著者
山崎 美惠子 梶本 市子 矢野 智恵 吉田 亜紀子 中井 寿雄 石川 由美 片岡 亜沙美 中平 紗貴子 岡本 雅佳 高藤 裕子 大沢 たか子 三浦 かず子 棚田 秀子 吉村 澄佳 池畠 千恵子 岡林 美枝 小島 一久
出版者
高知学園短期大学
雑誌
高知学園短期大学紀要 (ISSN:03894088)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.73-80, 2011-03-10

看護学教育のあり方に関する検討会報告で提示された「看護実践能力習得のためにコアとなる臨地実習(平成14年3月26日)」を指針として、本学看護学科の7領域看護実習中における看護実践能力習得の現状の把握と課題を明らかにした。 看護実践能力に関する課題(5項目)、人間関係形成能力に関する課題(7項目)、臨床判断・問題解決能力、マネジメント能力に関する課題(3項目)、看護専門職の役割・責務に関する能力に関する課題(2項目)が得られた。また指針で示されている到達目標の基盤となる「成熟性」に関する課題が新たに抽出された。これらの課題についてさらに検証が必要であるが、本学独自の教育への取り組みの方向性が明確になり、教育の「質」改善にむけた方法の示唆を得た。
著者
関口 高志 三浦 龍 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.171-181, 1997-02-25
被引用文献数
8

比帯域幅の広い広帯域信号に対応したビームスペース形構成のアダプティブアレーアンテナを提案する. マルチビームフォーマ部は, それを構成する各ディジタルビームフォーミング回路にタップ付遅延線回路を用いて, 広帯域信号を通過できるように構成した. タップ付遅延線回路の荷重係数は, 各ディジタルビームフォーミング回路の位相特性が同一となり, かつ指向特性が周波数にほとんど依存しないように決める. マルチビームフォーマに続くビームセレクタでビームを選択し, それらのビームの線形結合により干渉信号を抑圧する. これらの線形結合係数は適当な適応アルゴリズムで制御する. 提案する構成は, タップ付遅延線回路を用いたエレメントスペース構成のアダプティブアレーに比べて, 制御すべき荷重の数は著しく少ない特徴をもつ. 適応アルゴリズムにCMA(Constant Modulus Algorithm)を用いた計算機シミュレーションにより, エレメントスペース構成に比べて収束が早く, 干渉波抑圧能力も遜色ないことを示す.
著者
三浦 寛也 長尾 確 平田 圭二
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ディスカッションマイニングとは,会議における活動を複数メディアで記録し,そこから再利用可能な知識を抽出するための技術である.音楽理論とは,音の時系列を構文解析する技術である.本研究の目的は,音楽理論GTTMの手法を用いて議論を「構文解析」することである.本稿では,議論タイムスパン木の生成方式について計算機上に実装する手法を提案し,プロトタイピングシステムの有効性について検討する.
著者
三浦 郁夫
出版者
広島大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

生殖腺の性差構築の遺伝的仕組みには、動物間で著しい多様性が存在する。本研究は、性決定様式(XY型とZW型)、性染色体の分化、性ホルモンに対する感受性において、地域集団で多様性を示すツチガエルを用いて、生殖腺における性分化関連遺伝子の時間・空間的発現プロフィールを比較解析し、生殖腺の性差構築における多様性と普遍性の分子基盤の解明を目的として行った。昨年度、ZW雌の生殖腺では、Cyp19遺伝子の発現が性ホルモン処理でも変化しないことから、その高発現の維持が性転換に抵抗性を示す仕組みの一つと予想された。そこで、本年度は、Cyp19遺伝子の制御遺伝子候補として、未分化生殖腺でCyp19の雌雄差発現開始より早い時期に雌雄差発現を示す性連鎖遺伝子Sox3遺伝子の機能解析を行った。Sox3コンストラクトを受精卵に導入したF0の2個体からF1を作成して、生殖腺の表現型と遺伝子発現を調べた。その結果、Sox3が導入されたZZ幼生(受精後30日)の生殖腺は精巣構造を維持していたが、本来、卵巣で高い発現を示すFoxl2遺伝子の発現が有意に上昇した。さらに、変態後にはZZ個体においてCyp19の発現の上昇と精母細胞の欠如が観察された。同様の実験について、XY幼生(30日)で調べたところ、Foxl2に加え、Cyp19も有意に上昇し、20個体中1個体では卵巣様の構造も観察された。一方、Sox3遺伝子の翻訳を阻害するMorpholinoを作成し、受精卵に導入したところ、13個体のZW幼生(30日)のうち、5個体では精巣構造が観察された。ただし、生殖腺特異的遺伝子の発現に変化は見られたなかった。以上の結果は、ZW集団では性連鎖遺伝子Sox3がCyp19やFoxl2遺伝子の発現制御を通じて卵巣分化を誘導しており、その構成的発現が性ホルモンに対する生殖腺性分化の感受性に影響していることが示唆された。
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011-01-30
参考文献数
19
被引用文献数
2

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.<br>
著者
三浦 一朗
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

