著者
横山 玲子 松本 亮三 吉田 晃章
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本調査研究は、カンペチェ州南部地域を中心に、古代マヤ文明の発展と衰退のメカニズムを、文明と環境の相互作用から考察するための最初の調査である。古典期マヤ社会は、優越センターが複数の従属センターを支配する統合形態をもつとされるが、調査遺跡として特定したラモナル遺跡周辺の遺跡分布調査からは、古典期終末期に優越センターの支配とは異なった独立した諸集団の活動があったことが予見された。その要因として、当該地域の自然環境と、当時起こったと思われる気候変動(大干ばつ)が考えられるため、今後、さらなる調査を実施する必要がある。
著者
豊島 学
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、統合失調症の発症メカニズムやその病態に対してNG2(+)細胞がどのように関与しているかを明らかにするため、統合失調症薬理モデルマウス、精神疾患治療薬投与マウスを作製し、NG2(+)細胞数の変化やNG2(+)細胞特異的な遺伝子発現変化を解析した。その結果、Lithium を投与したNG2DsRed マウスにおいて、NG2(+)細胞数の減少とRbpj 遺伝子の発現増加が認められた。Rbpj は、Notch シグナルの主要な伝達因子であることから、Lithium はNotch シグナルを介してNG2(+)細胞の分化や増殖を制御する可能性が示唆された。
著者
藤井 敦史 原田 晃樹 北島 健一 佐々木 伯朗 清水 洋行 中村 陽一 北島 健一 清水 洋行 佐々木 伯朗 中村 陽一
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本では、社会的企業が、企業の社会貢献との延長線上で捉えられ、制度的・社会的基盤条件を無視した研究が行われてきた。それに対し、我々は、EMESネットワークの社会的企業論を分析枠組の基礎に据え、英国イースト・ロンドンの社会的企業、並びに、障害者雇用領域で活動する日本の社会的企業について調査研究を行った。これらの比較調査から、社会的企業の発展にとっては、(1)委託事業を含む政府(行政)との協働のあり方や(2)地域でセクターを形成しうるインフラストラクチャー組織の存在が極めて重要であることが理解できた。
著者
綿谷 安男 榎本 雅俊
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

大きなヒルベルト空間に含まれる小さい部分空間の相対的な位置関係を研究した。それもn個の部分空間の配置を考えた。重要なのは直和に分解できない直既約な配置である。n=1,2の時はすでに解けているが、有限次元に限れば、n=3,4の場合も完全に分類されている。しかし、無限次元だとn=3や4の場合すら未解決である。今回の研究はこの問題を線形作用素の研究との類似を考察するという新しいアイデアで攻略した。さらにquiver(有向グラフ)の頂点をヒルベルト空間に、辺を線形作用素に対応させるヒルベルト表現の理論を開始した。拡大ディンキン図形に対してその無限次元直既約ヒルベルト表現の存在を証明した。
著者
坂井 伸之
出版者
山口大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

