著者
若林 剛 高橋 弘太 岩倉 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.322, pp.29-34, 2002-09-13
被引用文献数
8

近年,独立成分分析を利用したブラインド音源分離が研究され,よい成果を納めている.過去のこれらの研究では,マイクロホン数2〜8個程度の小〜中規模アレイを用いるものがほとんどであり1マイクロホン数が100を超える大規模マイクロホンアレイへの適用は,まだあまり試みられていなかった.そこで本研究では,大規模マイクロホンアレイを前提とし,独立成分分析による信号分離を行った.本報告では2つの問題について取り上げる.第一に,音源数に対してマイクロホンの数が多い場合に,1つの信号が複数の独立成分に分離されるという問題である.マイクロホンアレイの大規模化ではこの問題がさらに顕著に現れる.この問題に対して,小〜中規模アレイと同様の手法が適用できるか検討した.第二の問題は,周波数領域でICAによる分離を行うと,分離信号が周波数間で入れ替わりが起きる,置換問題である.以上2つの問題を橡証するために,大規模化が容易なマイクロホンアレイシステムを作成し実環境の音声による分離宰験を行ったので,その結果についても報告する.
著者
内藤 元男 高橋 弘晏 畠山 章一 武田 裕 一條 幹夫
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.539-542, 1974-10-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

小岩井農場ホルスタイン種牛群の1953年より1968年までに得られた初産より3産までの連続記録をもつ119頭について初産次体重,初産への補正FCM量平均値およびFCM/K[{FCM/2(6W+FCM)}×100]相互間の関係を検討した.主な成績は次のごとくである.1) 初産後5ヵ月時の体重および体高の平均値はそれぞれ558kg,体高139.0cmであり,初産への補正FCM量平均値4,479kg,FCM/K28.5%であった.2) FCM/Kの母娘相関により推定した遺伝率は0.51であった.3) FCMとFCM量との相関は-0.045で,両者の間には関係がなかった.4) FCM量とFCM/Kとの相関は0.895***であった.5) 体重とFCM/Kへの単純相関は-0.466***であったが, FCM量を一定とした偏相関では-0.955***となった.6) 個体によって異なるが,一般に550~630kgの中型の牛はFCM量の多い傾向があり,またFCM量が多くなくてもFCM/Kで優れている場合が多く,比較的に有利であるといえる.
著者
佐々木 文章 高田 尚幸 大川 由美 高橋 弘昌 秦 温信 内野 純一 藤枝 憲二
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.273-278, 1994

当科で治療した小児甲状腺良性腫瘍について検討し報告する.対象は当科で治療した15歳以下の甲状腺腫瘍患者のうち病理学的検査で良性と判定された19例で,男児3例,女児16例.年齢は6歳から15歳,平均12.5歳.病理組織診断は腺腫様甲状腺腫11例,濾胞腺腫8例.合併症としてクレチン病1例,甲状腺機能亢進症2例あり.手術術式は,核手術6例,葉切10例,全摘1例,不明2例.全摘が行われた例は,甲状腺全体の腺腫様甲状腺腫例であった.再発は1例にみられた.多発腺腫と診断され,葉切が行われたが6年後に対側の甲状腺に初回と同様の腫瘍がみられ核手術を受けた.甲状腺良性腫瘍は超音波検査と細胞診を繰り返すことにより経過観察をすることは可能で,現在このような治療方針をとっている.しかし,大きな腫瘍や経過中に大きくなったり,有症状となる例では手術を考慮することが必要である.また悪性例を見落とすことのないよう注意を払うことが必要である.
著者
伊藤 隆造 Pauly Martin 遠藤 純子 園田 壮史 高橋 弘 田巻 香織 笹谷 知幸
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.8, pp.211-216, 2001

