著者
目久田 純一 越中 康治
出版者
梅花女子大学心理こども学部
雑誌
梅花女子大学心理こども学部紀要 = Baika Women's University Research Bulletin-Faculty of Psychology and Children's Studies (ISSN:24320439)
巻号頁・発行日
no.9, pp.41-48, 2019-03-21

本研究の目的は,権威主義的伝統主義と道徳の教科化に対する態度の関係性が,道徳教育均質化志向を媒介因子として仮定することによって,より良く説明されることを示すことだった。教育学部生と小・中学校教員を対象に質問紙調査を行い,権威主義的伝統主義尺度,道徳教育均質化志向尺度,そして道徳の教科化に対する態度について尋ねた。152 名の教育学部生(男性72 名,女性80 名)と157 名の小・中学校教員(男性69 名,女性84 名,不明4 名)のデータに基づき,HAD16.050 を用いて,権威主義的伝統主義と道徳の教科化に対する態度の関連性における道徳教育均質化志向の間接効果をBootstrap 法によって検討した。その結果,教育学部生と小・中学校教員の双方において,許容範囲内の間接効果が認められ(それぞれZ = 3.48, 95% IC [0.07, 0.21]; Z = 1.39,95% IC [0.00, 0.06]),本研究の想定した媒介モデルの妥当性が示された。
著者
越中 康治 目久田 純一
出版者
宮城教育大学情報処理センター
雑誌
宮城教育大学情報処理センター研究紀要 : COMMUE (ISSN:18847773)
巻号頁・発行日
no.21, pp.39-44, 2014

本研究では、教師を目指す学生が、懲戒と体罰をどのように区別しているのかについて、テキストマイニングによる自由記述文の分析から検討を行った。教育を専門としない学生との比較を通してその特徴の把線を試みた結巣、教育を専門としない学生が懲戒と体罰との違いを「程度」「理由の有無」あるいは「相手がどう取るか」の問題ととらえる傾向にあるのに対して、教師を目指す学生は「身体に対する侵害」や「肉体的苦痛」を与える行為であるか否かに言及して両者を区別する傾向にあることが示された。他方、両者の区別に関して、教師を目指す学生においても、その認識は一様ではないことも確認された。体罰の禁止及び児章生徒理解に基づく指導の徹底を図る上でも、養成課程の教育において、さらに理解を深める機会を設けることの必要性が示唆された。
著者
山中 康裕
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

近年、科学と研究者の理想が無いままに、被引用数やインパクトファクターを安易に評価 指標とした歪みとして、組織や研究者の業績評価における論文崇拝主義や、直接的な課題解決を得意とする学問分野への偏重を招いている。本研究では、研究者コミュニティーが、自ら研究活動を評価し、それに基づく社会への説明責任を果たす文化を創造することを目指す。社会の中の科学の縮図として、地球科学分野を取り上げる。研究活動の把握(IR)として、国内各研究者への情報収集、聞き取りやアンケートにより「知の創造」に対する価値基準の国際比較を行う。チューニングの概念にもとづき、社会と研究者コミュニティーが納得する評価指標を提案する。
著者
田中 康裕 山田 哲弥 村田 明子 北後 明彦 鈴木 毅
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.664, pp.1101-1109, 2011-06-30 (Released:2011-11-16)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

The purpose of this article is to clarify residents' attitudes toward social relationships in condominiums. We conducted questionnaire to residents who live in large scale condominiums, and clarified the following things. About 75 percent of respondents seek some relationships with other residents. The respondents who have children are more satisfied with their present relationships than those who don't have children. The respondents who don't seek relationships and who regard intimate relationships as important, tend to be satisfied with their present relationships. Social relationships in the large scale condominiums are not weak, but it doesn't spread into all residents.
著者
山中 康行
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
人間文化研究 = Journal of humanities research, St. Andrew's University (ISSN:21889031)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-22, 2018-11

This paper considers the modern historical stream of Japanese libraries.Most library teachers in this country have the same idea that there is a cleardiscontinuity made by Meiji-Ishin ( 明治維新). On the contrary, ToshioIwasaru told that Japanese library history has a just consistent continuoustimeline, and that there is not a break by appearance of Meiji bureaucratic emperor-centered government. The author could understand Iwasaru's opinion.
著者
田中 康雄 菊崎 泰枝 中谷 延二
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.67-76, 2002
参考文献数
32

