著者
萩原 文子 堀 七湖 中村 さち子 大槻 かおる 寺尾 詩子 大島 奈緒美 三枝 南十 上甲 博美 佐藤 幸子 小川 美緒
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.G3O1233-G3O1233, 2010

【目的】育児休業(以下、育休)が男性も取得可能な制度である中で実際の取得率は大変低くなっている(平成19年度育休取得率:女性89.7%、男性1.56%)。当部では育児経験のある男性理学療法士(以下、PT)に育児に関する意識や環境についてアンケート調査を行い、実際に育休の取得経験があるパパPT及び作業療法士(以下、OT)より経験談や意見を聴取した。今回はパパPTの実態を踏まえ、育休取得パパPT・OTの経験談と比較し問題点や改善点を見出すことを目的とした。<BR>【方法】2008年12月の1ヶ月間に20~40代のパパPT107名にアンケート用紙を使用し、家庭環境・職場環境や育児支援制度の認知度などの実態調査を行った。回答は無記名・多選択方式で得た。また、育休の取得経験があるパパPT3名・OT1名(平均年齢34歳)に調査票を使用し、家庭環境・職場環境・育休取得について面接又はメールにて調査をした。<BR>【説明と同意】調査依頼文にて目的や学会での公表を明記、もしくは口頭にて説明を行い、回答を得た時点で同意を得たものと判断した。<BR>【結果】家庭環境は共働き家庭が67%、育児援助者がいない家庭が72%と半数以上であった。子供と接する時間は平日で毎日30分以上が63%、また何らかの家事を行っている人が97%であった。職場は総合病院が最も多く43%、職場のPT数は1~56名、職場での育休の有無は「なし・わからない」が20%、育休取得環境の有無は「わからない」が43%であった。育休取得率は0.93%で、取得しなかった理由は「妻が取得した」という意見が多く、次いで「職場の環境」「仕事への影響」「必要なし」「制度不明」が挙げられた。パパになってからの変化としては経済的な責任や家庭を持つことで仕事以外にも役割が増え、休まざるを得ないことが増えたり、自分の時間が少なくなったと感じている人が多いが、同時に仕事のやりがいが向上し、PTとしての広がりや生活の充実を感じている人も多かった。パパPTの39%は出来れば育児支援制度を利用したいと思っていた。<BR>育休を取得したパパPT・OTの家庭環境は妻が出産を機に退職1名・共働き3名であり、育児援助者がいる1名、いない3名であった。職場は公的・準公的施設でPT・OT数は2名~28名、休業中の代替者の確保は「あり」2施設・「なし」2施設。職場での女性の育児休業取得は「取り易い」3施設・「退職圧力なし」1施設、リハビリテーション部門の対応は4施設とも協力的であり、そのうち3施設では代替者の募集が行われた。事務の対応・反応は「権利なので可能」「制度はあるが事務職員の認識がなく、自分で制度を調査し担当者の上司へ説明を求めるなどの対応を必要とした」「事情に詳しい他職種の上司が直属の上司や事務方への対応をしてくれた」が挙げられた。育休取得期間は2~12カ月で3名は妻の育休取得後、1名は妻の出産直後に取得した。困ったことは全員が「特になし」、良かったこととして「子供や家族との関係の向上」「人としてやリハビリテーションを担う職業人としての向上」を挙げており育休取得によるメリットが大きいことがわかった。<BR>【考察】両調査において共働き・育児援助者なしが多く、夫婦が助け合って仕事と育児を両立していく必要性が高い家庭が多かった。その中でも日本人男性が家事や育児に関与する時間は約1時間という報告がある中が、パパPTは家事や育児に協力している傾向が見られ、さらにパパが育児に関与することは仕事面・家庭面において親として・人として・職業人としての向上などのメリットが挙げられた。しかし、育児支援制度に関してはパパPTの39%が出来れば利用したいと思っているが、実際に育休を取得した人は0.93%であり、育児・介護休業法にて取得権利が認められているといっても制度の利用には課題があることがわかった。パパの育休取得に関してはまず、今回の結果からパパの育休に関する情報不足を感じ、さらに職場の環境としては代替え要員の雇用支援や人材バンクの整備、上司や事務職への制度に関する理解と啓発の必要性を感じた。また、公的・準公的施設や女性が取得しやすい職場などの環境も育休取得に影響していることがわかった。今後は会員のみならず職場への育児支援制度の情報提供・支援サービスの整備などを進めていく必要性を感じ、今後の活動へ生かしていきたい。<BR>【理学療法学研究としての意義】ライフワークの中で就業が継続できる働きやすい環境を支援することでPTの質の向上にもつながると思われる。
著者
服部 良信 水野 美穂子 野々垣 浩二 小鹿 幸生 西尾 昌之 藤中 憲二 小西 靖彦 村岡 亮
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.298-299, 2014

