著者
中原 功一朗 中川 伸子
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.54-70, 2008-03

本学経済学部においては,習熟度別クラス編成を伴うカリキュラムにより,英語教育を展開している。また,授業時間外学習を確保するために,学生支援室との連携システム,オンライン学習システムを構築している。2007年度春学期に,上記システムの利用者を対象として,授業時間外学習の状況と上記のシステムに関する意識を調査した。本稿においては,1)1年次カリキュラムと上記システムの概略を説明し,2)上記調査の結果を報告し,3)調査結果の解釈,分析,考察を行った。結果としては,上記システムは概ね有効に機能していると言えるが弱点も見えてきたので,今後の課題や改善のための方向性を提案した。
著者
小見山 章 中川 雅人 加藤 正吾
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.220-225, 2011 (Released:2011-12-29)
参考文献数
25
被引用文献数
3 18

樹形法則を構造的・力学的に解析した既往のパイプモデルと静力学モデルに基づいて, 日本の冷温帯林を構成する樹木について, 様々な場所や樹種に共通して適用できる相対成長関係が存在するかどうかを検討した。岐阜県の冷温帯林2カ所で, 20種81本の樹木 (最大DBH: 61.9 cm) を伐倒して地上部重と, それらを含む12種19本について根系 (最大DBH: 72.3 cm) を掘りあげて根重を調べた。他の研究者が公表した冷温帯樹種における地上部重と根重のデータと比較対照した上で, 地上部重 (22種157本) と根重 (13種33本) を用いて, 2種類の相対成長式を誘導した。幹比重を使用したモデル誘導型の共通式は, その推定値に地上部重で12.59%, 根重で17.67%の相対誤差があった。これら共通式の相対誤差は, 以前から使用されてきた従来型の通常式の相対誤差 (それぞれ18.62%, 22.25%) より小さかった。提案する共通式は, 冷温帯林で現存量や成長量を非破壊的に求める際に, 場所や樹種に対する汎用性, および推定値の再現性を相対的に高める手段になる。
著者
永森 久美子 土江田 奈留美 小林 紀子 中川 有加 堀内 成子 片岡 弥恵子 菱沼 由梨 清水 彩
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.17-27, 2010 (Released:2010-10-28)
参考文献数
23
被引用文献数
4

