著者
吉 基泰[著] 近藤 浩一[訳]
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.425-443, 2013-03

1.はじめに2.仏教医学の受容3.呪禁師の活動4.薬師信仰の展開5.おわりに
著者
持橋 大地 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.4, pp.77-84, 2002-01-21
被引用文献数
9

本論文では 情報検索の分野で提案されたPLSI(Probabilistic Latent Semantic Indexing)の方法を拡張したSemantic Aggregate Model を提案し 単語の持つ意味の概略を最尤推定の立場から$k$-次元の確率分布によって表現する. この表現によって 従来ベクトル空間モデルによって経験的に扱われてきた`意味'を数学的に見通しよく扱うことができる. 関連して 単語間の意味的な距離 意味的重みについての新しい指標を提案する.This paper proposes a Semantic Aggregate Model on word meanings by extending an Information Retrieval model PLSI (Probabilistic Latent Semantic Indexing.) Through the maximum likelihood estimation, this model renders approximate meanings of a word with a discrete probability distribution on latent classes. By this representation, the semantic distance and semantic weights of words can be reformulated mathematically.
著者
近藤 光博
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
no.12, pp.p87-100, 1994

「マハトマ」の尊称で名高いMohandas Karamchand Gandhi(1869-1948)をして世界にその名を知らしめているのは,徹底した非暴力による政治運動,<サティアグラハ>である。彼は,<サティア>すなわち「真理」と呼ぶものを,自分の生きる時空において実現せしめんと,生涯にわたって真摯な努力を重ねた。そうした努力のうち,彼にとって最も重要だったものの一つが,虐げられた者の具体的救済であり,また別のものが,<アヒンサー>すなわち「非暴力」であった。そこから彼の<サティアグラハ>は生まれている。これに比すれば,ガンディーがきわめて厳格な禁欲主義者であったことは,広く知られているとは言えない。彼は,衣食住すべての生活領域にわたって,最も貧しく質素な生活をこそ最高のものとみなした。仕草や話しぶりも,非常に抑制された穏やかなものだったと伝えられている。彼の目指していたものは,あらゆる欲望と情動を意思のコントロール下においてしまうことであった。そして,こうした禁欲の諸実践もまた,彼にとっては<サティア>実現のために欠かすことのできない課題として認識されていたのである。なかでも性欲は,制御されるべき最も深刻な課題とみなされた。幼児婚の風習によって13才で結婚していたガンディーは,37才のとき,妻カストゥルバーイとの性交渉の断念に踏みきる。これが<ブラフマチャリア>の誓いである。その後の生涯,ガンディーは,この誓いを全うするため試行錯誤を重ね,比較的早い段階において,性欲の制御のためには全面的な禁欲の実践が必要だとの結論を得ている。すなわち,この誓いを境に,味覚と食欲の制御に始まって,彼のセルフ・コントロールの努力は次第に生活の隅々にまで及んでいくのである。こうした意味で,彼の<ブラフマチャリア>は,単に"性的禁欲"という伝統的な意味でばかりとらえられるべきではない。彼にとっての性欲の問題とは,彼の禁欲的ライフ・スタイル全体にとっての出発点・焦点としてのみ把握可能なものである。しかし,ガンディーの禁欲の全体像を論ずるのはこの小稿では足りない。本稿では,性的禁欲としての<ブラフマチャリア>に限定して議論を進めたいと思う。そして特に,彼がそこにかけた情熱,あるいは動機・目的を論じてみたいと思う。
著者
佐々木 香織
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.15-24, 2012-04
被引用文献数
1

本研究は、今後の方言調査のための基礎的データを提供するために、県内で使われている2 チームに分けるためのジャンケンの掛け声を取り上げ、その地理的分布を記述する。全国的に散見できる掌と手甲を使ったウラオモテ系の掛け声の県内の分布状況についても探る。調査データから作成した分布図から、県内の広い範囲で、グートッパー系の掛け声が分布していたところに、新方言として新潟市東部ではグーロ系が、西部ではグーパー( ハー) 系が、そして新潟市をとりまく周辺地域ではグーとチョキを使うグットッチ( ョ) 系などが進出してきたと考えられる。各語形の伝播の経路や時期を明らかにするには、新潟市周辺地域( 出雲崎、燕市、三条市、加茂市、五泉市など) の年代別データが特に重要であることがわかった。また、ウラオモテ系については旧吉田町、上越市で使用例があったが少数だったため、詳細な分布状況や伝播経路などについては今後の課題である。
著者
鈴木 宏子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.424-420, 2020-03

[要約]『土佐日記』は、五十五日間におよぶ舟旅の日記であり、旅の始まりから終わりまでの枠組みの中に五十五日分の小単位が連なるという構造を持つ。そして、それら小単位の中には、その日に起きたことや思ったことでさえあれば、どのような内容でも書き込める自由さがある。小稿では『土佐日記』の中から三つの場面を取り上げて、この作品の多彩な魅力を探りたい。一つめは二月五日条で、舟旅の困難さや、世俗の人へのシニカルな批評意識、また緊密に照応しあう言葉の連鎖が看取される。二つめは十二月二十七日条で、土佐で亡くした幼い娘に対する悲嘆と思慕が書き記される。三つめは一月二十日条で、月の出入りを通して海の広がりを捉える方法や、『古今集』撰者でもある紀貫之の文学論を読み取ることができる。
著者
中田 幸司
雑誌
玉川大学文学部紀要 (ISSN:02868903)
巻号頁・発行日
no.60, pp.119-130, 2020-03-31