優れた臨床研修指導医の養成が必要で,指導医は臨床研修指導医講習会(講習会)の受講が必須である.平成25年6月の臨床研修運営委員会(委員会)で開催提案し,7月の委員会で否定された.理事長・病院長の指示で,9月の委員会で指導医のレベルの向上等を目的とした大同病院のスタッフ単独での開催を決定した.タスクホースは,チーフと院外講師を除き院内から選出し,予行会を3回,総合リハーサルを1回施行した.他の事務の協力を得て,平成26年2月に大同病院の第1回講習会を実施した. 単独開催により,臨床研修に対する意識改革ができ,受講者・タスク・事務方のレベルアップおよび良い人間関係の構築ができ,一体感が得られた.
著者
熊井 英水 安原 ゆかり
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.349, pp.106-108, 2011-12

回転すし店で小学生がトロをためらいなくほおばる。マグロはすっかり庶民の手に届く食べ物になった。一方で、マグロの最高級品であるクロマグロは、乱獲で世界的な希少資源。全面禁輸を求める声が上がり、漁獲制限が厳しくなっている。 数が減っているマグロの値段がなぜ昔より安い? その答えのひとつが養殖技術の進歩だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.863, pp.116-121, 2003-12-22

JR上野駅にほど近い雑居ビル。そこに大手デジタル・カメラ・メーカーをして「なぜそこまで安くできるのか」と驚かせた企業,エヌエイチジェイ(NHJ)がある。同社は2003年11月に大手流通業のイオンが1万4800円で発売したデジタル・カメラの供給元である注1)。この価格で有効画素数は300万クラス。大手メーカーの300万画素機のほぼ半額に相当する安さで話題を集めた1)。
著者
山田 隆夫
出版者
中京大学
雑誌
中京大学教養論叢 (ISSN:02867982)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.406-356, 1997-09-29
著者
北村 毅
出版者
沖縄大学
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.49-66, 2007-03-31

本論文は、沖縄県糸満市の「摩文仁(まぶに)の丘」と呼ばれる戦跡空間を事例として、沖縄戦の戦死者表象を巡る記憶のポリティクスを考察するものである。本稿の目的は、まず、摩文仁の丘を巡って、沖縄戦の戦死者がどのように表象されてきたのかを明らかにすることである。とりわけ、1995年、摩文仁の丘の麓に建設された、約24万の戦死者の名が刻まれた記念碑、「平和の礎(いしじ)」が分析の対象となる。その「平和の礎」を巡る諸種の言説や実践を検証する作業を通して、〈戦後〉という時間的・認識的区分に表された、「想像の共同体」の外縁(外枠)を捉えることが、最終的な目的である。第1章では、1960年代に始まる摩文仁の丘の上の慰霊塔群の「靖国化」と、丘の下の「平和の礎」を巡る「靖国化」について検証した。第2章では、「〈平和〉のイマジネール」という概念を提唱した上で、丘の上と下の共通性について指摘し、第3章では、小泉純一郎首相を事例に、「平和の礎」を「靖国なるもの」に接合するレトリックについて分析した。そして、第4章と第5章では、「平和の礎」における、ある「平和ガイド」の語りの実践に見出される、個々の戦死者を基点(起点)とする沖縄戦の想起の在り方に着目し、そこから、「〈平和〉のイマジネール」に規定された〈戦後〉を脱構築する可能性、ポスト〈戦後〉への布石を看取した。
著者
山田 敏弘
出版者
The Japanese Society of Plant Morphology
雑誌
PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.103-112, 2004
被引用文献数
1