目 的 母乳育児中および母乳育児の経験がある母親の体験から,混乱や不安を招き,母親の自信を損なうなどといった効果的でなかった保健医療者のかかわりを探索する。対象と方法 研究協力者は都内の看護系大学の母乳育児相談室を利用した母親35人と,第2子以降の出産をひかえた家族ための出産準備クラスに参加した母親5人の計40人であった。データ収集は研究倫理審査委員会の承認を得て,2007年8月~11月に行った。データ収集方法は半構成インタビュー法で,内容は,「授乳や子どもの栄養に関して困ったこと,不安だったことは何か」,「それらの困ったこと・不安だったことにどのように対処したか」などであった。録音されたインタビュー内容を逐語録にしたものをデータとし,母親が受けた支援で,「混乱を招いた」,「不安になった」などというような医療者のかかわりを抽出した。抽出された内容をコード化しサブカテゴリー,カテゴリーに分類した。結 果 母乳育児をしている母親が混乱や不安を招くような保健医療者のかかわりとして,【意向を無視し押し付ける】,【自立するには中途半端なかかわり】,【気持ちに沿わない】,【期待はずれなアドバイス】,【一貫性に乏しい情報提供】の5つのカテゴリーが抽出された。母親は保健医療者から頻回授乳や人工乳の補足を強いられているように感じ,授乳の辛さや不安を受け止められていないと感じていた。その結果,母親は後悔の残る選択をし,授乳に対して劣等感や失敗感を抱いていることがあった。また,母親が自分で判断・対処できるようなかかわりでなかったために,自宅で授乳や搾乳の対応に困難を抱えたままでいることもあった。結 論 母親は母乳育児への希望を持っていたが,保健医療者のかかわりにより混乱や不安を感じていることがあった。保健医療者には,母親の意向を考慮した母親主体の支援,母親が自立していくための支援,母親の気持ちを支える支援,適切な観察とアセスメント能力,一貫性のある根拠に基づいた情報提供が求められていると考えられた。
著者
岡 徹 古川 泰三 中川 拓也 末吉 誠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0116, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに】腓骨筋腱脱臼は比較的珍しく,また症状が足関節外側側副靭帯と酷似するために見逃されることが多い。そのため症例数が少なく治療方針や手術方法,術後理学療法の評価や治療プログラムの報告が非常に少ない。今回,我々は外傷により生じた腓骨筋腱脱臼の1例を経験したので報告する。【症例紹介】56歳男性,瓦職人。仕事中に屋根から転落し左足から接地して受傷,左足外側に痛みが出現する。他院にて治療するが歩行時の疼痛と脱力感や不安感が改善せず,受傷から2ヶ月後に当院を受診しMRI,CTおよびレントゲン検査にて左腓骨筋腱脱臼(Eckert分類・GradeI:上腓骨筋支帯と骨膜が連続した状態で腓骨より剥離)と診断され手術となる。手術手技はDas De変法で腓骨外果後方部に骨孔を作成し,上腓骨筋支帯断端を付着部に再逢着した。【方法】疼痛(以下:NRS),足外反筋力(MMTにて計測),足背屈ROM,片脚立位保持時間,日本足の外科学会足関節判定基準(以下:JSSFスコア)などの各評価を術前,術後4週,8,12,及び24週で評価した。理学療法は術後2週間はギプス固定,3週よりプラスチック短下肢装具装着し部分荷重と超音波治療を開始,6週でサポーターと足底板を使用し全荷重独歩となる。12週でスポーツ動作練習のランニング開始しとなる。術後より,筋力強化練習(体幹・股・膝・足関節患部外)をおこない,術後6週より患部外反筋強化運動とROM運動を開始した。その後,足底板のチェックを行いながら,バランス練習,スポーツ動作を実施した。【結果】歩行時の脱力感や不安感は全荷重時より改善したが,疼痛は術前NRS4/10が術後12週で3/10と改善したが16週までは残存した。外反筋力は術前,術後8週,12,24でMMT3,3,4,5と改善した。背屈ROMは術前0度が術後12週で10度と健側と同等まで回復した。片脚立位保持時間は術前5秒が術後24週で30秒以上の保持が可能となった。JSSFスコアは術前,術後4週,8,12,24で59,32,65,81,100点と改善した。ADLは術後16週ですべて痛みなく自立し,仕事復帰は術後12週で可能となった。足関節のサポーターは術後24週まで装着した。【考察】新鮮腓骨筋腱脱臼はまれな疾患であり保存療法では再脱臼率が74~85%と高いとされ,新鮮例の場合でも診断が確定すれば手術療法を選択したほうが良いとされる。受傷機転としては,強制背屈や外反により腓骨筋腱を押さえている上腓骨筋支帯が腓骨より剥離あるいは断裂して生じる。本症例も転落時の左足強制背屈回旋により発症したが,術後の足機能は良好な回復となった。これはDas De変法の上腓骨筋支帯断端を付着部に再縫着し長腓骨筋腱の不安定性が改善したためと考える。Das De変法術後の固定期間の報告では,白澤らは2週,新井らは3週,安田らや萩内らは4週間の固定と様々である。今回,我々は術後6週まではギプスとプラスチック短下肢装具で他の報告よりも長めに固定した。また,その後のサポーターも術後24週まで継続して装着した。術部の足外反筋強化運動も術後6週以降に自動介助で痛みに留意して進め,早期より炎症の軽減や癒着防止などを目的に超音波治療も積極的に施行した。Das DeらはDas De変法術後の長期成績として21例中3例に疼痛や瘢痕でのROM制限を認め,白澤らも17例中2例に再脱臼を認めたと報告している。Das De変法を用いた術後理学療法は,上腓骨筋支帯断端部の癒合が未完成な術後12週までは上腓骨筋支帯断端部の再断裂や縫着部位の炎症に注意しながら慎重に理学療法を行うことが重要と考える。また,仕事やスポーツ復帰後も継続的な筋力強化運動が必要である。【理学療法学研究としての意義】本疾患の報告は少なく,理学療法の評価方法や治療プログラム,患者の回復経過などの報告はほとんどない。今後,本疾患の予後や評価,理学療法プログラムの一助になると考える。
著者
中川 幸二 秋葉 機四郎 石塚 與喜雄
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.13-21, 2011

