著者
勝山 光太郎 佐藤 文明 中川路 哲男 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.234-241, 1989-02-15
被引用文献数
1

情報通信システムの発展に伴い 各種通信ソフトウェアの開発機会が増大するとともに その規模も拡大し 通信ソフトウェアを効率的に開発することが課題となってきている.このため我々は 近年注目を集めているオブジェクト指向言語によるソフトウェアの高い生産性に着目した.また 情報通信システムおよび通信ソフトウェアの論理構造と オブジェクト指向モデルとの類似性が高いことから オブジェクト指向言語によるこれらの設計開発を行うこととした。そのために 通信ソフトウェアに要求される実行速度を十分に考慮しつつ オブジェクト指向言語の特徴を生かし かつ汎用的なシステム記述言語であるC言語と親和性のあるオブジェクト指向言語superCを開発した.さらに 本言語をOSI通信ソフトウェアの開発に実際に適用することによって オブジェクト指向による設計・開発の効果を確認し その言語で書かれたプログラムの性能を評価した.その結果 オブジェクト指向言語の利点を生かして 効率的に開発が行えることが確認できた.また オブジェクト指向で問題となっている実行速度に関しては コンパイル時にメソッドの探索・決定を行う静的束縛の機能を導入したことにより 実行時にメソッドの探索を行う動的束縛に比べ2倍以上の速度を得ることができることを確認した.
著者
古市 勝也 中川 聡 ブストス ナサリオ
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学・九州女子大学・九州女子短期大学・生涯学習研究センター紀要 (ISSN:13421034)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.111-128, 2002-03-31

新たな青少年育成のための「地域の教育力」を培うには,地域・家庭・学校において学校を取り巻く人・物・行事等と,どのような方法で連携・融合したらいいか等,新しいパートナーシップの在り方を解明する必要がある。そこで,地域・家庭・学校において「地域の教育力」を育てる新しいパートナーシップ形成のメカニズムを規範意識の獲得の現状から考察してきた。その結果,地域では,「地域行事」や「子ども会等の少年団体活動」等や「子ども会」,「公民館の行事」で,「少年団体の指導者」や「地域のおじさん・おばさん」等から規範意識を獲得していることが浮き彫りにされた。また,家庭では,「家族の団らんの中で」「食事をしながら」「家事や家業の手伝いをしながら」の場面や「お正月」「お盆」「墓参り」「年末の年越し行事」「敬老の日」等の家庭行事で,「父」「母」「兄・姉」「祖母」「祖父」等から規範意識を獲得していることがわかった。さらに,学校では,「道徳の授業で」「学級活動・クラスタイム」「生活指導」の場面や「学年集会・全校集会」「修学旅行」「入学式」等の学校行事で「担任の先生」「同じ学年の友だち」「上の学年の先輩」「クラブ・部活動の先生」等から,規範意識を獲得していることが浮き彫りにされた。これらの地域・家庭・学校の場面・人・行事の組み合わせが「地域の教育力」を育てる新しいパートナーシップ形成の核(要因)になると思われる。
著者
西村 清和 尼ヶ崎 彬 長野 順子 相澤 照明 山田 忠彰 中川 真 渡辺 裕 津上 英輔 青木 孝夫 外山 紀久子 大石 昌史 小田部 胤久 安西 信一 椎原 伸博 上村 博 木村 建哉 上石 学 喜屋武 盛也 東口 豊 太田 峰夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は従来自然美論、風景論、環境美学、都市美学という評語のもとで考えられてきたさまざまな具体的、個別的諸問題領域を、日常生活の場において企てられたさまざまな美的実践としてとらえなおし、あらたな理論化を目指すものである。具体的には風景、都市景観、森林、公園、庭園、人工地盤、観光、映画ロケ地、遊芸、雨(天候)、清掃アートなど多様な現象をとりあげて分析し、その成果を『日常性の環境美学』(勁草書房、2012)として刊行した。
著者
和泉 潔 池田 翔 石田 智也 中嶋 啓浩 松井 藤五郎 吉田 稔 中川 裕志 本多 隆虎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本研究では,新聞記事データを用いた業種別株価指数の分析の新たな手法を提案した.本手法を用いて,2009年の1 年間を対象に外挿予測精度を評価した結果,予測精度の目標とした52%を超えた業種は,19 業種中11業種(57.8%) であった.また,予測正答率は時期・業種によって予測正答率の季節性が見られた.これにより,期間毎のテキストマイニングによる予測の信頼度を測る指標になることが期待できる.
著者
前田 昌弘 中川 雄輔 山田 協太 布野 修司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.614, pp.183-190, 2007
参考文献数
20
被引用文献数
1 7