要旨:被子植物がどのような祖先裸子植物に由来したのかを明らかにするために, 被子植物の共有派生形質の1つである外珠皮の進化過程に関しての考察を行なった. 現生被子植物の中で初期に分岐したことが知られているANITA植物を用いた研究によって, 放射相称なコップ型の外珠皮を持つ胚珠よりも, 左右対称な幌型の外珠皮を持つ胚珠が原始的であることが示唆された. さらにこの結果を化石記録から効率良く検証するために, 化石として残りやすい種子と外珠皮の形態を結びつける形態マーカーを探索した. その結果, 珠孔とへそが外種皮によって隔てられるか否かにより幌型外珠皮由来かコップ型外珠皮由来かを推定できることが明らかとなり, 最古の被子植物種子化石が幌型外珠皮を持つ胚珠に由来することが明らかとなった. 幌型外珠皮は葉などに特徴的な左右対称な性質を持つことから, 著者らは「外珠皮は葉的器官に由来する」との仮説に至った. この仮説の検証のため, 分子マーカーとしてINO相同遺伝子の発現を用いて, ANITA植物のスイレンの外珠皮に葉に特徴的な背腹性が見られるのかを観察した. その結果, 外珠皮ではIN0相同遺伝子が最外層のみで発現することから, 外珠皮は背腹性を持つと考えられた. 以上の結果は外珠皮が葉的器官に由来する可能性を示唆し, 心皮が胞子葉由来とされることを加味すると, 被子植物の雌性生殖器官は一部のシダ種子植物に見られるような「1珠皮性直生胚珠を2枚の葉的器官が包み込んだ構造」に対比されると推定された.
著者
町 泉寿郎
出版者
日本医史学会
雑誌
日本医史学雑誌 (ISSN:05493323)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.97-120, 1998-03-20
著者
大岡 照二 児島 淳之介 清水 達夫 志水 洋二 高岡 愛明 門奈 丈之 山本 祐夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.54-62, 1980

慢性活動性肝炎に対して副腎皮質ステロイド(CS)が有効か否かを確定するため,臨床的• 機能検査的,また形態学的にも類似した症例を選び,26例にCSを投与し,37例を非投与として両群を対比検討した.これらの患者は著者らの共同研究下に2ヵ月から9年の経過中2回以上の腹腔鏡下肝生検を施行すると共に,月に1回の肝機能検査をし検討した.CSはPrednisoloneで30mgを初回1日投与量とし1週毎に10~5mgずつ減量し,毎日又は隔日5mgを維持量とした.CS群は肝機能上改善し(0.05>p>0.02),組織像では炎症反応を抑制し(p<0.01),線維化の進展を防止した(0.05>p>0.02).小量とはいえ長期連用による副作用が心配されたが,臨床的に副作用は少なく,また肝細胞内への脂肪浸潤の増加も軽度であつた.HBs抗原陰性例では,陽性例に比べその効果はやや良好であつた.
著者
桑山 岳人 小川 博 宗近 功 河野 友宏 一戸 健司
出版者
日本万国家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.89-95, 1996-03-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

赤色野鶏,緑襟野鶏,セイロン野鶏,日本鶏16品種,および白色レグホーンの鳴声を録音し,声の高さ,長さ,音節数についてサウンドスペクトログラフィーを用いて分析した。声の高さは,灰色野鶏とセイロン野鶏が最も高く,赤色野鶏,緑襟野鶏および矮鶏では比較的高く,声良鶏が最も低かった。声の長さは,東天紅鶏が最も長く,唐丸鶏および声良鶏が長かった。音節数は,野鶏では3~5,日本鶏では2~4,白色レグホーンでは4であった。
著者
桑山 岳人 小川 博 宗近 功 河野 友宏 一戸 健司
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.89-95, 1996
被引用文献数
3

