著者
高松 道生 柳沢 素子 町田 輝子 松島 松翠 飯島 秀人 中沢 あけみ 池田 せつ子 宮入 健三 矢島 伸樹 佐々木 敏
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.595-602, 1999
被引用文献数
1

こんにゃくのコレステロール低下作用について検討し, その健康食品としての意義を明らかにする研究を行った。<BR>こんにゃくの成分であるグルコマンナンをチップ化して煎餅状に加工 (以下, マンナン煎餅) し, 総コレステロール200mg/dl以上の当院職員と正常範囲内の当院附属看護専門学校寄宿学生を対象に, 脂質代謝への影響を調査した。毎食後に煎餅を摂取し, 試験期間前後に脂質を中心とする血液検査を行ってマンナン煎餅の脂質代謝への影響を評価した。<BR>その結果, マンナン煎餅を摂取する事によって総コレステロール値の低下が認められ, 試験前総コレステロール値の高い群ほどその低下の度合いが大きかった。HDLコレステロールや中性脂肪への影響は認められなかった事から, マンナン煎餅はLDLコレステロールを特異的に低下させる作用を有するものと考えられた。血算や生化学などの検査値には変化を認めず, 腹満や下痢などの消化器症状が一部に観察されたものの, 重症なものではなかった。一方, 試験前後の体重に差はないものの試験期間中の総摂取エネルギーや脂質摂取は減少しており, マンナン煎餅を摂取することが食習慣に影響を与えた事が示唆される。以上から, こんにゃく (グルコマンナン) は直接・間接の作用でコレステロール, 特にLDLコレステロールを低下させ, マンナン煎餅が健康食品として意義を有するものと考えられた。
著者
土井 サチヨ 畠山 絹江 西村 美智代
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.395-399, 1974

衣服設計においては身体寸法を基本として体型の3次元的な把握が必要であると考えた.第1報の18~22才 (ミス) に引き続き, 今回は25~65才 (ミセス) について, 計測値と体幹部形態との関連について追究し類型化を試みた.計測値において, 3年令群間に差がみられ, 胴部, 腹部, 腰部に特徴を示している.さらに, 20才との比較では顕著な差がみられる.<BR>横矢示数による形態区分は, 胸部はB・C, 胴部はC・B, 腹部・腰部はC・D・Bが多く, 高年令群になるに従ってDからAの方に移行している.<BR>個有値の4部位横矢示数の複合状態類別では, BCCC, BBCCが多く, CCDD, CCCC, CBCCの1頂に出現が少なくなり, 74組の組合せに出現がみられた.<BR>4部位の形態の差異が形態採取により確認することができた.

1 0 0 0 IR 老年の価値

著者
松田 幸子
出版者
上田女子短期大学
雑誌
上田女子短期大学紀要 (ISSN:09114238)
巻号頁・発行日
no.33, pp.95-104, 2010

ヘルマン・ヘッセの青春時代は、詩人になるか、さもなければ何ものにもなりたくないという彼の希望と周囲の人の無理解との闘いであった。第一次世界大戦中は、自分の反戦思想と社会との闘いであった。そのような時代を経て彼はようやくおだやかな老年を迎えることができたのである。それは人生の大事な事柄以外は、ユーモアの精神をもって生きることであるということであった。シモーヌ・ド・ボーヴォワールは生命力に満ちあふれ、人生を力強く生きた女性であったが、彼女に苦悩が現れはじめたのは、アルジェリア戦争(フランスの植民地であったアルジェリアは1962年に独立したが、そのために起こした戦争)の状況と、自分が老年になったという現実であった。彼女にとって老いは自然が与える不当な暴行のようなものであるが、人は他の人と関わりを持ち、社会的に生きることによって老年になっても生きる意味があると彼女は言うのである。ヘッセは個人的な老いの価値を考え、ボーヴォワールは人間の老いの問題を社会的に考えている。

1 0 0 0 IR 老年の価値

著者
松田 幸子
出版者
上田女子短期大学
雑誌
上田女子短期大学紀要 (ISSN:09114238)
巻号頁・発行日
no.33, pp.95-104, 2010

