著者
横尾 慶紀 北田 順也 錦織 博貴 山田 裕一 藤井 偉 猪股 慎一郎 工藤 和実 千葉 弘文 白鳥 正典 山田 玄 高橋 弘毅
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.133-137, 2013-10-01 (Released:2014-11-10)
参考文献数
14

症例は54歳,男性.湿性咳嗽,血痰,労作時呼吸困難が出現し,健康診断で胸部X線写真上すりガラス影を指摘され近医を受診した.胸部CTで両側上肺優位に肺野濃度上昇を認めたため,精査目的で当院に入院となった.問診により,幼少時から自宅でレース鳩を飼育していることが判明し,鳥関連過敏性肺炎を疑った.気管支肺胞洗浄ではリンパ球の増加とCD4/8比の低下を認め,経気管支肺生検ではリンパ球浸潤を主体とする胞隔炎を認めた.また,患者が飼育している鳩血清および鳩糞と患者血清との間で行った沈降抗体反応は陽性であった.原因抗原からの隔離により肺病変が改善し,レース鳩を処分したのちに行った飼育小屋での環境誘発試験は陽性であった.以上からレース鳩飼育により急性発症した鳥関連過敏性肺炎と診断した.一般に本症は画像で線維化像を示す慢性型の場合が多い.本症例では,鳩の飼育数の増加によって抗原暴露量が著しく増加したことが急性型の発症を呈した原因と考えられた.
著者
高橋 弘司
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-22, 1993-06-20
被引用文献数
1 2

Since the term "socialization" was defined, numerous researchers have studied its content and function in many fields of research: i. e., sociology, social psychology, etc. Socialization is, in this sense, an interdisciplinary topic which contains subnotions that are peculiar to each field of study. In the field of organizational behavior, that is called "organizational socialization." The purpose of this study is to review the theories of organizational socialization critically and reconsider the characteristics of organizational socialization theoretically. The areas covered by this review are: (1) the comprehensive concept of socialization with organizational socialization as a subnotion, (2) a critical review of past research, and (3) the two major perspedives adopted in past research. This research has two major conclusions about (a) the difference in the perspectives of organizational socialization between the career development field and organizational behavior field, and (b) the insufficiency of empirical research approaches that focus on the "stage-model" and individual mechanisms which facilitate attitude change.
著者
Kipp Cannon 端山 和大 伊藤 洋介 高橋 弘毅
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.428-433, 2016-04-15

2016年2月12日午前0時30分(日本時間), 米国の重力波検出器LIGOが, 世界で初めて重力波の直接検出に成功したことを発表した. 本稿は情報処理技術が今回の重力波検出に果たした役割を概観する. また, 稼働が間近に迫っている日本の重力波検出器KAGRA(岐阜県飛騨市神岡町)において,どのように情報処理技術が活用されているかについても紹介する.
著者
山家 純一 高橋 弘憲 石原 明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1521-1523, 1999-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

症例は43歳の女性.鉄欠乏性貧血の治療を受け改善したが,突然死を来した.剖検で,両肺動脈主幹部に遊離血栓が証明され,肺塞栓症が突然死の原因と考えられ,塞栓源は左総腸骨静脈に形成された血栓であることが示唆された.子宮腺筋症による圧排が,血栓形成の原因となったと考えられた.子宮の良性腫瘍では経過観察されている例も多く,内科診療上,肺塞栓症の危険性を念頭に置いた管理が必要と考えられたので報告した.
著者
永江 栞奈 高橋 弘明 遠藤 広光
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.21-007, (Released:2021-07-30)
参考文献数
23