赤色野鶏,緑襟野鶏,セイロン野鶏,日本鶏16品種,および白色レグホーンの鳴声を録音し,声の高さ,長さ,音節数についてサウンドスペクトログラフィーを用いて分析した。声の高さは,灰色野鶏とセイロン野鶏が最も高く,赤色野鶏,緑襟野鶏および矮鶏では比較的高く,声良鶏が最も低かった。声の長さは,東天紅鶏が最も長く,唐丸鶏および声良鶏が長かった。音節数は,野鶏では3~5,日本鶏では2~4,白色レグホーンでは4であった。
著者
松本 一弥 斎藤 良夫 松井 知子 川森 正夫
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.184-193, 1980-05-20

The present survey was carried out on the service of guards in the form of night duty in the shift system in order to elucidate the problems involved. Number of subjects was 148. Out of these, 85 worked under the alternate-day shift system whose average age was 42 years, 47 worked under the permanent night duty system of average age of 50 years, and the remaining 16 were on the normal duty of the average age of 45 years. Under the alternate-day shift system, the portal-to-portal time is 24 hours from 10:00a.m. to the same time of the next day from which about 3.O-3.5 hours are exempted for taking a nap. In the permanent night duty it is from 18:00 or 19:00 to 09:00 or 10:00 of the next day, the portal-to-portal ranging 13-16 hours, usually 15-16 hours. The normal duty covers 8 or 9 hours from 10:00 to 17:00 or 18:00, but with incidental night duty of several hours per month. The problems of the alternate-day shift system and of the permanent night duty system were as follows: (1) Under those two systems, the total monthly portal-to-portal time was 312 hours with additional overtime, the mean becoming 397 hours a month in the alternate-day shift system and 405 hours in the permanent night duty system. These are considerably longer than the working time (249 hours) of the normal duty. (2) As for the frequency of the consecutive night shift, it occurred more than twice at the rate of 23% a month in the alternate-day shift system, and some experienced even 7 consecutive night shifts. Under the permanent night duty system, night duty occupied the greatest part in a month (97%), 3 to 5 consecutive night duties being most usual with an exceptional case of 19 consecutive night duties. (3) Number of night duties per month is 16.1 per month on the average under the alternate-day shift system, while 23.2 under the permanent night duty system. (4) The incidence of the spell of the portal-to-portal exceeding 24 hours was 43% per month under the alternate-day shift system. The longest was 72 hours. Under the permanent night duty system, the incidence of the spell of 19 hours or more was about 15%, and the spell of 24 hours or more occurred at the rate of 9%. (5) From the shift formation point of view, the interval between the preceeding or succeeding spell was sometimes null, but it was usually 8-10 hours. The incidence of the former per month was 4.7 times under the alternate-day shift system and 2.7 times under the permanent night duty system. Incidences of the latter under the two systems were 2.0 and 15.1 times, respectively. (6) Number of holidays per month was 3.0 under the alternate-dayshift system, and, 1.1 under the permanent night duty system. Under the normal duty system, it was 4.6. (7) Number of sick absenteeism with medical certificate was 13 in a year (15.3% of the total employees) under the alternate-day shift system, and 7 (14.9% of the total) under the permanent night duty system. As regards diseases which were the reason of absenteeism, 6 were circulatory, 4 respiratory, 4 digestive, each 1 was musculoskeletal, of connective tissue, hepatic, hemopoietic and mental. Except one patient suffering from a respiratory disease and another suffering from a musculoskeletal disease, all were aged 40 years or over. Under the normal duty system there was no sick absenteeism. (8) Number of workers retired in the past one year was 30 under the alternate-dayshift system, 43 under the permanent night duty system, and 1 under the normal duty system. Ratios of the number of retired workers against those in service were 35, 91 and 6% under the three systems, respectively. In the alternate-day shift and permanent night duty systems, and especially in the latter, the number of retired workers tended to be larger among the middle- and old aged. From these results the following items were considered important: Introduction of such countermeasures as reasonably controlling the total work hours, decrease in the number of days of night duty, reor
著者
長浜 孝 櫻井 俊弘 古賀 有希 蒲池 紫乃 平井 郁夫 佐藤 茂 真武 弘明 松井 敏幸 八尾 恒良
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.273-278, 2003-06-01
参考文献数
17

