著者
三浦 秀之
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.18-46, 2010-11-15

The "55-year system" (55-nen taisei) under the LDP-led government contributed to the institutionalization of policy making in Japan after 1955. In this regard, the prevalence of a strong tripartite relationship between the LDP agricultural politicians (Norin-Zoku), the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries (MAFF) and the Japan Agricultural Cooperatives (JA) in policy-making protected the agricultural sector in Japan. However, the premiership of Junichiro Koizumi from 2001 to 2006 saw the emergence of a top-down approach in policy formulation in Japan. Analyzing recent policy initiatives in the agricultural sector, I found that the top-down approach in policy-making under the Koizumi leadership contributed to the successful removal of trade barriers on some agricultural products in FTA negotiations. However, changes in leadership style and in the policy-making process were insufficient to fully liberalize Japan's highly sensitive agricultural sector, especially with respect to the imports of rice due to strong opposition from the LDP agricultural politicians. In this paper, I examine how the change from the "55-year system" to Koizumi's top-down management style has influenced the pace of agricultural liberalization in Japan and why, despite the new policy-making approach, a complete liberalization of sensitive agricultural products, especially rice, did not take place. In particular, I examine how each actor pursued the protection of sensitive agricultural products.
著者
三浦 豊彦
出版者
労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.p375-389, 1986-08
被引用文献数
1
著者
三浦 収
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、宿主と寄生生物の相互作用に着目して、進化生態学の重要課題である生物多様化機構を解明することである。本年度は、前年度に得たアメリカ熱帯地方のデータの補強と日本で得た宿主(Cerithidea)と寄生虫(二生吸虫)のデータ解析を行い、太平洋を挟んだアメリカ-アジア間で生じた宿主の種分化が寄生虫の多様化に及ぼす影響を明らかにすることを目標とした。まず初めに、日本のCerithideaに感染している寄生虫相を明らかにするために、日本に生息する5種のCerithideaの解剖実験を行った。その結果、合計32種の寄生虫を得ることができた。これらの寄生虫とアメリカの寄生虫との関連性を分子系統学的な手法を用いて比較したところ、アメリカとアジアの寄生虫は比較的古い時代に分化していたことが明らかになった。特に注目すべき点として、アジアに生息するCerithidea largilliertiはアメリカに生息するCerithideaと近縁な関係にあるにも関わらず、その寄生虫はアジアで見つかった他の巻貝に感染する寄生虫に遺伝的により近縁であることが明らかとなった。このことは、太平洋はこれらの寄生虫にとって越えることの難しい障害であることを示すと共に、C.largilliertiに感染している寄生虫はアジアの他の巻貝から寄主転換をしたことを示している。これらの結果は、地理的に大きく隔てられている集団間では共種分化よりも寄主転換が二生吸虫の多様化に大きな影響を及ぼす可能性を示唆している。

1 0 0 0 OA 瓜哇古面譜

著者
三浦秀之助 編
出版者
だるまや書店
巻号頁・発行日
1923
著者
山藤 千草 杉山 美紀子 三浦 健太郎 北見 由季 末木 博彦 飯島 正文 山本 雄一 上里 博
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.355-359, 2006 (Released:2011-02-18)
参考文献数
18

71歳,男性。40年来熱帯魚屋を経営している。約4ヵ月前より右手背の紅斑に気づき,ステロイド外用剤で加療するも軽快せず当科を受診した。初診時,右手背に24×20mmの暗紅色の扁平に隆起した浸潤性紅斑を認めた。病理組織所見では非乾酪壊死性類上皮細胞性肉芽腫像を示した。組織のZiehl Neelsen染色では抗酸菌は陰性だったが,組織片の塗抹標本では全視野で1~4個の抗酸菌を認めた。組織片の培養(小川培地)では表面が淡いクリーム状のコロニーを認め,生化学的性状より本菌をMycobacterium(以下M.)marinumと同定した。さらに分離培養株を対象にPCRおよびダイレクトシークエンス解析を行いM. marinumと確定した。塩酸ミノサイクリン 200mg/日の内服で8週間後に瘢痕治癒した。
著者
伊勢 雄也 恩田 光子 三浦 義彦 島崎 真知子 川田 佳子 萩原 研 片山 志郎 菊池 有道 亀井 美和子 小林 宏司 白神 誠
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.6, pp.1021-1025, 2007 (Released:2007-06-01)
参考文献数
9
被引用文献数
2 5

