著者
松平 浩 井上 基浩 粕谷 大智 伊藤 和憲 三浦 洋
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.2-16, 2013 (Released:2013-06-17)
参考文献数
47

腰痛症に対する鍼灸の効果と現状を総合テーマとして、 当該領域のレビューを行った。 はじめに西洋医学的な立場から特異的腰痛や非特異的腰痛の鑑別や治療効果を中心に紹介した。 次に、 鍼灸治療の治効機序に関して、 基礎研究の成果を文献に基づき紹介した。 最後に、 腰痛に対する鍼灸治療の臨床効果を文献に基づき解説し、 様々な腰痛に効果が示されていることを紹介した。 以上の結果から、 鍼灸治療は様々な腰痛に対して臨床効果が報告されているが、 特に非特異的な腰痛に対して有効である可能性が示唆された。
著者
三浦 俊明 村岡 早苗 小木曾 健人
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.709-712, 1992-03-25
被引用文献数
6

Semiquinone radicals of menadione were generated during the reaction of menadione with reduced glutathione (GSH), dependent upon the pH. Under aerobic conditions, cytochrome c was reduced during the reaction, and superoxide dismutase (SOD) inhibited the cytochrome c reduction. The inhibitory effect of SOD was greater at a high pH than at a low pH. In the presence of Fe^<3+> or ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA)-Fe^<3+>, deoxyribose was degraded during the reaction of menadione with GSH, dependent upon the pH. Greater amounts of deoxyribose were degraded at a low pH than at a high pH. The reduction of Fe^<3+> of EDTA-Fe^<3+> also depended on the pH, and SOD strongly inhibited the Fe^<3+> reduction, indicating that Fe^<3+> or Fe^<3+>-EDTA was reduced by superoxide. SOD, catalase, mennitol and benzoate inhibited the deoxyribose degradation at various pH values. These results indicate that the menadione semiquinone radical is readily formed at an alkali pH but a hydroxyl radical is predominantly produced near a neutral pH. A hydroxyl radical may be generated via an iron-catalyzed Haber-Weiss reaction.
著者
大渕 朗 加藤 崇雄 米田 二良 本間 正明 吉原 久夫 三浦 敬 高橋 剛
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

種数gの代数曲線Cに対する平面モデルの最少次数s_c(2)は評価式としてs_c(2)≦g+ 2が成立する。s_c(2)=2g-t+ 2の時は種数tの曲線に二重被覆であると言うMartens-Keemの予想をt=0, 1, 2で考察し、特にt=2の時はg≧10なら予想は肯定的に成立、g≦9では各gに反例が存在することを示した。また第7回代数曲線論シンポジウム(横浜国立大学にて2009年12月05日(土)-12月06日(日))、第8回代数曲線論シンポジウム(埼玉大学にて2010年12月11日(土)-12月12日(日))と第9回代数曲線論シンポジウム(首都大学東京にて2011年12月10日(土)-12月11日(日))を開催した。
著者
三浦 周 渡邉 宏 浜本 直和 辻 宏之 藤野 義之 鈴木 龍太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.136, pp.37-42, 2010-07-15
被引用文献数
1

本研究では、地上/衛星共用携帯電話システム(STICS)の地上/衛星間周波数共用の検討の一環として衛星上り回線への干渉量を算定するに当たり、地上系ネットワークのトラフィック状況および伝搬環境を考慮した地上回線からの新たな干渉モデルを用いて干渉量の評価を行っている。干渉モデルは、日本全国をメッシュに区切った標準地域メッシュ毎に地上システムの携帯電話のEIRPの総和を計算する。この、単位面積当たりのEIRPの総和(地表面EIRPと定義)を、単位面積内の人口数、同時通話数、端末当たりEIRP、伝搬環境(見通し条件)の違いによる干渉電力の違いと伝搬環境毎の人口比、等のパラメータで表現する。本モデルの妥当性を評価するため、IMT-2000携帯電話に関する各種統計量や測定値を始めとする現実的なパラメータを入力し、上空受信実験の測定結果と比較して人口密度対地表面EIRPの関係が同様の傾向となる結果を示す。また、本モデルを用いて地上携帯電話からSTICS衛星への干渉量を試算し、衛星ビーム端受信CIRの最小値が15.1dBとなる結果を示している。
著者
三浦 太郎
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.141-154, 2000

