著者
薦田登志矢 佐々木 広 近藤 正章 中村 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.101, pp.33-38, 2008-10-12

近年, LSI のリーク消費電力の増加が問題となっている.本稿では,これに対し,演算器の実行時リークエネルギーを削減することを目的としたコンパイラによる PG 制御手法を検討している.この手法においては,コンパイラによって命令にスリープビットと呼ばれるビットを付加することで演算器内部の演算ユニットに対して細粒度な PG を適用する.ここでは,実行時命令履歴を解析し,この PG 制御手法の潜在的なリーク電力削減効果を見積もった.その結果,理想的なスリープビット付加が達成された場合,演算ユニットのリーク電力を大幅に削減できることが分かった.As semiconductor technology scales down, leakage-power becomes dominant in the total power consumption of LSI chips. For reducing runtime leakage-energy of execution units, we propose a compiler-based control power-gating strategy. In the proposed control starategy, we need to add 1 bit to instructions, which is called the ``sleep bit''. Sleep bit decides whether the execution unit should sleep or not after its use. We estimate the maximum effect of the proposed strategy by analyzing the instruction and cache miss trace information. The result shows that the proposed strategy have great potential to reduce run-time leakage-energy of execution units.
著者
中村 直貴
出版者
上越市立春日小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

理科実験中のメタ認知的活動は重要視されている。そこで, 理科実験中の学習者が活動の途中でそのスピードを落としたり立ち止まったりして過去を振り返る(メタ認知する)ためのチェック項目を実装したワークシートを開発し, 実践を行った。ワークシートの開発に当たっては, チェック項目に思考活動を活性かさせるためにメタ認知的活動の基と考えられているメタ認知的知識を含むようにした。チェック項目があることによって, 学習者の何がどのように変わったのかを明らかにするために, 学習者のワークシートの記録や質問紙調査, 実験活動中の様子について分析を行った。その結果, 中学生を対象にした実践では, チェック項目付きワークシートを用いることで, 理科実験中の77.4%の生徒のメタ認知的活動をサポートすることができた。また, 学習者自身もそれらを意識していることが確認できた。さらに, ワークシートの改善点を明らかにするために, うまく活用できなかった生徒について, 人間がどのように考え, 学習し, 問題を解決するかを説明するために用いられる概念(認知処理過程)であるPASS理論の考えをもとに分析したところ, 課題を達成するのに必要な準備を工夫したりそれをうまく使ったりする(プランニング), 問題を解決するために手順通りに行う(継次処理), 競合する刺激に対する反応を抑制する一方で選択的に注意を向ける(注意), 読解スキル(同時処理)などの認知処理過程をうまく用いられないことによりチェック項目を活用できず, メタ認知のサポートを十分に受けられない生徒がいることも示唆された。より多くの学習者のメタ認知をサポートするには, 活動に関連付けやすい内容にすることでプランニングの負担を減らすなど, 学習者の認知処理過程に配慮する必要がある。
著者
岡野 郁子 松原 行宏 岩根 典之 中村 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.336, pp.7-12, 2005-10-08
被引用文献数
1

本研究では, 学習者がより体験的に学習できるように簡易視点変更機能を数学分野におけるVR型学習支援システムで使用することを検討している.簡易視点変更機能とは身体動作に連動し, 3次元空間内を自由に移動し, 観察することができる機能である.没入感, 臨場感, 操作感といったVRの特徴とこの簡易視点変更機能を利用し, 数学分野の空間図形における学習支援システムを提案する.
著者
中村 誠太郎
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.94-106, 1990-11-20