ヘルマン・ヘッセの青春時代は、詩人になるか、さもなければ何ものにもなりたくないという彼の希望と周囲の人の無理解との闘いであった。第一次世界大戦中は、自分の反戦思想と社会との闘いであった。そのような時代を経て彼はようやくおだやかな老年を迎えることができたのである。それは人生の大事な事柄以外は、ユーモアの精神をもって生きることであるということであった。シモーヌ・ド・ボーヴォワールは生命力に満ちあふれ、人生を力強く生きた女性であったが、彼女に苦悩が現れはじめたのは、アルジェリア戦争(フランスの植民地であったアルジェリアは1962年に独立したが、そのために起こした戦争)の状況と、自分が老年になったという現実であった。彼女にとって老いは自然が与える不当な暴行のようなものであるが、人は他の人と関わりを持ち、社会的に生きることによって老年になっても生きる意味があると彼女は言うのである。ヘッセは個人的な老いの価値を考え、ボーヴォワールは人間の老いの問題を社会的に考えている。
著者
ヨコタ村上 孝之
出版者
日本スラヴ・東欧学会
雑誌
Japanese Slavic and East European studies (ISSN:03891186)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.23-34, 2011-03-31

ロシアの帝国主義的拡張に深い関心を寄せていた日本社会は、露土戦争の行方も大きな興味を持って観察していた。クリミア戦争の情報はまず英国の言説を通じて主に日本に移入し、そのあと、ロシア文学におけるその記録がそれに代わった。レフ・トルストイのセヴァストポール物語もその系譜に入るが、トルストイは社会主義者、白樺派、大正ヒューマニストらに与えた影響が顕著なので、日本におけるそのイメージは、非戦主義の権化ということになっている。しかし、彼は一貫して戦争文学に関心を持ち、創作を続けたし、セヴァストポールものにおいては、反戦思想は必ずしも明確ではない。また、イギリス文学におけるクリミア戦争の表象と比較したとき、トルストイの顕著な特徴は、戦争を合理主義的な観念から徹底して切り離して考えるという思想であった。これは彼の後期の非戦主義の思想に接合していく。トルストイの平和主義は西欧のそれに刺激を与えたものの、多くの反戦主義者はトルストイ流のアプローチに違和感を表明したが、それは西欧の平和主義が、戦争の合理的・理性的コントロールということに発想の原点を置いていたからである。日本の反戦主義者たちは、むしろ、トルストイ流の反合理主義に基づく非戦思想に大きな感化を受けていた。クリミア戦争の表象においてすでに見られた、平和主義における二つの理念の違いは、トルストイの思想的展開、そして、その日本のおける明治後期から大正にかけての受容においても、そのまま受け継がれていくのである。
著者
中川 昌子 木内 みどり 小尾 道子 殿塚 雅克 小林 和美 日野 亨 舟越 和久
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.304-312, 1975
被引用文献数
17

The reaction of tryptamine with &delta;-valerolactone in tetralin gave &delta;-hydroxyamide (3) as the main product and the lactam (4) as the minor product. However, the reaction of 5, 6-dihydro-2-pyrone with tryptamine or aniline afforded a mixture of the corresponding &alpha;&beta;- and &beta;&gamma;-unsaturated lactams, whereas, 2-pyrone did not react with either tryptamine or aniline to give the corresponding pyridone. Cyclization of 3 or 4 by Bischler-Napieralski reaction and followed NaBH<SUB>4</SUB> reduction provided a convement synthesis of 1, 2, 3, 4, 6, 7, 12, 12b-octahydroindolo [2, 3-&alpha;] quinolizine (23).
著者
丁 可 Ding Ke
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 = Quarterly journal of Institute of Developing Economies Japan External Trade Organization (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.10-33, 2015-03