モンタナ裁判に勝訴し終身在職権を認められたキーニーであったが, 判決の翌年にはモンタナの地を離れ首都ワシントンでの職につく。そして終戦後, 戦時体制下にFEAなどで情報の収集・分析を行っていた績を買われて, 彼は民事に関する使節団の一員となり来日した。教育使節団訪日を準備していたCIEで日本の図書館政策を担当する任を得たキーニーは, ら構想した統合的な図書館システムの現を図る。しかし, その中央集権的な構想はCIEの全体的な政策に合致せず, また日本側関係から広く賛同を得ることも適わなかった。そこで, 全国の図書館の代表と会議を重ね, 図書館員の理解を得ようとしていた矢先, 折から右側化を強めていた米政府の方針に基づき, 図書館政策の是非とは無関係な, 共産主義との関わりが理由で, キーニーは帰国を余儀なくされた。
著者
秋保 良太 杉本 尚哉 武田 紘一 野口 洋介 三浦 得太郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.806, pp.3979-3992, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

Transferred arc oscillates in an alternating magnetic field imposed perpendicularly to the arc. The amplitude of oscillatory arc motion can be varied easily by adjusting the magnetic flux density. The heat flux distribution can be controlled by changing the wave form of the magnetic field. Using such magnetically driven arc, the authors developed a novel heat treatment system which consisted of a device for the generation of DC arc, that for the formation of various types of magnetic field, a mechanism for travelling the work piece and water circuit for quenching the heated material. Heat treatments for the steel material of S45C were performed using different wave forms of the magnetic field. The magnetically driven arc was able to produce various patterns of drawing on the steel surface such as a single belt with broad width, two parallel straight lines with different spacing, a series of diamond form and two parallel wavy lines. It was confirmed that Vickers hardness increased more than three times after the heat treatment.
著者
山内 克哉 伊藤 倫之 美津島 隆 三浦 美穂
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, 2005-04-18

慢性呼吸不全患者は,呼吸補助を行うと呼吸状態が改善することを経験する.今回,気道確保を必要とせず呼吸補助を行える長所を持つRTXを使用し,呼吸状態の改善の有無を検討した.症例は81歳,男性.10年前より肺気腫の診断で通院していた.2003年8月より呼吸状態悪化し,在宅酸素療法施行となった.2004年8月10日より入院加療し,口すぼめ呼吸や筋力増強訓練などの呼吸リハを開始したが,呼吸状態の改善は得られなかった.11月8日より1週間,毎日1〜2時間RTXを使用し,前後の血液ガス,呼吸機能検査を測定した.結果,血液ガスは,PaCO_2低下,PaO_2増加反応を示した.呼吸機能検査では,%VCは増加したが,FEV_1.0は低値のままであった.また,RTX使用で呼吸疲労度は軽減し,本人の満足度も得られる結果となった.今回の症例では,RTX使用が有用であり,今後も更なる症例を重ね検討を加える必要がある.
著者
三浦 雅展 江村 伯夫 秋永 晴子 柳田 益造
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.203-212, 2010-05-01
参考文献数
17

ピアノを用いた1オクターブの上下行長音階演奏に対する自動評価について述べている。音階演奏の客観的な評価基準を求めるために,種々の音階演奏の5名の専門家による適切性の主観評価とその演奏のMIDI記録の関係を求めている。記録されたピアノ演奏に含まれる打鍵タイミング,打鍵強度(ヴェロシティ),及び押鍵時間長について,音階演奏に含まれる逸脱のスプライン補間曲線を求め,得られた曲線の特徴から,当該演奏の特徴を15のパラメータで表している。補間曲線は鍵盤に対する奏者の手指交差に基づいて求められている。得られた主観評価スコアはその適切性をLeave-one-out法によってオープンテストするために用いられている。評価データに対する評価スコアは,KL展開によって次元縮小を行った後にk近傍法によって求められている。音楽の専門家による評価値に基づいて,提案手法が音階演奏の適切性に関する主観スコアを適切に予測していることを確認している。
著者
東口 和代 森河 裕子 三浦 克之 西条 旨子 田畑 正司 中川 秀昭
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.64-72, 1998
被引用文献数
9 9