平成12年7月13日から7月24日までの日程で第2回視覚部海外研修旅行を実施した。参加者は学生4名、教官2名、技官1名で、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校とナショナル聾工科大学を訪問し、様々な施設見学や講義への参加を通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。
著者
川村 静児 中村 卓史 安東 正樹 坪野 公夫 沼田 健司 瀕戸 直樹 高橋 龍一 長野 重夫 石川 毅彦 植田 憲一 武者 満 細川 瑞彦 佐藤 孝 佐藤 修一 苔山 圭以子 我妻 一博 青柳 巧介 阿久津 智忠 浅田 秀樹 麻生 洋一 新井 宏二 新谷 昌人 井岡 邦仁 池上 健 石徹白 晃治 市耒 淨興 伊藤 洋介 井上 開輝 戎崎 俊一 江里口 良治 大石 奈緒子 大河 正志 大橋 正健 大原 謙一 奥冨 聡 鎌ヶ迫 将悟 河島 信樹 神田 展行 雁津 克彦 木内 建太 桐原 裕之 工藤 秀明 國森 裕生 黒田 和明 郡和 範 古在 由秀 小嶌 康史 小林 史歩 西條 統之 阪上 雅昭 阪田 紫帆里 佐合 紀親 佐々木 節 柴田 大 真貝 寿明 杉山 直 宗宮 健太郎 祖谷 元 高野 忠 高橋 忠幸 高橋 弘毅 高橋 竜太郎 田越 秀行 田代 寛之 田中 貴浩 谷口 敬介 樽家 篤史 千葉 剛 辻川 信二 常定 芳基 徳成 正雄 内藤 勲夫 中尾 憲一 中川 憲保 中野 寛之 中村 康二 西澤 篤志 丹羽 佳人 野沢 超越 橋本 樹明 端山 和大 原田 知広 疋田 渉 姫本 宣朗 平林 久 平松 尚志 福崎 美津広 藤本 眞克 二間瀬 敏史 前田 恵一 松原 英雄 水澤 広美 蓑 泰志 宮川 治 三代木 伸二 向山 信治 森澤 理之 森脇 成典 柳 哲文 山崎 利孝 山元 一広 横山 順一 吉田 至順 吉野 泰造
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 (ISSN:13428349)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, 2006-03-04
著者
内田 九州男 竹川 郁雄 寺内 浩 山川 広司 加藤 好文 川岡 勉 加藤 国安 小嶋 博巳 河合 真澄 関 哲行 弘末 雅士 稲田 道彦 大稔 哲也 野崎 賢也 伊地知 紀子 松原 弘宣 西 耕生 田村 憲治 神楽岡 幼子 黒木 幹夫 菅谷 成子 若江 賢三 藤田 勝久 高橋 弘臣 吉田 正広 木下 卓 矢澤 知行 岡村 茂 石川 重雄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

シンポジウム・研究集会を3年開き31本の報告を実現、各発表は報告書に掲載した。巡礼の諸相の解明では、日本の四国遍路、熊野参詣、西国巡礼、海外では10巡礼地を調査し、キリスト教世界(古代東部地中海、中世ヨーロッパ、スペイン中近世、イギリス中世・現代)、古代ギリシア、アジア(中国中世、韓国現代、モンゴル中世、エジプト中世、ジャワ中世)の巡礼で実施。国際比較では、日本の巡礼とキリスト教巡礼での共通性は中近世では来世での霊的救済と現世利益の実現を願うことであることを示した。
著者
園部 真美 恵美須 文枝 高橋 弘子 鈴木 享子 谷口 千絵 水野 千奈津 岡田 由香
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.233-240, 2008-03-25

本研究は,地域住民のボランティア活動に関する意識の実態を把握することを目的とし,大学主催のボランティア講演会参加者を中心とする計94名を対象として,質問紙調査を実施した。対象者の性別は女性が88.3%平均年齢は44.8歳であった。過去のボランティア活動経験者は40.9%,現在の活動者は16.7%,その内容は,過去現在ともに「障害児(者)」「子ども」の割合が多かった。ボランティア活動をしていない理由の「機会がない・きっかけがない」という者の中に,潜在的ボランティア活動希望者がいることが示唆された。ボランティア活動の魅力は,他者の利益のためと自分のためにする場合の二つがあることが明らかとなった。自分にできる子育てボランティアとして「赤ちゃんの面倒をみる」「上の子の遊び相手をする」が多かった。ボランティア希望者と利用者とをつなぐコーデュネーターの役割をとる人材育成や組織作りが今後の課題である。
著者
岡田 由香 大林 陽子 緒方 京 神谷 摂子 志村 千鶴子 高橋 弘子
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

看護系大学を拠点に地域と連携し、未就園児とその養護者を対象とした子育て支援事業を通して、子育て支援ネットワークを確立し、継続的な子育て支援活動を定着させるシステムの構築に取り組んだ。結果、大学-行政-地域という子育て支援ネットワークによる子育て家族への支援、学生への生きた教育現場の提供について成果を確認することができ、看護系大学の特色を活かした子育て支援活動のシステムを機能させる事業へと継続された。
著者
高橋 弘
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.p141-150, 1993-12

