著者
浅野 輝子 服部 しのぶ 村井 はるか 津田 守 花村 加奈子
出版者
名古屋外国語大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

あいち医療通訳システム認定者にアンケート調査を行い、派遣実績調査報告書をまとめた。オーストラリアとニュージーランドにて医療通訳者にインタビューし、海外での実情を調査した。日本通訳翻訳学会第16回年次大会において研究発表を行い、あいち医療通訳システムの全国的周知が出来た。国際医療通訳シンポジウム&ワークショップを行い、国内外の現状、課題点について意見交換が出来た。日本語を話す世界中の医療従事者向けに「Introduction to Healthcare for Japanese-speaking Interpreters and Translators」を出版した。
著者
蛭子 はるか
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

脳神経系の細胞構築には、大脳皮質に代表される「層構造」と脳深部に存在する「神経核構造」の2つがあり、脳神経系の形成メカニズムの統合的理解にはこの両者の理解が必須である。従来、大脳皮質などを用いて層構造の形成メカニズムは集中的に解析されてきたが、神経核構造の形成メカニズムは不明な点が多かった。そこで、申請者は神経核構造に着目し、マウス視床をモデルとして神経核のパターン形成の分子メカニズムを解析してきた。具体的にはこれまでに、予定視床領域で転写因子Foxp2の発現量が前後軸方向に勾配を持つこと、また機能不全型のFoxp2を発現するFoxp2(R552H)ノックインマウス(以下ノックインマウスとする)を用いて、Foxp2が視床パターン形成および視床皮質軸索投射を制御することを示した。さらに、Foxp2を発現制御する上流分子を同定するために子宮内電気穿孔法を用いて、視床の外から分泌され視床パターン形成を制御するFGF8bの発現を操作した。FGF8bを過剰発現した結果Foxp2の発現は抑制されたことから、FGF8bはFoxp2の上流である可能性がある。平成27年度はまず、視床パターン形成におけるFoxp2の視床自律性について検討した。具体的には、子宮内電気穿孔法を用いてFoxp2 shRNAを視床に導入した結果、ノックインマウスで見られた視床パターン変化と同様の変化が観察された。すなわち、視床パターン形成は視床内のFoxp2が制御していることが示唆された。また、ノックインマウスで観察される視床パターンの変化がより早期の胎生期から生じているか検討するために、胎生14.5日齢のノックインマウスで視床亜核マーカーの発現分布を解析した結果、既に視床パターンは変化していた。このことは、胎生期よりノックインマウスの視床パターン形成における表現型は出現していることを示唆している。
著者
宮崎 邦洋 大知 正直 米良 はるか 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

近年、ウェブ上で不特定多数の人に資金提供を呼びかけるクラウドファンディングというサービスが普及しつつある。しかし、資金獲得の要因分析はあまり行われていない。本研究では資金獲得に寄与しているプロジェクトの要因を明らかにすることで、プロジェクト達成率向上を目指す。クラウドファンディングが普及することは、人々が自らの善意に従って行動できるようになることにつながる。
著者
小宮山 櫻子 中原 はるか 津田 幸子 吉村 恵理子 室伏 利久
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.493-500, 2013-12-31 (Released:2014-02-01)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

The purposes of this study was to elucidate the clinical characteristics of patients suffering from migraine-associated vertigo (MAV) including results of cervical vestibular evoked myogenic potential (cVEMP) and ocular VEMP (oVEMP). Thirty patients diagnosed as having MAV based on the diagnostic criteria by Sakata et al. were enrolled. We performed a retrospective chart review. These patients underwent medical history taking and examinations including cVEMP, oVEMP and a caloric test. All examinations were performed during a symptom-free interval. Twenty one patients (70%) experienced rotatory vertigo, 5 patients (17%) had floating dizziness and 4 patients (13%) had both. Twenty six patients (87%) reported tinnitus and/or aural fullness unilaterally or bilaterally. Their vertigo or dizziness lasted under 60 minutes in 10 patients (34%), 1 hour to 24 hours in 14 patients (46%), and over one day in 5 patients (17%). Canal paresis in the caloric test was observed in 5 patients (17%). Concerning cVEMP, 4 of the 30 patients (13%) showed absent cVEMPs bilaterally, 2 patients (7%) showed absent cVEMPs reflexes unilaterally, and one (3%) demonstrated decreased cVEMP amplitudes unilaterally. Only one patient showed prolonged cVEMP latencies. Concerning oVEMP, 6 of the 30 patients (20%) had absent oVEMP reflexes bilaterally, 2 (7%) had absent oVEMP reflexes unilaterally, and one (3%) had decreased oVEMP amplitudes unilaterally. In 2 patients prolonged oVEMP latencies were observed. No significant correlation was observed among cVEMP, oVEMP and the caloric test. This study showed abnormal vestibular reflexes could be shown by oVEMP as well as the caloric test and cVEMP. It was suggested that a portion of those patients with MAV have abnormal otolith-ocular reflexes.
著者
木村 はるみ
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