The contents of pharmacist interventions, which were carried out by the ward pharmacists in their routine pharmacy service activities, were sorted and analyzed to evaluate the contributions of pharmacists. In the ward where pharmacists were stationed, there were a total of 196 cases of pharmacist intervention. The prescription was changed in 170 cases, giving a rate of prescription change of 86.7%. The breakdown of the pharmacist intervention was as follows: “efficacy/safety”, 106 cases, followed by “dosage regimen” (48 cases) and “compliance” (10 cases). Cost savings achieved during the investigation period were calculated to be 440,639 yen, and cost avoidance was valued at 1,941,847-3,883,695 yen using the Diagnosis Procedure Combination (DPC). The results of the present investigation showed that pharmacists contribute to through not only their pharmacy services, but also through the promotion of proper drug use and risk management, thereby contributing to hospital management through cost savings and avoidance.
著者
三浦 悌二
出版者
帝京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

今回の研究対象としたハッテライトは、ヨーロッパ、ロシアを経て、19世紀末にアメリカ、カナダに移住したキリスト教の一派で、きわめて多産な集団として有名である。研究代表者が今世紀前半の日本のデータから推測した「季節性の不妊」が、この集団にも起っているかどうかを知ることが今回の研究の基本的な目的であった。出生結婚などが書かれた家族単位の台帳を入手し、計算機に入力して解析を行なった。1.出生の季節性とその長期変動:ハッテライトの結婚の季節には大きな偏り(10月と11月、近年ではさらに6月が多い)があり、第1子の出生季節に強く影響していた。この影響を除くと、春と秋にやや多く、初夏に少ないという、かつてのヨーロッパや日本と類似した型であったが、その変動幅は年平均を中心として±10%未満であり、とくに20世紀に入ってからは変動が小さかった。2.結婚初産間隔:1966年以降生れの母親では中央値が10.5か月と短く、19世紀の12〜15か月と比較しても短かかった。この結果からは、この集団の潜在的出産力が近年減少しているという見方は支持できない。3.母親の出生季節別にみたハッテライトの出生季節性:初夏の出生数の減少が環境中の季節性不妊因子によるとする仮説を、この季節生れの母親が年間平均して出産していた日本のデータから提唱してきた。同様にして今回の集団で、第1子を除いた出生の季節分布を母親の出生季節別に比較したが、各群に顕著な差は認めなかった。4.双生児出産の季節性と母親の出生季節:この集団の双生児出産頻度は0.9%と、一般の西欧白人の1.1%に比べて高くなかった。しかし5ー7月での頻度が少なく、また5ー7月生れの母親で異性双生児が有意に少なかったことから、季節性にはたらく環境要因が、多排卵、もしくは双生児の着床・妊娠の維持に作用している可能性も考えられた。
著者
桜井 光一 三浦 俊明 小木曾 健人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.1034-1039, 1986-11-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
21
被引用文献数
4

Protective effects of several hydroxyl radical (HO·) scavengers and superoxide dismutase on alloxan-induced diabetes were studied in vivo. Thiourea, methylthiourea, dimethylthiourea and ethanol, HO· scavengers (type 1), which easily cross cellular membranes, protected initial- and permanent-hyperglycemia. In contrast, mannitol and sorbitol (type 2), which can not cross cellular membranes, protected initial-hyperglycemia, but did not protect permanent-hyperglycemia. Furthermore, superoxide dismutase which is not expected to be incorporated into pancreatic β-cell, strongly protected initial-hyperglycemia but partially protected permanent-hyperglycemia. These results suggest that HO·primarily damages the β-cell membranes by acting at or neat a site involved in insulin release, and subsequently damages the intracellular components. From these results, the possible protective mechanism of these scavengers was discussed.
著者
三浦 篤
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