Crohn病 (CD) に対するprednisolone (Predonine<SUP>®</SUP>; PSL) の適切な初回投与量を検討した.<BR>対象 : 外来通院中にPSLが投与されたCD患者45例, 84回のPSL治療.<BR>方法 : 症状別に初回1日投与量と経時的累積症状消失率を算出した.<BR>成績 : 下痢ではPSL初回投与量0.5mg/kg以上 (初回投与量 : 28.3±6.0mg/日) の群が有意に高率, 早期に症状が消失したが (p<0.006), 0.75mg/kg以上投与しても有意差はなかった (p=0.140). 腹痛では0.75mg/kgから1.03mg/kg(30.0±5.8mg/日)の群が有意に高率, 早期に症状が消失していた. 食欲不振・全身倦怠感, 発熱, 関節痛・結節性紅斑は0.24mg/kgから0.49mg/kg未満(30.0±5.8mg/日)の群とそれ以上の量の群とで累積症状消失率に差はなかった (p=0.818).<BR>上記成績に考察を加え, PSLの初回1日投与量は, 下痢に対しては30mg, 腹痛には35mg, 食欲不振・全身倦怠感, 発熱, 関節痛・結節性紅斑には15~20mgを目安とし, 体重, 活動指数によって増減するのが適切と考えた.
著者
宮武 実知子
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.75-91,190, 2006

