著者
中川武夫 飯田弘之 若林宏明
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.15-16, 2013-03-06

著者ら(Iida et al. Game Information Dynamic Models based on Fluid Mechanics. Entertainment & Computing(2012) 3, 89-99 2012)により提案されたゲーム情報力学モデルを用いて将棋のプロ棋士とコンピューター(激指、習甦など)の試合経過を解析したものである。 解析結果はAdvantage,Winning Rate, そしてCertainty of Game Outcomeから成り立っており、これらの値が、それぞれの試合の時間経過に伴ってどのように変化するかが明らかにされた。 本研究を通して得られた新たな知見を要約すると以下のようになる。1.打ち合いの接戦になると、コンピューターが有利である。2.コンピューターは投了の時期を判断することが、現段階においてはできない。3.コンピューターに人間が勝ためには、人間と対局するのとは異なる戦略・戦術が求められる。 たとえば、眩惑、空かす、フェイントなど。4.人間vs.コンピューター戦を公正性と公平性が良く保たれ、かつエンタテイメント性豊か なものとするためには、適切なルールの制定が不可欠である。
著者
村上 健 深浦 順一 山野 貴史 中川 尚志
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.27-31, 2016

変声は14歳前後に完了するといわれている.今回,20代で声の高さの異常を他者に指摘されて初めて症状を自覚し,当科を受診した変声障害2症例を経験した.2症例とも第二次性徴を完了しており,喉頭に器質的な異常は認められなかった.話声位は男性の話声位平均値よりも高い数値を示したが,声の高さの異常に対する本人の自覚は低かった.初診時にKayser-Gutzmann法,咳払い,サイレン法により低音域の話声位を誘導後,低音域の持続母音発声から短文まで音声訓練を行い,声に対する自己フィードバックも実施した.訓練は1~2週に1回の頻度で実施した.2例とも訓練初回に話声位を下げることが可能であったが,日常会話への汎化に時間を要した.個性を尊重するなどの学校社会における環境の変化が,本人の自覚を遅らせ,診断の遅れにつながったのではないかと推測した.
著者
中川 隆太郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.509-514, 2015-12-01

2000年代半ば以降,欧米を中心として世界的にオープンデータ政策が活発化するなかで,著作権やEUのデータベース権などをめぐり,各国で様々なライセンスデザインの取り組みが重ねられている。本稿では,オープンデータとライセンスデザインというテーマについて,まず前提として,なぜパブリック・ライセンスが基本形となるか説明したうえで,議論の中心となるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスやEUのデータベース権について紹介しつつ,従前の状況を敷衍する。そのうえで,CC4.0の登場によりオープンデータとライセンスデザインの問題が新たな局面を迎えていることを指摘し,最後に「CC4.0時代」における今後の展望と課題を論じる。
著者
山本 圭彦 坂光 徹彦 堀内 賢 中川 朋美 林下 知惠 福原 千史 浦辺 幸夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.A0796-A0796, 2006