『枕草子』「香炉峰」章段の〈対話〉について〈ズレ〉と〈異論〉の観点から叙述の方法を論じた。本文(作品/テクスト)の生成と受容の諸相は、多様化する現代社会における今日の古典教育に必要であることを示した。
著者
天羽 薫 田中 静子 堺 俊明
出版者
藍野大学
雑誌
藍野学院紀要 (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.85-89, 1999

我々は摂食障害患者の中から,様々な自己破壊的行動をともなう症例をとりあげ,eating disorders with multiple self-destructive behaviors:EDMULとして類別し,1例を報告するが,このようなEDMULでは,摂食障害の他に,アルコール乱用,薬物乱用,自傷,自殺,窃盗癖,性的逸脱行動その他の,身体的生命および社会的生命にたいする破壊的行動が,同時に,あるいは互いに入れ替わって出現し,その家族内にも,アルコール症や問題行動の負因が多く認められた。このような問題行動の基礎として,遺伝的背景に基づく衝動性とそのコントロール障害が考えられた。
著者
海原 亮
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.91-108, 2004-02

本稿は、文政二・三年(一八一九・二〇)に刊行された医師名鑑『江戸今世医家人名録』を素材として、巨大都市=江戸に達成された「医療」環境の実態を、蘭方医学普及の動向に即しつつ明らかにしたものである。❶では、『江戸今世医家人名録』の構成と特徴、刊行の目的について考察した。近世期における医師名鑑とは、第一に、都市民衆が医師を選択する最も簡便な手法であった。同書はまた、医師が販売する家伝薬の宣伝・広告機能をも有した。一七七〇年代頃より学問的な体系の面では蘭方医学の興隆がみられたが、臨床の場にそれが流布するまでにはなお時間が必要であった。蘭方医学を由緒とする売薬・治療方法も掲載されたが、その数はわずかなものに止まっている。続いて❷では、『江戸今世医家人名録』に所載された二〇〇〇名におよぶ医師データをもとに、各種の著名蘭学者の門人帳と対照し、その傾向を考察した。今回は、時期も区々な五つの門人帳(土生玄碩・華岡青洲・大槻玄沢・伊東玄朴・坪井信道)に限定し、その結果を網羅的に紹介した。照合作業に際しては名鑑類の史料的性格を考慮し、複数の材料を用いて慎重に判断した。本稿に紹介したデータは、江戸における「医療」環境の実態を解明する基礎的な作業と言えるものである。すなわち、文政期頃の江戸では、蘭方医学の素養を有する医師が活動の場を持ち得る社会的基盤が醸成されはじめていた。本稿の最大の論点は、当時の江戸が抱えていた特殊な社会事情=「医療」環境の独自性の指摘である。それはまず、藩医層の圧倒的存在であった。彼ら藩医の少なくない部分は、実際には藩邸の外に居所を得て、町内で診療活動を展開した。したがって、巨大都市に独特な社会構造や医師たちの存在形態を精確に踏まえてこそ、「医療」環境の特質・蘭方医学受容の背景は、より鮮明に性格規定される。

6 0 0 0 さらば東大

著者
宇井 純
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学地域研究所所報
巻号頁・発行日
vol.5, pp.85_a-68_a, 1991-09-26
著者
奥谷 浩一
出版者
札幌学院大学
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.83-118, 2007-03-07

マルティン・ハイデガーが1933-34年の間,フライブルク大学の学長を務めたことはよく知られている。しかし,そのおよそ1年の間,彼は国民社会主義ドイツ労働者党,すなわちナチスの党員として,同大学のナチ化のために精力的に活動したことはあまり知られていなかったが,近年ヴィクトル・ファリアスとフーゴ・オットの研究によって,ハイデガーとナチスとの関係がこれまで考えられていた以上に密接で深刻であることが理解されるようになった。フライブルク大学学長ハイデガーは,その任期期間中にさまざまな諸事件にかかわっているが,そのなかで見逃すことができないのは,彼がいくつかの密告事件に関与したことである。そのうちのひとつが,世界的な化学者ヘルマン・シュタウディンガーにかんする密告事件である。この事件は,国家秘密警察,つまりゲシュタポによって「シュテルンハイム作戦」と名付けられた。この「シュテルンハイム作戦」は長い間歴史のなかに封印されてきたが,この封印を解いたのがオットの研究である。本論文では,このオットの研究と原典資料を踏まえながら,「シュテルンハイム作戦」,言い換えればシュタウディンガー事件の歴史的真実を明らかにするとともに,この密告事件を主導したハイデガーの思想と人格の暗部に迫ることにしたい。
著者
木村 充 舘野 泰一 松井 彩子 中原 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.105-115, 2019

<p>本研究は,大学の経験学習型リーダーシップ教育における学生のリーダーシップ行動尺度を開発し,尺度の信頼性・妥当性を検討することを目的とする.経験学習型リーダーシップ教育とは,経験学習を理論的基盤として行われるリーダーシップ教育のことを指す.先行研究や予備調査に基づいて54の項目案を作成し,リーダーシップ教育を国内で大規模に実施しているA 大学の学生156名(Time1)および110名(Time2)を対象に調査を実施した.因子分析の結果,リーダーシップ行動は,「率先垂範」「挑戦」「目標共有」「目標管理」「成果志向支援」「対人志向支援」の6因子によって構成された.さらに,項目を精選し,30項目からなる尺度を作成した.開発した尺度の信頼性及び妥当性の検討を行った結果,概ね良好な値が得られた.</p>