As a result of the case study on two cities in the south west coast, it was clarified that the way of restoration of settlements was quite different. (1) In Moratuwa, victims have restored their settlement for themselves although there is few support by aid groups due to the coastal regulation. (2) In Hikkaduwa, restoration has been advanced initially with support of external people such as international organizations and NGO. However, residents in the buffer zone have been confused by the revival policy and coast construction regulation. Especially, through the reconstruction process of the settlement in Moratuwa, it was understood that people can reconstruct their settlement for themselves, if the settlement has enough physical basements such as common infrastructure and houses suitable for their life style and social relationship for mutual aid based on closeness to job or blood relationship.
著者
中川 大 小林 寛
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.187-206, 2006 (Released:2006-03-30)
参考文献数
203
被引用文献数
4 5

阪神淡路大震災後の大規模な渋滞は,大都市の震災対応策に重要な教訓をもたらした.しかしながら,それから10年以上が経過しているにもかわらず,震災緊急時の交通対応の視点は基本的には変わっておらず,その教訓が十分に活かされる状況には至っていない.その原因の一つには,実際に現場でどのような現象が生じていたかが必ずしも明らかになっているとは言えないという点がある.そこで本研究では,最も重要な期間である震災発生後1~2日間における現象をあらためて明らかにするため,当時の状況に関する研究・文献等を調査し,被災地に流入できる全断面の震災直後の状況を把握する.また,これらの分析から,大都市における震災時の交通対応策に対して得られる教訓を整理し,現在の対策の課題を明らかにする.
著者
野口 喜三雄 中川 良三
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.127-131, 1970-02-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
7
被引用文献数
4

1966年および1967年,著者らは青森県恐山温泉の温泉水16個,温泉沈殿物12個を採取し,そのヒ繋,鉛,その他の化学成分の含量を調査し,つぎの結果を得た。水のC1-含量は温度の上昇とともに増加し,SO42-の増加にしたがってPHが減少する。ヒ素およびホウ酸はCl-との蘭に正の相関が認められた。 恐山温泉を形成する始めの熱水はほぼ中性で塩化物,ヒ素,ホウ酸に富んでいる。また黄色の温泉沈殿物は雄黄(As2S3)の化学組成ならびにX線回折像を示したが,赤榿色沈殿物は鉛を含むヒ素の硫化物で,X線回折像は無定形であり,元来考えられていた鶏冠石とはまったく異なることを明らかにした。
著者
中川 圭輔
出版者
アジア経営学会
雑誌
アジア経営研究 (ISSN:24242284)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.107-118, 2023 (Released:2023-11-03)
参考文献数
32

The purpose of this study was to clarify various characteristics of business ethics awareness in North Korea. As its research method, the study reviewed previous research to examine the approximate flow of the Socialist Corporate Responsibility Management System, from its introduction to its implementation, and the contents of the Enterprise Act in North Korea. The study then explored the characteristics of morals in North Korea by focusing on several videos from the “Let’s eliminate this kind of phenomenon” series on Korean Central Television(KCTV). The study revealed the following four characteristics of business ethics awareness in North Korea.(1)Executives must have responsibilities and morals in an organization; however, the opinions of subordinates are disregarded, while the excessive flattering of superiors is criticized implicitly.(2)The collectivist spirit of “one for all, all for one” is the basic principle of socialist ethics in life, which is related to communist morality in some way.(3)Various new programs appear to have raised public consciousness of environmental conservation and the Sustainable Development Goals(SDGs), helping to strengthen awareness.(4)While the Chollima Movement, speed battles(Sokdochun), and self-reliance(Jaryeokgaengsaeng)have persevered with granting greater autonomy to business, various indications persist of an unchanging and firm adherence to the socialist system.
著者
中川 彩美
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.67-76, 2023-10-20 (Released:2023-10-20)
参考文献数
46

Even though the outbreak of sick school syndrome (SSS) and multiple chemical sensitivity (MCS) in schools has recently been recognized as an issue, no sufficient countermeasures have yet been developed to deal with the health hazards as risk management. This study aim is to clarify the issues found in the model of risk management applied by the MEXT and in risk communication, which is the mainstay of risk management to ensure the safety of children, based on a case study of a school that suffered from chemical sensitivity, and to make suggestions for the improvement of the risk management guidelines in the future.
著者
坂本 彬 中川 致之 杉山 弘成 堀江 秀樹
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.94, pp.45-55, 2002-12-31 (Released:2009-07-31)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