Mating behavior and early development of Cobitis sp. (BIWAE type D, TosaShima-dojo) were observed in the laboratory by inducing spawning of females with human chorionic gonadotropin (HCG). Subsequently, laboratory bred individuals were compared with spawned eggs and larvae obtained from the field. Mature adults, naturally spawned eggs, and larvae were collected from a river in eastern Kochi Prefecture, Shikoku Island, Japan, and a natural spawning ground adjacent to the river. Mating behavior was observed 15 times at night, and distinguished into four stages: phase 1, tracking; phase 2, approaching; phase 3, amplexus; and phase 4, spawning. Egg diameters after water absorption were 2.1–2.3 mm, the spherical, demersal eggs having a light-yellow yolk, no oil droplets, and slight viscosity. Newly hatched larvae [3.3–4.9 mm in total length (TL)] had 46 (32 + 14) myomeres, two pairs of outer gill filaments on the cheek, and melanophores on the head. Notochord flexion started at 6.0–7.2 mm TL (wild individuals at 6.0–6.3 mm TL) and was completed at 8.8 mm TL (6.6 mm TL). The formation of membranous fins and full fin-ray complements were attained in the fin order pectoral, caudal, dorsal, anal, and pelvic, and caudal, dorsal, anal, pectoral, and pelvic, respectively. Some individuals (7.0–8.0 mm TL at the flexion stage) had free neuromasts, each with a short cupula, laterally on the caudal region. In addition, following the postflexion stage, some morphological differences between artificially bred and wild individuals were observed but could not be quantified due to the small sample size.
著者
森田 婦美子 山本 純子 高橋 弘枝
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.149-154, 2012 (Released:2017-05-10)
被引用文献数
2

口腔ケアは歯科疾患の予防を目的にしたものから,嚥下,構音,審美など広義の口腔ケアの目的が重視されるようになってきた。今回,口腔ケアとして,口腔へのブラシ刺激が,脳血流にどのように影響するのか前頭前野における脳血流の測定をおこなった。すべての研究協力者において上顎硬口蓋のブラッシング時,oxyHbの脳血流量が多く観察された。次いで舌,上顎中側切歯根部の順であった。目視解析においては,左眼窩前頭前野や頭頂葉の前運動領野からのoxyHb血流量増加を認めた。上顎硬口蓋への刺激は舌,上顎中側切歯根部に比較して優位に血流量が増加しており,これらのことから,日常のケアにブラシ刺激を取り入れることで,脳の活性が期待できると考える。
著者
高橋 弘司
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-22, 1993-06-20 (Released:2011-01-27)
参考文献数
154
被引用文献数
25 2

Since the term “socialization”was defined, numerous researchers have studied its content and function in many fields of research: i. e., sociology, socia psychology, etc. Socialization is, in this sense, an interdisciplinary topic which contains subnotions that are peculiar to each field of study.In the field of organizational behavior, that is called “organizational socialization.”The purpose of this study is to review the theories of organizational socialization critically and reconsider the characteristics of organizational socialization theoretically. The areas covered by this review are:(1) the comprehensive concept of socialization with organizational socialization as a subnotion, (2) a critical review of past research, and (3) the two major perspectives adopted in past research. This research has two major conclusions about (a) the difference in the perspectives of organizational socialization between the career development field and organizational behavior field, and (b) the insufficiency of empirical research approaches that focus on the “stage-model” and individual mechanisms which facilitate attitude change.
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 高橋 弘毅 和佐 勝史 平野 賢一
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-102, 2020

<p>リフィーディング症候群は,飢餓状態にある低栄養患者が,栄養を急に摂取することで水,電解質分布の異常,心合併症を引き起こす病態であるが,低血糖との関連は明らかではない.BMIが14未満の低血糖を伴うリフィーディング症候群を発症した12例の本邦報告例を検討したところ,たこつぼ型心筋症や心停止を含む致死的な心合併症を10例に発症していた.機序は不明な点が多いが,低栄養状態でのエネルギー供給による過剰なインスリン分泌が低血糖を生じ,低血糖によるカテコラミンの過剰分泌がたこつぼ型心筋症をひきおこすことが推察された.また,心筋への不十分なエネルギー供給が心合併症の要因と考えられた.この病態は重症化する可能性があるため,極度の低栄養患者には心電図モニターや血糖値および電解質管理等の全身管理を要する.目標投与エネルギー量を適切に設定し,リフィーディング症候群およびそれに伴う合併症を予防しつつ厳密な栄養管理が必要である.</p>
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 高橋 弘毅 和佐 勝史 平野 賢一
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-102, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
41