This study was to propose a replaceable event at night with low visibility on the observation deck of Mt. Hakodate. Two possibilities were studied. The first was to project a picture of night view on cloud. To check this possibility, flow distribution around Mt. Hakodate was studied by numerical simulation and water tunnel experiment. The result showed a very low possibility. The other was to project a picture such as night view on a water-sprayed screen. This experiment indicated that the screen has another utility besides as a part of fire prevention system.
著者
川井 大陸 山本 一公 中川 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.1-6, 2014-12-08

歌声の自動歌詞認識の第一段階として,本稿では伴奏なし日本語歌唱の自動歌詞認識を行う.このために歌声に適応した言語モデル,音響モデル,発音辞書を使うことで伴奏なし独唱の自動歌詞認識を検討する.言語モデルには歌詞をうまく捉えるために歌詞コーパスで学習した単語 N グラム言語モデルを使用した.音響モデルの学習には,歌声データ不足を補うため少量の歌声データを用いて 2 種類の適応化をした.1 つ目は MAP 適応による音響モデルの適応学習である.MAP 適応では 40 名 40 曲の歌声データを使う方法と,1 曲の話者適応データを使う方法を試みた.2 つ目は朗読 MFCC と歌声 MFCC のペアを使って学習したニューラルネットワークによる特徴変換である.歌声で頻繁に表れる 「伸ばす音」 に対処するため,発音辞書のバリエーションを増やした.性能評価には,事前に伴奏音を除去した JPOP 男性 7 名 7 曲の楽曲を用いる.実験の結果,提案システムは音節認識精度 46.1% (音素認識精度 59.0%),単語認識精度 25.9% を示し,新聞言語モデルと話し声音響モデルに基づく従来のシステムより良い性能を示した.As a first step, we consider Japanese lyrics recognition in monophonic singing that contains no musical instruments. To express singing well, we attempt to use an n-gram language model using a lyrics corpus, singing-adapted GMM-HMM-based acoustic models and plural pronunciation lexicons for vowel-lengthening. We attempted to adapt the read-speech AMs to sung-speech AMs using two approaches. One is MAP adaptation and the other is neural network-based feature transformation. For adapting to singing, we use 40 pieces of music sung by 40 male singers. For adapting to speaker, we use a piece of music sung by a male singer who is the same speaker as a singer of a test data. To deal with the property of singing offten involving lengthening the duration of each vowel, we augment the pronunciation variations. Evaluation is performed on a test set that contains 7 pieces of commercial music sung by 7 male singers. As a result of experiments, our system showed syllable accuracy of 46.1% (phoneme accuracy of 59.0%) and word accuracy of 25.9% in male monophonic Japanese singing. This result showed higher accuracy than a conventional system based on the newspaper LM and the read-speech AM.
著者
中川 昌子 木内 みどり 小尾 道子 殿塚 雅克 小林 和美 日野 亨 舟越 和久
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.304-312, 1975
被引用文献数
17

The reaction of tryptamine with &delta;-valerolactone in tetralin gave &delta;-hydroxyamide (3) as the main product and the lactam (4) as the minor product. However, the reaction of 5, 6-dihydro-2-pyrone with tryptamine or aniline afforded a mixture of the corresponding &alpha;&beta;- and &beta;&gamma;-unsaturated lactams, whereas, 2-pyrone did not react with either tryptamine or aniline to give the corresponding pyridone. Cyclization of 3 or 4 by Bischler-Napieralski reaction and followed NaBH<SUB>4</SUB> reduction provided a convement synthesis of 1, 2, 3, 4, 6, 7, 12, 12b-octahydroindolo [2, 3-&alpha;] quinolizine (23).
著者
野々村 美宗 小林 直人 中川 直樹
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.435-438, 2011-12-20

