1 0 0 0 IR あい風の正体

著者
前野 紀一 Norikazu MAENO 北海道大学名誉教授・藤女子大学非常勤講師 Professor Emeritus Hokkaido University and part-time lecturer Fuji Women's University
出版者
藤女子大学QOL研究所
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-16, 2011-03

あい風という風が、日本海沿岸の各地で知られている。あい風はそれぞれの地の地形や気象で決まる局地的な風であり、風向も同じではない。しかし、各地のあい風には、A)海から幸せを運ぶ好ましい風、および、B)北前船のノボリの順風、という二つの共通な特徴がある。あい風の風向が、北海道から、東北、北陸、山陰と南下するにつれて、北寄りから東寄りの風にかわる事実は、特徴AとBによって説明される。あい風の典型例として、石狩のあい風が調べられた。石狩のあい風は、江戸時代初期、おそらく300年以上前から始まった物資の輸送や人々の交流、移住の歴史の中で、特徴AとBに沿うように生まれ、育まれてきた。石狩のあい風は、春、夏、秋に吹くさわやかな北寄りの風であるが、気象学的には、典型的な海風であることが、気象データの解析とドップラーライダーの観測から明らかにされた。
著者
山内 敏弘
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.385-421, 2014-10-31
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.893, pp.155-159, 2005-02-14

2004年のゴールデンウイークの直前,ついにオーサリング・ツールα版が出来上がった。開発の立役者はKDDI研究所の酒澤茂之とソニー・ミュージックコミュニケーションズ(SMC)の宮田信吾。研究者と音楽業界人という異色の2人の共同作業で開発されたものだ。
著者
夕凪 JACK マネー・ヘッタ・チャン
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.361, pp.20-23, 2012-12

何を買っても利益が出にくい相場が続く昨今。しかし、それでも達人たちの目には、収益機会がいくらでも見えているようだ。人気連載「負けない投資家の思考法(130ページ)」でおなじみの3人に、イマドキの稼ぎワザについて語ってもらった。──2012年の運用状況は。夕凪さん(以下・夕) 一番安定してもうかっているのは、株主優待銘柄ですね。
著者
羽生 祥子
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.325, pp.72-79, 2009-12

腕に覚えがあるスゴ腕投資家たちが、ネット上で高度な株式レースを繰り広げる人気連載「個人投資家・株式レース」。今回は拡大版として、成績トップクラスのカリスマ投資家たちに直撃インタビューした。
著者
渡辺 武 後藤 実
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:00374377)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-37, 1953-01-01

The quantitative determination of essential oil and cinnamic adlehyde was caried out on the leaves, bark of trunks, bark of branches, bark of roots of the Cinnamomum Loureirii Nees (Lauraceae) collected in Wakayama and Kagosima prefecture in Japan, and on the Cassia barks collected abroad (and brought to the market in Japan.) The determination was effected acordig to the method provided in J. P. V. with scant material a satisfactory result was obtained by the use of the essential oil extracting apparatus devided by the present authors or micro cassia flask. The quantity of essential oil and cinnamic aldehyde the collection. But as far as the bark of roots is concerned, the quantity compares favoures favourably with that of the Cinnamornum Cassia Blume, if the bark is fresh or stored in good condition. The refore, the bark of roots of the Cinnamoum Ioureirii Nees collected in Japan is valuable as vegetable drug.
著者
杉原 正顕
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.26, pp.1-10, 1991-03-15

本稿においては,交代級数の収束加速法に関する4つの話題について述べる.第一の話題はEuler変換の振動的関数の無限積分計算への適用可能性である.第二の話題は交代級数の部分和に対する(漸近)展開公式である.第三の話題はEuler変換vs Aitken加速(ler変換とAitken加速では,どちらが交代級数の加速法として有効か?)最後の話題は交代級数に対する普遍的加速法の非存在(すべての交代級数の収束を加速することはできない.)である.In this note we discuss four topics on convergence acceleration methods for alternating series. The first is applicability of the Euler transformation to numerical integration of oscillatory functions over the infinite interval. The second is an asymptotic expansion of the partial sum of alternating series. The third is the Euler transformation versus the Aitken δ^2-process (Which is the better acceleration method for alternating series, the Euler transformation or the Aitken δ^2-process?). The last is non-accelerability of alternating series (All alternating series are not accelerable.).
著者
山内 良太 ヤマウチ リョウタ Yamauchi Ryota
出版者
大東文化大学漢学会
雑誌
大東文化大学漢学会誌 (ISSN:04149572)
巻号頁・発行日
no.53, pp.115-142, 2014-03

本論考は次の二点を述べようとしたものである。第一に、「進学解」の段落構成に対する先行研究の見解には二つの説が併存していたことである。この点については第一章で、三段落構成の作品と理解するのが主流であるものの、四段落構成の作品と理解しているものも存在していたことや、このような二つの説のどちらが妥当なのかという問題が論じられていないことを指摘した。第二に、他の作品との関係から考えれば、四段落構成説の方が妥当なことである。この点については第二章で、三段落構成説には三つの問題点があることを指摘した。三つの問題点とは、一つ目に、教師への尊称と理解すべきであるはずの「先生」を教師の自称と理解しなければならないこと、二つ目に、同一人物であるべきはずの後攻の話し手と最後の話し手が別の人物になってしまうこと、三つ目に、やり込められる者であるべきはずの教師がやり込める者になってしまうことである。これらの問題点は四段落構成説では解消される。したがって、「進学解」は四つの段落に分けて読まなければならないというのが本論考の結論である。
著者
寺本 潔
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.89-109, 1984
被引用文献数
7

