著者
増田 哲也 渡邉 雄一 松本 真佑 佐伯 幸郎 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.479, pp.89-94, 2014-02-28

従来多くのコンテキストアウェアサービスでは,表現可能なコンテキストが現在の状況に限定されていた.そこで我々は先行研究において,ホームネットワークシステム(HNS)に蓄積された住宅ログを活用することで,過去の状況も考慮したより高度なコンテキストを表現する手法を提案している.この先行研究では,住宅ログを用いたコンテキスト(ログコンテキスト)の定義と活用について提案を行っているが,具体的なシステムの実装にはいたっていない.そこで本研究では,実際のHNS環境(CS27-HNS)で蓄積している環境センサの値とそのログに対象を絞り,それらを利用した環境ログコンテキストを取得するシステムを設計・実装する.実装においては,ログコンテキストをできるだけ容易に作成・管理できるように,システムをアプリケーション,ログコンテキスト,ログクエリ,DB接続の4つのレイヤで構成した.また実装したシステムを利用して, CS27-HNSにおいて実用的な環境ログコンテキスト「昨日より5℃以上寒い」「ここ数年で最も寒い」を定義し,システムを通して実際に取得できることを確認した.
著者
外山 勝彦 小川 泰弘 大野 誠寛 中村 誠 角田 篤泰 松浦 好治
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は,日本法の動きに関する情報を即時に,分かりやすく国際発信するための支援環境の構築である.特に,統計的機械翻訳の利用とターミノロジーの構築により,法令の要約である「法令のあらまし」の翻訳・理解・発信を支援する手法とその有効性を示す.本研究の結果,「法令のあらまし」に対する日英統計的機械翻訳手法と文書構造化手法,複単語表現対訳辞書の構築手法とそれを用いた統計的機械翻訳手法の開発,法令改正に伴う法令ターミノロジーの経時変化の抽出・可視化手法などを開発した.また,「英文官報」からの対訳法令用語2,750語の抽出や,現在有効な定義語6,890語からなる法令ターミノロジーの構築も行った.
著者
添田 一弘 石井 正則 福田 佳三 近澤 仁志 山崎 ももこ 吉田 茂 中村 将裕
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.118-123, 2006-06-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
12

高齢化社会を迎えるにあたり, めまい・平衡機能の低下する症例の増加が予想されている。しかしながら, 平衡機能に対して体性感覚による姿勢制御の関係を調べた研究報告は本邦では少ない。そこで, 今回我々は指先接触による体性感覚と姿勢制御に関する詳細な研究を行った。その研究の解析のために, 指先接触の圧測定と重心動揺検査の関係を分析する新たな解析システムを開発した。被験者はインフォームドコンセントの得られた健康成人9名とした。その結果, 指先接触による身体の安定化が有意に示された。また視覚情報のない閉眼時には, 被験者は指先接触への依存が大きくなることが示され, 平衡機能の体性感覚として, 指先接触は重要な情報となることを示す結果が得られた。
著者
豊島 裕子 中村 晃士 西岡 真樹子 清水 英佑
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.70-78, 2005-03

アパレル産業は, 仕事で独特な芸術性を要求され, 残業時間が長く, 雇用状態が不安定で労働者の負荷となる要因が多く, 他の業種と比較して職業性ストレスが多い産業ではないかと考えている. そこで, 男性561人, 女性387人からなる某アパレル企業において, メンタルヘルスに関して産業医面談を受けた66人の社員を分析して, 報告する. 産業医面談を受けた社員は, 他の社員に比して, 労働時間が長く, 雇用条件が不良で, より芸術性を要求される職種の人たちであった. アパレル企業では, "Specialty store retailer of Private-label Apparel(SPA)"という業務システムを取り入れている. SPAでは, 社内ブランド同士の競争が激しく, ブランド内では1週間周期で新商品の開発, 縫製, 出荷をこなさなければならず, 労働者のストレス, 疲労は高まる. 以上より, アパレル企業は極めてストレスの多い職場と結論した. ストレスの多いアパレル企業のメンタルヘルス健康管理では, 産業医が面談で疑わしいと判断した社員は速やかに精神科に紹介すること, また産業医自身も問題を抱えた社員に対しては頻回に面談を行うこと, 職長は部下の休暇, 作業能率, E-メール送信時のマナーなどに気を配ることが重要と考える. 病欠していた社員が復職する際は, 短時間勤務から徐々に勤務時間を延ばしていく「慣らし出社」が, 円滑な復職に有効であった.
著者
松村 寛一郎 中村 泰人
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.339-349, 2000-08-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7

