著者
大谷 世紀 山西 良典 岩堀 祐之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-N_1-10, 2017-01-06 (Released:2017-01-20)
参考文献数
17
被引用文献数
3

Image database is one of the important research topics in image recognition. A manual collection of images would causes biased collection and a lot of human efforts. Huge image database where varied and many unbiased objects are stored is required for the image learning. Recent researches for image database try to automatically/semiautomatically generate image database. Here, it is important to remove noise images and this paper proposes an automatic generation method of the Web image database. The proposed method uses noise image removal by visual feature and semantic feature in a hybrid. However, which type of features, and how to combine the two types of feature are not clear and should be investigated. In this paper, six kinds of noise image detection method are prepared: The method using visual feature, the method using semantic feature, two methods using both features in parallel and two methods using both features in serial. Through the comparison in experiments, it was confirmed that the method using both visual and semantic features in parallel focusing on noise images showed over 82% Precision values,76% Recall values and 77% Fmeasure values in average. Also, the usability of the generated database for image recognition was confirmed through the experiments; It was equal to or higher than the human-made database. It was confirmed that the proposed method constructed precise image database full-automatically.
著者
若林 貞男 麻生 好正 中野 智紀 山本 留理子 竹林 晃三 犬飼 敏彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.19-26, 2006 (Released:2008-07-24)
参考文献数
26

【目的】起立性低血圧(orthostatic hypotension; OH)を有する2型糖尿病患者において,24時間心拍変動パワースペクトル解析(PSA)を施行し,心自律神経機能との関連について検討した.【対象と方法】対象は91名の2型糖尿病患者とし,起立性低血圧の診断基準は,起立時に収縮期血圧が30mmHg以上の低下,あるいは20mmHg以上の低下,かつふらつき・めまいなどを有した場合とした.24時間ホルター心電図より得られた連続したR-R間隔を対象にPSAが施行された.高速フーリエ変換法により,low frequency(LF: 交感・副交感神経両方の活性),high frequency(HF: 副交感神経活性)が算出され,さらにLF/HF比を交感神経・副交感神経バランスの指標とした.【結果】OH群が14名,正常群(No OH群)が77名であった.OH群では,No OH群に比し,クレアチニン・クリアランス,正中神経伝導速度が有意に低下していた.LF/HF比は,24時間のいずれの時間帯においても,OH群はNo OH群に比し,有意に低下していた.一方,HF値については,いずれの時間帯において,両群間に有意な差を認めなかった.起立時の収縮期血圧低下度を目的変数とした多変量解析により,24時間平均LF/HF比がその独立寄与因子として明らかとなった.【結論】起立性低血圧患者では,心自律神経機能の中でも特に交感神経機能の低下が示唆された.また,糖尿病性自律神経障害の評価法として,24時間にわたるLF/HFの解析が有用であると考えられた.
著者
渡 修明 井上 博之 平田 八郎
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.511-517, 1993-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10

1.水産増養殖の重要魚介類11種に対する農薬の有機リン剤MEPとカーバメイト剤NACの急性毒性を流水式魚毒試験装置を用いた流水式試験法によって調べた。2.MEPの魚介類に対する急性毒性はクルマエビで極端に強く, ついで魚類のマダイ, ブリ, ボラで比較的強い応答であった。マハゼやアユでは中程度の毒性応答であり, ウナギは低い毒性であった。これに対して, アサリやアコヤガイは最も低い毒性であった。3.NACの魚介類に対する急性毒性はクルマエビで極めて強く, ついで魚類のブリおよびマハゼで比較的強い応答であった。マダイ, ヒラメ, クロダイ, ボラおよびアユでは中程度の毒性応答であり, ウナギは低い毒性であった。これに対して, アサリやアコヤガイは最も低い毒性であった。4.MEPおよびNACによる中毒症状は, クルマエビで刺激に対する反応過敏, 狂奔状態および自発性運動低下がみられ, 魚類では, これに加えて体色変化, 遊泳姿勢不安定, 鼻上げ症状, 刺激に対する反応鈍化, 痙攣, 脊椎骨変形が認められた。これらの症状の多くが神経毒性に特有なものであり, 中毒症状の観察によって薬剤の毒性の特徴や薬剤の推定ができるものと考えられた。
著者
高橋 英孝 笹森 典雄 吉田 勝美 近藤 健文
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.47-49, 1993-10-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
21

