著者
渡邉 斉志
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.58, pp.103-115, 2007

短報Purpose: The Japanese public library community is struggling with the issue of protecting the confidentiality of user information, because this is a key point in obtaining users' trust. The purpose of this paper is to analyze whether the community's efforts are consistent with its aims.Results: Japanese libraries are often requested to delete user information as soon as possible in order to protect user privacy. This policy is not only based on strengthening sensitivity to privacy, but also on the fact that police have ordered the disclosure of user information repeatedly in the past, and, by complying with their legal duties, librarians get labeled asdisloyal. However, it is difficult to implement customized services like Amazon's recommendations without collecting user information, and the lack of such innovative client-centered services causes public libraries to stagnate. Therefore, it is obvious that the library community itself poses the largest hindrance to progress by refusing to improve its own services.
著者
奥田 昌明
出版者
千葉県立中央博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

琵琶湖の堆積物を分析し、モダンアナログ法を用いて化石花粉(%)を古気温(℃)に定量変換することによりMIS1~MIS11間氷期の古気温を復元した。MIS5eおよびMIS11は、気候状態が現在と似ていることから温暖化後の地球のアナログとみられる。このMIS11(43万年前)において本研究では、琵琶湖が今の和歌山県南部くらいの暖かさにあったことを突きとめた。具体的には、7千年前の気候最適期に対して+1~1.5℃、300年前の産業革命前と比べて+1.5~2.5℃の温暖環境となる。これは100年後の気温上昇と比べるとやや足りないが、今後のCO2削減努力いかんでは100年後の地球のアナログになり得る。
著者
八杉 昌宏 小島 啓史 小宮 常康 平石 拓 馬谷 誠二 湯淺 太一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.1-17, 2010-12-10

Scheme処理系は真に末尾再帰的であることが要求されており,アクティブな末尾呼び出しの数に制限がない場合もサポートしなくてはならない.Clingerは真の末尾再帰の形式的定義の1つを空間効率の点から与えており,その定義に従えば,末尾呼び出しの最適化(末尾呼び出しをトランポリンなどによりジャンプに置き換えて実装する方法)だけでなく,BakerのCPS(継続渡しスタイル)変換を用いたC言語におけるSchemeの実装手法も,真に末尾再帰的と分類できる.Bakerの実装手法は,CPS変換された末尾呼び出しにおいて新たな継続を生成せず,C言語の実行スタックに対してもごみ集めを行うため,空間効率が良い.本論文では拡張C言語による真に末尾再帰的なSchemeインタプリタの実装手法を提案する.本手法はCPS変換を用いず,Cの実行スタックがあふれそうになれば,残りの計算に必要な"Frame"オブジェクトのみを含むリストとして表現された空間効率の良い一級継続を生成し,すぐさまその継続を呼び出すというアイディアに基づく.ごみ集めや継続のキャプチャにおいては,実行スタックに合法的にアクセスできる,つまりデータ構造や変数の値としてアクセスできるL-closureという言語機構を用いている.ベースとなるSchemeインタプリタは,Javaアプリケーション組み込み用LispドライバであるJAKLDをもとにC言語で再実装されたものとした.Implementations of Scheme are required to be properly tail-recursive and to support an unbounded number of active tail calls. Clinger proposed a formal definition of proper tail recursion based on space efficiency. The definition covers systematic tail call optimization, where every tail call is converted to a jump (with an optional trampoline), as well as Baker's implementation of Scheme in the C language with CPS (continuation-passing style) conversion. Baker's implementation is space-efficient, since no new continuation is created on a CPS-converted tail call and garbage is collected even on C's execution stack. We propose techniques to implement a properly tail-recursive Scheme interpreter in an extended C language. Our approach does not convert a program into CPS. The key idea is to avoid stack overflow by creating a space-efficient first-class continuation represented as a list containing only the "Frame" objects necessary for the rest of computation and immediately invoking the continuation. We use a language mechanism called "L-closures" to access the contents of the execution stack as values of legal data structures and variables for implementing garbage collection and capturing continuations. This research is based on a Scheme interpreter which is developed in the C language by referring to an existing Lisp driver called JAKLD that is intended to be embedded in Java applications.
著者
鈴木 敬明
出版者
静岡県工業技術研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