アジア各国における食料供給を植物性食品と動物性食品に分類する。前者は,農地面積と肥料投入により説明されるものとした。農地面積は,土地利用モデルより与えられ,肥料投入量は所得の関数であるとした。動物性食品は,アジア各国ドルベースにおける一人あたり平均所得からの乖離が,その各国における供給量を決定しているものとした。既に構築されたアジア各国食料需要モデル,アジア各国土地利用モデル,今回構築された食料供給モデル組み合わせ,需給量をカロリー換算することにより,実勢値を表現可能なモデルが得られたことを確認した。各国毎に,予想経済成長率,予想就業者人口比率,1994年時点の為替レートを用いた場合に2010年までのカロリーべ一スによる一人あたり食料需給予測を試みた。
著者
大坪 研一 中村 澄子 今村 太郎
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農藝化學會誌 = Journal of the Agricultural Chemical Society of Japan (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.388-397, 2002-04-01
被引用文献数
29 36

精米の袋に品種,産地,生産年を表示することが義務づけられたため,客観的方法によって表示の正否を確かめるための技術開発が必要とされている.そこで,農業試験場の基準品種を試料とし, PCR法による実験に供試した.有望なRAPDプライマーを用いて品種識別バンドを選定し,アガロースゲルから切り出したDNAを大腸菌に組み込んで増幅し,その塩基配列を決定した.その配列のRAPDプライマー部分から延長して15~29量体のフォワードプライマーおよびリバースプライマーを設計した.こうして作成したSTS化プライマーを組み合わせることにより,「コシヒカリ」を他の品種と識別するためのポジティブプライマーセットおよびネガティブプライマーセットを開発した.これらのセットを用いるPCRにより,全国の33産地の「コシヒカリ」では同一のDNAパターンが得られ,「コシヒカリ」と他の49品種との識別が可能であることが明らかとなった.このプライマーセットの開発により, 1粒の米試料による「コシヒカリ」の同定が可能であるばかりでなく,他品種米の混入も簡易かつ明瞭に検出することが可能となった.
著者
赤垣 友治 佐々木 義憲 中村 等
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

新素材「ガラス繊維強化PTFE系複合材料」の摩擦摩耗特性を広範囲な実験条件の下で評価し,メンテナンスフリー型軸受の実用化の可能性を検討した。得られた結果を要約すると次の通りである。【1】高速無潤滑下における摩擦摩耗特性:すべり速度が〜40m/sで摩擦係数は0.4〜0.45で最大となる。この時の摩擦面温度は〜130℃で,粘弾性変形抵抗が最大となる温度に一致する。10m/s以上では,〜0.3でほぼ一定である。比摩耗量は(1.5〜3.3)x10^<-6>(mm^3/Nm)である。摩耗面は微細な褐色酸化鉄粒子で覆われており,これらの保護作用により破局的な摩耗形態へ遷移しないと言える。このように高速無潤滑という条件下においても,破局的な摩耗を生じない,新規な特性を有していることがわかった。しかし,相手材がステンレス鋼や硬質クロムめっきなどの場合,複合材料の摩耗量は各々〜2倍,〜1000倍大きくなる。【2】油潤滑下の摩擦摩耗特性に及ぼすすべり速度と荷重の影響:金属製の軸受が焼き付きに遷移するような薄い油膜が形成されるような厳しい条件下においてもPTFE系複合材料は焼き付きに遷移せず低摩擦・低摩耗を維持した。高速高荷重下において,油煙が発生するような厳しい摩擦条件下においても焼き付きにき遷移せず,摩擦係数0.02〜0.04を維持した。この時,リング温度は100〜150℃,比摩耗量は10^<-6>(mm^3/Nm)のオーダーであった。【3】油潤滑下の摩擦摩耗特性に及ぼす相手面粗さの影響:金属製軸受や他の複合材料(PEEK)は,相手面粗さが油膜厚さより大きくなると,低摩擦係数(〜0.008)から高摩擦係数(0.06〜0.1)へ急激に遷移し,焼き付きの様相を示す。しかし,PTFE系複合材料は,相手面粗さ依存性が小さく,摩擦係数の上昇率は小さく,激しい焼き付きの様相を示さない。【4】摩耗粒子分析及び摩耗機構の解析:摩耗粒子発生量はきわめて少なく,レーザ回析式粒度分布測定装置では,ほとんど検出できなかった。唯一検出されたのは,粗いリングと摩擦した場合であった。粒径0.4μ程度の小さな粒子が僅かに検出された。このように,PTFE系複合材料の耐摩耗性が、摩耗粒子分析の観点からも実証された。以上の結果から,PTFE系複合材料は,実験条件を厳しくしても焼付きの様相を示さず,また,発生摩耗粒子数も非常に少なく,メンテナンスフリー軸受への応用の可能性が非常に高いと結論付けることができる。
著者
中村秋香 著
出版者
前川源七郎
巻号頁・発行日
1898
著者
中村 治人
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.293-297, 1979-04-30 (Released:2010-01-08)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1
著者
佐直 信彦 中村 隆一 細川 徹
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.541-547, 1991-07-18
被引用文献数
20

