著者
安藤 啓太 青村 茂 渡邉 誉幸 中楯 浩康
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2013年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.277-278, 2013-02-27 (Released:2013-08-27)

本研究ではヴァイオリン演奏を指標に人間の高度な身体制御の解析を行い、ヴァイオリン演奏ロボットで再現することを目的としている.弓圧と弓速の推移を入力すると弦の振動をシミュレートする擦弦振動シミュレータによって弓圧と弓速のコントロールの仕方を導き出すことを目標とし,このシミュレータを用いて弦の弾き初めの際に速やかにヘルムホルツ振動に至ることができる弓速と弓圧の値を求める.
著者
弘田 義人 六車 耕平 今中 雄一
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.11-19, 2020-04-24 (Released:2020-04-28)
参考文献数
36

本研究の目的は,日本の医療制度下における費用を用いた費用効果分析(費用効用分析),費用便益分析を網羅的に収集し,その特徴を検討することである。5つの電子データベースを用い,日本の医療制度下における費用を用いた増分費用効果比,増分費用効用比,純金銭便益,純健康便益,増分純便益のいずれかを検討した文献を系統的レビューの手法に則り検索・選択した。その後必要項目を抽出し,文献の特徴を検討した。その結果,1983年から2018年に発表された325文献を採択した。2017年以降文献数は急増しており,ガイドライン等の推奨に沿っている研究は近年増加傾向だったが,欧米における費用効用分析のレビュー論文の結果と比較すると,推奨に沿っていない研究が多かった。より一層,費用効果分析・費用便益分析の質の向上を図るべきである。また医療経済評価の方法論の標準化の推進に資するため,日本における医療経済評価研究を集積したデータベースの構築が望まれる。
著者
松浦 祐介 川越 俊典 土岐 尚之 蜂須賀 徹 柏村 正道
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.181-193, 2009-06-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
3 3

細胞診による子宮頸がん検診はその有効性を証明する十分な証拠があるにもかかわらず. 日本のがん検診受診率は他の先進諸国と比較して格段に低い. 順調に低下してきた死亡率もここ数年上昇傾向にある. 子宮頸癌の発生にはヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していることが明らかであり, 性意識の変革や性行動の多様化により若年層で子宮頸癌の発症率が特に増加していることは大きな社会的問題である. 細胞診による子宮がん検診には約10%の偽陰性率がありなかでも頸部腺癌症例に偽陰性が多い. 細胞診のみによるがん検診には限界があるため, わが国でもがん検診の精度を上げる目的で液状検体(liquid-based cytology: LBC)を使用したり, 細胞診検査にHPV検査を導入する動きがある. 細胞診によるがん検診は様々な問題を抱えているが, 子宮頸癌による死亡率を減らすためには国・地方自治体・医療機関・企業・教育の現場などが現状を正確に理解し, それぞれが課題に対して積極的に取り組む姿勢が必要である.
出版者
不染信翁
巻号頁・発行日
vol.明治34-35年, 1902
著者
杉原 隆太 松尾 浩志 平田 明生 柏瀬 一路 樋口 義治 安村 良男 上田 恭敬
出版者
特定非営利活動法人 日本冠疾患学会
雑誌
日本冠疾患学会雑誌 (ISSN:13417703)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.26-30, 2016 (Released:2017-03-24)
参考文献数
8