就労者の生体リズムの乱れの低減を目的として、眼内に入射する光の分光強度をサングラス様のレンズフィルターを装着することで制御するために、生体リズムに影響する波長と視認性を確保するための波長をバランスよく透過するフィルタの開発を行い、その効果を実験的に検証した。生体リズムに影響を与える530nmを中心とする波長の光を遮光し、かつ、サングラスの安全規格を定めたJIS T7331(ISO14889)の規定を満足するレンズフィルターの分光透過率分布を解析的に明らかにした。算出した分光透過率を持つレンズフィルターを誘電体多層膜蒸着にて試作し、メガネフレームに取り付けてサングラスとして被験者が使用できる試作品を開発した。開発品の効果に対する検証実験として、開発品を装着しない場合、装着した場合、開発品と同じ視感度透過率を有するND(Neutral Density)タイプのサングラスを装着する実験を各3日間行い、尿中のメラトニン代謝物、心拍変動、睡眠・活動量を計測した。、その結果、定性的ではあるが開発したフィルタが睡眠に与える影響が確認された。加えて、装着時に問題となる視認性について、交通信号の表示が明確に認識でき、昼間の運転時に使用できる可能性を確認した。色覚特性(色弁別特性)については、色覚特性測定実験を行ったところ、B~G、Y~Rの色域で弁別機能の顕著な低下が認められた。この点については、今後、改善の余地があると考えられる。
著者
円谷 裕二
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢大学文化 (ISSN:02896613)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.31-52, 1986-03
出版者
京都大学図書館機構
雑誌
静脩 (ISSN:05824478)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, 2011-11-30

京都大学図書館機構報
著者
青木 隆浩 小池 淳一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,異業種間における職人技術の関係を解明することを目的としている。一般に,職人の技術は他社のみならず,同僚に対してもしばしば秘匿とされている。そのため,同じ業界であっても,製造技術は多様である。一方で,変え難い伝統的な技術が存在する。その技術が消滅する原因は,原材料が入手困難になることや,関連業者が淘汰されることなど,外的な要因による。そして,それらを通じて,職人の技術は大きく変化すると考えられる。
著者
大矢 一人 伊井 義人
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.17-26, 2009-03

実施より丸10年を経過した介護等体験について、藤女子大学の総括を行う。11年間での実施者数は約900人であり、その人数は最近減少傾向にある。お世話になった特別支援学校数は26校となった。また社会福祉施設数はのべ700以上となり、施設での体験実施は夏に集中している。事前指導は、少なくとも初期に比べれば丁寧になっており、他大学と比べても遜色はない。しかし現実には、いくつかのトラブルが発生してきており、その事例を紹介した。また、他大学との違いを事前指導のあり方とともに実施時期の点から行い、執筆者自身による介護等体験の経験についても述べた。最後に、今後の課題として、事前指導のさらなる検討と実施時期について触れた。
著者
下田 一太 中川 武
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.602, pp.211-218, 2006
被引用文献数
1 1 1