退院後1年以上経った歩行可能な在宅脳卒中愚考54例を対象として,10m最大歩行速度(MWS)と75項目の日常生活活動遂行の関係を検討した.性別,年齢,麻療側,罹病期間,家庭内地位,MWSを説明変数とし,各項目の遂行頻度を目的変数として,数量化I類を用いて分析した.MWSが第一義の決定因として選出された活動は27項目であった.身辺処理や新聞を読むなどの静的活動はMWSの速度とは無関係であった.20m/分以上で掃除,買物などの家事,趣味や旅行などの余暇活動,40m/分以上で政治,文化講演会参加,80m/分以上では老人などの世話を行っていた.MWSは在宅脳卒中患者の日常生活活動の予知に有用である.
著者
益澤 秀明 平川 公義 富田 博樹 中村 紀夫
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.104-110, 2004-02-20
被引用文献数
4

交通事故による脳外傷後には,特徴的な知的障害・人格変化・社会適応障害が後遺しやすい.しかし,専門家も見過ごしやすいため社会問題になり,"高次脳機能障害"とよばれるようになった.しかし,この命名では従来からの高次脳機能障害と紛らわしく混乱が生じている.そこで"脳外傷による高次脳機能障害"とよぶことにした.本障害は外傷後の意識障害の期間と関連し,急速に生じる全般性脳室拡大の程度とも関連する.つまり,本障害はびまん性軸索損傷やその他のびまん性脳損傷によってもたらされる大脳白質損傷による神経ネットワークの障害と考えられる。画像所見変化に注目することにより非外傷性疾患との鑑別も容易であり,急性期管理に携わる脳神経外科医の眼が後遺症評価においても重要である.
著者
三浦 房紀 鈴木 素之 村上 ひとみ 中村 秀明 多田村 克己 瀧本 浩一 朝位 孝二 大島 直樹 久長 穣 榊原 弘之 三石 真也 中田 幸男
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、行政と住民が協力して災害時の情報を収集、処理、提供するとともに、災害時要援護者の安否確認を迅速に行い、救助活動を支援するシステムの開発を行った。入力情報には、気象庁の情報のほか、地震計と3次元雨量計を設置して、独自でも入力できるシステムとした。広く住民に情報を提供するためには、デジタルサイネージを用いて、安否確認システムの要援護者が持つ端末はスマートフォンを用いて、サーバはクラウドシステムを用いてシステム構築を行った。宇部市をモデル地域として、市の防災や福祉に関連する部署、高齢者、聴覚障碍者の協力を得て、プロトタイプシステムを構築、その機能検証を行った。
著者
樋口 匡貴 中村 菜々子
出版者
上智大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

コンドームの適切な使用を阻害する羞恥感情を低減するための介入プログラムについて,購入状況と使用・使用交渉状況に大別して検討を行った。購入時に関する検討の結果,インターネット上でVTRを閲覧させる介入プログラムの羞恥感情低減効果およびコンドーム購入の自己効力感の増加効果が確認された。また使用・使用交渉時に関する検討の結果,ウェブサイトでのインタラクティブな介入プログラムの羞恥感情低減効果が確認された。
著者
中村 桃子 佐藤 響子 マリイ クレア 熊谷 滋子
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

第一に、スパムメール、親密な関係を扱った小説、日常会話を分析し、「女ことば」や「男ことば」が、異性愛規範に沿ったセクシュアル・アイデンティティ構築に利用されていることを明らかにした。第二に、マスコミの多様なセクシュアル・アイデンティティ遂行とことばの実践を考察し、その歴史的な変動を明らかにした。第三に『ことばとセクシュアリティ』(邦訳)を出版した。第四に、多くの国際学会でこれらの研究成果を発表した。