本研究は,子どもの知覚環境の発達とそのメカニズムを明らかにするために,熊本県阿蘇カルデラ内に居住する小学校2・3・5年生,および中学校1年生,計1,432名を被験者としてなされたものである.<br> 調査方法としては,身近な地域を描いた手描き地図から読み取る方法と,周辺の地物を撮影したスライド画像に対する反応を分析する方法を用いた.前者により描かれた空間は,発達段階に従って外延的拡大を示すが,著しく動線に影響されることが明らかとなった.また,子どもにとって「意味のある空間」として, (1) 近道,抜け道 (2)「秘密基地」,「隠れ家」(3) こわい場所,「幽霊屋敷」を検出した.後者により,可視領域に位置する目立つ地物は,知覚環境を構成する重要な目印として作用していることが推察された.<br> このような子どもの知覚環境の発達に関する基礎的な研究は,子どもの発達を内発力とする新しい地理教育のカリキュラム開発に寄与しうるものと考えられる.
著者
木村 忠夫
出版者
熊本大学
雑誌
熊本史学 (ISSN:03868990)
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-23, 1973-06
著者
紀藤 典夫 大槻 隼也 辻 誠一郎 辻 圭子
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.15-26, 2017

青森県八甲田山の田代湿原(標高560 ~ 575 m)から採取されたコアの花粉分析の結果に基づき,十和田中掫テフラ(厚さ7 cm;To-Cu;約6000 cal yr BP)降下が植生に与える影響について考察した。分析の結果,テフラ降下以前はブナ属・コナラ属コナラ亜属を主とし,ハンノキ属等の落葉広葉樹からなる花粉組成で,安定した森林が復元された。テフラ直上では,コナラ属コナラ亜属は割合が著しく増加し80%以上に達する一方,その他の樹種は一様に割合が減少し,特にブナ属は30%から2.6%に減少した。テフラの上位1.7 cm でコナラ属コナラ亜属は割合・含有量ともに急激に減少し,他の樹種の割合が増加して,上位8.9 cm の層準(150 ~ 250 年後)でテフラ降下前の組成に近い安定した状態となった。ブナ属とコナラ属コナラ亜属のテフラ降下後の変化の著しい違いは,テフラ降下に対しブナは著しく耐性が低かった一方,ミズナラが強い耐性を持っているためと考えられる。非樹木花粉組成の変化に基づき,テフラ降下後,湿原植生は著しく組成が変化し,分析層準の最上位でもテフラ降下前に戻ることはなく,湿原の生育環境が大きく変化したものと推定した。
著者
荻野 雄
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.165-179, 2010-03

本論文は,これまでのクラカウアー思想研究の継続として,主としてジークフリート・クラカウアーの『映画の理論』を考察する。クラカウアーは1938 年以来映画を主要な考察対象としたから,破局が彼の思想に与えた影響は,彼の映画論からこそ読み取ることができる。本稿は,いわば準備的な考察として,彼の映画観の基礎的構造の描出を試みている。クラカウアーの基礎的見解は,映画は本質的に写真の延長であり,それゆえ物理的現実を記録し暴くときその可能性を実現する,というものであった。映画のこの「本質」から,クラカウアーは映画の各要素に関する規定を導き出していく。This article, in the main, deals with Siegfried Kracauer's Theory of Film, as a continuation of my past study on the thoughts of Kracauer. Because Kracauer concentrated his study on films after 1938, we can read the influence that catastrophe has on his film theory. This article tries to sketch the fundamental structure of Kracauer's view of film, to prepare for the critical analysis of his theory of film. According to Kracauer, film is basically the extension of photography, and therefore fulfills its essential potentiality when it reveals and records physical reality. From this "essence" of film, Kracauer arrives at rules relating to each element of film
著者
荻野 雄
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.129-146, 2010-09

本論文は,これまでのジークフリート・クラカウアー思想研究の継続として,主として1940 年にマルセイユで書かれた彼の映画論を考察する。そこでの彼の議論の前提は,歴史を神話からの脱却の過程として捉える,優れて終末論的色彩の濃い歴史観であった。映画はこうした歴史的パースペクティヴの中で捉えられ,その技術的特性によって,時代の趨勢を逆転させる働きを期待されたのであった。続いて本稿は,ヴァルター・ベンヤミンの有名な「複製技術時代の芸術作品」を取り上げ,そこでの議論がクラカウアーの映画論と同じ構造を持つことを示す。ベンヤミンもまた,歴史を神話からの解放と見なし,複製技術としての映画のうちに,この歴史過程を推進するための一つの武器を見出したのだった。This article considers, in the main, the film theory written by Siegfried Kracauer in Marseille in 1940, as a continuation of my past study of his thinking. The premise of his argument was of a deeply tinted, highly eschatological, historical perspective, perceiving history as a process of liberation from myth. Film was analyzed from this historical perspective, and through it technological characteristics was expected to reverse the trends of the times. The article continues by taking up Walter Benjamin's famous writing-"The Work of Art in the Age of Its Reproducibility"-and shows that it carries the same structure as that of Kracauer's film theory. Benjamin as well, detected in the reproductive technology of film a weapon in the process of liberation from the myth in history.