人間ドックを受診したL806名(男1,502名,女304名)に生体インピーダンス法による体脂肪率の測定を実施し,体格指数と体脂肪率の組合せによる肥満評価法の検討を行った。体格指数および検査正常者(男133名,女45名)における体脂肪率の平均値と標準偏差は,男18.9±4.7%,女23.2±3.4%であった。体格指数正常かつ体脂肪率が男15~23%,女20~27%を標準値とし,体格指数が正常でも体脂肪率の増加がみられる者は,早期肥満として生活指導の対象になると考えられた。
著者
金井 寛
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.140-146, 1982-06-30 (Released:2011-03-09)
参考文献数
41
被引用文献数
1
著者
浅野 亮
出版者
財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.123, pp.195-204, 2000-01-28 (Released:2010-09-01)
参考文献数
11
著者
飯島 直樹 青木 秀馬 今村 淳一 瀧口 雅章
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.1477-1482, 2009 (Released:2010-06-18)
参考文献数
6

ピストンリングの低張力化がガソリンエンジンのピストン摩擦力とオイル消費に及ぼす影響について検討するために,浮動ライナ法とSトレース法により両者の同時測定を行った.各リングの低張力化による摩擦力とオイル消費への寄与率について解析を行い,その原因をピストンおよびリング周りの油膜観察により確認した.
著者
中井 大介
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.359-371, 2015 (Released:2016-01-28)
参考文献数
29
被引用文献数
5

本研究では, 自己決定理論による中学生の教師との関係の形成・維持に対する動機づけを測定する尺度を作成し, 教師との関係の形成・維持に対する動機づけと担任教師に対する信頼感との関連を検討した。中学生483名を対象に調査を実施した。第一に, 探索的因子分析を行い「教師との関係の形成・維持に対する動機づけ尺度」を作成した結果, 「内的調整」「同一化」「取り入れ」「外的調整」の4因子構造であることが明らかになった。第二に, 教師との関係の形成・維持に対する動機づけと担任教師に対する信頼感との関連を性別に検討した。その結果, (1) 「自律的動機づけ」が担任教師に対する信頼感と正の関連, (2) 「統制的動機づけ」が負の関連を示すこと, (3) その関連の様相は性別に違いがみられることが明らかになった。(4) また, 教師との関係に対する動機づけで調査対象者を類型化した結果, 統制的動機づけの高い類型の生徒, すべての動機づけが低い類型の生徒の担任教師に対する信頼感が低いことが明らかになった。以上, 本研究の結果から教師と生徒の信頼関係は, 教師側の要因と生徒側の要因が相互作用を繰り返すことで次第に親密になっていく過程である可能性が示唆された。
著者
杉田 清
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.893-899, 1996-08-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
77
著者
山下 恵理 熊谷 修 青木 清
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.2-7, 2015 (Released:2015-03-29)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

【目的】青年期において,食生活と精神的健康度の関係を示した疫学データは十分でない。本研究では,大学生の食品摂取パタンを抽出し,精神的健康度との関係を明らかにする。【方法】大学生男女計269人(男性80人,女性189人)を対象に食品群別摂取頻度調査,精神的健康度,生活習慣で構成した自記式質問紙による調査を実施した。食品摂取パタンは,食品群別摂取頻度調査を基に,因子分析を試行した。また,食品摂取パタンと精神的健康度との関係を明らかにするために重回帰分析を行った。【結果】因子分析の結果,食品摂取パタンとして「副食に植物性食品を高頻度に摂取するパタン」,「肉類,卵,油脂類,いも類を高頻度に摂取するパタン」,「主食の摂取パタン」が抽出された。重回帰分析の結果,「肉類,卵,油脂類,いも類を高頻度に摂取するパタン」とGHQの総合得点及びうつ傾向との間に有意な負の関係が認められた。【結論】大学生において,肉類,卵,油脂類,いも類を高頻度に摂取する食品摂取パタンを有する者は,うつ傾向が低いことが示された。
著者
古賀 弥生
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.39-48, 2004-09-30 (Released:2009-12-08)
参考文献数
21

文化政策は、公共政策の中でも特に多様な主体によって担われるべき分野である。実際に地方都市で展開されているさまざまな文化政策の実態を観察すると、その主体が行政のみならず企業・NPOなど民間セクター及び各々のネットワークであることが理解でき、民間セクターが文化政策の主体としての存在感を増しつつあることが実感される。
著者
野口 哲男 水野 正雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.834-839, 1967-06-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
15
被引用文献数
23