史学史ないし史学思想史において従来空白期間として扱われてきた近世中期について、読本を視座として、歴史観より外延を広げた歴史意識という概念に基づいて再検討し、そこに、歴史や記録に残らない庶民の過酷な生に目を向けようとしたり、人間の生をめぐる理不尽さや不条理さを歴史の中に見出したりするような関心のあり方が窺えることを明らかにした。本研究ではその一端を示したに過ぎないが、こうした関心のあり方が、近世歴史意識に対する一般的な認識としてある鑑戒史観や皇国史観という枠に収まらないものであることは明らかである。本研究の成果は、そうした近世歴史意識に対する従来の見方を相対化し、修正するための第一歩として位置づけられる。
著者
三浦 猛 岡本 直幸 今泉 明 山本 浩史 村松 孝彦 山門 實 宮城 洋平
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-55, 2011-06-30
被引用文献数
3

<b>目的:</b>血漿中アミノ酸濃度は,生理学的な代謝状態を反映することが知られており,肝臓機能障害時や種々のがんで血漿中アミノ酸濃度が変化することが示唆されている.前立腺がんの早期発見,治療につながる新しい診断マーカーの開発を目的とし,前立腺がん患者と対照者との血漿中アミノ酸濃度の比較に基づき,アミノ酸を変数とした多変量解析により作成した判別式「アミノインデックス」による前立腺がん判別の可能性を検討した.<br><b>方法:</b>前立腺がん患者と対照として人間ドック受診者の血漿中アミノ酸濃度を測定した.患者群と対照群とのアミノ酸濃度を比較し,個々のアミノ酸濃度変化を,変数選択を伴う多重ロジスティック回帰により,前立腺がん患者を判別する判別式「アミノインデックス」を導出,前立腺がんの診断能の評価を行った.判別能の評価基準としては,ROC曲線下面積(ROC_AUC)を採用した.<br><b>結果:</b>対照群と比較し,前立腺がん患者は,Alanine, Histidine,Asparagine, Prolineの増加,Triptophanの減少が見られた.導出された前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,ROC_AUC=0.74の判別能を有し,早期がんも検出できた.またPSAとは有意な相関は見られなかった.<br><b>結論:</b>前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,前立腺がんの新しい診断マーカーとなる可能性が示された.また,PSAと独立した指標であることから,PSAとの併用による有用性が示唆された.
著者
村山 綾 三浦 麻子
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.81-92, 2014
被引用文献数
2

本研究では,集団討議で生じる葛藤と対処行動,およびメンバーの主観的パフォーマンスの関連について検討した。4名からなる合計17集団(68名)にランダムに配置された大学生が,18分間の集団課題を遂行した。その際,討議開始前,中間,終了時に,メンバーの意見のずれから算出される実質的葛藤を測定した。また討議終了時には,中間から終了にかけて認知された2種類の葛藤の程度,および葛藤対処行動について回答を求めた。分析の結果,集団内の実質的葛藤は相互作用を通して変遷すること,また,中間時点の実質的葛藤は主観的パフォーマンスと関連が見られないものの,終了時点の葛藤の高さは主観的パフォーマンスを低下させることが示された。関係葛藤の高さと回避的対処行動は主観的パフォーマンスの低さと関連し,統合的対処行動は主観的パフォーマンスの高さと関連していた。関係葛藤と課題葛藤の交互作用効果も示され,課題葛藤の程度が低い場合は,関係葛藤が低い方が高い方よりも主観的パフォーマンスが高くなる一方で,課題葛藤の程度が高い場合にはそのような差はみられなかった。葛藤の測定時点の重要性,および多層的な検討の必要性について議論した。<br>
著者
田渕 恵 三浦 麻子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.632-638, 2014
被引用文献数
4

This study examined the effects of the reactions of younger adukts toward older adults on the psychological attributese and behavior of elderly. Participants were 34 older male adults aged 60-82 years. They completed a questionnaire on generativity before and after the experimental condition, and were also observed taking flyers on different topics after the experiment. They were assigned to the younger condition or the same generation condition. In both conditions, the participants were asked to talk to recipients about experiences from their youth and the wisdom they have gained. The recipients responded to the participants in either a positive or a neutral way. The results showed that generativity was promoted most when the younger recipients responded in a positive manner, whereas the neutral reactions of younger recipients led to the inhibition of generativity. Younger persons' positive reactions promoted the participants' helping behaviors, as indicated by the flyers they took. The present study shows increases in the generativity of the elderly following positive reactions from younger recipients not only on questionnaires but also in an experimental setting.
著者
田中 樹 真常 仁志 三浦 励一
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

西アフリカの砂漠化地域において、「危機の年」と対処行動の特定、在来の情報技術伝播経路の解明、対処技術の開発を行なった。その技術は、風食抑制と収量向上を可能とする「耕地内休閑システム」、生計向上と水食抑制に有効な「ザイ+アンドロボゴン草列」および従来の普及法の大幅な改善と社会的弱者層の可視化を可能とする「社会ネットワーク手法を用いる技術普及法」である。一部の技術は、ニジェール国内で普及段階に至った。