【目的】 骨粗鬆症などによる高齢者の円背姿勢に対し、運動療法の効果を確かめることは重要である。本研究の目的は運動療法介入により円背姿勢が変化するかを明らかにすることである。<BR>【方法】 対象は、65歳以上の高齢者20名とした。安静立位にて明らかに円背姿勢を呈しているものをエクササイズ群(Ex群)、円背姿勢を呈していない高齢者をコントロール群(C群)として10名ずつ2群に分けた。年齢はEx群(男性2名、女性8名)で80.9±5.2歳、C群(男性4名、女性6名)で79.4±5.5歳であった。Ex群は20分の運動療法を週に2回の頻度で6ヶ月間、筋力増強エクササイズと脊椎の可動性を向上するエクササイズを行った。筋力増強エクササイズは腹臥位での上体反らし運動、脊椎の可動性を向上するエクササイズは腹臥位でのOn hands push upによる上体反らし運動を実施した。胸椎と腰椎の彎曲角度の測定にはSpinal Mouse(Idiag AG,Switzerland)を用いた。測定肢位は立位と腹臥位での安静位および最大体幹伸展位の3肢位とした。胸椎と腰椎の彎曲角度はそれぞれの各椎体間がなす角度の和を胸椎角と腰椎角として求めた。さらに前傾姿勢の指標としてTh1とS1を結ぶ線と床からの垂線がなす角度(全体傾斜角)を求めた。脊椎の可動性は腹臥位での安静位からのOn hands push upによる最大体幹伸展位で求めた。体幹伸展筋力の測定はGT-350(OG技研)を用いて体重比で求めた。統計学的分析にはEx群とC群の比較とエクササイズ前後の比較にはwilcoxon順位符号検定を用いた。エクササイズによる立位姿勢の角度変化と脊椎の可動性および体幹伸展筋力の変化量をそれぞれPearsonの相関係数を用いた。<BR>【結果】 6ヵ月後C群では胸椎角で1.5°、腰椎角で1.7°、全体傾斜角で0.5°屈曲方向へ変化した。Ex群は胸椎角で11.4°腰椎角で10.4°、全体傾斜角で1.6°伸展方向へ変化した(p<0.05)。Ex群はすべての角度でC群と比べ有意に角度変化を認めた(p<0.05)。エクササイズ前の脊椎の可動性が大きい対象ほどエクササイズにより立位姿勢は大きく変化した(r=0.55、p<0.05)。体幹伸展筋力はC群で0.32N/kg減少し、Ex群で0.84N/kg増加した(p<0.05)。エクササイズによる体幹伸展筋力が増加するほど立位姿勢は大きく変化した。(r=0.61、p<0.05)。<BR>【考察】 6ヶ月間の運動療法において脊椎の伸展は促され、前傾姿勢も改善された。視診および本人の自覚から十分に円背姿勢の改善を認め運動療法の効果を確かめることができた。安静立位の脊椎を伸展させるには脊椎の可動性を向上させ、体幹伸展筋力を増加させることが重要であると考えられた。<BR>【まとめ】 今回、運動療法介入により円背姿勢が改善するかを検討した。6ヶ月間のエクササイズにより脊椎は伸展し、円背姿勢が改善された。<BR>
著者
小関 忠尚 中川 明子 嶺尾 徹 野々村 昌雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.136-141, 1988

「肥満とやせの判定表」は現在の日本人の性別,年齢階級別,身長別体重分布にもとついて作られ,合理的で,今後普及すると予想されるが,性,年齢に関係なく一本の数値でまとめられた「あなたの体重表」に比べ,加齢による体脂肪量増加が含まれているので,やせ方向に判定される傾向がある。体重による肥満判定には,体脂肪量が推定出来る背+上腕皮脂厚測定を併用する必要があり,これを併用すれば人間ドックの肥満判定にも使用出来ると考えられる。
著者
大河内 裕之 中川 雅弘 山田 徹生 藤浪 祐一郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.360-370, 2014 (Released:2014-05-27)
参考文献数
22

本州でのニシン稚魚の最適放流条件を知るため,岩手県宮古湾を実験海域として,採卵時期が 1 ヶ月異なる平均全長 50 mm と 60 mm の稚魚群を 1998-2003 年に放流し,2000-2006 年に産卵回帰した親魚の回収率を推定した。得られた回収率は 0.01-0.87%であり,中期採卵群より前期採卵群で高く,同じ採卵群であれば 60 mm 群より 50 mm 群が高かった。放流全長に関係なく早期に放流した群ほど回収率が高い傾向があった。春季の水温上昇に伴うニシン放流稚魚への捕食圧の増加が,回収率決定の主要因と考えられた。
著者
谷口 宏充 栗谷 豪 宮本 毅 長瀬 敏郎 菅野 均志 後藤 章夫 中川 光弘 伴 雅雄 成澤 勝 中川 光弘 奥野 充 伴 雅雄 前野 深 嶋野 岳人 板谷 徹丸 安田 喜憲 植木 貞人 古畑 徹 小嶋 芳孝
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