スポーツには様々な指導論があるが、その多くは客観的・科学的な言葉で記述されていない。本研究では、スポーツ動作全般に適用可能な剛体力学に基づく基本原理解明の理論的方法を提案し、野球の投動作及び剣道の面打ち動作について具体的に考察し、その成果をスポーツ指導及び物理教育に活用することを試みた。特に、通常はあまり意識されない重力・慣性力・筋肉の復元力・筋収縮の反作用の複合的効果の重要性を明らかにした。
著者
西本 壮吾
出版者
愛媛大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、諸外国で使用されている農薬であるEndosulfan について、免疫系、特にアレルギー反応に関する影響評価を行った。Endosulfanはアレルギー誘発マウスにおいて、血清中の抗原特異的IgE量を増加させ、アレルギー反応を惹起させる可能性を示した。また、IL-4産生量においても増加させた。Endosulfanは、アレルギー反応を誘発するだけでなく、炎症物質の放出を促進したことから、アレルギー反応に影響を及ぼすことが明らかとなった。
著者
友澤 悠季
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、「公害」および「環境」概念の歴史的な生成と展開のプロセスに働いた論理と力学を解明することである。これまで戦後日本の環境問題史は、〈「公害」から「環境」へ〉という概念の転換によって捉えられてきた。「環境」概念に対しては、「被害者」対「加害者」の対立構図をのりこえ、より複雑多様な問題を議論できるという点で積極的評価が与えられてきた一方、「公害」概念には、「企業対住民」といった素朴な二項対立でしか事件・問題を整理できないものといいう消極的な位置づけにとどまってきた。だが、本研究の結果、(1)「公害」「環境」概念の歴史的生成における、1970年および1989年という画期の存在、(2)「環境」概念は、国内外における政治経済社会的状況の流動の結果外挿された経緯をもち、その結果、地域社会固有の文脈で深められようとしていた「公害」概念をめぐる議論が強制的に閉じられたこと、(3)一方で、公害反対運動の当事者やそれを支えようとした研究者らの内面においては、「公害」概念を触媒とした思想的深化は連綿と続けられてきたことが明らかになった。本研究が考察の対象とした1960~70年代における各地の公害反対運動は、生業を脅かす企業や行政へ異議を申し立てるだけでなく、「公害」概念を自在に「再解釈」しながら、近代化出発時から社会が抱え込んだ差別的構造を根本から問い直そうとしていた。その背後には、単なる「公害(反対)」「環境(保全)」などの文言では語りつくせない、高度経済成長という嵐の中での個々人の生の選択という根本的な事柄が介在していたことが重要である。各分野における「環境」関連学が、この地平にこそ原点を持つことを踏まえ、「公害」概念を、単なる「環境」の部分概念とみなす思考をいったん捨て、現在への連続性の中で捉えなおすことが今後の課題である。
著者
阿部 友紀 安東 孝止
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は, 励起子結合エネルギーの大きいZnO系量子井戸における励起子効果を最大限に活用することによって,光変調器を実現することである。我々は,c面サファイア基板上に1nm程度のMgOバッファ層を成長した後にO極性ZnOバッファを成長して,バッファ層の高品質化を行った。紫外透明導電膜であるPEDOT:PSSとZnO/ZnMgO量子井戸のショットキ型光変調器を作製し,20meVのシュタルクシフトを得た。また,透過型光変調器として波長370nm(3.35eV)において光変調動作を確認した。さらに,電解液でZnO表面にコンタクトをとることにより2Vという低電圧動作も確認した。
著者
福島 昭治 加藤 俊男 白井 智之
出版者
名古屋市立大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1990

発癌物質ならびに発癌プロモ-タ-やインヒビタ-などが相互に関連して作用することによりin vivoでの発癌がどのように修飾されるかを多重癌モデルを用いて個体レベルで総合的に解析した。F344雄ラットを用い,五種類の発癌物質,DEN,MNU,DHPN,BBN,DMHを短期間に順次投与し,その後2%BHA,0.8%カテコ-ル,2% 3ーメトキシカテコ-ル(3ーMC)を0.3%亜硝酸塩との同時投与,あるいはそれぞれを単独投与すると,前胃では扁平上皮癌の発生がカテコ-ル単独群に比較し,カテコ-ルと亜硝酸塩を同時投与した群で有意に増加した。またBHA,3ーMCの群では亜硝酸塩の同時投与による増強効果はみられなかった。腺胃では3ーMC投与による腺腫の発生が亜硝酸塩の同時投与により有意に減少した。食道においてカテコ-ル,3ーMC投与により増加傾向を示した乳頭腫の発生が亜硝酸塩の同時投与によりさらに増加した。このように酸化防止剤は亜硝酸塩の存在下では単独投与とは異なった修飾作用を示すことが明らかとなった。さらに,DEN,MNU,DHPN処置による多重癌モデルを用いて,ニンニクの抽出成分であるジアリル・サルファイド(DS)とジアリル・ジサルファイド(DDS)の発癌修飾作用を検索すると,これまで発癌抑制として注目されてきたDSは肝の前癌病変であるGSTーP陽性細胞巣と甲状腺の過形成の発生を促進させることが判明した。また,DDSは大腸と腎発癌を抑制した。その他の臓器の腫瘍の発生にはDS,DDSとも何らの修飾効果を及ぼさなかった。以上,亜硝酸の酸化防止剤への添加は酸化防止剤のもつ発癌修飾作用を相乗的に増強,あるいは抑制させ,またDSが肝及び甲状腺発癌を促進するという従来とは異なった発癌修飾作用が示された。さらに,この変動には標的臓器における細胞増殖が重要な鍵を握っていると推測された。
著者
赤羽 弘和
出版者
千葉工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、都市高速道路の実時間交通シミュレーションの精度向上のため、各種パラメータを自動設定、更新する手法を開発した。これにより、従来の所要時間の時間変動パタン等に基づく統計的な手法では対応し得ない事故等による突発渋滞発生時に、交通状況の高精度短期予測を実施し、利用者への適切な経路誘導等により時間損失等を軽減することを目指した。具体的には、渋滞の有無を判定する閾値、センサーによる交通量計測値に含まれる偏りを渋滞時/非渋滞時別に補正する係数、渋滞先頭での交通処理能力、事故渋滞時の精度を向上させた交通量-交通密度モデルを、自動設定/更新する手法を提案し,一部の精度を首都高速道路対象に検証した。
著者
竹中 治堅
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は選挙制度と二院制度が日本の首相の指導力にどのような影響を及ぼすのか明らかにすることを目的としている。本研究は、1994年に政治改革が行われた結果、中選挙区制度から小選挙区・比例代表制に改められた結果、首相の派閥政治家、族議員、官僚に対する指導力は全般的に高まったことを明らかにした。さらに二院制度については、戦後日本政治過程を通じて、参議院は内閣と衆議院が一体となっておこなう立法作業を抑制し、この結果、首相の指導力も制約してきたことも明らかにした。
著者
伊藤 喜雄 平泉 光一 加瀬 良明 小澤 健二 青柳 斉 伊藤 忠雄
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