リフィーディング症候群は,飢餓状態にある低栄養患者が,栄養を急に摂取することで水,電解質分布の異常,心合併症を引き起こす病態であるが,低血糖との関連は明らかではない.BMIが14未満の低血糖を伴うリフィーディング症候群を発症した12例の本邦報告例を検討したところ,たこつぼ型心筋症や心停止を含む致死的な心合併症を10例に発症していた.機序は不明な点が多いが,低栄養状態でのエネルギー供給による過剰なインスリン分泌が低血糖を生じ,低血糖によるカテコラミンの過剰分泌がたこつぼ型心筋症をひきおこすことが推察された.また,心筋への不十分なエネルギー供給が心合併症の要因と考えられた.この病態は重症化する可能性があるため,極度の低栄養患者には心電図モニターや血糖値および電解質管理等の全身管理を要する.目標投与エネルギー量を適切に設定し,リフィーディング症候群およびそれに伴う合併症を予防しつつ厳密な栄養管理が必要である.
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
小原 雄治 加藤 和人 川嶋 実苗 豊田 敦 鈴木 穣 三井 純 林 哲也 時野 隆至 黒川 顕 中村 保一 野口 英樹 高木 利久 岩崎 渉 森下 真一 浅井 潔 笠原 雅弘 伊藤 武彦 山田 拓司 小椋 義俊 久原 哲 高橋 弘喜 瀬々 潤 榊原 康文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動では、支援課題の公募を行い、領域外有識者による審査委員会により選考し、支援を行った。経費上限設定など多くの採択ができるように努めた結果、応募188件、採択93件(採択率49.5%)となった。支援の成果として2017年度に54報の論文発表がなされた。②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、最先端技術を提供するためにそれらの整備や高度化を進めた。遺伝研拠点では染色体の端から端までの連続した配列完成を目指して、ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel)、長鎖DNA試料調製技術、さらに1分子ゲノムマッピングシステム(Irysシステム)の最適化を進め、実際の試料に応用した。東大柏拠点では、1細胞解析技術を整備し支援に供するとともに、Nanopore MinIONを用いた一連の要素技術開発を進めた。九大拠点では微生物ゲノムのNGS解析最適化を進めた。札幌医大拠点ではLiquid Biopsyによる体細胞における低頻度変異検出技術開発を進めた。③高度情報解析支援ネットワーク活動では、支援から浮かび上がった課題を解決するソフトウェアの開発を進めた。支援で特に活用されたものは、真核2倍体用denovoハプロタイプアセンブラPlatanus2(東工大)、染色体大規模構造変異高精度検出アルゴリズムCOSMOS、変異解析結果の信頼性を評価するソフトウェアEAGLE(以上、産総研)、エクソン・イントロン境界におけるスプライソソーム結合頻度の解析パイプライン(東大)、であった。また、CLIP-seqデータの解析パイプライン、高速オルソログ同定プログラムSonicParanoid、ロングリード向けアラインメントツールminialign(以上、東大)は今後の活用が予想される。高度化等の成果として48報の論文発表がなされた。
著者
高橋 弘志 大町 美歩 松葉 育雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.614, pp.1-6, 2002-01-22

経済時系列の分布は一般的にガウス分布ではなくレヴィ分布に従うことが知られている.しかし, 実際にその分布がレヴィ分布に起因するような原理は発見されていない.ただ, 経済時系列の特徴である長期記憶性によってレヴィ分布が発生することは知られている.そこで一般化エントロピーの最大化原理を用いることで, レヴィ分布のスケーリング指数μとTsallisのq-エントロピーのパラメータであるqとの関係を導き出すことができると考える.その関係性を実データとして1991年から2000年までの日次日経平均株価を用いることでその妥当性について検証した.
著者
高橋 弘司
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.123-136, 1997-10-20
被引用文献数
1 7

The purpose of this study was to empirically yield item characteristics of three sub-dimensions of organizational commitment scale. Recent studies relevant to organizational commitment have claimed that organizational commitment, per se, contained three sub-dimensions that had been explored in various academic fields. 0f such studies, Allen and Meyer (1990) reorganized controversies and developed three-dimensional organizational commitment scale composed of affective, continuance, and normative dimensions, which afterwards has been used frequently in North America, indicating whose high reliability and validity verified empirically. However, past research has not revealed characteristics of items which compose of each subscale neither in North America nor in Japan. In the present study, questionnaire survey was conducted using 292 Japanese workers as resopondents and the data were analyzed primarily by exploratory factor analysis to investigate dimensionality, followed by Item Response Theory (IRT) techniques to vield item and test (dimensional) characteristics. Results showed that: (1) dimensional classification was revealed as valid; (2) both attitudinal commitment and normative commitment dimensions were reliable enough; and (3) each item and dimension was well-structured and useful for discriminating and being sensitive for respondents with various levels of latent trait theta. Implications for future research were discussed.