This paper describes the development of an instrument, the Nursing Job Stressor Scale (NJSS). The statements on the job stressors were identified from the literature and redesigned to describe nursing situations that result in stress. A 55-items questionnaire was administered to a sample of 568 hospital nurses. Nurses were asked to indicate on a 5-point scale how intensively they experienced such situations as stressful. Factor analysis using a principal factoring with a varimax rotation resulted in 7 subscales that closely paralleled the conceptual categories of stressor on which the scale was based. These subscales were: conflict with other nursing staffs, nursing role conflict, conflict with physicians and autonomy, death and dying, qualitative work load, quantitative work load, conflict with patients. By selecting 33 items, a new set of the Nursing Job Stressor Scale was developed. Test-retest reliability as well as internal consistency indicated that the seven subscales were reliable. Validity was determined by correlating the total score from the Nusring Stresssor Scale with measures of burnout. These examinations showed the usefulness of the scale.
著者
三浦 徹 安田 次郎 神田 由築 新井 由紀夫 菅 聡子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究は、アジア(日本を含む東アジアと中東・イスラーム世界)の社会文化の特性を、比較研究を通して明らかにし、人類文化におけるアジアの可能性を見いだすことを目的とする。同性愛というテーマを主題にとりあげたのは、当該社会のなかで、両義的なイメージを賦与されていた現象を、比較文化の視点から研究することにより、新たな分析観点を探るためである。16年度は、以下の研究を実施した。1.韓国での調査・研究会(2004年9月23-25日) 男寺党(ナムサダン)とよばれる芸能集団の調査を、国立文化財研究所朴原模研究員の協力をえて実施し、同研究所と淑明女子大学で研究会を開催した。一般に儒教文化の影響で性についてのタブーが強いとされる韓国においても、日本と同様の性の役割に関わる問題群があることが確認された。2.基本資料の収集と文献データベース作成 15年度までに収集した文献データベース4000件に500件の追加を行い、全体の校正・整理を行った。なお、当初大学のホームページに公開を予定していたが、インターネットのセキュリティ管理が強化され、その技術的な問題が解決するまで公開を延期することとした。3.2年間の研究成果を問うために『越境する性:同性愛の比較文化史』(山川出版社)を刊行する。5名の研究分担者が執筆し、ヨーロッパ、イスラーム世界、日本中世、日本近世、日本近代の同性愛の文化を、比較の観点からとりあげ、アジア社会の柔軟な性文化とその変容が明らかにされる。
著者
三浦 伸一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

水分子系を念頭におき、水素結合分子集団の量子状態の計算を厳密に実行するシミュレーション手法の開発を行った。このシミュレーション手法は変分経路積分法にその基礎をおき、本研究では運動方程式を用いて計算を実行する分子動力学法およびハイブリットモンテカルロ法の開発を行った。またシミュレーションパラメータの探索に有用と考えられる、調和振動子系に対する解析解の導出もあわせて行った。本手法は、水素分子クラスターおよび水1分子の系に対して適用され、その有効性が明らかになった。このことにより本シミュレーション手法は水素結合分子集団に対する大いに有望な量子シミュレーション手法であることが示された。
著者
新見 將泰 中島 祥夫 坂本 尚志 遊座 潤 伊藤 宏文 三浦 巧 鈴木 晴彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.97-104, 1994

