著者
中村 隆志
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.60-65, 2011-07-31

公共空間において「ケータイのディスプレイを見る行為」が目立ち始めた時期,ならびにその増加傾向を探るための調査を行った。今回の調査対象として,恋愛ドラマを活用することの意義を検討し,その上で恋愛ドラマ内に登場するエキストラに注目して調査を行った。1996年から2010年までに放映された恋愛ドラマを調査した結果,「ケータイのディスプレイを見る行為」を行うエキストラは,2000-2001年の間に目立って増え始めたことと,2008-2010年の間に顕著に増加することの2点の確認できた。この2つの増加傾向を引き起こすための条件として,当時の通信環境,ケータイ端末,サービスなどの変化があったことを考察した。
著者
鈴木 春菜 榊原 弘之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.53-58, 2014

本研究では、自動車を保有しないと不便であると考えられる地方都市における、移動格差がもたらす心理的諸影響について分析を行った。自動車を利用できる環境にあるが敢えて利用しない積極的自動車非利用者と、自動車を利用したいが利用できない状況にある消極的自動車非利用者がいると想定し、消極的な自動車非利用者は自動車利用者と比較して地域愛着・主観的幸福感・地域の地理認知の水準がいずれも低いという仮説を措定した。山口県宇部市において転入者と学生に対するアンケート調査を行い、仮説の検証を行った。その結果、地域愛着・主観的幸福感・地理認知のそれぞれについて仮説を支持する結果が得られた。また、地域愛着については一般居住者については自動車利用傾向が高いほど地域愛着が低下するという結果が得られ、自動車利用の積極性による影響の差異が示された。
著者
小寺 茂明
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. I, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.17-29, 2004-09-30

本稿は接触節 (ゼロ関係詞節) についての問題点あるいは特徴をさまざまな視点から検討したものである。まず, 接触節は古くからある英語であり, それを必ずしも関係代名詞の省略とは見ない, という考え方について述べている。その後に, 改めてそれらの問題点あるいは特徴について, 次のような点を明らかにしている。 (1) 名詞句の連続という構造上の特徴はあとに従属節が続く合図であり, 接触節と先行詞の間にはなんらのポーズもなければ, 目立ったピッチの変動もない。 (2) 接触節での主語には人称代名詞がきわめて多用されている。 (3) 接触節では伝達すべき情報は旧情報並であり, 情報量は極めて少ない。また, そのために接触節をなしている部分の語数については2-4語であり・きわめて少ない構成をしている。接触節は,つまるところ,直感的に理解できるようなレベルのものであり,詳しい関係代名詞などの合図などは不要なほどにやさしい構造, 換言すれば, 情報の少ない構造のものなのである。すなわち,接触節は情報量をいわばぎりぎりのところまで抑制したものであり,すべてがそのいわば「スリム化の方向」に向かっているものと考えてよいであろう。
著者
植木 岳雪
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.11, pp.75-82, 2018-02

著者が今までに受け取った79通の不採用通知の文面を分析した結果,研究者の不採用通知は平成22~25年の方が平成11~14年よりも「お祈り」または「祈念」と,「ますます」という表現が含まれるものの割合が増加した。研究者の不採用通知は,ビジネス文書のような定型の文面を主とし,より簡素で事務的なものになってきたことがわかった。その要因として,1つの公募に対する応募者数が増えたため,採用側が応募者に不採用通知を送る際の手間を少なくするようになったことが考えられる。
著者
中島 福男
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.75-80, 1997-10-08
参考文献数
20
被引用文献数
1
著者
高橋 秀樹
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.431-439, 1998-05

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著者
曽我 とも子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.92, 2009

福原は12世紀末に平清盛が造成した都で,安徳天皇の行幸から半年で平安京に還都した上,後に建造物は全て焼き払われた。このため,都市としての福原の姿を詳細に再現することは難しい。本研究は,福原に造営された安徳天皇新内裏の位置を陰陽五行思想の考え方をもとに推測した。<BR> 清盛は福原の鎮護のために多くの神社を勧請した。そのうち新内裏造営にあたり注目すべき2つの神社がある。比叡山になぞり,日吉山王権現(大山咋神)を祀った丹生山の丹生神社と,都の鬼門よけに京都の北野天満宮を勧請した北野天満神社である。新内裏の位置と推定する荒田町から,丹生山は陰陽五行思想で天を表し,最も神聖視される西北方位にある。荒田町から東北に位置する北野天満神社の神使は牛,神紋は松である。松と牛を合わせると,「松=八白」「牛=土星」で「八白土星」となり,八白土星の方角は丑寅である。<BR>丹生山から南東方向に直線を引くと,線上に菊水山,大山咋神社,荒田八幡神社,および大輪田泊にあった七宮神社が位置する。北野天満神社から南西に引いた線上には宇治野山(熊野神社),大倉山が位置する。この2線の交点が新内裏であった可能性が高い。<BR>道教思想において北極星に次いで重視されたのが北斗七星で,北極星を中心とした北斗と南斗の角度が約67度である。<BR>丹生山と,北野天満神社から引かれた線の交点は約67度となり,この67度の地点を新内裏(北極星)とし,丹生山にある丹生神社を南斗六星,北野天満神社を北斗七星とみなして配置したと考えられる。
著者
島田 誠
出版者
学習院大学
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.4, pp.105-130, 2005