精油50種類及びオレオレジン24種類について咽頭上気道細菌、<i>Streptococcus pyogenes</i>、<i>Haemophilus influenzae</i>、<i>Moraxella catarrhalis</i>に対する抗菌試験を行った。精油の中ではシナモンリーフ、セージ、クローブ、カルダモン、タイムに効果がみられ、オレオレジンではイチョウ、甘草、ナツメグに抗菌性が見られた。さらに代表的な精油成分より45種の揮発性化合物を選択し抗菌活性を調べた。精油成分の中ではcarvacrol、methyl chavicol、bornyl acetate、menthyl acetate、α-terpinyl acetate、viridiflorolに効果がみられた。カルダモン、ローレル、メリッサ精油と同様に3種の主要な成分geranyl acetate, menthyl acetate, α-terpinyl acetateは上気道微生物に対して有効な抗菌性成分となり得ることが示唆された。抗菌活性を示したシナモンリーフ油およびクローブ油の主成分eugenolは単独ではほとんど活性が認められなかったが、β-Caryophylleneに対してeugenolは優れた相乗効果を示すことが認められた。
著者
田中 康雄 山本 智章 遠藤 剛 岡邨 直人 関根 裕之 西澤 岳之 大野 健太
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb1155-Cb1155, 2012

【はじめに】 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(以下OCD)は重症化しやすく,野球選手生命を奪う恐れがある.OCDは早期発見・治療にて完治されることが報告されている.新潟県ではOCDの早期発見を目的に平成19年より野球肘検診を実施している.また成長期の投げすぎは投球肘障害の要因の一つとして重要である.平成20年から学童軟式野球新人戦での投球数報告を義務付け,現在1投手80球の努力目標を掲げている.今回,平成23年の野球肘検診結果,指導者に対するアンケート調査,平成23年の学童軟式野球新人戦の投球数調査をまとめ,今後の障害予防活動の一助とする事を目的とした.【方法】 対象は学童軟式野球新人戦に参加し検診を希望した37チーム485名(5年生271名,4年生153名,3年生49名,2年生9名,1年生3名).大会会場にてPTによる理学所見(肘関節の関節可動域検査,圧痛・外反ストレス時痛検査),医師・検査技師による肘関節の超音波診断を実施した.異常のあった選手に医療機関の受診を勧めた.検診に参加したチームの指導者に対してアンケートを配布し,指導経験,投球数制限,日本臨床スポーツ医学会の提言の認知などについて調査した.また大会期間中の全試合投手の投球数報告を集計し解析した.統計学的分析は対応のないt検定を用い有意水準を5%以下とした.【説明と同意】 事前に文書と口頭で各チームの監督,保護者に対して検診の目的,内容について説明し同意を得ている.【結果】 超音波によるOCD疑いで医療機関への受診を勧めた選手は485名中13名(2.6%)であり,そのうち現在肘の痛みがある選手は3名(23.1%),肘関節可動域制限のある選手は4名(30.8%),腕橈関節の圧痛のある選手は0名(0%),外反ストレス陽性は2名(15.4%)であった.指導者アンケートは29チーム(78.4%)より回答があり,年齢43.6±8.4歳,指導経験7.3±6.8年で,試合における投球数制限を必要と考えている指導者は25名(86.2%),日本臨床スポーツ医学会の提言を知っている指導者は3名(10.3%)であった.大会で計測できた全84試合の1試合平均投球数は79.2球,5回成立試合(時間制限,コールドを除く)29試合83.3球,時間制限試合26試合88.4球,コールド試合29試合66.7球であった.コールド試合の平均投球数は5回成立試合,時間制限試合と比較し有意に少なかった(p<.001).投手一人あたりの投球数をみると,完投投手の平均投球数は67.9球,途中交代をした投手は44.6球で,完投投手の平均投球数は途中交代をした投手の平均投球数と比べ有意に多かった(p<.001).日本臨床スポーツ医学会の提言の認知の有無で投球数をみると,知っているチームの平均投球数は先発投手一人あたり77.2球,中継ぎ投手一人あたり31.0球,知らないチームでは先発投手一人あたり65.4球,中継ぎ投手一人あたり26.8球であった.【考察】 今回,小学5年生を中心にした野球肘検診を行い13名(2.6%)のOCD疑い選手を早期発見できた.腕橈関節の圧痛症状のある選手が0%,そのほかの理学所見も30%程度であることから,初期には無症候性で進行していることが考えられる.症状が出現し病院受診する頃には重症化していることが考えられる.またOCDは小学5年生前後に発症するといわれており,OCDを早期発見するためにはこの時期に野球肘検診が必要である.一試合投球数ではコールド試合が5回成立試合,時間制限試合と比較して有意に少なく,一人あたりの投球数は途中交代をした投手が完投投手と比較し有意に少なかった.過剰な投球数を抑えるためにもコールド試合は有効であり,一試合での投球数の上限を決めた上で複数投手での継投が望ましいと思われる.今回の調査では一試合の平均投球数は目標の80球以内に収まっていた.しかし,今後更に投球数制限を徹底するためには投球数と障害の関係を示すエビデンスを蓄積していくことが求められる.【理学療法学研究としての意義】 小学5年生において野球肘検診を広く実施しOCDを早期に発見することは,OCDの重症化を予防するために重要である.また成長期の選手を指導する指導者に対してスポーツ障害に対する意識調査を行うこと,大会での投球数を調査することは,野球を継続する子供たちを守るための障害予防の一助となると考える.
著者
重光 雅仁 渡辺 豊 山中 康裕 本多 牧生
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.24, 2007