頭山およびそれを包括する蓋馬溶岩台地に関して、現地調査、衛星データー解析、採集した資料の化学分析・年代分析、国内の関連地層の調査・年代分析などの手法を用いて、白頭山10世紀巨大噴火の概要、白頭山及び蓋馬溶岩台地の火山学的な実態を明らかにしようとした。開始してから1年後に北朝鮮のミサイル問題・核開発問題などの諸問題が発生し、現地での調査や研究者との交流などの実施が徐々に困難になっていった。そのため、すでに収集していた試料の分析、衛星データーの解析及び国内での調査に研究の主力を移し、可能な限りの成果を得ようとした。その結果、近年発生している白頭山における地震多発とマグマ活動との関係、存在は知られているが分布や内容が全く未知である蓋馬溶岩台地の概要が明らかになり、更に、地下におけるマグマの成因についても一定の結論を得た。混乱状態にある白頭山10世紀噴火の年代問題をふくめ、また、北朝鮮からの論文を含め、研究成果は12編の論文として論文集にまとめられつつある。
著者
坂本 彬 井上 博之 中川 致之
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.326-330, 2012-07-15
被引用文献数
4

(1) 日本国内で市販されている世界各地で生産された紅茶12銘柄を購入し,その化学成分などを分析,測定した.12銘柄はスリランカ4,インド3,中国2,日本1である.<BR>(2) タンニン,カテキン類8項目,没食子酸,テアフラビン類4項目,L-グルタミン酸,L-テアニン,<I>γ</I>-アミノ酪酸,遊離糖類3項目の含有量は変動が極めて大きかった.グルタミン酸,テアニン,また総アミノ酸については並級煎茶に匹敵する量を含む銘柄もあった.また<I>γ</I>-アミノ酪酸を60mg%以上含む銘柄もあったが発酵過程で増加したものであるかは判別できなかった.<BR>(3) 4種のテアフラビンを個別に定量した結果,テアフラビン-3,3'-di-0-ガレートが最も多く,ついでテアフラビン-3-0-ガレート,次ぎに遊離のテアフラビンでテアフラビン-3'-0-ガレートが最も少なかった.また,テアフラビン合計値と赤色彩度を示す表色値aの間に相関が認められた.<BR>(4) 遊離の糖類のうち,蔗糖,ブドウ糖,果糖,麦芽糖を分析したが麦芽糖は含まれず,検出された3種のうち蔗糖,ブドウ糖が多く,糖類合計として平均1.6%であった.<BR>(5) 紅茶に含まれる有機酸のうち,シュウ酸を分析した.12銘柄平均含有量は0.54%であったが,シュウ酸特有のエグ味として影響する量ではないように思われた.<BR>(6) pHは緑茶同様にほぼ一定範囲に収まり,ほぼ5.00~5.4の範囲であった.
著者
中川 雅人 河野 篤 北川 博美
出版者
中部学院大学
雑誌
中部学院大学・中部学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:1347328X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.83-89, 2006-03

電子商取引に関する技術と知識の習得を目的として、2004年度より、中部学院大学短期大学部経営学科では「ネットビジネス」という科目を新設した。本論文は、この中で実施した「オンラインフリーマーケット」という実践的カリキュラムについて述べている。商品を販売するためのホームページを制作し、電子メールで交渉を行い、代金引換で発送する仕組みを用いて、安全に「モノ」と「カネ」を交換する仕組みを学習するためのカリキュラムを開発した。
著者
水谷 聡志 中川 覃夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.59, pp.1-4, 2012-05-18

単一のユニットで構成されたシステムに対し、取替・保全時に旧ユニットと新ユニットを,二重系として運用するシステムの最適取替方策を考える.とくに、一重系期間における追加の小修理費用と、二重系運用期間における追加の運用費用を考える.また,ユニットの取替時期に関して(i)偶発故障期間取替モデル.(ii)摩耗故障期間取替モデルの二つのモデルを検討する。これらのモデルに対し、期待費用を導出し,最適方策について解析的に議論する.また,具体的に数値例を挙げて種々議論する.
著者
中川 大 波床 正敏 加藤 義彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.482, pp.47-56, 1994-01-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
18
被引用文献数
6 3

本研究は, 交通網整備によってもたらされる都市間の交流可能性の変遷を計測する方法について論じるとともに, 実際にわが国の都市間を対象としてその計測を行ったものである. 計測にあたっては,「滞在可能時間」とこれを用いたアクセシビリティを指標として採用し, 明治以降の5時点において全国の都道府県庁所在都市を対象に交流可能性を求めた. また, その結果を分析することによって, 高度な交通機関の整備の途上期において交流可能性の地域間格差が広がる期間があることなどわが国の交通整備による交流可能性の変遷の特徴を明らかにしている.