まで定量計測が可能で、従来計測の200倍の感度を実現した。2)Sc_2O_3/Na_3AlF_3の25層構成で偏光子を製作し、入射角60度で直接偏光度1:200以上、透過率90%以上の性能を確認した。研究開発当初の透過率13%から大きく進歩し、レーザー損傷強度も2J/cm^2以上に改善された。3)合成石英の光学的均質性の向上を図り、10^<-5>以上を実現したい。4)大電流コイル、全固体素子磁場電源を製作し、2%以下の一様性で5kGを発生した。5)ファラデー回転性能を測定し、11x11cmの大口径ビームに対し、KrFレーザー波長である248nmにおいてレーザー用1方向伝播素子としての性能を確認した。6)共振器内部にファラデー回転子を挿入し、外部から短パルス直線偏光レザーを注入して、"偏光回転多重パルス発生"を行う新しいレーザー発振方式を開発し、10J出力レーザーから10nsパルスのパルス列を得ることに成功した。
著者
宮田 淳 酒井 雄希 河内山 隆紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

妄想すなわち誤った信念の形成には「結論への飛躍バイアス」と呼ばれる認知的バイアスが関わり、これは健常者にみられる「保守性バイアス」の裏返しと推定されるが、その神経基盤はよく分かっていない。本研究では、妄想の形成機序およびその神経基盤を、認知的バイアス課題および構造的・機能的な脳領域間結合解析を用いて解明することを目指した。結果、健常者における脳白質の統合性(構造的結合性)と保守性バイアスが正の相関を示した。また統合失調症において、脳の機能的結合性と結論への飛躍バイアスとが負の相関を示した。これらの結果により、妄想に関わる認知的バイアスの神経基盤が明らかとなった。
著者
神垣 太郎
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

アンケートでは352標本を回収することができ、のべ39992回の接触が記録された。年齢別に見ると13-15歳が最も高く、ついで16-24歳および6-12歳であった。身体的接触は家庭では70%を超えていたが、通勤・通学では約30%であった。接触マトリックスモデルでは20歳以下の未成年層を中心に同年齢に対する接触が最も高く表され、至近距離での接触では、さらに子供と親年齢での接触密度および成人と高齢者の接触密度が増加する傾向が認められた。先行研究と変わらない接触密度が観察された一方で、成人と高齢者との高い接触密度が観察されたことは我が国に特徴的な接触パターンの可能性が示唆された。
著者
藤巻 真 島 隆之 藤岡 貴浩 守口 匡子 白土 東子 宮沢 孝幸 久保田 智巳
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、抗原抗体反応を検出原理に用い、環境中に存在するウイルスを、測定試料の煩雑な前処理を必要とせずに、簡便に検出可能なウイルスセンサの開発を行った。我々が開発した外力支援近接場照明バイオセンサ技術をベースとして、検出に用いる光信号用粒子や磁気微粒子の最適化を行うことによって、高感度かつ広ダイナミックレンジを有するウイルス検出技術を確立することができた。より感度良くウイルス検出を行うために、抗体開発も行った。