本稿の目的は、『神アウグストゥスの業績録』の性格と目的を再評価することである。この『業績録』は、ローマ帝政を樹立した初代皇帝アウグストゥス自ら書き残し、現在のトルコ共和国のアンカラの「ローマと神アウグストゥスの神殿」の壁面で発見された金石文である。この金石文は、古代ローマ史研究者の間では、よく知られた史料であるが、多くの場合、そのテキストの一部がアウグストゥス自身の発言として引用されるに過ぎない。本稿では、この『業績録』を総体として捉えて、さらにローマ市のアウグストゥス墓廟の銘文として構想され、実際にはアンカラの神殿において発見されたことの意義を再考する。まず、この『業績録』の主要な資料である『アンキューラ記念碑』の発見と公刊の経過を確認した上で、『業績録』の内容を再検討し、この文章の種別(ジャンル)と想定されていた読者、さらにローマ市から遠く離れたアンカラにおいて、この『業績録』が発見された理由について論じる。 本稿での検討の結果、次の結論が得られた。この『業績録』は、ローマにおける金石文の伝統の中では、顕彰碑文の一種であるelogium にもっとも近く、前30 年から後14 年にいたる40 年間以上にわたって、ローマ政治を支配し、事実上、新しい支配体制を築き上げたローマ史上比類なき政治家の執務報告でもあった。『業績録』の読者としてアウグストゥスが念頭に置いていたのは、ローマ市大衆(plebs urnbana)を含む、ローマ市民に限定されていたと考えられる。ところが、同じ『神アウグストゥスの業績録』が、ローマ帝国の別々の場所においてそれぞれ異なった役割を果たしていたのである。アウグストゥスの『業績録』は、ローマ市をはじめ、ローマ市民の住む都市においては、市民たちにとって稀有の功績をあげた第一市民の執務報告であり、その功績に対して元老院やローマの市民たち(民会)が献じた顕彰碑文であったが、属州の小アジア(アナトリア地方)のガラティア人都市おいては、世界を征服した支配者の神格化を示す宗教的な文書と見做すことができる。
著者
髙木 まどか
出版者
成城大学
巻号頁・発行日
2020

主査 成城大学教授 外池 昇副査 成城大学教授 篠川 賢副査 成城大学教授 宮﨑 修多審査研究科 文学研究科
著者
古賀 純一郎
出版者
茨城大学人文学部
雑誌
人文コミュニケーション学科論集 (ISSN:1881087X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.25-46, 2010-09

メディア界の最近のトピックを挙げるとしたら政権交代によって初めて白日の下に曝された日米核密約に象徴される権力の情報操作と、深刻な危機に陥っている日米欧の新聞の経営の立て直し策、具体的にはネット情報への有料課金制であろう。情報操作は、権力の監視を担うメディアにとって避けては通れない課題である。分厚いこの壁を乗り越えてこそ報道は輝きを増すし、この過程を白日にさらすことが情報操作を抑止する原動力になる。透明性の高い政府は、民主主義の円滑な運営にとって欠くべからざる要件でもある。この実現のための権力への監視、情報操作の抑止は、メディアに課された重要な責務の一つと言える。2009 年夏の政権交代によって明らかになった沖縄返還をめぐる核関連の日米密約は、情報操作の最たるものである。国家の"犯罪" を裏付ける電信文を当時入手した毎日新聞記者西山太吉が突き付けた、「まぎれもなく密約は存在している」、との指摘に対し政府は、国会などの答弁で「そうした事実はない」とシラを切り続けて来た。裁判の過程でも、否定し続け、この結果、有罪の刑が西山に下された。密約はないと情報操作し続けた政府の行為。これは主権者である国民に対する悪質な背信行為に他ならない。スクープした西山は、機密漏えい罪で起訴され、有罪判決に服した。毎日新聞も西山をかばい切れず、退社を余儀なくされた。これは、まさに、言論弾圧である。"戦後最大"と表現してもよいのではなかろうか。メディアは、なぜ、西山を当時守り切れなかったのか。戦後最大の言論弾圧に一致して団結し、圧力に抗することができなかったのだろうか。今一度、約40 年前を振り返り、問題を整理し、政府の不正、情報操作を厳しく検証、指弾。責任の所在を明確化させることが必要であろう。もちろん、メディア側の責任の整理も重要だろうし、判決を下した司法の責任も検証されてしかるべきだろう。この論文が考察するもう一つのテーマ。オンライン情報への課金制は、実現すれば、ネット社会に突入して以来最大の、歴史的画期と位置付けられよう。当然のように受け入れられてきた「ネット情報は無料」という考え方が180 度転換するからである。まさに、革命的な変化である。これが、本当に実現するのか。ここ1 ─ 2 年の推移は、注意深く見守る必要があろう。アマゾン・ドット・コムの「キンドル」やアップルの「iPad(アイパッド)」に代表される新たな電子情報端末が売り出された。これを通じて閲覧可能な有料の新聞記事、書籍、雑誌の情報が課金制にどういう影響力を及ぼすのか。目が離せないところである。最近の情報操作の実態と課金制に対するメディアの動きなどを分析した。
著者
森岡 義成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.172-173, 1960