近年,運動関連脳電位については手指の単純な屈伸運動に関する詳細な研究はあるが,発声に関する報告は少ない。本研究では,ピッチ変化と母音の変化における発声関連脳電位の変化を等電位図法と双極子追跡法(頭部均一媒質による)を用いて解析することを目的とした。18-35歳の健康な男女10名(右利き)を対象とし,高低数種類のピッチで母音を自己のペースで発声させた。脳波は頭皮上においた21個の表面電極より導出した。喉頭前面皮膚上においた加速度計波形の立ち上がりをトリガーとして用い,発声前2.5s,発声開始後2.5sの脳波を加算平均し,等電位図の作成と双極子追跡法により電源位置の推定計算を行い,被験者のMRI画像を用いて電源位置を検討した。発声に約1200ms先行して両側の中側頭部に緩徐な陰性電位が認められた。これは正常のヒト発声時の大脳皮質の準備状態を反映する発声関連脳電位と考えられた。この陰性電位は,分布範囲,強度とも左半球優位の場合が多かった。また発声のピッチを高く変化した場合には,右側の振幅の変化が,より大きくなる傾向があった。一般にヒトの発声において言語中枢は(左)優位半球に広く存在すること,発声周波数(ピッチ)の変化は(右)劣位半球の関与が大きいことが知られている。上記の結果はこの説に一致すると考えられた。発声に先行する陰性電位の電源部位は双極子追跡法により両側の中心前回下部付近に限局して分布した。発声のピッチや母音を変えても電源位置に変化は認められなかった。
著者
稲垣 善之 深田 英久 倉本 惠生 三浦 覚
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.69-75, 2005-10-31

高知県の3地域(高知,大豊,津野)のヒノキ8林分において,落葉の季節性と窒素利用様式の関係を明らかにした。落葉が年間量の10%に達する開始時期(T_<10>)は,9月7日〜10月22日,50%に達する落葉時期(T_<50>)は,10月25日〜1月3日,10%から90%に達するまでの期間は30〜189日であった。これらのヒノキ林分における年平均気温は9.6〜16.7℃であったが,年平均気温と落葉の季節性には有意な相関関係はみられなかった。一方,T_<10>とリターフォールの窒素濃度には有意な負の相関関係がみられた。窒素の資源の乏しい環境では,ヒノキは長い間葉をつけるため生育期間が長くなると考えられた。T_<50>は樹高成長の指標が小さいほど早い傾向がみられた。樹高成長の小さい林分では水分ストレスが強いために落葉時期が早いと考えられた。以上の結果,ヒノキの落葉は水分ストレスが強いほど早く,窒素欠乏によって遅くなる傾向が示唆された。
著者
三浦 逸雄 呉 凱 顧 銘 芳鐘 冬樹
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.349-367, 2003-03-10

This survey aims to discover how international students get information and use library services for their study and daily life. The questionnaire survey was conducted in Dec. 2001 and 478 completed questionnaires (23.5%) were returned. The questionnaire falls into three categories: (1) Questions about satisfying their information needs; (2) Questions about using libraries in the University; (3) Questions about personal data. The main findings of the survey were as follows: (1) Most valuable information resources for students are collections of libraries in the University and Internet; (2) Main information resource about students'homeland is Internet; (3) As well as WebOPAC, circulation and copy services of the libraries are used frequently, but reference service, ILL, online databases, and user instructions are used infrequently; (4) Services for international students (book corner for the international students and scholars, satellite television system, and foreign newspaper corner), provided by the General Library, are used scarcely; (5) Most of the respondants want strongly the libraries to strength the collection of English books and journals for their learning and research.
著者
林田 理惠 横井 幸子 黒岩 幸子 宮崎 衣澄 金子 百合子 山本 有希 柳町 裕子 熊野谷 葉子 堤 正典 小林 潔 小田桐 奈美 角谷 昭美 加藤 純子 北岡 千夏 佐山 豪太 竹内 敦子 ボンダレンコ オクサーナ 三浦 由香利 宮本 友介 依田 幸子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

国内ロシア語教育各機関における教育カリキュラムの質的評価を行い,問題点を明確化,さらに各機関における語学能力到達度の相互比較を実施した.また全国高校・高専・大学ロシア語学習者1114名を対象にアンケート「ロシア語とロシア語学習に対する意識調査」を実施,量的・質的分析に基づき学習者の動機づけと学習環境との相関性観察を行った.国内外でその結果を発表,ロシア語学習者の傾向を明らかにし,ロシア語教育のあるべき方向性について明確な指針を提示した.さらに,カリキュラム・教材開発,指導方法,評価システム,就職関連情報等について,各機関教員の共同利用サイト『ロシア語教育支援・就職情報』を構築し公開した.