Sambor Prei Kuk monument is identified as ISANAPURA where was a capital city of Chanla dynasty in the 7^<th> century. A lot of the remains such as brick shrine, moat, rampart, embanked causeway and so on were newly documented by the exploratory investigation in this ancient city. This paper discussed on the distribution of these remains and some features; the causeway extended from the temple complex to the Sen river, and moated site where conjectured as a core area of this ancient city.
著者
阪部 有伸
出版者
京都大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.141, no.2-3, pp.182-202, 1988-02
著者
井上 さつき 渡辺 裕 寺内 直子
出版者
愛知県立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、19世紀末から20世紀初頭にかけての日本と西洋の文化接触の実態を分析することにより、異文化接触のメカニズムを解明することを目的として行なわれた。井上は、川上一座のヨーロッパ公演における実態を、パリ万博時の日本音楽に関する論文等から明らかにし、さらに、彼らを招聘した舞踊家ロイ・フラーと川上一座との芸術面での関連性についても考察した。コンパクトにまとめられた川上一座の演目が米国出身のロイ・フラーの前衛的な舞踊と組み合わされて上演されたことにより、ヨーロッパ人にとっては二重の異文化接触が起こり、一座の演目が単なる「珍奇な見世物」の次元を超えた衝撃を観客に与えたことが明らかになった。寺内は、川上一座のヨーロッパ公演における音楽的な実態を、近年復刻されたCDおよび20世紀初頭の日本音楽に関する論文から明らかにした。それによると、音二郎らが演じたと思われる音楽や劇は、既成の邦楽曲や歌舞伎のストーリーを換骨奪胎し、ヨーロッパ人に分かりやすく演出が工夫されたものであった。また、彼らの公演は、会場に足を運んだ観客に日本の音楽や劇を紹介する以上に、ヨーロッパにおける音楽研究者に多大な材料を提供した、という意味において、20世紀のヨーロッパにおける日本音楽研究の進展に大きく貢献した、と言える。渡辺は、日欧の音楽面での文化交流史を物語る貴重なドキュメントであるベルリンのPhonogamm-Archiv所蔵の初期日本録音音源の中に1910年代前半に録音された一連の《追分》関連の音源が含まれていることに着目し、それを題材とする研究を行った。日本の民謡が西洋との文化接触の中で近代化・再編成されてくるプロセスの中に位置づけてみるとき、これらの録音は、その直後の時代に急速に進行した近代化・再編成過程にいたる以前の民謡をめぐる状況の一端を示しているとともに、レコードというメディアの登場、とりわけ西洋人による録音・採集という活動の展開が、その近代化・再編成プロセスの大きな動因になったことをも示していることが明らかになった。
著者
大野 邦夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.53, pp.1-8, 2002-05-31
参考文献数
20
被引用文献数
8

セマンティックWebは、W3CディレクターであるTimBerners-Lee氏による今後のWebがその進化の過程で具備すべき機能への考察と提案である。その概要は、サイエンティフィックアメリカ[1][の記事で紹介されたが、それによると、個人を支援するネットワーク上のエージェントという位置づけであるる。セマンティックWebの具体的な技術はDAML+OILといった言語を用いた実装が試みられているが、実現の見通しは十分とは言えない。ここでは上記のようなセマンティックWebの現状について紹介し、考察を加えるとともに、携帯電話の世界から見た未来のWebに関する提言を行う。Scmantic Web is a concept of the future Web proposed by Dr. Tim Berners-Lee, W3C Director. He wrote an article[1] about Semantic Web to Scientific America magazine. According to the article Semantic Web was introduces ad an personal agent on the Web. Although implementation is tried through a language of DAML+OIL now, realization of Semantic Web is still unknown. This paper describes the situation above and the problems that prevent its realization. Finally, a proposal of future web through mobile phones is added.
著者
Onishi Takuro
巻号頁・発行日
2012-03-14

The second「論数哲」(PhilLogMath) workshop. 2012年3月14日,星陵会館(東京).
著者
青柳 翔 服部 哲 速水 治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.1-7, 2012-03-14

近年,SNS として流行している Twitter は,日々思ったことや出来事などを自由に文章として投稿できるサービスであり,いろいろな目的を持って利用できる.しかし,その Twitter において,悪ふざけや冗談で犯罪を告白するようなツイートをするユーザーが後を絶たない.犯罪の告白の真似をし,自らネット上における炎上を起こしたり,周囲の評判を悪くするような投稿ができるのは問題がある.そこで,Twitter を利用する上で,この問題点を解決した擬似犯罪発言抑止システムの提案をする.In recent years, Twitter which is in fashion as SNS is the service which can contribute having considered every day, an occurrence, etc. as a text freely, and it can use it with various purposes. However, in the Twitter, the user who does tweet which confesses a crime with a practical joke or a joke does not sever the back. Imitating a criminal confession, it has a problem that cause the destruction by fire on a network oneself, or contribution which worsens the surrounding reputation is made. Then, when using Twitter, the false criminal utterance deterrence system which solved this problem is proposed.