米主産地の現地調査及び流通業者からの情報提供により、新食糧法下の米流通の規制緩和は、従来の自由米市場ですでに発生していた産地間競争に加えて、卸・小売等の業者間競争を本格的かつ全国的に展開させていることが分かった。具体的には、以下の点である。1.新潟県や北陸3県、島根県などコシヒカリ品種に代表される良食味米の主産地や、大都市近郊産地の千葉・兵庫・滋賀県などでは、生産者及び農協レベルで計画外流通の販売対応が拡大しつつある。そこでは、生産者グループ・法人組織や農協において、栽培協定や品質管理、販売促進の強化など多様な産地マーケティングが展開している。2.スーパーや米卸業者、米小売専門店等の中には、上述の主産地と直接的な取引関係を結ぶ業者も多数登場している。その結果、産地ブランドの地域的細分化が進み、産地間及び流通業者間で競争が激しくなっている。特に、過剰下の買い手市場の中で、大手スーパーの産地掌握が強まっており、農協の米マーケティングの展開に大きな影響を与えている。3.北海道や東北、熊本・佐賀県などの非良食味米産地では、米需給関係の過剰基調のもとで、生産者及び農協の当初の自主販売の動きは止まり、計画流通による連合会での統一販売対応に回帰しつつある。そこでは、米流通再編の担い手である大手スーパー等に対して、経済連・全農の組織再編による系統米販売体制の強化が模索されている。4.米国や中国の海外ジャポニカ米主産地に関しては、産地レベルでの技術開発では食味よりも収量志向が強く、国産米と競合する現地のブランド米(良食味米)は量的には極めて少ない。そのため、品質面で日本との競争力は現在時点では小さいと言えそうだ。2年間の実態調査により,現下の米産業の競争構造に関して以上の点が明らかになった。
著者
向山 雅夫 崔 相鐵 白 貞壬 趙 命来
出版者
流通科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

従来の小売国際化の行動主体は先進国市場の先端的小売企業であったが、近年先進国市場以外の国を母国とする小売企業が国際化し始めているという動きに注目し、なぜそれが可能になるのかを明らかにした。研究の結果、以下のことが明確になった。(1)逆進出と呼ぶべき新興国企業の国際化現象が進行しつつあること、(2)逆進出する小売企業は必ずしも発展途上国を母国とする企業であるわけではなく、従来海外小売企業に進出される国を母体とする企業の国際化行動を逆進出と捉えことができること、(3)逆進出は、母国に進出した先端的小売企業と現地新生小売企業との競争的相互作用の結果としての後者の競争優位獲得によって可能となること。
著者
幡鎌 一弘 井上 智勝
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