本稿では,日本的生産システムの海外展開の視点から,日系中小サプライヤーの中国市場開拓の現状を検討した。現時点で,中小サプライヤーの大多数は依然として日系企業を中心に取引を展開している。しかし,非日系向けの販売に成功した中小企業も出現するようになり,日本的生産システムと他国の生産システムが徐々に融合し始めている。非日系企業と取引を展開する中小サプライヤーは「国際派」と「現状維持派」に分類されるが,「国際派」のほうは経営の現地化を積極的に進めているだけでなく,日本的取引慣行の強みも発揮している。その過程でさまざまな技術情報が顧客のほうへ流れるようになり,その成長に寄与している。
著者
伏見 正則
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.350-359, 1981-12
被引用文献数
2

本論文は、吉典的ないわゆる秘書選びの問題(secretary poblem、以下SPと略す)に対する解が、雇用がある種の競合状態にある場合にはどのように変わるかについて考察したものである。基本的なモデルは次のとおりである。二つの会社がそれぞれ1人の秘書を採用しようとしている。n人の応募者が、ランダムな順番で毎朝1人ずつ現われ、各社は他社と独立にこの応募者と面接する。採否の決定は、その日の午後応募者に伝えられる。採用通知を出した会社は、残りの応募者の面接は行なわない。一社だけから採用通知を受けた応募者はその会社に採用されるが、両社から採用通知を受けたものは、等確率でいずれか一方を選んで就職する。両社の目標は、n人の候補者の中の最良のものの採用に成功する確率を最大にすることである。この問題は、二人非零和非協力ゲームの一種である。SPをゲーム論的に扱ったモデルは従来いくつかあるが、それらに対するNash均衡解は、どのプレーヤーの戦略も同じで、SPの場合よりも早めに採用を決めようとするものである。われわれのモデルにおける均衡解は、これらと対照的に、一社はSPの場合よりも早めに採用を決めようとし、他社はSPの場合よりも遅めに採用を決めようとする戦略である。雇用が競合する状態になると、各社が競って早期に採用を内定しようとする、いわゆる青田買い競争の現象がしばしば見られるが、本論文の結果は、そのような競争が必ずしも得策でないという教訓を含んでいる。最後に、他社の採否の情報が伝わる場合についてのモデルについても論じている。
著者
長澤 勢理香
出版者
同志社大学
雑誌
經濟學論叢 (ISSN:03873021)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.195-222, 2009-07

研究ノート(Note)イギリスの奴隷貿易の場合、その決済に際しては為替手形が用いられていた。この為替手形の信頼性向上のため、コミッション・エージェントと呼ばれるロンドン在住の金融業者が引受け(保証)を行っていた。本稿では、奴隷貿易に関する研究を回顧のうえ、奴隷貿易におけるコミッション・エージェントの重要性を指摘するとともに、コミッション・エージェントの研究を進めるに際しての方向性を明らかにする。The purpose of this study is to emphasize the importance of London commission agents as guarantors of slave bills. Bills of exchange were used as a means of settlement in the British slave trade. Commission agents played a key role in this system by accepting slave bills drawn in the West Indies. This financial system made for a more secure and assured means of slave payment than before. This paper presents accumulated studies on British slave trade and also examines the perspective of these researches with regard to the commission agents.
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.64-67, 2015-05

「ロイヤルホスト」などを運営するロイヤルホールディングスは2014年4月に財務会計システムを刷新した。販売管理などの基幹システムと自動仕訳システムを連動し、人手を介さずに業務データを会計データに変換。業務のミスを減らし、グループ全体の財務状況を素早く把握できる体制を確立した。
著者
廣 李果
出版者
美術出版社
雑誌
美術手帖 (ISSN:02872218)
巻号頁・発行日
vol.64, no.967, pp.212-219, 2012-06
著者
中野目 純一 瀧本 大輔 中島 募
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1339, pp.104-109, 2006-05-01

著書が140万部を超す大ベストセラーとなった山田真哉氏(29歳)。最近は執筆業は手控え、本業の公認会計士の仕事に専念している。4月に就任した東京糸井重里事務所のCFO(最高財務責任者)の業務や、新会社法のコンサルティングなどに追われる日々だ。 毎日の睡眠時間は4時間程度しかない。