標準模型は電磁相互作用と弱い相互作用を統一し,ゲージ理論の基礎の上に立って広い範囲の現象の説明に成功していると信じられている。しかしくわしくしらべると弱い相互作用に関与する重粒子カーレントはnon-leptonic decayとsemi-leptonic decayとで相互作用の選択律がちがう,また共に普遍的にV-A型では説明できない,これはたとえクオークの力学が完成したとしても,それだけでは説明できるかどうか分らない程複雑である。また巨大質量をもつウィーク・ボゾンの質量を説明すべく導入されたヒグスボゾンは定義が不十分で実験以前に問題が残っている。さらに,ワインバーグ角やカビボ角のような任意常数の値を現象毎に調節していることは完全な理論とはいえない。われわれはこのような不完全な普遍性をもつ標準理論をやめて,まず素粒子の多重項と強・弱の二つの相互作用の中から,素粒子の対称性の理論を建設し,これにもとづいて,相互作用の選択律を推定した。軽粒子の相互作用は,ミンコフスキー空間の中のhelicityの反転に対する不変性から導いた。non-leptonic decayではこの不変性は破れるが,更に電荷の反転をつづけて行えば不変性が成立つという複合反転を仮定し,実験との一致をえた。semi-leptonic decayに対しては,湯川理論の立場にもどり,まず重粒子カーレントからメソンへ移り,次にメソンがウィークボゾンをへて軽粒子カーレントにつながるというモデル(Strong meson dominance)を採用し,実験を説明することができた。光子の他に質量ゼロ近くに中性のウィークボゾンδがありうるかを調べた。
著者
阿保 七三郎 三浦 秀男 工藤 保 当眞 秀夫 池田 利史 中村 正明
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.377-381, 1980-05-01
被引用文献数
40

日本における食道癌と他臓器との重複癌症例に関する集計報告はこれ迄なされていなかったので, 第23回食道疾患研究会 (1977.10) のさい加入全国施設の御協力をえてその実態を調査した. 報告を戴いた63施設の全食道癌患者数は11,732例でこの中食道の同時性重複癌は251例 (2.1%), 異時性重複癌は136例 (1.5%) を占め圧倒的に男性に多かった. 年齢は50∿60歳代に多く食道との重複癌臓器としては胃が絶対的に多くこの中早期胃癌が約 20% を占めていた. しかし遠隔成績では食道癌治療の困難性に加え, 他臓器癌が重複する関係上その予後は不良で, 特に同時性食道重複癌では1年以内に 72% が死亡していた. 異時性重複癌では初癌が食道癌であったものが約 25% にすぎず他臓器癌先行例が多かったため, 初癌からの予後は同時性重複癌に比べるとやや良好であったが, 食道癌治療時からの予後はやはり不良であった. なお多重複癌症例についても調査した.
著者
佐々木 功 藤田 卓也 村上 正裕 山本 昌 中村 英次 今崎 一 村西 昌三
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.1256-1261, 1994-09-15
被引用文献数
13 18

Absorption of azetirelin, a new thyrotropin-releasing hormone (TRH) analogue, from the gastrointestinal (GI) tract was evaluated. The bioavailability of this compound after oral administration was considerably poor in rats. Studies were undertaken to elucidate the mechanisms for this low oral bioavailability of azetirelin. The plasma azetirelin levels following intravenous and hepatoportal vein injection were virtually identical over the dose range of 0.02-0.1 mg/kg, indicating a minor contribution of the hepatic first-pass metabolism of this drug. Azetirelin was stable against peptide hydrolases both in luminal fluid and intestinal mucosal homogenates, whereas its degradation occurred when incubated with cecal contents under an anaerobic condition. In addition, complete degradation of azetirelin during the GI transit was disclosed by analyzing the fecal sample collected after oral administration of [^<14>C] azetirelin. These results suggested that gut bacteria may be responsible for the hydrolysis of azetirelin in the GI tract. The low intestinal permeability of azetirelin was revealed by a modified everted gut experiment in various segments of the rat intestine. The poor membrane transport characteristics of azetirelin may be due to its high hydrophilicity. From these results, it was suggested that the insufficient oral bioavailability of azetirelin may be mainly attributed to its low intestinal permeability due to a lack of lipophilicity, and also to the degradation of the peptide by intestinal microflora.
著者
横山 ゆりか 伊藤 俊介 長澤 夏子 横山 勝樹 中村 佳甫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