西部北太平洋亜寒帯域のtwilight zone(有光層下から1000mまで)における沈降粒子中窒素の分解過程とそれが窒素同位体比に及ぼす影響について知見を得ることを目的とした。沈降粒子は、セジメントトラップにより、2005年3月20日から9月18日にわたり、水深150m、540m、1000mにおいて採取された。サンプリング間隔は、7日あるいは14日である。解析に際して、150mにおける沈降粒子束を初期値として、540m、1000mの沈降粒子束を復元できる単純な沈降モデルを作成した。本モデルでは、1) 粒子は凝集し、全成分が同時に沈降すること、2) 主成分のうち、有機物、炭酸カルシウム、オパールは沈降過程において分解すること、3) 深度が増すにつれて沈降速度が速くなること、4) バラスト鉱物(炭酸カルシウム、オパール、陸起源物質)は分解しない一定の有機物を有すること、を仮定した。本モデルを用いて上記解析を行ったので報告する。
著者
佐々木 啓 森中 康彰 能作 文徳 塚本 由晴
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.712, pp.1453-1461, 2015
被引用文献数
1

&nbsp;The aim of this study is to clarify the composition of &ldquo;townhouse type&rdquo; architecture by articulation and integration of depth. Townhouse type is defined as the house on the site with frontage narrower than depth. At first, we define &ldquo;vertical void&rdquo; as the atrium and garden that is what to bring wind and light into the interior space. The compositional forms of townhouse type are defined through the combination of position of vertical void, handling of lighting surface and staircase in the vertical void. As a result, it is revealed that the articulation and integration of depth in compositional form of townhouse is generated by four stage of differentiation, which are established in containment relationship of concentric.
著者
田中 康一
出版者
(財)東京都老人総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

大脳皮質シナプスにおけるアセチルコリン合成活性やそのレベルには加齢変化はないものの、脱分極刺激によるアセチルコリン放出が老齢シナプスにおいて低下することが種の違いを超えて認められた。この老齢シナプスにおけるアセチルコリン放出低下は、放出のトリガーとなるカルシウムイオン流入低下によることがカルシウムイオン蛍光指示薬を用いた実験で明らかとなったため,シナプスにおける電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)の加齢変化を調べることを目的とした。大脳皮質シナプス膜のVDCCサブタイプの分布を各サブタイプに特異的なブロッカーを用いて調べたところ、L型チャネルが27%,N型チャネルが32%,P型チャネルが27%,Q型チャネルが23%であった。個体の老化によってP型チャネルの分布は全VDCCの16%となり,成熟期のラットに比べて著しく減少していた。さらに,シナプス膜への放射標識ブロッカーの結合実験によって,VDCC密度の加齢変化を検討した。その結果,25ヶ月齢では、L型,N型,Q型チャネルのBmax値,すなわち最大結合サイト数が6ヶ月齢に比べそれぞれ50%,35%,52%と顕著に減少していた。このVDCC密度の減少が、カルシウムイオン流入低下の直接の要因となっていることが推察された。また,L型チャネルブロッカー結合に対するKd値が老齢シナプスで成熟動物シナプスに比べて大きな値を示すことが認められた。この結果は、L型チャネルのブロッカーを結合するサブユニット(おそらく、α1サブユニット)の加齢による構造変化を反映している可能性を示唆していると思われる。以上,本研究の結果から、大脳皮質コリン作動性シナプスにおけるアセチルコリン放出低下とそれに伴うシナプス可塑性の加齢低下の根底には、電位依存性カルシウムチャネルの分布や密度の異常が関与していることが強く示唆された。
著者
田中 康夫
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.86, no.7, pp.423-425, 2013-07

生田正輝先生追悼論文集追悼文
著者
越中 康治 目久田 純一
出版者
広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設
雑誌
幼年教育研究年報 (ISSN:03883078)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.33-41, 2017

