著者
奥山 裕照 岩田 辰吾 小浜 和貴 田中 仁 橋田 裕毅 中村 吉昭 牧 淳彦 高林 有道
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.2364-2368, 1998-12-01
被引用文献数
2

回腸腸間膜静脈瘤を原因として消化管出血を来したWilson病の1例を経験した.症例は28歳の女性.19歳時よりWilson病と診断され, 小康状態であった.ところが平成8年12月13日より突然下血を繰り返したため, 平成8年12月16日, 精査目的に入院となった.血管造影(上腸間膜静脈相)にて右卵巣静脈とシャントを形成する回腸腸間膜静脈瘤を認め, その部位からの出血と診断し, 腸間膜静脈瘤を含む回腸部分切除術を施行した.既往歴に虫垂切除術があり, 腸間膜静脈瘤の発生に関与したと考えた.Wilson病を基礎疾患とする異所性静脈瘤の報告例は本邦初でまれであり報告した.
著者
吉川 亮 中村 佐紀子 宮川 信一 北村 孝司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.495, pp.23-26, 2008-02-20

近年,その登場が期待されている電子ペーパーの表示方式の有力候補である電気泳動ディスプレイ(EPD)の表示制御を可能にする薄膜トランジスタ(TFT)の作製を試みた.フレキシブル性は電子ペーパーが持つ理想の形態であるため,制御素子も同様にフレキシブル性が要求される.そこで本研究では絶縁膜にポリマー材料,半導体層には有機化合物の銅フタロシアニン(CuPc)を用いた.EPDの制御素子として機能する特性の獲得のためにCuPcの膜厚の最適化や絶縁層表面の平滑性の向上を図り,EPDセルの制御を成功させた.また,フレキシブルTFTの試作も行った.
著者
中野 優子 赤澤 昭一 中村 聡江 當時久保 正之 内田 優介 中村 弘毅 牛島 知之 高木 浩史
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.368-373, 2013 (Released:2013-07-09)
参考文献数
12

症例は78歳男性.平成2年に2型糖尿病を発症しメトフォルミンにて内服加療を開始した.平成21年10月頃より,HbA1cの上昇を認め,α-GI投与を開始し,1年後より,腹部膨満感,放屁,軟便と便秘を繰り返すようになった.平成23年3月に臍上部の激痛のため,当院受診した.腹部単純X線検査で大腸の拡張を,腹部CT検査で樹枝状陰影を示す門脈ガスを認めた.α-GI投与による門脈ガス血症(HPVG)と診断し,ボグリボースの内服中止・絶食とし保存的治療を行い,2日後の腹部CT検査で門脈ガスは完全に消失した.本症例ではα-GIの中止によりすみやかにHPVGは消退したが,腸管壊死を伴う場合死亡率はきわめて高率である.HPVGは,腸管粘膜に何らかの損傷があり,ガスなどの貯留などにより腸管内圧が上昇し発症すると考えられる.α-GIの副作用と類似した消化器症状が再出現し,繰り返す場合は,HPVGも念頭に置き,注意深い観察が必要である.
著者
中村 利夫
出版者
浜松医科大学
巻号頁・発行日
1996-12-06

浜松医科大学学位論文 医博論第244号(平成08年12月06日)
著者
加 三千宣 山本 正伸 中村 有吾 竹村 恵二 守屋 和佳 谷 幸則
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

地球温暖化に伴って、数十年スケールで大変動する太平洋のイワシ資源は、今後どのような変動を示すのか。中世温暖期におけるイワシ存在量の数十年スケール変動の振幅変化とそのメカニズムの解明を試みた。マイワシには過去1000年間において300年スケールの変動が見つかり、中世温暖期とそれにつづく小氷期という汎地球規模の気候変動に対して応答しないことがわかった。一方で、マイワシ存在量の300年スケール変動の背後には太平洋とその東西陸域を含む空間規模を持つ気候変動と関連している可能性が示唆された。日本マイワシ資源変動の環境要因として、北西太平洋の餌環境が重要である可能性が示唆された。
著者
中村 昌彦 小寺山 亘 柏木 正 梶原 宏之 山口 悟 兵頭 孝司
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

近年全地球規模における環境変化の予測、環境保全に関する研究がますます盛んになってきている。これらの研究を行うためには地球環境に大きな影響を及ぼす海洋の時間的・空間的な観測データが必要であり、係留ブイシステムを利用した観測が行われてきた。しかし、空間的なデータを得るためには、数多くの係留ラインとセンサーが必要であり、莫大な設置コストが必要となる。また、設置海域によっては漁船の曳航網等によって係留ラインが切断され、データの回収が不能になる場合もある。そこで、本研究では、係留ラインを用いることなく、定められた範囲内に留まる(バーチャルモアリング)ことで空間的な海洋環境計測が可能な高機能自律型海中ビークルの開発を目指す。初年度はまず水中ビークルによるバーチャルモアリングシステムの計測アルゴリズムを検討し、水中ビークルに要求される仕様を決定した。また、CFDによりビークル形状を検討するとともに、小型モデルを製作し、流体力計測を行い、得られた流体力係数を用いて運動計算シミュレーターを作成した。次年度は、センサー・データ記録装置を搭載した模型によるグライディング試験を水槽で行い、シミュレーターの精度が良好であることを確認した。さらに、ビークルに内蔵した重錘を移動することにより、安定した運動制御が可能であることをシミュレーションにより確認のうえ、制御アルゴリズム検証用水中ビークル模型"LUNA"を製作し、動作確認を水槽で行った。最終年度は異なるタイプのアクチュエーターを製作し、シミュレーション・水槽試験を実施し、重心の移動によりグライディング中の円盤型ビークルの針路制御が可能であることを示した。以上により、円盤型海中グライダーを用いたバーチャルモアリングシステムが海洋環境計測に有効に利用できることがわかった。
著者
中村立行著
出版者
朝日ソノラマ
巻号頁・発行日
1976
著者
中村正也著
出版者
朝日ソノラマ
巻号頁・発行日
1976
著者
中村 智幸 手塚 清 大友 時夫
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.42, pp.84-84, 1999-03