症例は74歳男性.2013年11月上旬に近医で腹部大動脈瘤を指摘されて当院へ紹介された.術前の冠動脈CTでは,左冠動脈から右冠動脈が分岐する単一左冠動脈症と,左冠動脈主幹部と前下行枝の石灰化を伴う高度狭窄が認められた.腹部大動脈瘤は瘤径の拡大傾向と胸背部痛が認められたため切迫破裂状態と考え,まず腹部大動脈瘤に対して開腹手術を行った.術後狭心症症状が増悪したため,陳旧性脳梗塞による右半身麻痺や肺気腫などの全身状態を考慮し,経皮的冠動脈形成術による血行再建術を行う方針とした.術中は,ノルアドレナリン,アトロピンの使用に加えて,大動脈バルーンパンピングでサポートを行いながら,冠動脈灌流型バルーンを用いて経皮的冠動脈形成術を合併症なく施行することができた.術後経過良好であり,療養型病院へ転院となった.単一左冠動脈症例の左冠動脈主幹部病変に対して冠動脈灌流型バルーンを用いて経皮的冠動脈形成術を施行し得た1症例を経験したので,文献的考察を踏まえて報告する.
著者
平井 真理
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.455-458, 2011 (Released:2015-06-10)
参考文献数
15
著者
小泉 武夫
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.835-839, 2013 (Released:2013-07-23)
被引用文献数
1
著者
藏田 伸雄 古田 徹也 久木田 水生 近藤 智彦 村山 達也 佐藤 岳詩 森岡 正博
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は北海道哲学会でシンポジウム「人生の意味」(研究代表者・藏田伸雄、研究分担者・森岡正博、研究協力者・山田健二)、日本倫理学会でワークショップ「「人生の意味」の哲学的・倫理学的議論の可能性」(研究代表者及び研究分担者・村山達也、研究協力者・文武吉沢、研究協力者・長門裕介)、科学哲学会でワークショップ「分析哲学/現代形而上学で「人生の意味」や「死」について「語る」ことはできるのか」(研究代表者及び研究分担者・久木田水生、研究協力者・鈴木生郎)を実施し、本研究の研究成果の一部を公開した。また研究代表者の藏田は日本生命倫理学会で「「人生の意味」というカテゴリーを生命倫理領域で用いる場合に注意しなければならないこと」と題する発表を行い、「人生の意味」に関する議論を終末期医療に関する生命倫理問題に接続することを試みた。また研究分担者と研究協力者による研究会も開催し、研究協力者の北村直彰氏によって死の形而上学について、また杉本俊介氏によって「人生の意味」とWhy be Moral問題についての検討を行った。また本研究課題に関連する問題についていくつかの論考を発表している研究分担者の山口尚氏の一連の論文を批判的に検討することを通じて、人生の意味と「決定論」や「自然主義」との関連について明らかにすることができた。特に、今年度は青土社の雑誌『現代思想』が分析哲学に関する別冊を発行したが、その中で研究分担者の森岡、村山、研究協力者の山口がこの研究班での研究の成果や、本研究と関わる内容について論文を掲載している。また本研究班での研究内容とは異なるが、研究分担者の近藤と古田は「道徳的な運」に関する研究成果を発表している。「道徳的な運」の問題は、本研究の直接的なテーマではないが、「人生の意味」に関する問題とも深く関わる。
著者
福林 靖博 奥田 倫子 中川 紗央里
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s80-s83, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
3

国立国会図書館は、2020年内に公開を予定している「EAST ASIA DIGITAL LIBRARY(EADL)」構築プロジェクトに参画している。EADLは、漢籍など東アジア諸言語で記されたパブリックドメインの書籍等のデジタル化データ(画像データ及びメタデータ等)のコンテンツの検索・閲覧を可能とするポータルサイトである。本プロジェクトは、2010年に国立国会図書館、韓国国立中央図書館及び中国国家図書館との間で締結された「日中韓電子図書館イニシアチブ」の下、3か国共同で開発を進めてきたものであるが、現在は日韓2か国でプロジェクトを進めている。本発表では、機能やコンテンツといった概要の紹介だけでなく、構築に至る背景や構築のプロセス、今後の展望等についても報告する。
著者
木村 晶彦 Akihiko Kimura
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.96, pp.17-43, 2011-05-31

戦前期の日本のアニメーションには、キャラクターの複雑な心理描写が見られない。背景として、アメリカ製アニメーションのキャラクター表現の影響、及び戦時下におけるキャラクターへの多面的な感情付与、更には機械描写の写実的傾向が指摘されてきた。本稿では、1924(大正13)年から1944(昭和19)年にかけて製作された日本のアニメーションの製作手法に関する言説と、キャラクターの動きを主とした表象の量的分析を通して、キャラクターの感情表現の変遷過程を追った。