場所愛着に関する研究はいくつかあるが、いずれも戸建を中心とした住宅や古い既成住宅地域を対象とした研究である。本研究では、戦後郊外に面開発されてきた比較的新しい計画住宅団地とその周辺地域に対する愛着の醸成について考察する。同一県内に異なる時期に開発され、計画の異なる2つの住宅地を対象とし、居住者の大人と子どもにプレイス・アタッチメントを問う計量的・質的調査を行った。その結果、住民の入居時期と年齢層によって異なる愛着の状態が形成されている実相を示し、それを反映した研究手法が地域のプレイス・アタッチメント研究に今後求められることを明らかにした。
著者
原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 中富 昌夫 浅井 貞宏 水兼 隆介 奥野 一裕 福島 喜代康 伊藤 直美 井上 祐一 小池 隆夫 大西 勝憲 大道 光秀 山田 玄 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 武内 健一 新妻 一直 柳瀬 賢次 友池 仁暢 中村 秀範 加藤 修一 佐田 誠 池田 英樹 板坂 美代子 荒川 正昭 和田 光一 原口 通比古 星野 重幸 五十嵐 謙一 嶋津 芳典 近 幸吉 瀬賀 弘行 関根 理 鈴木 康稔 青木 信樹 滝沢 敬夫 兼村 俊範 竹村 尚志 長尾 光修 濱島 吉男 坂本 芳雄 坂田 憲史 豊田 丈夫 大角 光彦 小林 宏行 河合 伸 酒寄 享 杉浦 宏詩 押谷 浩 島田 馨 佐野 靖之 荒井 康男 北條 貴子 小川 忠平 柴 孝也 吉田 正樹 岡田 和久 佐藤 哲夫 古田島 太 林 泉 宍戸 春美 松本 文夫 桜井 磐 小田切 繁樹 鈴木 周雄 綿貫 祐司 高橋 健一 吉池 保博 山本 俊幸 鈴木 幹三 下方 薫 川端 原 長谷川 好規 齋藤 英彦 酒井 秀造 西脇 敬祐 山本 雅史 小笠原 智彦 岩田 全充 斉藤 博 三木 文雄 成田 亘啓 三笠 桂一 二木 芳人 河端 聡 松島 敏春 副島 林造 澤江 義郎 高木 宏治 大泉 耕太郎 木下 正治 光武 良幸 川原 正士 竹田 圭介 永正 毅 宇都宮 嘉明 秋山 盛登司 真崎 宏則 渡辺 浩 那須 勝 橋本 敦郎 後藤 純 河野 宏 松倉 茂 平谷 一人 松本 亮 斎藤 厚 健山 正男 新里 敬 伊志嶺 朝彦 上地 博之 比嘉 太 仲本 敦 我謝 道弘 中島 光好
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.901-922, 1997-11-25
参考文献数
20
被引用文献数
19
著者
本井 幸介 中村 心也 田中 直登 山越 憲一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.268-275, 2013-08-10 (Released:2013-12-11)
参考文献数
25

Recently, the freak accidents in home have been increased and they are caused by the asphyxiation, drowning, falling, fire, and toxicosis. Especially in bathroom, the accident frequently arise and thus the healthcare monitoring and the accident detection system can be useful for attainment of safe and untroubled daily life. While some monitoring systems for moving state using infrared ray and ultrasonic wave were already developed, these methods distinguish only whether or not a bather is moving. Also, detailed motion analysis using CCD camera has the problem of privacy for the practical use. From these viewpoints, we designed the monitoring system for the electrocardiogram and respiration signal using bathtub-installed electrodes, showing its usefulness for the healthcare and the drowning alarm during taking a bath. However, the range over which this method is possible is limited in the bathtub and thus the detection in washing place are impossible. To solve this drawback, we developed a new system capable of detecting the accident in the washing place together with the pulse and respiration rate using a bath mat type multipoint pressure sensor located in washing place of bathroom. From the results of the accuracy evaluation in 20 healthy subjects, it is demonstrated that the present system can accurately detect the accident [60/60, 100%]and show the good correlation between the pulse [r=0.99] and respiration [r=0.95]obtained from the system and those obtained from the conventional methods using the sensors attached to the body surface.
著者
初瀬 龍平 野田 岳人 池尾 靖志 堀 芳枝 戸田 真紀子 市川 ひろみ 宮脇 昇 妹尾 哲志 清水 耕介 柄谷 利恵子 杉浦 功一 松田 哲 豊下 楢彦 杉木 明子 菅 英輝 和田 賢治 森田 豊子 中村 友一 山口 治男 土佐 弘之 佐藤 史郎 上野 友也 岸野 浩一 宮下 豊
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、戦後日本における国際関係論の誕生と発展を、内発性・土着性・自立性の視点から、先達の業績の精査を通じて、検証することにあった。研究成果の一部は、すでに内外の学会や公開講座などで報告しているが、その全体は、『日本における国際関係論の先達 -現代へのメッセージ-(仮)』(ナカニシヤ出版、2016年)として集大成、公開する準備を進めている。本書は、国際政治学(国際政治学、政治外交史)、国際関係論(権力政治を超える志向、平和研究、内発的発展論、地域研究)、新しい挑戦(地域研究の萌芽、新たな課題)に分けた先達の業績の個別検証と、全体を見通す座談会とで構成されている。
著者
伊藤 達明 中村 幸博 手塚 博久 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.37, pp.81-86, 2009-09-24