下垂する花を持つキイジョウロウホトトギスとスルガジョウロウホトトギスの花部生態学的研究を, 直立する花を持つ他のホトトギス属植物のそれと比較しつつ行った。これらの花は同調的に開花せず, キイジョウロウホトトギスは約5日間, スルガジョウロウホトトギスは約4日間咲いている。両種とも雄性先熟で, 葯は花被が開く前に裂開している。開花の後半に, 柱頭が成熟して雌性期となる。ポリネーターはトラマルハナバチだけで, 下方の花被片の内面に止まって, そのまま這い上がり, 外花被片の基部にある短距に分泌される花蜜な吸う。その際, 雄性期の花では葯のみに, 雌性期の花では柱頭と葯に背面が触れる。トラマルハナバチは, 通常, そのままの姿勢で頭部のみを動かして3つの蜜腺から吸蜜してから後ずさりをして出て来るので, 上方にある葯や柱頭には触れない。従って, 雌性期になっても上方の葯に大量の花粉が残っていることが多い。しかし, これらの種では, 直立する花のように花柱枝の二叉部が雌性期に葯に接近することはないので, 自動的同花受粉は起きない。これらの花では上方にある葯の大量の花粉が無駄になるが, これは花粉/胚珠の比率が高いことと, 花粉がほとんど盗まれないことにより, その影響が少ないように思える。また, 花は長命のため, 長い受粉可能期間がある。少なくともキイジョウロウホトトギスは4日間, スルガジョウロウホトトキスは3日間一様に花蜜を出すように見える。これは他花受粉型のキバナノホトトギス等が2日間しか咲いていないのと, 対照的である。Primack(1985)のモデルは, ポリネーターの訪花率が低く新しい花を作る相対コストが高いときに, 長命の花が生ずることを予測している。ジョウロウホトトギス節の植物はトラマルハナバチの訪花頻度が比較的低く, また大きな花を着けるので, この予測に合致する。花柱枝が二裂するというホトトギス属植物の特質は, 直立型の花では, 雌性期に外輪雄蕊の葯を跨いで柱頭が下方に来るという形態により, 大型ハナバチ受粉に適応しているように見える。下垂型の花ではそれと同様な意義を見い出せないが, 上方にある柱頭がほとんど受粉しないので, 柱頭面積を広く確保するという意味があるのかも知れない。直立型の花は丁字着の葯が外向裂開して, 大型のハナバチが乱暴に動いても葯はほとんど痛めつけられずに, ハチの背面に裂開面をうまく当てることができる。下垂型の花ではハチはほとんど下方の葯にしか触れないので, もし外向裂開であればその直下を通過したときにだけ効率よく花粉を受け取られるであろうが, 側裂開で葯の向きを自由に変えられる丁字着のため, 側方の葯からも花粉を拭き取られるようである。直立型の花では, 蜜腺が内花被片基部の左右の張り出しにより覆い隠されているが, ジョウロウホトトギス節の花では隠されていない。これは盗蜜者がいないこと, 下垂するため雨水が入る恐れがないことなどと関係があると思われる。以上のような花部生態学的特性から見ると, ホトトギス属では, 下垂する花は直立する型から由来したと考えるのが自然のように思える。
著者
高橋 弘太 蔦木 圭悟 吉原 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.337, pp.227-232, 2008-12-02
被引用文献数
2

高齢者に確実に音声を聞き取らせるには,どうしたらよいか,また健常者に対しては,短い時間でより多くの音声を聞き取らせるには,どうしたらよいか.これらの研究を行うためには,正確な時間管理のもと,同じ音声を同じ話者が話速を変えて発声した音声のデータベースが必要である.しかし,現時点では,そのような目的で大規模に作られた音声データベースは存在しない.そこで,我々は,平成20年度〜平成22年度の科研費の研究として,さまざまな話速で録音した音声データベースを構築している.今回は,このデータベースの紹介を行うとともに,会場で音声の研究者の生の意見やコメントをうかがって,今後のデータベース作りに反映させていきたいと考えている.また,我々は,音声データベース作成のために,話速を正確に管理しつつ録音できるシステム(原稿提示システム)も製作した.システムはパソコン上で動くもので,将来は,このソフトも公開して,電通大外でも音声を追加できるようにしたいと考えている.当日は,このシステムの機能と,どのような工夫がなされているかについても紹介したい.
著者
高橋 弘司 野口 裕之 安藤 雅和 渡辺 直登
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.113-123, 1999-11-20
被引用文献数
1

Organization image, defined as psychological reproduction of organization made by individual who is a member of or is involved in the organization, has been less examined in the past research. Instead, quite a few research dealing with "non-membership" image, which was built by non-member or non-involved person of the organization, have been conducted. It is inconsistent with the definition of image literally, which has an affinity for impression toward object. In this article, we developed a new scale to measure membership image of organization, tested its reliability and validity, and revealed item characteristics of the scale items using graded response model of Item Response Theory (IRT). Questionnaire survey was executed to 3,412 university, college, or junior college students who were informally promised their first job employment. Results of exploratory factor analysis showed that factor structure was consistent with the notion on which the scale was based, and discriminant validity of the scale and reliability of each subscale yielded as high. Results brought by IRT analyses also showed general tendencies that each value of item characteristics parameter emerged high in discriminant and relatively low in difficulty. Further discussion was made about (1) dimensionality of the scale and its overall feasibility; (2) psychodynamic account for organizational image; and (3) future direction to improve validity of the scale.