This study aimed to explore characteristics of daycare and elementary school teachers' verbal support to children in the context of peer trouble. A questionnaire survey was conducted among daycare teachers, which included kindergarten teachers and elementary school teachers, as well as undergraduate teaching students, who were mainly students studying to be elementary school teachers. They were requested to freely describe the verbal support they used in situations of trouble among children, and an analysis was conducted using text mining. Results revealed that undergraduate teaching students tended to make suggestions and issue warnings, such as "you cannot hit" or "you cannot do that." Many suggestions and warnings among the elementary school teachers were similar to those of the undergraduates; however, there were also questions such as "why" and "what did you want to do?" Conversely, although, similar to the elementary school teachers, the daycare teachers asked many questions, they offered relatively few suggestions and warnings as compared with the undergraduate teaching students and elementary school teachers. It was found that daycare teachers, elementary school teachers, and undergraduate teaching students all have their own characteristic expressions.本研究は日本パーソナリティ心理学会第21回大会において発表した内容を加筆・修正したものである。本研究はJSPS 科研費15K17263の助成を受けた。
著者
新見 直子 川口 朋子 江村 理奈 越中 康治 目久田 純一 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.7, pp.125-138, 2007

本研究では、中学生、高校生、大学生を対象に自己愛傾向(評価過敏性、誇大性、身体賞賛、自己確信)と自尊感情(Rosenberg, Cheek & Buss, SE-Iの各自尊感情尺度で測定される自尊感情)を測定し、青年期の自己愛傾向と自尊感情の関連性について発達的に検討した。本研究の主な目的は、4つの自己愛傾向尺度得点と3つの自尊感情尺度得点が、中学、高校、大学の各学校段階においてどのような因子構造をもつのかについて二次因子分析をとおして検討することであった。自己愛傾向と自尊感情の7つの尺度得点について学校段階別に二次因子分析を行った結果、いずれの学校段階においても自己を受容する尺度得点から構成される因子と他者評価を気にする尺度得点から構成される因子の2因子が抽出された。
著者
奥中 康人 オクナカ ヤスト
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.65-90, 2018-03-31

群馬県では、公設消防組が設立された1894年に、広くラッパが配備され、組織的な練習もおこなわれていた。ほぼ同時期に、消防用のラッパ譜も制定されていたという。本稿は、1890年代~1940年の7種類の消防ラッパ譜(「喇叭ノ符」(1895)、「喇叭符」(1895)、『喇叭符號手帳』(1896~97)、『消防の栞』(1908)、『消防喇叭音譜』(1929)、『消防喇叭教本』(1938)、『警防喇叭教本』(1940))の内容を分析することによって、近代群馬にどのような音楽が鳴り響いたのかを明らかにすることを目的としている。群馬県の消防ラッパ譜に収録された楽曲は、消防のために作られたオリジナル曲と、軍隊のラッパ譜によって構成されている。軍隊ラッパ譜から転用された曲の多くは、1885年に刊行された『陸海軍喇叭譜』とその改訂版を典拠としているが、1890年代のラッパ譜の中には、1885年以前に陸軍が使っていたフランスのラッパ譜も含まれている。1920年代には、群馬のオリジナルのラッパ文化がわずかに芽生えようとしていたが、1938年のラッパ譜では、ほとんどが『陸軍喇叭譜』の曲で占められることとなった。
著者
越中 康治 上田 敏丈 若林 紀乃 濱田 祥子 岡花 祈一郎 中西 さやか 廣瀬 真喜子 松井 剛太 八島 美菜子 山崎 晃
出版者
広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設
雑誌
幼年教育研究年報 (ISSN:03883078)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.49-60, 2018-10-19

The purpose of this study is to clarify the actual conditions of personal records such as "support files" and "transition support sheets" created by early childhood facilities (kindergartens and nursery schools) to provide transition support to children with disabilities. The study seeks to examine how these records are created by early childhood facilities and used by elementary schools. A nationwide questionnaire survey targeting public and private kindergartens, nursery schools, and elementary schools was carried out. The survey results show that about half of the early childhood facilities created these records and that the records were being effectively utilized by the elementary schools that received them. However, there were also differences based on the type of institution: for instance, the rate of record creation was high at public kindergartens and low at private kindergartens and nursery schools. In terms of record content, there is a possibility of a gap between the information recorded by early childhood facilities and that sought by elementary schools. Based on these actual conditions, this study identifies issues to be considered in the effective creation and utilization of records.本研究は平成28年度文科省委託「幼児期の教育内容等深化・充実調査研究」(調査研究課題:幼保小接続における学習機会の保障としての合理的配慮に関する研究,研究受託機関:名古屋市立大学)の助成を受けて行われた研究成果の一部である。なお,本稿の一部は日本教育心理学会第59回総会において発表した。