マネの主要作品について19世紀当時の批評を調査し、その受容の様相を分析した。取り上げたのは《草上の昼食》、《オランピア》、《エミール・ゾラの肖像》《フォリー・ベルジェールのバー》、《鉄道》の5点で、その批判的な反応から、マネの作品が主題の扱い方、様式・技法のレベルにおいて、いかに当時の美的な基準を逸脱していたかが明らかになった。本質的には、マネの絵の曖昧さや多義性が観者の読解を混乱させたのである。
著者
三浦 典之 溝口 大介 ユスフ ユスミラズ・ビンティ・ 桜井 貴康 黒田 忠広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.250, pp.73-78, 2004-08-12
参考文献数
7
被引用文献数
2

スタックチップ間を,誘導結合を利用して無線通信する手法を提案し,この際に用いるインダクタと送受信回路の最適化手法を提案する.0.35μmCMOSテクノロジを用いたテストチップで正当性を評価し,1.25Gb/s/chを46mWの電力で達成した.
著者
田口 洋美 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 三浦 慎悟 高橋 満彦 原田 信男 白水 智 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 原田 信男 白水 智 三浦 慎悟 神崎 伸夫 前中 ひろみ 高橋 満彦 岸本 誠司 中川 重年 梶 光一
出版者
東北芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究が開始された翌年平成18年度においてクマ類の多発出没が発生し、捕殺数は約5000頭、人身事故も多発した。本研究はこのような大型野生動物の大量出没に対する対策を地域住民の歴史社会的コンテクスト上に構築することを主眼とし、東日本豪雪山岳地域のツキノワグマ生息地域における狩猟システムと動物資源利用を「食べて保全」という市民運動へと展開しているドイツ連邦の実情を調査し、持続的資源利用を含む地域個体群保全管理狩猟システムの社会的位置づけとその可能性を追求した。
著者
石井 貴子 江上 いすず 三浦 英雄 村上 洋子 後藤 千穂 野路 公子 小倉 れい
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.63-71, 2003-05-29

平成12年度より本学では,給食管理実習を1年次後期から2年次前期まで通年で行っている.この試みは,県内の2年過程の栄養士養成校でも希少と思われる.また授業は3時限連続(昼休みも授業に含む)で行われ,特に1年次では1クラスに3人の教員が担当し,特色ある授業を展開している.我々実習担当者は,栄養指導だけでなく大量調理も意欲的にこなす,即戦力となる栄養士をいかに養成するか.を目的の一つに掲げている.今回この特色ある授業を受講した学生の意識調査を行うことにより,どれだけ教育効果が得られるかを見極めるため,本学食物栄養学科及び栄養士科の1・2年次生各々654名を対象に,調査を行った.その結果1年次では,実習を楽しく行うことができ,さらに大量調理と小量調理の違いに興味を持った学生が多いことが分かった.2年次では実習を継続して行うことにより,調理技術が上手になり,体もよく動き,さらに,現代学生気質として低めの傾向にあると思われる,積極性,協調性,忍耐力についても意識の向上が見られ,教育効果が上がっていることが確認された.しかし,食事作りに対する意欲や食糧事情に関する興味については,学生の意識が低いこともあわせて確認された.また,1・2年次ともに肉体的に「疲れた」という意識が非常に高く,今後は疲労度改善の方策をたてる必要性があることが示唆された.
著者
三浦 雄一郎
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,生育限界もしくは重篤な心肺奇形を合併した低出生体重児を救命するために,ヒト胎盤循環を模した体外式補助循環装置(人工胎盤)を開発することである.ヒツジ胎仔を用いた慢性実験モデルを作成し,試作膜型肺の性能比較を行い,出生後も生理的な胎児循環を維持できる人工胎盤の基本仕様を検討した.臓器への充分な酸素供給量を確保するためにはヒト胎盤と同様に血管抵抗の小さい膜型肺を並列化することが重要と考えられた.