ヘリオスタット式太陽炉を用い,Y2O3-Al2O3系の各組成の冷却曲線より凝固点を測定し液相線を求めた。温度測定は,鏡面反射法により輝度温度と0.65μにおける分光反射率を求めて,分光放射率と真温度を算出した。太陽炉による溶融試料では,37.5mol%, 50mol%, 66.7mol% Y2O3組成で3Y2O3・5Al2O3,Y2O3・Al2O3,および2Y2O3・Al2O3の単一相を得,前二者の格子定数はそれぞれa0=12.010±0.005Åおよびa0=5.180±0.006Å,b0=7.370±0.004Å,c0=5.328±0.006Åであった。液相線はY2O340~60mol%組成の間でゆるやかなピークを示し,またAl2O3-3Y2O3・5Al2O3間の共晶点およびY2O3側の組成では既発表の結果と異なった傾向を示し,これらの結果に基づいてAl2O3-Y2O3系の平衡状態図を推定した。
著者
桜井 武麿
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.368-378, 1981-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
19

This review presents a survey of solar furnaces and their applications. After a brief historical overview, the optics of paraboloidal concentrator, concentration ratio and attainable temperature are theoretically treated. The design and construction of large solar furnaces in the world are introduced in some detail. The application to the high-temperature physics is exemplified by the investigations carried out in the Tohoku University. The applications to the energy conversion and high-temperature industry, expected in future, are described also.

1 0 0 0 OA 太陽炉

著者
桜井 武麿
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.29, no.338, pp.197-208, 1963-03-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
21

太陽炉(solar furnace)は,太陽の光を光学系を用いて集中し,高い温度を得る装置である。太陽炉の使い方には,光化学反応の実験のように,集中された光の作用を利用し,高い温度の発生を伴わない場合もあるが,そもそもこの装置は高温を得るために開発されたものであり,またその用途もほとんどが発生された高温を利用するものであるから,一応上述のように定義しておく。光学系としては反射鏡が用いられる。まず,探照燈を逆に用い,炭素アークの陰極の位置に試料を置いて高温にするものと考えていただけばよい。
著者
Willi M. 岩切 一良 黒柳 彰正
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.62, no.695, pp.340-344, 1954-05-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

高温度を得る他の方法と比較した太陽炉の主要な利点と欠点とを論じた。小形の試料を極めて純粋な状態で, 最高温度まで急速に加熱することが絶対必要である定性的研究のため, 最初の大形太陽炉装置が設備された。資料は加熱熔融され坩禍に集められた。例えば二成分系の液相曲線決定等の定量的研究用の太陽炉は最近発達したものである。予め定められた加熱予定表にしたがって, 試料を加熱・冷却または所望の温度に維持 (日照時間に制限される故) したり, 空気による急冷等を行ったりする装置について述べた。表面の状態と関係なく, 試料を黒体状態に近似せしめて温度を測定する方法について述べた。実験太陽炉の設計に入って来る種々のファクターを一覧表にまとめて評価してみた。半工業用途として, 多数の小形の曲面反射鏡をもって, 1個の反射鏡に置き換えた太陽炉について述べた。
著者
新井 千加子 宮田 学 吉實 知代 小出 一広 溝手 晶子 新井 紀恵 花谷 利春 新井 成之 福田 惠温
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.17-24, 2013 (Released:2013-02-22)
参考文献数
28
被引用文献数
4

高脂肪食負荷マウスに2.5%トレハロース(Tre)飲水を8週間行うと他の糖質[グルコース(Glc),マルトース(Mal), 異性化糖(HFCS), フラクトース(Fru)]に比べ,有意な腸間膜脂肪細胞の肥大化抑制,インスリン抵抗性改善が認められたため,今回はランゲルハンス氏島(ラ氏島)への作用を調べた。同試験マウスのラ氏島,α細胞領域,β細胞領域の平均面積を免疫染色を用いて形態計測した。Treは水,Mal,Fruに比べ,有意にラ氏島肥大を抑制した。また,Treは,他の糖質や水投与群に比べて有意にα細胞領域の増加を抑制した。糖質の飲水15週後の糖負荷試験では糖負荷30分後の血中グルカゴン値がMal群に比べ,Tre群で有意に低かった。これらの結果からトレハロースはラ氏島の代償性肥大やα細胞増加による過剰なグルカゴン分泌を抑制するため,メタボリックシンドロームにおいてラ氏島を保護する優れた食品となる可能性が示唆された。