著者
Wasser Samuel K. Clark Bill Laurie Cathy
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.44-53, 2010-04
被引用文献数
1

アフリカで,象牙目的のゾウの密猟が後を絶たない。象牙の価格はここ15年で急騰し,最近の中国当局の発表では,小売り価格にして1kg当たり6500ドルに達した。
著者
梶 克彦 磯村 奎介 高井 飛翔
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.235-245, 2021-01-15

歩行者のステップ認識は,屋内位置推定の一手法である歩行者自立航法(PDR)の構成要素として利用されているほか,歩数計・活動量計といったヘルスケアアプリケーションの根幹を担っている.ステップ認識には,歩行の際にセンサ信号が顕著に周期的な変化を示す加速度センサを用いるのが一般的である.我々はその代替として,角速度や磁気センサによって腰回転をとらえてステップ認識を行う手法を提案してきた.本稿では気圧センサを利用したステップの認識を行う手法について提案する.我々はスマートフォンを手持ちして意識的に腕振りをした場合,密閉型の腰巻きケースにスマートフォンを装着した場合,ズボンのポケットに装着した場合などについて,気圧センサの値が歩行にともなって周期的に変化する現象を発見した.この周期的な変化を,デジタルフィルタ・極値発見・閾値処理といった単純なアルゴリズムでとらえてステップ認識を行う.評価実験によって,推定誤差7.5%程度のステップ推定が可能であると確認できた.このような代替センサによるセンシングは,デバイスやシステム構成時に必要となるセンサ数の削減による省電力化,デバイス小型化,コンピュータリソースの開放につながる.たとえば活動量計は歩数や階段昇降といった情報から計算できるため,従来の活動量計はステップを加速度センサから取得し階段昇降は気圧センサから取得するが,本研究の成果を導入すれば,気圧センサのみによる活動量計の実現が期待できる.
著者
立川 陽仁
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1-22, 1999

カナダ, 太平洋沿岸部の先住民族クワクワカワクゥ(クワキウトル)の「貴族層」が経験した植民地統治期における権威の衰退は, これまでの研究においては政治・経済的要因によるものと前提されてきた。つまり, 貨幣経済の浸透によって「貴族」と「平民」の経済的格差が埋まり, あるいは新たなリーダーが誕生したために「伝統」的な貴族の権威が相対化され, かつそれらのリーダーたちによって貴族の役割が剥奪されたと想定されてきたのである。しかしながら, 実際には, これらの貴族は宗教・象徴的な次元においても権威を保持していたのである。このような宗教・象徴的権威の拠り所となるのがクワクワカワクゥ独自の世界観によって「神聖」さを与えられてきたランクであり, 貴族とはその所有者なのであった。本稿は, そのような宗教・象徴的な権威がいかにして植民地統治期に凋落していったのかを探ろうとするものである。具体的には, ポトラッチにおけるヨーロッパ物資の採用や, 天然痘などの疫病の流行がクワクワカワクゥの世界観およびランクの衰退にどのような影響を及ぼしたのかを考察し, 最後に貴族による「抵抗」の手段としてのポトラッチの変化について述べることにしたい。
著者
大塚 良治
出版者
湘北短期大学
雑誌
湘北紀要 (ISSN:03859096)
巻号頁・発行日
no.33, pp.57-72, 2012-03-31

鉄道会社が鉄道車両を取得する方法としては主に、車両メーカーに発注し新造車両の引渡しを受ける方法と、他社の中古車両を譲り受ける方法の2 つがある。比較的財政的余裕のあるJR 旅客会社や大手私鉄では、メンテナンスコスト削減や省エネを図ること等を意図して、新造車両を導入することも可能である。そして、旧型車両を廃車にすることが決定された場合、解体処分または他社への譲渡等を選択することとなる。しかし、中小私鉄にとっては、新造車両を導入するための初期投資資金を捻出することは困難な場合が多いことから、JR 旅客会社や大手私鉄で廃車となった中古車両に目を向けることとなるのである。鉄道車両のうち「電車」の法定耐用年数は13 年であるが、通常鉄道車両の使用期間は30 年〜 40 年である。本論は、新造車両の取得と減価償却に係る会計処理、および中古車両の売買と減価償却に係る会計処理をそれぞれ検討し、廃車時期としては比較的短期と判断される年数として新造から20年以内に廃車となることが意思決定された鉄道車両に係る減損処理について議論する。そして、減損処理を実施することで、投下資本利益率(ROI)向上すること、および資産の過大表示は、ROI を押し下げる要因となることを明らかにする。
著者
本名 純
出版者
JAPANESE POLITICAL SCIENCE ASSOCIATION
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.2_70-2_86, 2009 (Released:2013-02-07)