固体粒子が液液界面や気液界面に吸着してエマルションや泡を安定化する場合がある。これまでの研究の多くは,単純な球状のエマルション/泡に関するものばかりだったが,最近では固体粒子がネットワーク構造や共連続構造などの複雑な構造も構築することが明らかになった。本解説では,固体粒子を使ってサツマイモ状エマルションや梅干し状エマルション,非球形多相エマルションを調製する方法を紹介する。これらの知見は,医薬品や食品,化粧品,塗料などの製剤や材料を開発するうえで有用である。
著者
西井 修 荒川 文男 石橋 孝一郎 中野 定樹 志村 隆則 鈴木 敬 橘 貢 戸塚 米太郎 津野田 賢伸 内山 邦男 山田 哲也 服部 俊洋 前島 英雄 中川 典夫 成田 進 関 光穂 島崎 靖久 里村 隆一 高須賀 知哉 長谷川 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.98, no.23, pp.17-24, 1998-04-24
被引用文献数
6

2命令を同時に実行し、チップサイズが58mm^2のマイクロプロセッサを開発した。0.25ミクロン, 5層配線CMOSプロセスを用い、200MHz動作時の消費電力は1.2Wである。本報告は、チップ概要、低電力のための機構、および高性能化のために行った設計内容について述べる。浮動小数点演算の高性能化のため、1クロックにつき7個の単精度浮動小数点演算を処理可能なグラフィックFPU、およびサポート命令を設けた。このグラフィックFPUは2ステージ構成の4元内積(積和)演算器を有する。該内積演算器のディレイ(シミュレーション値)は3.69nsである。
著者
有田 武美 中川 正雄 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.28, pp.7-12, 2001-04-20
被引用文献数
2

家庭内ネットワークが注目を集めてきており,映像を主としたエンターテイメント系の高速・リアルタイム情報の伝送に適したIEEE 1394インターフェース(i.LINK/FireWire)が,PCやビデオ機器を中心に普及し始めた.本稿は,それを無線化してさらに便利なものとすることをねらい,MMAC(マルチメディア移動アクセス推進協議会)で検討を進めて,この3月に標準規格(ARIB STD-T72)として制定したワイヤレス1394システムの考え方,具体的な仕様内容とホームネットワーク構築技術について述べる.
著者
中川 圭 鈴木 正徳 海野 倫明 遠藤 公人 片寄 友 松野 正紀
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.823-828, 2000-12-01
被引用文献数
2 4

著者らは骨髄異形成症候群 (myelodysplastic syndrome: MDS) による続発性造血性ヘモクロマトーシス (erythropoietic hemochromatosis) を基礎疾患とした肝細胞癌の1切除例を経験した.<BR>症例は平成元年より肝機能異常・貧血を指摘され, 平成9年肝硬変・糖尿病の診断. 平成10年胆嚢摘出術の術前精査で骨髄異形成症候群 (MDS-RA (reactory anemia) 型) の診断を受け, 平成12年経過観察中にS5, 8境界領域の高-中分化型肝細胞癌を認め手術施行した. 術後のペルシアンブルー染色でKupffer細胞が強く染色されるとともに肝細胞に鉄顆粒が認められ, 本症例が続発性ヘモクロマトーシスであることを示唆していた. MDSでは無効造血で鉄が余剰となるため合併症として本症のごときヘモクロマトーシスを発生しうる. 本症例はヘモクロマトーシスに肝癌を併発し切除されたもので, 本邦報告例としてはきわめて稀な症例である.
著者
渡邉 志 塚本 博之 松本 有二 中川 雅文 白濱 成希 宮本 和典 中谷 直史 冨田 雅史 森 幸男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.75-84, 2014-04-25

8名の被験者(20代男性)について1/fゆらぎを持つとみなせる楽曲(以下,1/fゆらぎ楽曲)および環境音(白神山地のせせらぎ音)を聴取させたときの加速度脈波解析を行った.加速度脈波の測定は1/fゆらぎ楽曲および環境音の聴取前・聴取中・聴取後の合計300s間行い,その後Visual Analog Scale(VAS)による主観評価測定を行った.加速度脈波解析の結果,交感神経活動の指標値であるLF/HFについては,1/fゆらぎ楽曲の聴取時に有意に減少する傾向が見られた.一方,環境音聴取時には増加する傾向が見られた.また,これらの音源の印象についてのVASによる主観評価値から被験者を分類し考察することを試みた.