1. 煎茶の標準的な入れ方に近い湯温50℃,60℃,70℃,90℃(遊離アミノ酸類は90℃を除く),浸出時間は1煎目が60秒,2煎目,3煎目が10秒間の条件で,主要カテキン類4種,カフェイン,主要遊離アミノ酸類6種がどのように溶出するかを調べた。(1)カテキン類,カフェインは,ともに温度の上昇に伴って溶出量が増加した。カテキン類のうちで遊離型カテキン類は比較的溶出しやすく,エステル型カテキン類は溶出が遅かった。90℃3煎目で前者が90%以上溶出されたのに対し,後者は50%台であった。カフェインは遊離型カテキン類に近い溶出性を示した。(2)アミノ酸類はきわめて溶出されやすく,50~70℃の1煎目で半分近く溶出し,3煎目には,ほとんど100%溶出した。ただし, アルギニンは他のアミノ酸より溶出が遅い傾向にあった。2. 温度を変える入れ方,すなわち1煎目を5℃,10分,2煎目を50℃,1分,3煎目を95℃1分の条件で主要カテキン類4種,カフェイン,主要遊離アミノ酸類6種,ペクチン,カリウム,マグネシウム,カルシウム,リン酸がどのように溶出するかを調べた。(1)遊離型カテキン類は冷水でも比較的溶出しやすく,3煎目までで80~90%が溶出した。一方,エステル型カテキン類は低温では溶出されにくく,熱湯を用いた3煎目で急激に溶出したが,それでも50%程度であった。カフェインは低温でも1煎目で36%程度溶出し,熱湯を用いた3煎目までで84%に達した。(2)アミノ酸類は冷水でもよく溶出したが,アルギニンは他のアミノ酸類より溶出が遅かった。1煎目に冷水を使用する条件でも,アルギニンを除いて2煎目で70~80%が溶出した。(3)ペクチンは溶出しやすく,いずれの形態のものも煎を重ねるに従って段階的に溶出が減少した。(4)カリウムは溶出されやすく,3煎でほとんどが溶出した。マグネシウム,リン酸は煎を重ねるに従って溶出が減少した。ただし,カルシウムは1煎から3煎まで同程度の溶出量であり,溶出割合も3煎までで4%に満たなかった。(5)1煎液の濃厚な甘味,旨味にはアミノ酸類の濃度が高く,ペクチンを多く含むことが,また3煎液の強い苦味にはエステル型カテキン類の濃度の高いことが寄与していると推察される。
著者
佐藤 和紀 三井 一希 手塚 和佳奈 若月 陸央 高橋 純 中川 哲 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.353-364, 2021-12-20 (Released:2022-03-18)
参考文献数
24
被引用文献数
2

GIGA スクール構想の標準仕様にしたがってICT 環境が整備され,1人1台の端末を活用している学級へのICT 活用に関する児童と教師への調査から,導入初期の児童によるICT 活用と教師の指導の特徴を検討した.その結果,児童は1人1台の情報端末を日々の活動の中で,さまざまなアプリケーションを組み合わせて活用しながらクラウド上でコミュニケーションを取っていたこと,教師は学校内の情報端末の活用については指導できるが,家庭学習については自治体のルールや情報モラルの観点から指導できていないことが特徴として挙げられた.
著者
内野 克喜 山村 喜一 齋藤 侑也 磯崎 貞夫 田村 善藏 中川 冨士雄 関根 一雄 小島 至
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.1101-1107, 1984-10-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

We developed a simultaneous detection method of 9 kinds of diuretics in the urine by using thin-layer chromatographic (TLC) method and/or high-performance liquid chromatographic (HPLC) method. The diuretic drugs were extracted from the urine according to modified Tisdall et al. method by use of 1M phosphate buffer and ethylacetate. The TLC method was performed with a commercially available chromatographic plate containing mixed fluorescent substance and isopropyl alcohol-ammonia mixture as a development solvent. The HPLC method was accomplished with UV detection at 271nm. To examine the limit of detection of the methods, normal subjects were individually administered with commercially available tablets of 11 kinds of diuretics, 9 drugs were detected from 24 h urine of normal subjects. However, 2 drugs were not detected. By applying these methods to urine samples of female patients with hypokalemia, furosemide (FD) and trichlormethiazide (TCT) were detected. The chromatographic peak of FD on HPLC method was further assigned by mass spectrometry. The quantitative determination of TCT in the urine was also developed by HPLC method, and the urine concentration in a patient with self-administration of TCT was 0.80μg/ml.
著者
中川 裕美 横田 晋大 中西 大輔
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.21316, (Released:2022-08-30)
参考文献数
29

The present study investigated the replicability of a series of Nakagawa et al.’s research. The findings in the previous studies showed ingroup cooperation based on the Social Identity Theory (SIT) and the Bounded Generalized Reciprocity hypothesis (BGR). The cost of cooperation can moderate the relationship between ingroup collaboration and the expectation of reciprocity. However, none of the studies explicitly addressed outgroup members. Consequently, these studies are limited in SIT validity. Research should investigate whether people become more cooperative within an ingroup versus an outgroup. Therefore, we measured ingroup cooperation using the vignette study of Nakagawa et al. (2015). We added an outgroup member version to maintain the salience of the intergroup situation. Our results reproduce Nakagawa et al.’s research and show that cooperation within an ingroup is more significant than that with an outgroup, based on the generated psychological mechanisms of both theories.