神楽に代表される動作名称の不明な日本の舞の動作特徴を映像資料から抽出することを目的とした。具体的には、春日大社・金刀比羅宮・出羽三山神社・住吉大社の4神社の巫女舞を調査対象とし、身体動作の国際記譜システムであるLabanotation法ならびにYourMove法を使って動作特徴について考察した。さらに、日時・装束・着付け・髪型・道具類など動作以外の情報も重要に機能しているジャンルのため、歴史学的視点からの文献資料・絵画資料・舞譜などの有形資料の収集と伝承形態・現状などのインタビューによる調査を行った。時間的に伸縮する日本音楽の特徴を示す巫女舞の歌を五線譜で採譜し、その流れに沿って舞の概要をYourMove法で記譜すると、舞の構造の中に形式と繰り返しによる所作の特徴が確認できた。編集ソフトを通して30分の1秒での動作観察を行いYM法でスコア化すると舞の動作イディオムのレペティションが様々なヴァリエーションでシンメトリカルに現出する事が確認された。本来家族伝承であった舞の継承には、4神社とも親子のような年齢間隔で指導者的な女性が存在し口頭で伝承しており、3世代にわたる指導形態を維持していた。4神社の舞は類似する同一的な特徴も示しているが、個別性、差異性もあり、神社内では再興や復興の努力が見られたが、廃絶したものや、形を変更したものもある。文字資料や絵画資料・写真などは、当時を思わせるが、数少ない断片からでは、失われた時間を繋ぐのは難しい。舞踊や芸能の発生研究は、現代のなかで希薄になり形骸化してしまった身体文化に過去からもたらされる恩寵であり、叡智である。こうした無形文化遺産を21世紀にふさわしく継承し人間の身体が本来もっている叡智を甦らせることは我々の使命と思われた。継承者不足や廃絶・変形の危機にある神楽などの日本文化の継承・保存・復刻にこの研究が役立てば幸いである。
著者
馬場 ちはる 佐藤 美幸 松見 淳子
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.26-42, 2013

通常保育場面ならびに通常学級には多様な行動を示す幼児・児童・生徒が在籍しており、支援ニーズのあることが明らかにされている。その対応策として、問題行動の低減と望ましい行動の増大における効果が報告されている機能的アセスメントに基づく支援が挙げられる。本研究の目的は、通常学級における機能的アセスメント研究のレビューを行い、それらの研究が1)通常学級で求められている多様な参加者、幅広い標的行動、統合場面、先行事象への着目、教師による支援実施に到達しているか否かを明らかにすること、および2)支援の効果を検討することであった。そのために、1982-2010年に出版された国内外の通常学級における機能的アセスメント研究39本を対象に、「出版年」、「参加者属性」、「標的行動」、「場面」、「アセスメント」、「支援」および「評価」の各項目に関して分類・分析を行った。その結果、参加者の有する診断は多様であり、統合場面でのアセスメントや支援の実施、先行事象の考慮、および教師による支援の実施がなされていたことが明らかとなった。支援では、妨害/攻撃行動を対象にその有効性が確認された一方で、新たな研究の方向性として静かで目立だないが授業参加では問題となる多様な行動(例えば、手遊びなど)への応用が考えられた。今後、望ましい行動の促進を目指した実践も含め、機能的アセスメントのさらなる応用と普及が期待される。
著者
薬師院 はるみ
出版者
京都大学
雑誌
京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 (ISSN:13471562)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.231-238, 2005-03-31