放送やネットワークの高度化に伴い,視聴者は自宅に居ながら様々な番組を視聴できるようになった.その一方で,TV番組の選択肢も増えるため,大量の番組の中から視聴者の嗜好にあった番組を見つけ出すための仕組みが求められている.本稿では,それらの問題を解決するために,ユーザの嗜好を内在し,多様な情報が継続的に更新されるという特徴をもつライフログを活用したTV番組レコメンドシステムを提案する.さらに,TV番組の視聴履歴に加え,滞在地履歴やWWW閲覧履歴といったライフログを活用することで,TV番組レコメンドにおいて発見性や満足度を向上させ得ることを検証するため,提案手法に基づくプロトタイプシステムを実装し,評価実験を行う.
著者
中村 拓 松中 昭一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.517-522, 1974-12-30

アサガオを光化学オキシダントにたいする指標植物として利用するため, 自然発生した光化学オキシダントおよび人工的に製造したオゾンガス曝露により, アサガオの品種等感受性に影響する要因を検討した. (1) アサガオ品種間の感受性は, ソライロアサガオに属するヘブンリーブルーとパーリーゲイトが最も高く, ニホンアサガオのスカーレットオハラおよびローズクィーンも高い感受性を示した. 同じくニホンアサガオであるが, わい性のキャロルレッドおよびキャロルブルー, うず性の紫獅子は感受性が低かつた. (2) 各生育段階における感受性は, 全葉数10〜35葉期が高く, ごく若いか老化した時期では低下した. (3) 光化学オキジダントの被害は, 特定の葉位に発生する. すなわち, 上から数えて10〜14番目の成熟した葉は感受性が高く, 展開中の若い葉および老化した葉は感受性が低かつた. (4) 施肥量が少ないと感受性が低下した. (5) 土壌水分が不足した場合も感受性が低下した. アサガオの分類について静岡大学助教授 米田芳秋氏の指導を受けた. また本研究の遂行にあたり当研究所生理第5研究室長 太田保夫氏より終始有益な指導と助言を与えられた. ここに両博士に深謝の意を表する. 本研究は昭和47年度より開始された環境庁計上の「農林水産生態系における汚染物質の循環と指標生物に関する研究」の一環として行なわれたものの一部である. 研究設定に尽力された各位に深く感謝するものである.
著者
本間 義治 牛木 辰男 武田 正衛 中村 幸弘
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.345-353, 2007-02-28

浮遊遠洋性の珍蛸アミダコ(♀)が, 2004年11月から2005年2月下旬にかけて,上・中越地方を中心に新潟県沿岸へ漂着したり捕獲されたりして,34個体が記録された.これらの中で,2月15日に掬われ,上越水族博物館へ収容され,18日に死亡した全長53cmの個体を10%フォルマリンで,次いでブアン氏液で固定し,卵巣・卵管の組織標本を作成して,観察した.卵巣重量は40g,抱卵数は60,000個以上であった.卵巣は中央に卵巣腔があり,多数の包嚢からなり,嚢内には様々の発育段階の卵巣卵(非同時発生型)が存在していた.若い卵母細胞は,それぞれ結合組織性の薄膜(層板)に付着していた.初期の卵母細胞には,円形の核(生殖胞)が明瞭であるが,発育が進むと卵は長楕円形となり,卵胞上皮が随所から陥入し始め,複雑に入り組み,卵黄形成が盛んとなる.さらに成熟が遊むと,卵母細胞は大きく球状化して,最大径1.2 mmに達する.卵膜には放射線帯,卵胞膜,莢膜の分化が明瞭となり,卵黄は板状化する.近位卵管内壁の粘膜は高く,複雑にひだ打っているが,遠位卵管壁は厚い結合組織と筋肉層で覆われ,内壁の粘膜は低く,ひだ打ちの程度は小さかった.浮遊遠洋性アミダコ卵母細胞の成熟過程は,沿岸性のマダコや深海性のメンダコ類などと変わらず,多回産卵を行うと推定された.