神道の本所である吉田家の玄関帳「御広間雑記」元禄12(1699)年~宝永7(1710)年のインデックス約6200点を作成し、近世神道史研究を発展させるための基礎的作業を行った。あわせて、吉田家・白川家の対抗を考える上で重要な人物である臼井雅胤の活動と、臼井と一条兼香・道香によって創設された白川家八神殿の背景を明らかにした。さらに、17世紀後半における神職による神仏分離の活動が祭礼の由緒の説明に影響を与えていることを示した。
著者
遠田 勝
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近代日本におけるオリエンタリズムの多様な役割を検証するために、その分析の対象を欧米人のいわゆる日本論や日本人論、あるいはアカデミックな日本研究から、短い雑誌記事やフィクション・民話における「語り」に広げ、さまざまな事例を検討した。それにより、たとえば、ハーンのオリエンタリズム的物語が逆輸入され、日本の民話の語りを変容させた事例などが発見され、異文化の歪曲と圧殺という、オリエンタリズムについての西洋の公式見解とは異なる役割を論証し得た。
著者
木下 武徳
出版者
北星学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は、3年計画の本研究の3年目であった。昨年度にアメリカの福祉改革の全体像とその民間化の状況、ウィスコンシン州における民間化の特質などについては、まとめた。そのため、本年度は、ロサンゼルスとニューヨークの調査研究とそのまとめを行う予定であった。それを踏まえて、研究業績の概要を述べると、次のようである。第一に、ロサンゼルスには9月3日から12日まで行き、民間化された福祉事務所や管轄しているロサンゼルス・カウンティの社会福祉部の本庁などに訪問調査を行うことができた。そのなかで、インタビュー調査や公開されていない資料等を入手することができた。第二に、それらロサンゼルスでの現地調査を踏まえて、『社会科学研究』(東京大学)に、「ロサンゼルスの福祉改革における民間化の特質-GAINケースマネジメントを中心に」の論文を掲載することができた。これは、民間化された福祉事務所の委託契約の流れとそのインセンティブ収入や成果目標などをどのように設定し、福祉事務所運営を任された企業をいかに行政コントロールしているのかを明らかにした。第三に、これらのアメリカの福祉改革の権限委譲(地方分権、民間化)の枠組みを援用しながら、日本の社会福祉制度をどのように見ることができるのかを『北星論集』(北星学園大学)にて、共著であるが、研究成果を公表した。第三に、ニューヨークの福祉改革における民間化の動向については、昨年度現地に訪問することができなかったため、詳細のつめがまだ不十分であり、これまでの研究を踏まえて2008年度以降に研究成果を公表できるようにしたい。以上
著者
神谷 和秀
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013

高効率かつ安価な酸素還元触媒の開発は燃料電池のさらなる普及拡大のために必要不可欠となっている。本研究では鉄と窒素をグラフェン面内に短時間熱処理によって導入した酸素還元触媒(Fe/N-graphene)のさらなる高活性化を目的としている。今年度は高活性化に向けて、Fe/N-grapheneの構造および酸素還元活性メカニズムを放射光を用いて明らかにした。まず広域X線吸収微細構造(EXAFS)によって鉄周りの配位構造を明らかにした。その結果、一般的な炭素触媒を作製するような30minを超えるような長時間の熱処理では容易に切断されてしまう鉄-窒素配位構造が、短時間熱処理によって作製する本触媒においては残存しており、その鉄-窒素配位構造が高密度にグラフェン面内にドープされていることが明らかになった。また、Fe/N-grapheneと窒素を加えずに作製したグラフェン(Fe-graphene)の鉄L端の軟X線吸収分光スペクトルを比較したところ、窒素から鉄への強い電子供与に基づき鉄の電子密度が向上していることが明らかとなった。これにより、鉄から酸素の反結合性π軌道に強いπ逆供与が生じ、その結果、酸素分子のO=O結合が活性化され、酸素還元反応が効率的に進行したと推察された。このように、短時間熱処理で作製した触媒は前駆体の触媒活性を決定する構造的本質(この場合は鉄-窒素配位結合)を残す形で炭素構造内に導入することが可能であることが示された。これは錯体触媒の活性と炭素材料の耐久性の両立した触媒の合成が可能であることを示している。
著者
小谷 典子 林 寛子
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近代化とともにボランタリズムが高揚し、ボランティア団体によって家族機能を補うことが期待される。子育て支援に焦点をおき、東アジア社会に特徴的な文化構造を共有する日本と台湾において、ボランティア団体の活動やボランティア意識に関する実証的調査を行った。その結果、台湾においてボランティア意識がより高く、個人の寄付や民間の基金会がボランティア活動を支援しており、東アジア社会に特徴的な親族組織や地域集団を基盤とした共同主義的ボランタリズムが存在することが明らかとなった。
著者
石井 大輔
出版者
東京工業大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

連続変化と離散変化の振る舞いをするハイブリッドシステムに対する,安全性や安定性といった性質の検証を,区間制約プログラミングと演繹的推論を用いて実施するための技術を開発した.本研究は,制約概念を軸に,高信頼な数値計算と,数式処理や時相論理式検証などの記号計算とを統合した点を特色とする.非線形算術制約を高速に求解する並列区間制約ソルバーを構築するとともに,本ソルバーを利用したハイブリッドシステムの検証器を構築,既存ツールでは検証が難しかった複数の事例について,提案ツールにより検証可能であることを示した.
著者
山本 健
出版者
西南学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、1970年代後半から80年代初頭のヨーロッパにおける緊張緩和の国際政治過程の史的検討を行った。特に、NATO内でのデタント研究と1980年~81年に起こったポーランド危機に注目し、西側同盟内の構想を分析した。その結果明らかになったのは、1975年以降、さらなる緊張緩和を進める上で、西側諸国は具体的にどの分野で東側陣営と協力を進めるのかについてコンセンサスを形成できないまま、新冷戦と呼ばれる新たな対立の時代に突入していったというものであった。