那珂川の天然アユ資源を適正に管理するためには,再生産状況を把握する必要がある。そこで,アユ仔魚の流下状況を調査した。仔アユは10月1日から11月26日にかけて採集された。採集数が多かったのは10月下旬から11月上旬にかけてで,この頃が流下の盛期だったと考えられる。総流下数は約2,177万尾と算出された。昨年の推定値は約249万尾であったことから,昨年に比べて今年の流下数は多かったと考えられた。
著者
松元 秀次 川平 和美 下堂薗 恵 衛藤 誠二 緒方 敦子 中村 康典
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、神経筋電気刺激療法を用いて嚥下に関する筋群を刺激することで、嚥下障害に対する新しい治療法の確立を図った。嚥下障害と診断された患者に対して、電気刺激療法を用いて治療することで、安全性の確認とともに訓練効果を舌骨や喉頭の動き、嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査などで確認することができた。得られたデータを学会で発表し、論文にまとめて採択に至った。嚥下障害患者への新しい治療法の一つになると考えられ、さらには誤嚥性肺炎予防につながると考えられる。
著者
寺内 まどか 中村 和雄 松岡 茂 宮下 直
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.7-16, 1985-08-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
9

(1)1983年および1984年4月から11月にかけて,茨城県谷田部町農業研究センターの圃場およびその周辺の畑地と林で見られたキジバトの個体数を数えた.その結果,畑では,ムギ,トウモロコシ,ラッカセイなどの刈り跡やダイズ畑で多く見られる傾向があった.それに対して,林の個体数は安定していた.(2)キジノミトの〓のう内容物を分析した結果,ほとんどの餌が植物質で占められ,それも農作物の割合が高かった.(3)キジバトの餌を林床と畑からサンプリングした結果,植物質の餌は畑に集中していて,林床ではわずかしかみられなかった.(4)これらのことから,キジバトは,繁殖場所である林では密度が安定しているが,畑では採餌のために比較的広い範囲から個体が集まり,特にムギやダイズなどの刈り跡に集中して餌を得ていると思われる.
著者
中村 純作
出版者
全国英語教育学会
雑誌
全国英語教育学会紀要 (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.186-200, 1990

In the field of computerized English teaching, whether CAI, CALL or CMI, there arises the problem of representing numerical data in a form which can be easily grasped by both students and teachers. This is because the amount of accumulated data becomes so huge that it sometimes is very difficult to discover the tendency hidden in the data. In this article, some ways of graphically representing numerical data already installed in the CMI system developed by the author are reviewed, and the possibilities of a new method called Chernoff Faces, introduced to deal with the problem of representing the results of questionnaires, are explored.
著者
中村 正利
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.31-42, 2000

This paper deals with the question: what does Carnap's conventionalism consist in? As Quine points out, logic is needed for inferring logic from conventions. In the same way, in order to show that mathematics is true by convention, or to provide a justification for mathematics by convention, the very mathematics must be presupposed, as Godel puts it. So, the conventionalist claim that logic and mathematics are true or justified by convention must fail. Is this predicament not a problem for Carnap's conventionalism? I shall argue it is not, for his conventionalism does not aim at justification of logic and mathematics. It is what Carnap later called "explication" that he tries to undertake with his conventionalism.
著者
清水 哲朗 加藤 博 山下 巌 斎藤 智裕 竹森 繁 中村 潔 穂苅 市郎 山田 明 島崎 邦彦 小田切 治世 坂本 隆 唐木 芳昭 田沢 賢次 藤巻 雅夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.753-757, 1990-03-01
被引用文献数
6

食道の小細胞型未分化癌に対し,温熱療法を併用した集学的治療を施行し,約9か月の生存を得られた症例を経験したので報告する.症例は75歳男性.昭和62年7月より嗄声,嚥下困難が出現,近医にて食道癌と診断され,11月16日当科入院となった.入院後の諸検査により,ImEiIuにわたる切除不能食道癌で,生検により小細胞型未分化癌と診断された.11月30日より放射線療法計47Gy,免疫・化学療法として,BLM計65mg,CDDP計150mg,5FU計4,500mg,VP-16計180mg,OK432計57.2KE,PSK99gを投与し,これらに局所温熱療法9回を加えた集学的治療により,症状はもちろん,食道造影上も,腫瘍陰影が消失した.しかし,昭和63年7月になり,多発性肝転移により再入院,8月6日死亡した.放射線・温熱併用療法の局所に対する効果は期待されるが,より有効な化学療法の検討が必要であると考えられた.