著者
揖斐 拓人 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.223, pp.119-124, 2013-09-24

咀嚼という行為には脳を活性化する働きがあるとされている.本研究では,ガムを咀嚼することがヒトの集中力にどのような効果があるのかについて実験,検討を行った.実験タスクとして,集中力が関係するであろう4つのタスクを行った.『集中』の評価には,脳波のフラクタル性を用いた感性解析を用い,また,独立成分分析によって測定した脳波に含まれる咀嚼による筋電の除去を試みた.結果として,咀嚼していない状態を基準とした場合,ガム咀嚼時には『集中』が約38%程度上昇することが示された.
著者
斎藤 義朗 福村 忍 齋藤 貴志 小牧 宏文 中川 栄二 須貝 研司 佐々木 征行
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.477-481, 2012 (Released:2014-12-25)
参考文献数
15

ノイロトロピン® (Neurotropin, ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液) は頸肩腕症候群や帯状疱疹後疼痛に有効であり, 成人の一次性頭痛に対する効果も報告されている. 今回, 他の各種薬剤に効果が乏しかった慢性頭痛の小児2例で本剤が有効であった. いずれも中学生女子, 片頭痛を発症して2~3年後に増悪をきたし, 不登校にいたった経過で, 起立性調節障害の併存, 間欠的な四肢・背部の疼痛, MRI上の大脳白質散在性病変も共通していた. Neurotropinには他の鎮痛薬にはない下降性疼痛抑制系の増強効果があり, 小児の難治な慢性頭痛にも有効と示唆された.
著者
中川 登 夏秋 優 荒木 徹也
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.541-545, 2004 (Released:2011-11-07)
参考文献数
6

市立伊丹病院における1993年~2003年の毛虫皮膚炎患者数を調査した。その結果, 2003年が最も多く95名,次に1993年が46名,1994年は34名で,その他の年は25名以下であった。また,2003年の毛虫皮膚炎患者95名について検討したところ,男女比は49:46であり年齢分布では9歳以下の小児と50歳以上の中高年に多い傾向があった。これらの患者の皮疹の好発部位は上肢であった。月別患者数では6月と8~9月に多く,チャドクガの幼虫が出現する時期に一致していることから,その原因の多くはチャドクガの幼虫であろうと推察された。次に毛虫皮膚炎の患者数と気候との関連を調べるため,神戸における月別降水量と平均気温について調べた。その結果,1993年と2003年は長雨,冷夏であったことが判明した。このことから気象条件が毛虫の発生,及び毛虫皮膚炎患者数に影響を与える可能性が示唆された。
著者
小野寺 英子 仁科 エミ 中川 剛志 八木 玲子 福島 亜理子 本田 学 河合 徳枝 大橋 力
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.315-325, 2013-09-30 (Released:2017-02-01)

To address complaints about irritating sounds on train station platforms beyond the limitation of conventional noise reduction approaches, we applied the hypersonic effect, which refers to the positive way in which inaudible complex high frequency components (HFCs) produces a salutary physiological and psychological effect on human through the activation of fundamental brain. We created a virtual platform acoustic environment in the experimental room as well as actual platform space by reproducing highly accurate broadband recordings of actual platform sounds. We developed hypersonic contents of effective HFCs obtained from a rainforest environment and developed hypersonic public announcements and hypersonic departure bells containing HFCs. We evaluated the psychological and physiological effects of hypersonic contents presented alongside the platform acoustic environment. Subjects showed significantly more positive impression of the acoustic environment and significantly greater alpha 2-electroenchephalography potential, indicating the efficacy of the hypersonic effect in ameliorating the unpleasantness of a noisy environment.
著者
中川銓吉 編
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1919
著者
上原 俊介 中川 知宏 国佐 勇輔 岩淵 絵里 田村 達 森 丈弓
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.158-168, 2013-03-31 (Released:2017-03-03)

Anger at the violation of a moral standard has been called moral outrage. However, recent research found that only when the victim of a moral violation was oneself (or a member of one's group) did it evoke strong anger. This suggests that the violation of a moral standard itself does not elicit anger, and such anger may be evidence of personal anger evoked by harm to oneself (or a member of one's group). In our study, we assume that moral outrage may be evoked when the likelihood of restoring fairness (e.g., compensation) is expected. We conducted three experiments in which Japanese university students read a newspaper report (fictitious) depicting an abduction case. For half of the participants, the abducted victim was Japanese; for the other half, Slovenian. After reading the news story, they were asked to report the intensity of the feelings of anger and whether the abduction was morally wrong. We found that the report evoked considerable anger only when the abducted victim was Japanese, regardless of whether restoring fairness was actually expected. This indicated that the reported anger provided evidence only of personal anger, not of moral outrage; thus, the likelihood of restoring fairness is not a determinant of moral outrage. These findings imply that personal anger, rather than moral outrage, is more prevalent in social life.
著者
中川 浩一
出版者
Japan Cartographers Association
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.15-26, 1995-09-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
4
著者
中川 美緒 樋口 智子 寺岡 由貴 曽我 賢彦
出版者
一般社団法人 日本造血細胞移植学会
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌 (ISSN:21865612)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.36-42, 2019 (Released:2019-01-15)
参考文献数
6
被引用文献数
3