Indonesia is widely regarded as a hotbed of transnational violent crime in Southeast Asia. Terrorists and criminal rings have developed cross-border networks rooted in Indonesia. These ‘non-state actors’ quickly emerged as major concerns for post-Suharto governments, posing serious threats to the national security and economy. In response, various ‘wars on crimes’ have been initiated in the name of combating these threats. This article aims to elucidate the politics behind the making of these ‘wars’ by examining the ‘war on drugs’ led by the police (and the national narcotics agency) and the ‘war on terrorism’ orchestrated by the army.   I argue that the threat is undoubtedly real, but war campaigns are designed to promote a political strategy of instrumentalizing the threat of transnational violent crime. With this strategy, both the police and the army were able to deflect criticism, reclaim ground lost during the democratization movement, and articulate this revanchism in the legitimizing vernacular of ‘global wars.’ In this sense these security actors are hijacking the ‘violence of non-state actors’ as a Trojan horse to regain power, build budgets, strengthen institutions and undermine reform pressures.
著者
中森 康之 ナカモリ ヤスユキ Yasuyuki Nakamori
雑誌
雲雀野 = The Lark Hill
巻号頁・発行日
vol.29, pp.80-65, 2007-03-31

We think that Shiko might have practiced haikai previous to becaming a disciplle of Basyo; however we can not find any evidence to support this hypothesis. Morever Shiko himself makes no mention of practicing haikai before becaming a disciplle of Basyo. Perhaps Shiko is telling the truth. Shiko has been very much misunderstood until now. The reason is that Shiko has been regarded simply as just another haikaishi. We know that Shiko said he studies Zen, Zyukyo, Raoshi (tao), and Chinese poetry diligently starting at around 9 years old. When Shiko became a disciple of Basyo, Basho's haikai would have been a philosophical way of life. In addition, this philosophy would have been considered superior for Shiko. When we look at it from this point of view, it helps us to better understand the method and theory behind Shiko's haikai composition. In this paper, I wish to make it clear from my investigation into Shiko's own words about himself prior to becoming a disciple of Basho, that Shiko considered haikai a philosophical way of life.
著者
池尾 恭一
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.77-100, 1993-09-20 (Released:2009-05-29)
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
柴原 直利 嶋田 豊 伊藤 隆 新谷 卓弘 喜多 敏明 後藤 博三 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.43-50, 2000-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
20

C型慢性肝炎は高率に肝硬変症へと進展し, 自然治癒の可能性は非常に低いとされている。筆者らは, 和漢薬治療によりC型肝炎ウイルスが消失したC型慢性肝炎の一例を経験した。症例は37歳の女性。1982年の第一子出産時に輸血を受けた。1983年1月頃に全身倦怠感を自覚し, 慢性肝炎と診断され治療を受けていた。1988年に肝生検により慢性活動性肝炎と診断され, 同年5月に当科を受診した。初診時より補中益気湯・桂枝茯苓丸を併用投与し, 自覚症状は改善したが, ALT値は不変であった。しかし, 柴胡桂枝湯合当帰芍薬散投与後より徐々にALT値に改善が得られ, 加味逍遥散料に転方した1996年5月以降は正常化した。ウイルス学的検査においては, 柴胡桂枝湯合当帰芍薬散投与中である1995年3月に測定したHCV RNA定量では104 Kcopies/mlを示したが, 1998年4月以降は検出感度以下となった。
著者
大橋 容一郎
出版者
上智大学哲学会
雑誌
哲学論集 (ISSN:09113509)
巻号頁・発行日
no.45, pp.17-22, 2016

上智大学哲学会第83回大会 シンポジウム
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1096, pp.20-29, 2017-05-25

1日に1万人以上が利用する太田駅だが、周辺は衰退が進み、時間を過ごせる場所やカフェが欲しいという声が市民から出ていた。そこで、太田市は、にぎわいを呼び戻す拠点として、初の市立美術館と、5つ目の市立図書館が入る複合施設を計画した。 「1㎞ほど南…
著者
髙森 寛
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.59, 2020 (Released:2020-10-30)

本書は、その題名「投資戦略の数理モデル」が表しているように、「投資」という人間の基本的な、かつ普遍的な行為に関わる「戦略」なるものを扱い、また、その数理モデルへの水先案内をねらいとしている。 特に、投資の戦略については、近年、「リアルオプション」なる考え方が、個人の行動や、経営、経済の諸分野で、実践され、研究され、また、話題になっているが、本書は、このリアルオプションなるものを、数理的に、整合性のある体系化されたモデルとして、纏めている。