本稿は、2004年10月14日、「都市の発展と図書館サービス」というテーマのもと、上海図書館にて第3回国際図書館学セミナーと合同で開催された第2回国際図書館フォーラムの第4部会「図書館と都市の知識基盤」における発表を和訳したものである。この発表の目的は、図書館界における情報化傾向の影響を、非技術論的かつ非戦略的な側面から考察することにあった。すなわち、この傾向の背後で、図書館観および図書館員像が変容しつつあるということに着目したのである。具体的には、米国の作家ニコルソン・ベイカーが、図書館に対して行った一連の抗議活動を追跡するとともに、それらの活動が引き起こした論争についての再検討を行い、この作業を通じて、情報化時代において図書館の世界にもたらされつつある変化についての考察を行った。その結果、図書館でコンピュータ化が進められたことは、図書館専門職と旧来の図書館愛好家との間に、一種の認識論的な次元での断絶を生み出したことが明らかになった。加えて、この断絶は、旧来の図書館および図書館員の価値評価問題を内包しており、それがベイカー論争の基底をなす係争点であるという事実もまた、合わせて解明された。
著者
小池 はるか 吉田 俊和
出版者
高田短期大学
雑誌
高田短期大学紀要 (ISSN:09143769)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-9, 2012-03

目的は,共感性・社会考慮と公共の場における迷惑認知との関連を検討することである。その結果,社会考慮の高い者は,一部迷惑行為をより迷惑と認知していることが明らかになった。また,共感性の低い者は,行為を受けた場合には自己の視点から判断をするという結果が認められた。一方,共感性の高い者は自己の視点のみを取ることはしないものの,自分以外の被害者の視点を取得する場合と,行為者の視点を取得する場合があることが確認された。
著者
古谷 大輔 立石 博高 大津留 厚 小山 哲 中本 香 中澤 達哉 後藤 はる美 近藤 和彦
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、近世ヨーロッパ周縁部の国家編成に見られた地域統合の方法と論理に着目し、戦争・内乱などの背景に立ち現れる普遍的な秩序観や君主観の存在、そうした観念に基づいて実践された統治者と地域社会の交渉、その結果としての多様な結合関係を比較した。その結果、普遍的な秩序観や君主観を脊柱としながら複数の地域が集塊する、近世ヨーロッパに普遍的な国家の輪郭を、「礫岩国家」として結論づけた。
著者
後藤 はる美
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.121, no.10, pp.1685-1720, 2012-10-20

Catholicism, as "recusancy", became a crime prosecutable in the secular courts of early modern England after the introduction of the "recusant penal laws" during the 1580s. Recusancy, however, remained one of the least effectively prosecuted crimes throughout the seventeenth century. This was especially true in the north of England, remote from the centre and close to the northern border. The present case study concentrates on a lawsuit brought before the Star Chamber in London which was fought between groups of leading magistrates of the East Riding of Yorkshire. The case stemmed from a conflict that arouse among local justices over a much-disputed recusant prosecution at the quarter session at Pocklington (Yorkshire) in January 1615. The conflict flared up against a backdrop of heightened rivalries among leading Yorkshire gentry, which were reinforced by religious antagonism. The conflicting reactions of magisterial factions on recusant proceedings caused various interactions and subtle negotiations among the justices and between them and the grand jury, which played a crucial role in indicting recusants. The interplay among those involved, reconstructed from the interrogatories, depositions and witnesses, highlights several problems that existed in enforcing the recusant penal laws in the north of England. It also illuminates different stances adopted by individual justices and the grand jury and their influences at different points in the legal process. Furthermore, the allegations of litigants and their alleged conduct both testify to how they justified themselves at the two courts in question, one in the centre (the Star Chamber) and the other in the locality (the quarter session at Pocklington). By reconstructing process of recusant prosecution, the author describes the negotiations that took place among the conflicting justices and the grand jury, each of them acting according to the rules of law and locality. The two courts bacame strong magnetic fields to which were drawn intersecting polemics of Catholic/Protestant, old/new, and the justices/the grand jury dichotomies. It was a process in which people fought, achieved and maintained order in their locality, thus determining the practices regarding recusancy and its prosecution in the North. Furthermore, participation of individual subjects in this judicial process itself worked as an important opportunity for forging how order in the kingdom would be constituted.