口腔粘膜障害の創部保護を行い,疼痛を緩和する医療機器 「エピシル® 口腔用液」(ソレイジア・ファーマ株式会社,東京)が2018年4月に保険適用された。しかし,本邦で本機器の疼痛緩和効果および使用感等についての報告はない。そこで本院で造血細胞移植を受け,口腔粘膜障害の疼痛を訴えた4名の患者を対象とし,症例研究を行った。使用後5分において,4人のうち3人でペインスコアが減少し,その後30分から120分にかけて口腔内疼痛は概ね同等で推移した。2名が味覚の変化および刺激感について,1名が不快感について 「少し気になる」 と回答したが,使用後2時間の評価時間の後,全員が継続使用を希望した。有害事象および機器としての不具合の発生はなかった。エピシル® 口腔用液は,造血細胞移植患者を対象として,疼痛をはじめとする口腔粘膜障害による不快感を緩和することを示唆した。
著者
中川 源洋 笹垣 信明
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.103-106, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
参考文献数
6

無形の民俗芸能の保存は、そのままの形で保存させることが困難であるため、映像記録が広く用いられている。しかしながら目的ごとに求められる映像コンテンツが異なるため、予算や撮影条件が限られている場合は目的が限定され、必ずしも有効に活用されないことがあった。そこで様々な目的に適用が可能な記録を得るために、数台の測距カメラを組み合わせて民俗芸能を3次元(3D)的に記録・データ化する技術を開発した。本技術を郷土芸能保存会のような団体自身により、公演や練習の様子をデータ化/アーカイブ化していくこと想定している。取得データは演技空間そのものを記録しているので、目的に合わせた形態への加工が可能となる。例えば再生視点を自由に選べることから、行事全体を理解するための広角の映像、演者の動きや部位に注視した映像、更には広報用の極端なアングルやクローズアップ映像などに再構成させることができる。また取得した3Dデータを解析し、熟達者と初心者間の動きを定量的に比較し継承支援につなげたり、取得データを利用した芸能体験アプリなどによる観光目的への展開なども可能となる。本稿では岩手県で継承されている鹿踊りや神楽の3Dデータ化実験と、取得データを活用した訪日外国人向け芸能体験アプリの実験の結果を報告する。
著者
上原 俊介 森 丈弓 中川 知宏
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.1708, (Released:2018-12-07)
参考文献数
31

怒りの表出に焦点を当てた従来の研究では,親密な人間関係を維持するためには怒りを抑制し制御することが重要であるとされてきた。その一方で,怒りを示す行動には相手の行動制御機能や自己開示機能が備わっているという点から,人間関係の親密化を促進する契機になると考える研究者たちもいる。そこでわれわれは,怒りを表出するほど親密な関係が継続しやすいと予測して,分析を行った。質問紙研究において,大学生参加者たちに最も印象に残った異性との失恋経験を想起させ,その経験について,交際期間と日頃怒りを表していたレベルを評価させた。これらのデータについて生存時間分析を行ったところ,強くはないが恋人に怒りを示していたと答えた参加者ほど,交際期間を有意に長く報告することが確認された。こうした結果を受けて,親密な人間関係においてみられる怒りの関係継続効果が議論された。
著者
長谷川 健 中川 光弘 宮城 磯治
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.5, pp.269-281, 2017-05-15 (Released:2017-07-25)
参考文献数
24
被引用文献数
4

北海道東部の活火山であるアトサヌプリ火山について,最近の爆発的噴火履歴,特に水蒸気噴火の発生履歴の再検討を行った.火口近傍の露頭および2本のボーリングコアを調査し,これまで未記載であった水蒸気噴火堆積物を新たに5層発見した.その結果,従来2回とされていた最新期の水蒸気噴火が,少なくとも最近2,700年間に7回を数えることができる.特に1,500~1,000年前の間は平均で100年に1回の噴火を繰り返す頻発期であり,最新の噴火は300~400年前であることも分かった.
著者
阿部 新 嵐 洋子 木原 郁子 篠原 亜紀 須藤 潤 中川 千恵子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.2-3, 2013-09-21

This study comprises a survey regarding the thoughts of Japanese teachers working in various educational institutions on improving the teaching approach of Japanese pronunciation in class and phonetics in training Japanese teachers. In this study, the relationship between teachers' beliefs (regarding language learning and teaching Japanese pronunciation) and backgrounds will be discussed on the basis of the results of the pilot survey. In conclusion, three patterns of beliefs and four groups of informants were found: Two groups teaching advanced level Japanese and taking pronunciation into consideration and other two groups teaching primary level Japanese, and not taking pronunciation into consideration.