出産後寒さに向ったため, 室温は15~20℃を保たしめ, 直ちに父親ヒョウと母親ライオンを別離し, まったく秘密裏に仔レオポンを母親ライオンに一任し, 遂に38日目父親ヒョウと親仔水いらずの同居を決行し発表にいたったので, その間の苦労, 心配は言外のものであった. 以上のごとく昭和35年1月10日現在までは頗る健康 (もちろん12月20日に雌の風邪気味はあったが) であり, 将来への生長の希望を明るいものにしてくれているが, 1年経って見ないとまだまだ心配はつきない. これからの努力によって生長し, 3年以上経過した暁は雄のタテガミ発生にも希望はもてるし, F<SUB>2</SUB>を誕生さすことによって動物遺伝学をくつがえして見たいという野望にももえている次第であります.
著者
林 凌
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.107-124, 2018

<p>1960年代日本においては, チェーンストアの急拡大という小売業界の構造変化が生じた. この時期ダイエーや西友などの小売企業は, 全国各地に相次いで店舗を立地した. その結果「安売り」を基盤とした大量販売体制が日本においても生起したのである.</p><p>流通史研究はこうした小売業界の構造変化において, 商業コンサルタントとでも呼びうる職能集団が重大な役割を有していたことを指摘している. だがなぜ彼らは, それまで否定されていた様々な経営施策を肯定的な形で取り上げたのか. この点について, 既往研究は充分な説明を加えているとは言い難い.</p><p>本稿では消費社会研究の知見を分析の手がかりとして, 当時「商業近代化運動」に取り組んでいた商業コンサルタントの「安売り」をめぐる言説に着目し, 以下のことを解明する. 第1に, 商業コンサルタントが「商業近代化運動」において「安売り」を肯定的に取り上げた際に, 「安売り」と「乱売」が「大量生産―大量消費」の枠組みから弁別されていたということを説明する. 第2に, こうした「安売り」という施策の重要性を訴える主張が, 当時の経営学の導入と密接に結びついていたということを説明する. そして第3に, こうした「安売り」をめぐる彼らの実践が「消費社会」の到来という予期を原動力にしており, そのため「消費者」への貢献という規範が, 「安売り」という具体的施策と結びつく形で当時強く示されていたことを明らかにする.</p>
著者
本多 啓
出版者
駿河台大学
雑誌
駿河台大学論叢 (ISSN:09149104)
巻号頁・発行日
no.16, pp.185-193, 1998
著者
岩田 徹 寺田 裕 赤松 寛範 松澤 昭 山内 寛行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.97, no.108, pp.43-49, 1997-06-19
参考文献数
3

電源電圧1Vの動作を効率よく実現するGate-Over-Driving CMOS(GO-CMOS)Archi-tectureを提案する. 特長は以下の2点である. 1)負荷が小さな部分に関しては, 超低しきい値(-0.1Vかそれ以下)トランジスタを用いる代わりに昇圧電源を印加する. 2)重い負荷を駆動するドライバ回路に関しては, ポンプ回路の過度の負担を避けるために, ゲートのみを昇圧し, ドライバの電源は昇圧せずに外部から直接供給する. GO-CMOSによって, 電源電圧0.5Vにおいて従来の2倍の高速動作, 或いは従来比1/15の低消費電力を実現した.