"The Cornerstone of Peace," which is located in the southern half of Okinawa prefecture, is a very famous symbol for war and peace. The monument is engraved with the names of about 240,000 men and women who lost their lives in the Battle of Okinawa, regardless of nationality or whether they were military or civilian. Many journalists, newscasters, and politicians mention it as an ideal monument for the war dead. In this article, I will argue about the correlation between official memorial places and public opinion. In case of Okinawa, before "the Cornerstone of Peace" was built, hundreds of monuments had been built by the war bereaved in Okinawa as well as by administrative units of local government. Such monuments by local governments were often looked at critically as selfish, so that a new kind of monument was needed to dedicate to the whole war dead. After 1991, when the project to build the Cornerstone was announced, some people argued against it and others for it. Then once the monument was erected in 1995, it was praised as an ideal monument without controversy, especially in Japan proper. More importantly, these days, the need for a new kind of memorial which can replace the controversial Yasukuni Shrine is becoming an issue. The case of "the Cornerstone of Peace" in Okinawa can offer some solutions to this issue.
著者
鈴木 康裕 田邉 裕基 船越 香苗 塩見 耕平 石川 公久 江口 清
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】バランスとは支持基底面内に重心を投影するために必要な平衡にかかわる機能がその重要な要素の一つと考えられており,定量的なバランス能力や姿勢の安定性の評価には重心(足圧中心)動揺計を用いた測定(以下重心動揺検査)が多用されている。望月らは重心動揺検査を用いた評価として,身体の揺らぎの程度を表す重心動揺の大きさ,および一定の支持基底面内で重心線を随意的に動かせる程度である安定域の大きさの2つの変数に着目し姿勢安定度評価指標(Index of Postural Stability:以下IPS)を考案しその有用性を提唱している。IPSは,重心動揺測定値を多角的に組み合わせることで,より臨床的なバランス能力の評価といえる。一方IPSは,評価自体の難易度は高くなく広い対象者に行える長所はあるが,潜在的な軽度のバランス不良の抽出には難しい側面もある。そこで我々は,従来から用いられているIPSに加え閉眼および軟面での立位環境面からもバランスタスクをかけ,難易度を上げた筑波大式修正IPS(以下修正IPS)を考案した。本研究の目的は,修正IPSの信頼性を確認し,またその有用性を従来から用いられているIPSとの比較を行うことで検討することである。【方法】対象は健常者52名(男性29名,女性23名,年齢26.6±5.9歳),測定には重心動揺計(アニマ社製グラビコーダGS-10)およびバランスパッド・エリート(エアレックス社製:横47cm×縦38cm,厚さ6cm:以下軟面)を用いて行った。本研究の一連の検査手順を被験者に対して,以下の通り行った。①両側でそれぞれ閉眼片足立ち検査を2回実施し,長い時間を代表値とする。②十分な休息を与えた後に,通常の重心動揺計の検査台上にて,IPSを行う。③一度検査台から降ろし,検査台上に軟面をセットする。被検者に十分な休息を与えた後に,検査台上の軟面上にて閉眼・直立させ修正IPSを行う。それぞれの計測は初回1回のみとする。④日時を変え,①②③同様の検査を実施する。閉眼片足立ち検査を行うことで,どちらか片側が10秒未満である場合をバランス不良とし,それ以外をバランス非不良と定義し,2群に分類した。IPSは,望月による報告に則り実施した。修正IPSの測定方法については,望月による報告に準じて実施した。通常の重心動揺検査の検査台の上に軟面を敷き,被検者の立ち位置については,足底内側を平行に10cm離した軽度開脚立位の足位とした。被検者には測定内容を説明し,測定台上で前後・左右への重心移動を行わせ,足底の要領を得た後に測定を開始した。統計解析は,修正IPSの信頼性について級内相関係数ICC(1.1)を用いて算出した。また修正IPSの有用性を確認するため,バランス非不良群と不良群をIPSおよび修正IPSの2指標にてMann-Whitney U検定を用いて比較を行い,検討を行った。同様に両群の属性についても検定を用いて比較を行った。使用統計ソフトはSPSS(ver21)を用い,全ての統計的有意判定基準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者には,研究の内容と目的を説明し,同意を得た後に測定を実施した。【結果】修正IPSの測定値は1回目0.77±0.38,2回目0.84±0.17であり,ICC(1.1)は0.619であった。バランス非不良群(39名)と不良群(13名)両群の属性に有意な差は認められず,両群のバランス能力の比較ではIPSでは有意な差を示さなかったが(2.13±0.19vs2.01±0.19,p=0.062),修正IPSでは有意な差を示した(0.82±0.17vs0.66±0.19,p=0.007)。【考察】今回の結果において,修正IPSはICC(1.1)=0.619と中等度の信頼性が認められ,臨床応用は可能と考えられた。また修正IPSは,従来のIPSでは困難であったバランス不良を抽出できる可能性が示された。直立姿勢における身体の平衡は,視覚・前庭・下肢の体性感覚からの入力が中枢神経系で処理され,四肢体幹の骨格筋に出力されることで維持される。本研究の対象は,前庭感覚に問題のない若年健常者であり,閉眼・軟面上での立位では視覚情報が遮断され下肢の深部知覚からの入力が制限されてしまうため,バランスを維持するため僅かな深部知覚からの情報に依存した可能性がある。さらに修正IPSは,随意的に最大限に重心を移動するタスクがかけられるため,さらに鋭敏な深部知覚を必要とする。これらのことから若年健常者を対象とした本研究の結果として,IPSでは現れず修正IPSに反映されたバランス能力の差は,深部知覚の感度差が鋭敏に反映された可能性が考えられた。【理学療法学研究としての意義】修正IPSは一定の信頼性を認め,また従来のIPSでは困難であったバランス不良を抽出できる可能性が示された。修正IPSは有効なバランス評価の方法になりうると考えられた。